第570話 情報の報告
さて、まだまだ検証の途中ではあるけども最低限必要な情報は手に入ったので、情報共有板へと報告をしていこうじゃないか。
コケ : 戻ったぞー!
ドラゴン : 同じく戻ったぜー!
木3 : 中々便利そうな魔法だったぞ。
イノシシ : お、コケの人が戻ってきた!
草花 : これで魔法Lv7の詳細が分かるね。
木 : これは期待。
ネズミ : よし、俺はその間に土魔法Lv6になった! コケの人の報告を聞いて、良さそうなら俺も取得するぜー!
カンガルー : お、再現可能な人が良いタイミングで出たな。
マグロ : 木3の人も便利そうな魔法って言ってるし、有用そうだな。
草花2 : これで風雷コンビが喧嘩した理由も分かるかな?
報告に戻ったと書き込んだ早々にみんなが次々と書き込んできたね。待ちかねていたというのもあるんだろうけど、反応早いなー。
そして良い感じに検証前の書き込みの時に魔法Lv6を目指してたネズミの人が再現可能な条件を整えたようである。この様子なら情報を書き込めばすぐに土魔法のLv7の情報も出てきそうだね。てか、アルが木3の人だろうから、さっきの時って地味に書き込んでなかった……? まぁ別にそれは良いか。
オオカミ : どういうメンバーでやってんのかと思ったら、コケの人とドラゴンの人と木3の人の組み合わせか。どうやら成果は上々のようだな?
コケ : おうよ。とりあえず検証はまだ途中だけど、大雑把な概要だけでも説明していくよ。
クジラ : どんなんだろなー?
クジラ2 : 情報待ちの人もチラホラいたし、楽しみだね。
草花3 : ……うん。内容次第だけど、有用そうならこの後すぐに取る。
ドラゴン : ま、多分ソロじゃなけりゃ取ることになると思うぜ。風雷コンビで割に合わないってのは、一応それなりに理由もあったしな。
カンガルー : あー、やっぱり理由はあるにはあるのか。……ソロ向きでないって事は、結構特殊な感じか?
コケ : その辺も含めて説明していくよ。まず水魔法Lv7の名前から。魔法の名前は『アクアエンチャント』で、今の検証の範囲内で単純にまとめれば、自分には使えないPTメンバーの強化用の付与魔法だな。
オオカミ : 自分には使えない付与魔法か……。なるほど、それは風雷コンビが喧嘩になる訳だな。
サル : 確かに自分に使えないなら、Lv7の操作と比較してあの風雷コンビだと割に合わなくて喧嘩になるかー。
タコ : え、どういう事なんですか?
カンガルー : あー、新規の人だと分からないか。えっとな、風雷コンビっていうほぼ同じスキル構成になってるコンビがいるんだよ。それで、操作系スキルってのと魔法スキルの2種類があって、どっちかのみしか上げれないって状況だった訳だ。
タコ : えっと……? 操作系スキルって海水の操作とかそういうやつですか?
マグロ : あー、そうか。まだ幼生体だから、魔法の取得は不可能なんだっけ。
タコ : え、そうなんですか?
カンガルー : そういやそうだったな。しゃーない、そこから説明していくか。
マグロ : あ、それならこっちでレクチャーしとくぜ。今はみんな新情報を待ちかねてるだろ。
タコ : え、あっ!? 流れをぶった切っててすみません!
コケ : いやいや、気にしなくて良いよ。誰だって初めは初心者なんだしね。
ドラゴン : そうだぜ! ま、ここはマグロの人に任せるがな。
オオカミ : ……そうだな、マグロの人、任せたぞ。
マグロ : おう、任せとけ! って事でちょっとレクチャーするから、タコの人こっち来いな。
タコ : はい、ありがとうございます!
クジラ : マグロの人、情報はちゃんと聞いとくからねー!
マグロ : おう、任せるぞ、クジラの人!
