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Monsters Evolve Online 〜生存の鍵は進化にあり〜  作者: 加部川ツトシ
第23章 海エリアへ遊びに行こう

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第722話 普段とは違うPT


 色々とあったけど、とりあえず俺、ハーレさん、紅焔さん、ソラさん、レナさん、ダイクさんで臨時PTの結成って事になった。ふむ、こういうメンバーというのも少し新鮮な感じがするね。それはそうとして……。


「これって誰がリーダーをやるんだ?」

「あ、わたしはちょっと灰のサファリ同盟の本部にあの迷惑連中について少し話をしてくるから、その辺は適当に任せたよー」

「ほいよっと」


 なんというか、レナさんは言うだけ言って先に桜花さんの樹洞から出てフレンドコールをしに行った。まぁあの4人組については完全に自業自得だから、どうなっても別にいいや。

 ん? ダイクさんと紅焔さんが向き合って何か小声で……あれ、なにやってんだ? 


「よし、それならリーダーは俺がやるぜ!」

「いやいや、ダイクさん、それは俺がやるぜ!」

「おー! ダイクさんと紅焔さんが立候補するなら私もさー!」


 おいこら、そんな事を言いながら俺の方をチラチラ見てくるのはやめなさい。っていうか、完全にさっきの小声はこれを企んでたよね!? これって流れで次に言った人になるパターンじゃん! ……そして何故ハーレさんまでそっちに混ざっている!?


「……これはあれかい? 次に立候補したら『どうぞ、どうぞ』で押し付けられるやつかな?」

「多分そうだと思うぞ、ソラさん」

「……だよねぇ。で、どうするんだい?」

「よし、ここは早い者勝ちって事で……ダイクさん、よろしくな!」

「えっ!? そこはノッてくれねぇの!?」

「いや、だって、思いっきり見え見えだったしさ。という事で、ダイクさんよろしく」

「そこはノッてこうぜ、ケイさん!?」

「いやいや、やりたいならそこは尊重しないとねー」

「そ、そんな……」


 おーい、あえて流れに乗らずにぶった切ったけど、そこまでショックを受ける事か……? ……いや、これすらも俺にリーダーをやらせる為の罠という可能性も……別にPTのリーダーくらいは普通にやってもいいんだけど、流石にああも見え見えの手段を出されると何となく拒否したくなってしまうよな。


「はい、連絡終了! ダイク、項垂れて何をやってるの?」

「はっ!? いや、レナさん、これは!?」

「何を慌ててるのー? まぁそれは後でも良いから、とりあえずPTに入れてー!」

「くっ、これは仕方ない!」


 おっと、慌てたようにダイクさんからPTの申請が送られてきた。しょうもない事をしていてPTを組めていなかったという状況をレナさんには知られたくないんだろうね。……普通にしていれば、俺がリーダーをしても良かったんだけど、まぁとりあえず了承っと。


<ダイク様のPTに加入しました>


 よし、加入完了……って、あれ? PTメンバーが俺だけなんだけど、他のみんなは……?


<レナ様がPTに加入しました>

<ハーレ様がPTに加入しました>

<紅焔様がPTに加入しました>

<ソラ様がPTに加入しました>


 あ、他のみんなもPTに加入して……って、俺の次にレナさんが加入という順番って事はPTが組めていなかったのが丸わかりなんじゃ?


「あれー? ダイク、なんでケイさん以外はわたしの後から加入なのかなー? これって、さっきの慌ててた事と関係あるのー?」

「ちょ、待って、レナさん!? みんな、計ったなー!?」

「ふっふっふ、作戦成功なのです!」

「おうともよ!」


 あ、ハーレさんと紅焔さんがお互いに親指を立てて満足そうにしている。……なるほど、本当の意味で嵌められたのはダイクさんだった訳か。


「……まぁこれは因果応報と言うんじゃないかい」

「……そうかもなー」

「ふーん? さーて、ダイク、どういう事か教えてもらおうかなー?」

「ぎゃー!? ちょ、待って! 移動していくんだし、情報収集もあるんだし、レナさん待って!?」

「それを分かってて、悪ふざけをしてたのかなー?」

「逆効果だったー!?」


 うん、まぁちょっとやり過ぎ感もしてきたけど、レナさんの言っている事も決して間違いではないもんな。とりあえずPT自体は組めたんだし桜花さんの樹洞から出て待っておくか。……桜花さんもいるし、そこまで変な事になったりはしないだろう。


「レナさん、樹洞の外で待ってるぞー! 桜花さん、琥珀さん、俺らはそろそろ行くわ」

「うん、悪いけど少し待っててねー!」

「あー、レナさん、ほどほどにな? ケイさん、また解説の機会でもあったら頼んでも良いか?」

「あ、それは私からもお願いしたいですね」


 ふむ……まぁ、今回のあの程度でも良いのであれば断る理由もないか。それに桜花さんや琥珀さんとかの灰のサファリ同盟が絡んでくるなら報酬も良いものを用意してくれそうだしね。


