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Monsters Evolve Online 〜生存の鍵は進化にあり〜  作者: 加部川ツトシ
第23章 海エリアへ遊びに行こう

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第714話 ケイと紅焔の対決 前編


 まずは俺と紅焔さんが模擬戦をする事が決まり、その後に海エリアの現在の状況についての情報収集をしつつ、ハーレさんとレナさんの模擬戦を観ていくことになった。

 今はハーレさん達はダイクさんの水のカーペットに乗って桜花さんの元へ向かっている状況だし、俺らは俺らで模擬戦の受け付けをやっていこう。


「紅焔さん、模擬戦の申請をやっていこう!」

「おうよ!」


 という事で、模擬戦の受け付けが出来るエンの目の前にいるしサクッとやっていこう。まずは項目を開いて、模擬戦の申請をして、そこから対戦相手を指定だったな。どこかで時間があればランダムマッチングもやってみたいけど、今は紅焔さんとの対戦だからね。よし、紅焔さんを対戦相手として指定っと。


<紅焔様に模擬戦の申し込みをしますか?>


 ちゃんと確認画面が出たか、紅焔さんに模擬戦の申し込みはこれでよし。後は紅焔さんからの承認を待って……。


<紅焔様が模擬戦の申請を受諾しました>


 よし、これで模擬戦の申請は問題なし。今回は時間帯が時間帯だから模擬戦の順番待ちは発生してないんだな。まぁ各群集拠点種でそれぞれに20組までは同時に可能なんだし、混雑してる時間帯でなければそれほど待ち時間は発生しないか。


「おっし、順番待ちはないな! ケイさん、樹洞の中に行って模擬戦の設定をサクッとやってこうぜ」

「だなー!」


 そうして紅焔さんと一緒にエンの樹洞の中に入っていく。……うん、やっぱりエンの樹洞の中って、待機場所みたいな雰囲気で独特な感じだよね。

 そういやいつ実装かまでは明言されてなかったけど、以前にあったクエストを改めて行える再現クエストってこの中でやるんだよな。……もしかしたら再現クエストへの参加メンバーが待機する為の場所でもあるのかもしれないね。


 まぁその辺は良いとして、今はササッと模擬戦の設定をしてしまおう。設定をしないと模擬戦開始出来ないしね。とりあえず設定画面を開いて……えーと、まずは対戦エリアからだな。


「紅焔さん、対戦エリアはどこにする?」

「海以外ならどこでも良いぜー! ケイさんの好きに決めてくれ」

「よし、なら俺は海エリアを希望って事で!」

「ちょ!? 話聞いてた!?」

「冗談、冗談。どう考えても紅焔さんは海エリアは不向きだもんな。自分の不利なのは除外したくはなるもんな」

「なにおう!? 俺だって海で戦えない訳じゃねぇぞ!?」

「よし、なら海で決定な!」

「……あ、やっぱり今の無しで。売り言葉に買い言葉だから、ケイさん相手に海は絶対に勘弁……」

「まぁ、そうだろうね」


 紅焔さんなら海エリアの海上で飛んで戦う事は普通に出来るとは思うし、通常ならアイテムで海中への対応も出来るだろうから海エリアで戦えるというのも間違いではないんだろうけどね。

 ただ、海中では非常に戦いにくいのは間違いないから、流石に海エリアは除外だよな。それだと俺が有利過ぎるしね。


「うーん、それじゃいっそ障害物がほぼない草原にしとく?」

「お、草原か! 良いぜ、草原にしよう!」

「んじゃ草原に決定なー」


 とりあえずこれで対戦エリアは決定だね。森林や森林深部でも良いんだけど、火属性の紅焔さんを相手にするなら森を焼き払われる可能性もある。場合によってはそれを逆に利用してもいいけど、今回はそれはやめておこう。

