↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Monsters Evolve Online 〜生存の鍵は進化にあり〜  作者: 加部川ツトシ
第23章 海エリアへ遊びに行こう

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

753/1633

第753話 海での討伐作戦 その1


 成熟体のアンモナイトを利用したイカの討伐作戦が始まった。現時点ではシアンさん達がイカを追い込む役目で、ここに呼ばれなかった人達で包囲網を構築中である。

 まぁいくらフィールドボスのイカが逃げ回って厄介な状態でも、倒すには間違いなく過剰戦力なんだけど、そこはお祭り騒ぎという事で気にしない。

 そしてアンモナイトを実際に相手をする俺らは浅くなっている岩場の上で待機中であり、そこに招き猫さん達がアンモナイトをこの場所まで誘導してくる事になっている。


 お、そうしている内に何度かログインとログアウトを繰り返していたサヤがクマで戻ってきたね。まぁ何度かログインしたりログアウトをしたりはしてたから途切れ途切れでいるにはいたけど、大型化の再登録は終わったか。


「ただいまかな!」

「サヤ、おかえりー! サヤが危なくなったら、私が身を張って守るからねー!」

「え、それってどういうことかな!?」

「えっと、それは――」


 そうしてハーレさんもカステラさんや辛子さんと同じような事をするとサヤに宣言していった。サヤからしたらいきなりだったから驚いたみたいだけど、理由を聞けば納得はしていたね。今回の作戦では多少の無茶は許容範囲。

 あ、そういやアンモナイトの誘導班はもし昇華魔法を使われた場合はどうするんだろ? 土属性のアンモナイトだから使ってくるのはデブリスフロウだろうけど、海中で移動速度が速いカジキの人が一緒なら効果範囲から抜ける事も出来そうではある……? まぁアンモナイトの移動速度にもよるのか。


「全員少し注目してくれ! アンモナイトの方で動向をチェックしていた奴から連絡が来た。アジの群れで岩場の迷路は抜けて、カジキがアジを咥えた状態でアンモナイトを引き連れつつこっちに向けて移動中だ」

「拙者達もそろそろ本格的に作戦が開始であるな!」

「だな! 全員、気合を入れていくぞ!」

「「「「「「「「「おー!」」」」」」」」」

「無茶な役割ではあるが、期待しているぞ」


 さーて、ベスタから期待していると言われてしまったし、全力で頑張っていこうじゃないか! アンモナイトを活用して、しっかりとイカを仕留めないとね。

 でもその前に、さっき気になった事は聞いておこう。場合によっては色々と手順が変わる可能性もありそうだし……。


「ベスタ、ちょい質問。今の段階で招き猫さん達が昇華魔法を使われたらどうすんの?」

「その場合はケイ達に誘導役を引き継いでもらうつもりだ。……だが、現時点で昇華魔法はないとは思ってるがな」

「え、なんで? あ、いや待った!」

「……ケイ、自己解決しそうなら俺に聞く意味があるのか?」

「……ないかもなー。それはともかく、アンモナイトが魔法型だから昇華魔法を使えば後がないんだな!」

「まぁそういう事だ。……むしろ昇華魔法を使ってくれた方がありがたいんだが、おそらくそれはないだろう」


 そんなによく考えなくても分かる話ではあったね。アンモナイトの識別情報から明確に魔法型になっている以上、魔力値を全て消費する昇華魔法の使用は後がなくなるから、簡単には使ってこないよなー。……ベスタがその辺の事を考えずに作戦を立てる訳がないか。

 まぁ仮にアンモナイトが昇華魔法を使ってくるとしたら、明確に攻撃パターンが変わる場合の可能性が高い。……いきなり初手からぶっ放す可能性は全く無い訳じゃないけど、その可能性は低いはず。