「ま、用事がない時なら良いぞ」

「おし! んじゃ、頼みたい時に都合が合えば頼むわ」

「ほいよっと。それじゃまたな、桜花さん、琥珀さん!」

「おうよ!」

「また機会があればよろしくお願いしますね」


 そうして挨拶をしてから、レナさんに蹴飛ばされているダイクさんを傍目に、みんなで桜花さんの樹洞から出てきた。

 というか、他の樹洞の中にいた人は笑って見ているだけで止めてる人はいなかったなー。まぁ俺もレナさんとダイクさんのああいうやり取りは何度か見てきたし、みんなも慣れてる感じなんだろう。


「さてと、とりあえずレナさんからすぐに情報は聞けそうにないし、今のうちに情報共有板でも見に行くか」

「私も行くのさー!」

「お、それなら俺も見に行くか。ソラはどうする?」

「僕だけ待っててもつまらないし、僕も見に行くよ」

「んじゃ、レナさんの気が済むまでは情報共有板の確認って事で!」

「「「おー!」」」


 みんなからの異議もないので、今はとりあえずそれで決定。レナさんからの情報も気にはなるけど、さっきまで実況や模擬戦をしてたから、レナさんの持ってる情報は最新ではない可能性もあるからね。

 それでもレナさんからはエリア的な特徴とかは聞けるだろうから、今のうちに確認すべき情報は逃げているイカのフィールドボスがどうなっているかだね。という事で、情報共有板へレッツゴー!


 ヘビ    : 海を泳いでいると、ウミヘビになった気分。

 草花    : 海エリアでヘビを選んで作ったら、ウミヘビになるんじゃなかったっけ?

 木     : あー、そういやそんな情報もあったな。

 ヘビ    : へぇ、そうなんだ?

 イノシシ  : という事は、海で牛を選べばウミウシになれる!?

 カエル   : いや、それはない。ウミウシ自体は種族としているが、牛とは全く違う生物だしそもそも海エリアの開始では牛は選べないぞ。


 オオカミ  : そういうのは結構前から検証情報はあるが、失敗ばかりだから意味はないな。

 木     : そうそう、幼生体で色んな場所で試せば可能性はあるんじゃないかって話もあったけど、それで貴重な仲間の呼び声がどれだけ無駄になった事か……。


 ほほう、何だか少し興味深い話をしている最中みたいだ。というか、仲間の呼び声を使って試した人っていうのもいるにはいるんだね。

 ふむ、それにしても仲間の呼び声をそういう風に使う人もいるのか。海エリア以外の種族を海エリアに持ってくるだけなら、群集拠点種から転移だけで済みそうな気もするけどその辺はどうなんだろ? あ、でも結構前から情報があるって事は試したのが初期エリア間の転移が出来なかった時期という可能性もあるのか。


 って、のんびり見ててどうする……! ちょうど話題は途切れたみたいだし、急を要する話をしている訳でもないみたいだから今は話を切り出しやすいチャンスだな。


 コケ    : あの、ちょっと質問良いですか?

 ヘビ    : お、コケの人からの質問か。今回はどした?

 コケ    : え、今回は……? 私、ここには初めて書き込むんですけど……もしかして、よく聞くコケの人と間違われてます?


 ヘビ    : コケの人違いか!? それはすまんかった!

 オオカミ  : ……まぁそういう事もあるか。すまなかったな。

 コケ    : あ、それは大丈夫ですよ。


 ん!? 俺以外のコケの人が登場ー!? あー、でもそういう事があっても当たり前といえば当たり前だよな。フーリエさんとかジェイさんとか俺以外にもコケのプレイヤーは存在してる訳だしね。 


 リス    : そういう事もあるのさー! そして、本家もここにいるのさー!

 コケ2   : おいこら、本家ってなんだ、本家って!

 オオカミ  : なんだ、いつものコケの人もいたのか。

 コケ2   : まぁ俺もちょっと質問があってなー。あ、でもコケの人の方を優先してくれ。

 コケ    : わっ!? あのコケの人がいるタイミングだとは思いませんでした!

 ドラゴン  : こういうとこは半匿名のここの不便なとこだよなー。

 オオカミ  : その辺についてはある程度は仕方ないだろう。それでコケの人はどういう質問だ?


 ふむ、この喋り方だとフーリエさんとも違う会った事のないコケのプレイヤーっぽい気がするね。他のエリアにもここには顔は出さないけど、他のコケのプレイヤーは存在してるって話は聞いた事はあるもんな。

 さてと同じコケとしては、このコケの人が何を聞こうとしているのかは気になるところではある。質問内容によっては俺が答えられる内容かもしれないしね。


 コケ    : えっと、コケってHPが無いじゃないですか? これをHPがあるようにしたいんですけど、何か手段ってありますか?


 ヘビ    : ん? コケの折角の特異性を捨てたいのか?

 コケ    : このHPがない仕様も面白いには面白いんですけど、エリアによっては負け続けになったりして、少し困ってまして……。あ、今は成長体のLv20です。


 オオカミ  : なるほどな。まぁHPのない種族は特定エリアで無類の強さを発揮する代わりに、極端に弱いエリアも存在はするから気持ちは分からなくはない。


 コケ2   : そういう事なら、樹の進化の輝石と合成進化をすればHPがある状態にはなるぞ。纏樹で同じようになるはずだから、まずは纏樹を試してみるのが良いとは思うけど。


 コケ    : あ、そうなんですか!? それはちょっと試してみたいと思います!