 ちょっと標準で飛行性能を持ってる種族に対して試してみたい戦法もあったりするからね。あー、でも行動値は足りるか……? 大技の方は後の行動値が一気にやばくなるけど、成功すればかなりの効果はあるはず。比較的小技の方はまだ試せてないから、威力が未知数だね……。まぁ様子を見ながら試してみるか。


「おーい、ケイさん? 何か考え込んでるけど、アイテムの使用はどうすんだ?」

「あ、悪い! んー、アイテムの使用は無しにしとくか? その辺は使い始めるときりがないしさ」

「まぁそりゃそうだなー。んじゃアイテムはなしって事で」

「おうよっと」


 さて、これでアイテムの使用も無しになった。……昨日分かったアイテムに対するコケの養分吸収の効果は絶大だけど、ここでアイテムを解禁して得をするのは俺だけでも無いからね。ここはアイテムなしの勝負の方が良い。

 よし、それじゃ最後の項目を決めていこうじゃないか。中継の公開範囲の設定をしていこう。


「紅焔さん、公開範囲は音声ありで灰の群集のみでいい?」

「おう、良いぜ! 外部からの音声についてはどうするよ?」

「あー、どうしようか……」


 今回はベスタ相手ではないからなー。……でも、紅焔さんも決して油断が出来るような相手ではないし、集中するという意味では無いほうが良いか。


「俺は無しの方がありがたいけど、紅焔さんはどう?」

「普段ならありで良いって言いたいとこなんだが、相手はケイさんだしな……。俺も今回は無しにしときたい」

「え、どんだけ警戒されてんの、俺!?」

「いやいや、ベスタさんを少なからず疲弊させたケイさん相手に余裕なんかねぇからな!?」

「そういう理由なのか!?」

「おう、そういう理由だ!」


 おぉう、思いっきり力強く断言されてしまった。……まぁベスタ自身も俺の相手は疲れたとは言っていたし、それを理由に警戒されるのも分からなくもないか。でも、俺は俺でベスタ相手は思いっきり疲弊したけどね!


「よし、これで設定完了!」

「それじゃ、やりますか!」

「あ、紅焔さん、ちょっとだけ待って。準備が終わったってハーレさんに連絡しとく」

「お、そういやそうだな。んじゃ、ちょっと待ってるぜ」

「ほいよっと」


 さて、フレンドコールと共同体のチャットのどっちで伝えようか? うーん、まぁ手間はそれほど変わらないし、すぐに反応出来るかも分からないからチャットにしとこうか。


 ケイ    : ハーレさん、今は手は空いてるかー?

 ハーレ   : あ、ケイさん、準備終わったのー!?

 ケイ    : まぁな。で、そっちは大丈夫か?

 ハーレ   : こっちも丁度準備が終わったとこなのさー! まぁ急な事だったから、人は少なめだけどねー!


 ケイ    : ま、それは仕方ないだろ。とりあえずもう始めても問題はないっぽい?

 ハーレ   : それは大丈夫なのです!

 ケイ    : ほいよっと。それじゃこれから開始するわ。

 ハーレ   : 了解です!


 これで中継と実況の準備も出来ている事は確認出来たね。ちょっとギャラリーは少ないみたいだけど、元々対戦を予定していて喧伝していた訳でもないから、そういう状況になるのはある意味当然ではあるね。


「連絡終了したから、始めるぞー!」

「おうよ! 負けないぜ、ケイさん!」

「そりゃこっちの台詞だって!」


 なんかこのやり取りはちょっと前にやった気もするけど、そこは気にしない方向で。まぁ対戦をするからには負けたくはないもんな。

 俺のコケは通常よりは水属性がある分だけ火属性には少しだけ強いけど、火属性が弱点である事には変わりない。そして紅焔さんは火属性だから俺の水属性は弱点になる。お互いに弱点になり得る相性だから、この勝負はどうなるかな?


 そんな風に模擬戦の設定を終えて、対戦エリアへと通じるエンの樹洞の中にある光の中へと進んでいく。さて、全力で紅焔さんをぶっ倒していこう!