「……どうやら予想は当たっているようだぞ」

「ベスタ、どういう事だ?」

「単純に連絡用に組んでいるPTからの報告を受けてるだけだ。単純なアースバレットでアジの群れがかなり減ったそうだ」

「……それって群れの個体が一般生物だからか? それとも威力が高いからか?」

「アルマースの疑問も尤もだが、現時点ではどちらとも……いや、少し待て」


 あー、ベスタは今は報告を受け取る為にそれ用のPTを組んでいるのか。アンモナイトの方にはそれを見つけたヘビの人とかがいそうだし、包囲網の指揮を取っているレナさんもそのPTに入ってそうだね。

 こういう状況ならPT会話を使う方が情報は伝えやすいだろうし、そこで何かの動きがあって報告が来たんだろうね。


「イカの方に進展ありだ。何度か撃ち込み直した発光針と集まっているメンバーが多くて見失う事が無くなったイカをシアン達が捕捉した。それでまだ未完成ではあるが包囲網の中に誘導は成功したそうだ」

「わっ! 包囲網作戦、大成功なのさー!」

「発光針って思った以上に役立ったんだね」

「元々発光針ってこういう用途だったんじゃないかな?」

「これまで明確に使う機会も無かったが、おそらく役割としてはそうだろうな。今回の作戦のMVPと言っても過言ではない役割だ」

「……あはは、ハッキリとそう言われるとむず痒い……え、何!?」

「はい!?」


 そんなヨッシさんの声を遮るように、異変が明確に現れてきた。……ちょっと待て、海中だからそれほど轟音という訳じゃないけど、アンモナイトのいる方向で浅瀬じゃなくなる岩場の端の方が無くなっていってる!?


「あれって、この岩場の端が崩れてるのかな!?」

「少し待て、確認する。おい、何があった? ……なに? あぁ、分かった。そのまま巻き込まれないように距離を取って様子を確認して報告をしてくれ」

「ベスタ、何があった……?」

「2連発のアースボムが岩壁に炸裂したそうだ。それでアジの群れは完全に壊滅、カジキの奴も爆発の余波で吹き飛ばされたらしい」

「……それって大丈夫なのか?」

「群れのアジは壊滅したが本体は死んではいないし、カジキの方も吹き飛ばされてダメージを受けたが上手く距離を取るのに利用はしたそうだ。……もうそれほど距離はないから、戦闘の準備はしておけ」

「……ほいよっと」


 結構とんでもない状況になってるみたいだけど、ベスタがアンモナイトの誘導役に選んだ人達ではあるんだな。流石に群れとして扱った一般生物のアジは耐えきる事は出来なかったみたいだけど、アースボムの爆発の余波を利用してアンモナイトから距離を取るとはね。


 まぁ呑気にそうやって話している場合でもないな。俺らの位置から見える岩場の端がアンモナイトの魔法で崩されたとなると、もうそれほど距離はない。

 それに爆発魔法が2発って事は、単純な並列制御か……もしくは付与魔法の効果ありの通常発動での爆発魔法の強化効果だろう。……ははっ、成熟体ともなれば付与魔法で強化した魔法を平然と使ってくるっぽいな!


「いーやー!? 何あれー!? 昇華魔法で瞬殺されるより怖いー!?」

「ちょ、招き猫、暴れんな!?」

「だってあのアンモナイト、殺意が漲ってるんだけど!? わー!?」

「危ね!?」


 お、カジキに咥えられたアジの2組の姿が見えてきて……って、その背後からアンモナイトが出てきた。


<ケイが成熟体・暴走種を発見しました>

<成熟体・暴走種の初回発見報酬として、増強進化ポイント8、融合進化ポイント8、生存進化ポイント8獲得しました>

<ケイ2ndが成熟体・暴走種を発見しました>

<成熟体・暴走種の初回発見報酬として、増強進化ポイント8、融合進化ポイント8、生存進化ポイント8獲得しました>


 とりあえず成熟体の発見報酬は手に入ったね。あ、何かカジキの人が急旋回をして何かを避けて……って、ちょっと待って!? なんか猛烈な勢いで土の弾がこっちに向かってきてるんだけど!?