 オオカミ  : それとは別にもう1キャラを育てて融合進化という手もあるな。HPがある種族をメインにして融合進化をすれば、性質が変化するスキルはあるがHPを得る状況にはなるからな。


 ヘビ    : オオカミの人がそうだしな。

 木     : オオカミの人の場合は、まとめに融合進化の例として纏められてるから見て参考にすればいいぞー!

 コケ    : はい、分かりました! 色々見てみて、考えてみます!

 コケ2   : 同じコケとして、コケの人を応援しとくぞー!

 草花    : てか、纏樹でコケがHPを持つって地味に初耳な気がする?

 コケ2   : あれ? 報告は上げてなかったっけ……?

 オオカミ  : 俺も初めて聞く気がするが……それを試したのは何時の話だ?

 コケ2   : えーと、常闇の洞窟で実験してた時だから……あれだな。初期エリア間の移動が解禁になる前か。


 カエル   : 結構前じゃん!? あー、あの時はまとめ機能もなかったっけ。


 うん、何気に結構前なんだよね、コケのみの時に纏樹を使ったのって。あの時にはまとめ機能は無かったと思うし、そもそも報告をしたかは正直記憶が怪しい。あの時、報告ってしたっけなぁ……?


 オオカミ  : ……コケの人、もし余裕があれば纏樹の際の効果の報告を頼めないか? 無理にとは言わないが……。


 コケ    : あ、はい、それくらいなら出来ると思います! でも、コケ2の人でも良いんじゃないですか?

 オオカミ  : コケ2の人は、支配進化……正確にはその先の同調になっているから分離が不可能だ。コケ単体での纏樹の効果を知るには、現状では不適格だな。


 コケ    : あ、そうなんですか。ところで支配進化だとコケってどうなんですか?

 コケ2   : ん? それは何の種族と組み合わせるかにもよるとは思うけど、それほど困ってはないぞ。まぁ森林とかで群体化での死ににくさとかは放棄した形にはなってるけどさ。支配共有や同調共有で生存圏についてはある程度カバー出来るしね。


 コケ    : ……それは興味深いですね。HPを持つようにしなくても支配進化というのはありでしょうか?


 ドラゴン  : ありだとは思うぜ。ただ、その辺はスキルの得手不得手も関わってくるし、実際に自分で色々試してみてからがいいと思うぞ。


 コケ    : ……それもそうですね。色々と手段があるのは分かったので、まとめとかを見ながら試行錯誤をして決めてみます! 質問への回答、ありがとうございました!


 コケ2   : 参考になったなら良かったよ。まぁ頑張って!

 コケ    : はい、それでは失礼します!


 そうして俺とは別のコケの人は試行錯誤をしに行ったっぽいね。ま、どういう方向性を選ぶにしても、このタイミングでの進化で色々と大きく変わるだろうなー。


 オオカミ  : さて、コケの人の質問は一段落ついたところだし、コケ2の人の質問を聞いていこうか。


 他のコケの人の質問があったから順番的に後回しになってしまったけども、これでようやく本題に入れるね。それは海エリアの逃げているイカのフィールドボスの情報を聞いて――


「ふー、みんなお待たせー!」

「ぐ、ぐふっ……」


 いざ、これから本題に入ろうと思ったタイミングでレナさんがダイクさんを引き摺りながらやってきた。どうやらレナさんとしては満足したようである。……それにしてもダメージはないはずなのに、ダメージを受けてる感があるダイクさんだなー。HPは全然減ってないのにね。


「ケイさん! 続きは移動しながらにしようよー!」

「あー、それもそうだな。って事で、ダイクさん、移動は頼める?」

「お、そういう事なら任せとけ!」

「なんだ、ダイクさんはボロボロになってたと思ったが、あっさりと復活するんだな」

「……紅焔、そこは黙っておこう?」

「あ、それもそうか」

「聞こえてるからな、紅焔さん、ソラさん!?」

「それは良いから、ダイクはさっさと準備をする!」

「……ほーい。『移動操作制御』!」


 そうしてダイクさんが水のカーペットを作り、俺とハーレさんとレナさんがその上に乗っていく。紅焔さんとソラさんは水のカーペットの左右に分かれて隣を飛んでいくようだね。


「それじゃネス湖に向けて出発ー!」

「「「「「おー!」」」」」


 今回はレナさんの号令だったけども、まぁそこは誰の号令でも問題はないね。さて、それじゃ今度こそ情報共有板で本命の質問をしていこうっと。

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大きな流れ自体は同じですが、それ以外はほぼ別物!
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― 新着の感想 ―
[一言] 容赦ないけど、これはレナさんがダイクさんに甘えてるからだね~(//▽//) そうして、ダイクさんもそれを良しとしている~するしかない?めちゃくちゃリアルで世話になってる? ∑( ̄□…
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