<『模擬戦エリア:草原』へと移動しました。模擬戦の開始のカウントダウンを開始します>


 そうして対戦エリアの草原へとやってきた。ふむ、今回は昼間だけど曇りという環境みたいだね。昼か夜かはランダムだけど、この感じだと天候もランダムみたいである。これって天候によっては運が絡んできそうではあるね。

 それにしても見渡す限り草原で……あ、少し水溜まりみたいな場所や土が剥き出しになっている場所もあるのか。ふむふむ、その辺のちょっとした地形も場合によっては使えるかな。


「ケイさん、初めは距離を取ってから始めるか? それともこのままの位置でいく?」

「俺はどっちでもいいぞー!」

「なら、距離を取ってからって事で良いか? カウントダウンが終わるまでお互いに離れていって、カウントダウンが終わった瞬間にやるって事で」

「お、それ良いな。よし、それで行こう」

「おし、決まりだな!」


 紅焔さんからの提案で、模擬戦の開始はそんな風になった。ふっふっふ、これはこれで面白いかもしれないね。

 とりあえずそんな風に対戦の開始の方法が決まったので、お互いに背中を向けて草原を歩いていく。ふむ、行動値の状況は模擬戦に合わせて全て何も使用していない状態になっていて、カウントダウン中には当たり前だけどスキルも使えないようである。


 でも、紅焔さんは地味に思いっきり空を飛んでるんだよなー。『歩いて』ではなく『離れて』と言ったのはこの為か。飛ぶ手段がスキルに依存しているのではなく、種族的なものだから制約がかからないんだろうね。

 ま、俺は俺でロブスターの背中のコケに視点を移動して思いっきりその状況を見ているのでお互い様って事で!


 そして、模擬戦開始のカウントダウンが進んでいく。残り5……4……3……2……1……0。


<模擬戦を開始します>


「先手必勝! 『自己強化』『高速飛翔』『魔法砲撃』『並列制御』『ファイアクリエイト』『ファイアクリエイト』!」


 おっと、紅焔さんが空中で向きを変え一気に距離を詰めてきながら、ある程度近付いたところで動きを止め口から火の昇華魔法を放ってきた。まだ紅焔さんは小型な龍とはいえ、猛烈な勢いで突っ込んできつつ昇華魔法で火を吹く光景は迫力があるなー。

 ま、先手を取って背中のコケを狙う作戦だったんだろうけど、俺が背中のコケで様子を伺っていたのには気付いていなかったっぽいね。……ま、見えてたらこの奇襲はあまり意味はないか。


<行動値を3消費して『体当たりLv3』を発動します>  行動値 75/78


 ロブスターの尻尾で後方に思いっきり跳ねて、突っ込んで来ている紅焔さんの真下へと飛び込んでいく。ふっふっふ、俺のコケとロブスターの組み合わせは前後の視界が確保しやすいのさ! そして俺の移動速度はまだ上げられる!


<行動値上限を6使用して『移動操作制御Ⅰ』を発動します>  行動値 75/78 → 72/72(上限値使用:6)


 飛行鎧を即座に展開で、光の操作は破棄。体当たりの勢いに移動操作制御に組み込んだ岩の操作を使って、一気に加速していく! よし、紅焔さんの背後を取った!


「なっ!? 対応が早くねぇ!?」

「ま、見えてたからなー」

「え、マジか!?」


 おっと、そう言いながら龍の顔を俺の方に向けて来るのは危ない……って、あっ!? 俺のロブスターの背中のコケを狙ってはいたんだろうけど、首を回して周囲の草花やコケを焼き払っているからこれも狙いか! ……紅焔さんなら俺のコケの遠隔同調は知ってるだろうし、不意打ちを受けないように焼け野原にしようとしてるっぽいな。

 うーん、このままの焼け野原になっても大丈夫といえば大丈夫だけど、選択肢は狭められたくはないよね。……よし、ここはとりあえず小技で対応してみるか。昇華魔法の発動中ってキャラ自体はまともに動かせないし、攻撃を当てればキャンセルさせられるからそれを狙おう。