「アルマース! 海流で上空に打ち上げろ!」

「おうよ! 『海流の操作』!」


 カジキの人が避けた事でそのままその先にいる俺らに向けてやってきている土の弾を、アルが真下から操作した海流で打ち上げて……いや、触れた瞬間に爆発した!? やっべ、これ魔法砲撃と付与魔法で威力が強化されたアースボムか!?


「うわっ!?」

「きゃ!?」

「ヨッシ、大丈夫かな!?」

「ちっ、俺が海流で余波を抑える! みんなは海上に上がってろ!」

「任せるぞ、アルマース!」

「さて、我らは座して待つつもりはない! 行くぞ、疾風の!」

「おうよ、迅雷の!」

「待て、風雷コンビ! ……ちっ、予め言っておいても聞く耳を持たないか」

「「『魔力集中』『爪刃双閃舞』!」


 あ、風雷コンビがベスタの指示を無視して、アースボムの爆発で飛び散っている土や小石を叩き落としに行った。って、結構叩き落としてるけど、叩き落とせなかった分で盛大にダメージを負いまくってるじゃん!?


「我らは保険! 本命戦力をここで消耗はさせぬ!」

「そういうこった! 今のうちに安全圏に移動しとけ!」

「……助かります、風雷コンビ! 『移動操作制御』!」

「助かる! みんな、乗れ! 『略:空中浮遊』!」

「保険とは言ったが、まだ死ぬんじゃねぇぞ、風雷コンビ!」

「「当たり前だ、ベスタの旦那!」」

「……ちっ! とにかく一度海上に退避だ!」

「了解です!」

「分かったかな!」

「了解!」

「おうよ!」


 思った以上に強力なアンモナイトの魔法の威力だけど、これから俺らはこれを凌いで時間を稼がないといけないのか。……こりゃかなりの高難易度な事になりそうな予感しかしないけど、今更引き下がれる訳もないな。

 それにしても、今の風雷コンビは地味に格好いいと思ってしまった。……普段は小競り合いをしているのが日常風景みたいな事を言われてるのに、今のはなんかズルいだろ。


 ともかく風雷コンビの対処のお陰でアースボムそのものは当たる事はなく、余波で少し流されるくらいで海上へと避難出来た。俺は飛行鎧を使ったままだったので、泳ぐよりも早く移動出来て良かったよ。みんなも慌てながらではあったけど、アルのクジラの背の上に退避は出来ているね。

 ライルさんは移動操作制御に俺と同じように岩の操作を組み込んでいるようで、松の木が大きな岩の上に乗る形で海上へと退避していた。


「うへぇ、成熟体の魔法はおっかねぇな!?」

「それならやめるかい、紅焔?」

「馬鹿なことを言ってんじゃねぇよ、ソラ! これでこそやり甲斐があるってもんだぜ!」

「まぁそこは紅焔らしいよね」

「確かになー! だけど、俺も紅焔には同意だぜ!」

「まぁ一度引き受けた以上は、逃亡は選択肢にはありませんからね」


 そんな風な会話をしつつ、海上を飛ぶライルさんの松の木の樹洞から紅焔さん達が出てきている。さっきまでは海中だったから樹洞の中にいたけど、海上に出て、これからここが戦場になる以上はもう関係ないもんな。

 あ、そうしている間に風雷コンビとベスタが海上に駆け上がってきた。とりあえずはとんでもない威力のアースボムの影響は落ち着いたみたいだけど……招き猫さん達は大丈夫かな?


「ふぅ、何とか凌げたな、疾風の!」

「結構ボロボロになったけどな、迅雷の!」

「まったく、無茶をしてんじゃねぇよ、風雷コンビ! ……無茶ついでに一つ頼もうか」

「任せるが良い、ベスタの旦那!」

「そうだぜ、ベスタの旦那!」

「……招き猫達へ『海流の操作を使って、一気に逃げろ』と伝言を頼む。もし死んでいた時は死んでいたと報告してくれ」

「了解だ! 行くぞ、疾風の!」

「おうよ、迅雷の!」


 そうして風雷コンビは再び海中へと潜って……というよりは駆けていった。この状況では招き猫さん達の状況を確認するのは重要だし、アンモナイトの動向も確認したいところではあるもんな。……こういう時は頼りになるね、風雷コンビ。


「え、今度は何かな!?」

「大量の土砂が海から吹っ飛んできたのさー!?」

「これってアースインパクトじゃない?」


 うっわ、俺の使うアースインパクトよりも勢いがかなりあるぞ。でも海面に対して垂直でもないし、発動時間が長い訳じゃないから、魔法砲撃ではなく通常発動っぽいな。……てか、通常発動と魔法砲撃を使い分けてるよな、アンモナイト!? 見分ける予備動作はあるとは思うんだけど、それを探る余裕があるかどうか……。

 それはともかくとして誰かがふっ飛ばされた様子もないし、死んだ際のポリゴンが砕け散る様子もない。明確に攻撃を続けているから、招き猫さん達は何とか生き残ってるのか? 少なくとも全滅はしてなさそうだけど……。


 お、そんな風に様子を伺っていたら海上に向けて海流が操作されてきて、その中にアジを咥えたカジキの姿が2組見えた。……ついでに海流の上を走っている風雷コンビの姿も見えている。ふぅ、なんとか無事だったみたいだね。


「よーし、生き残ってここまで辿り着いたー! 後は任せたよ、みんなー!」

「アンモナイト誘導班、役目の達成はご苦労だ。エリアを切り替えれば成熟体からの攻撃対象から外れるから、一度そこまで行ってこい」

「了解、リーダー! 標的から外れたら、包囲網の構築の方に参加するねー!」

「それでも良いんだろうけど、いっそ殺されてランダムリスポーンして標的から外れる方が早くねぇ?」

「いやいや、ここまで来たなら逃げ切ろうぜ!」

「おっしゃ、このまま海流で逃げるぜ! 風雷コンビ、ありがとよ!」

「なに、この程度は造作もないわ! なぁ、疾風の!」

「そういう事だから、頑張って逃げ切ってこい! なぁ迅雷の!」

「風雷コンビもこう言ってくれてるし、意地でも逃げ切るよー!」

「「「おう!」」」


 そうして招き猫さん達は海流に乗って、逃亡を始めていく。それにしても成熟体からエリア切り替えのところまで逃げ切れば標的から外れるのは初めて知ったね。……ま、それが大変だという事はよく知ってるけど。


 さーて、招き猫さん達は割り当てられた役割をボロボロになって今にも死にそうな状態になっても達成はしたんだ。次は俺達の役目の番だね。


「おっしゃ、みんな、アンモナイトの足止めをやっていくぞ!」

「「「「おー!」」」」

「招き猫殿達の行為を無駄にはしないのである!」

「おっしゃ、やってやるぜ!」

「紅焔、力み過ぎて失敗はしないようにね」

「僕らの中で誰が一番先に死ぬかな?」

「物騒な事を言ってんじゃねぇよ、カステラ!?」

「余計な事を考えていたら失敗しますよ。集中して下さい」


 俺らと紅焔さん達ではなんだか雰囲気は違いはするけども、これはこれでそれぞれの共同体の個性といったところだろうね。


 さて、役目を終えた招き猫さん達は海流に乗って俺らから遠ざかっている。そしてそれを追いかけるアンモナイトの影が俺らのほぼ真下に見えてきた。さぁ、これからアンモナイトの足止め作戦の開始だ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
自力での電子書籍版もありますので、よろしければこちらもどうぞ。
大きな流れ自体は同じですが、それ以外はほぼ別物!
ケイ以外の視点での外伝も収録!

最新巻はこちら!
電子書籍版『Monsters Evolve Online 〜生存の鍵は進化にあり〜』第20巻

これまでの第1巻〜第19巻はこちらから。
電子書籍版『Monsters Evolve Online 〜生存の鍵は進化にあり〜』シリーズ
― 新着の感想 ―
[一言] アンモナイト、怒髪天を衝く?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。