<『並列制御Lv1』を発動します。1つ目のスキルを指定してください>

<行動値1と魔力値3消費して『土魔法Lv1:アースクリエイト』は並列発動の待機になります> 行動値 71/72(上限値使用:6): 魔力値 213/216

<2つ目のスキルを指定してください。消費行動値×2>

<行動値2と魔力値3消費して『土魔法Lv1:アースクリエイト』は並列発動の待機になります> 行動値 69/72(上限値使用:6): 魔力値 210/216

<指定を完了しました。並列発動を開始します>


 まずは小石を3個ずつ昇華魔法になると困るから、重ねないように合計6個生成していく。そして、次はこれだ!


<『並列制御Lv1』を発動します。1つ目のスキルを指定してください>

<行動値を3消費して『土の操作Lv6』は並列発動の待機になります>  行動値 66/72(上限値使用:6)

<2つ目のスキルを指定してください。消費行動値×2>

<行動値を6消費して『土の操作Lv6』は並列発動の待機になります>  行動値 60/72(上限値使用:6)

<指定を完了しました。並列発動を開始します>


 そんでもって、小石6個を支配下に置いて追加生成で形状を変化させていく。イメージするのは、ヨッシさんが作っていた氷のナイフの石版のナイフを6本。……よし、岩のナイフの生成成功!

 刃渡りは30センチくらいだけど、ロブスターの体長とそんなに大きくは変わらないし大きく見えるね。うん、良い感じだ。


「おー、なんか格好いい……って言ってる場合でもなさそうだな、それ!?」

「まぁね。って事で早速落ちてもらおうか、紅焔さん!」

「落とされてたまるか!」


 魔法で生成しただけで岩のナイフそのものには威力の補正はほぼ無くて、それほど威力は無い筈。だからすぐに効果時間が切れるのを前提に、土の操作の最大加速で威力を補うまで!

 狙いは紅焔さんの龍の翼の付け根と皮膜。2本の岩のナイフで根本を断つように斬りつけて、残り4本で皮膜を斬り裂くように操作だ!


「行っけー!」

「くっ!?」


 そうして紅焔さんの翼を目掛けて6本の岩の刃で斬りつけていく。よし、皮膜に3ヶ所は斬り裂いて穴が空いたけど、翼を根本から斬り落とすのは不可能だったか。でもまぁ、HPは1割くらいは削れたし、これは『土属性強化Ⅰ』の効果は多少はありそうだね。


 それにしても一撃目が当たって昇華魔法がキャンセルになった瞬間に回避行動を取って直撃を避けられるとはね。んー、ある程度は予想してたけどやっぱりこれじゃ威力不足みたいだし、紅焔さんクラスを相手にするなら攻撃自体が軽過ぎるか。

 紅焔さんが自己強化を使ってたのもあるんだろうけど、あの状態でなら大技の方か、昨日やった岩の大剣くらいは必要かもなー。せめて紅焔さんが大型化しててくれればもう少し狙いやすかったんだけどね。


「危ねー!? 焦った!?」

「んー、今ので落とすつもりだったけど、まだまだ甘いかー」

「いやいや、普通のやつなら今ので翼を斬り落とされて終わりだぞ!? 相変わらずとんでもねぇな、ケイさん!?」

「とか言いつつ、普通に避けたよな、紅焔さん」

「そりゃもう終わるのは流石に勘弁だからな!?」


 ふむ、俺から距離を取り始めて、完全に紅焔さんが警戒状態に入ったようである。それにしても翼は斬り落とせなかったけど、皮膜には穴が空いたので飛びにくそうではあるね。

 なんだかんだ言いつつもちゃっかりと周囲を焼け野原にして、致命的なダメージにはならないように回避はしてるんだから紅焔さんだって結構とんでもないよな。

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