少し脱線しかかったけども、マグロの人の機転により軌道修正は成功だね。色々と前提となる知識が必要となってくるから初心者の人にはこれからの内容はちょっと厳しいもんな。……流石に全部説明してからとなると時間がかかってしまうから、ここはマグロの人に任せるのがベストだろうね。
オオカミ : あー、大体の奴は見当がついたとは思うが、改めてまとめるぞ。おそらく風雷コンビが割に合わないって言ったのは、片方が電気の操作Lv7で同時操作数が強化されているのに、もう片方が自分には付与出来ない電気魔法Lv7になったからという事だな?
コケ : うん、俺もそういう見解。どっちがどっちになったかは知らないけど、片方だけの強化になって不満が爆発したんだと思う。
カンガルー : 風雷コンビについては同じスキル構成で、力量差もほぼないってのが特徴だしなー。それが大きく崩れる事になったのなら、気持ちも分からなくもないか……。
クジラ : 確かにそれはそうだよねー。
草花3 : ……風雷コンビの事情は分かった。でも、PTなら有用そう? もう少し具体的な内容が知りたい。
ネズミ : 俺もそれは知りたいな。付与魔法って具体的にどうなるんだ?
コケ : それじゃその辺の説明からしていくぞ。いくつか種類があるからな。
ヘビ : お、種類があんのか。
草花 : これは祭りになりそうな予感!
ネズミ2 : いや、まだそれほど実行出来る人はいないから。
草花 : あ、そういやそうだった。……出来るとしたら、情報待ちをしてた人くらいかー。
ははっ、みんな興味津々ってとこだなー。ま、ネズミ2の人の言うように、条件を満たせていない人も多いみたいだからね。取得する人が増えてくるとは思うけど、ちょっと時間はかかりそうな気もする。
さて、いつまでも待たしていても仕方ないので、具体的な内容について説明をしていこう。すぐには試せなかったから、まだアルと紅焔さんに伝えてない使用方法もあるからね。そっちの検証をする為にも、報告を手早く済ませていかないと。
コケ : とりあえず1つ目の使い方。これは同じPTにいるメンバーに対して付与する形になるね。あ、連携PTでも有効かはまだ試せてないけど、悪しからず!
カンガルー : 人数的なのは後で確認で問題ないな。今は効果の方が重要だ。
ネズミ : だなー。検証が足りてないとこは、後で取得してから俺らの方でも検証するからさ。
草花3 : ……うん、内容次第だけど、使えそうならその検証は手伝う。
オオカミ : だ、そうだ。未検証の部分は今は置いておいて、分かってるところを重点的に頼む。
コケ : ほいよっと。
ま、俺らだけで全てを検証する必要もないし、少なくとも2人は内容次第では検証をやっていくつもりではあるみたいだもんな。その辺も考慮した上で、確定情報を最優先で報告していくか。
コケ : それじゃ確定した内容からって事で。まず味方への付与はPTを組んでいる事が必須で、組んでいなければ付与対象に出来ない。そして、味方への付与には『攻勢付与』と『守勢付与』の2種類がある。
ヘビ : 『攻勢付与』と『守勢付与』……? 名前的に攻撃的な付与と、防御的な付与か?
カンガルー : ほほう、2種類の付与か。
木 : 具体的にどんな感じだ?
コケ : 属性によって多少の違いはあるとは思うけど水魔法の場合だと『攻勢付与』なら、魔法を使ったプレイヤーのステータスを元にした水属性の追撃効果が加わるね。追撃の回数は、多分だけど水の操作の同時操作数と同じ。
ドラゴン : 付与されたら水球が周囲に3つ浮かんで漂っていたぜ。ちなみにもうちょい色々試してみる必要はあるけど、追撃効果があるのは物理攻撃のスキルで、スキルに合わせて水球の形状は変化しそうだ。
オオカミ : ほう、それは興味深いな?
サル : ドラゴンの人、どんな風に形状が変わるんだ?
ドラゴン : とりあえず爪撃と重硬爪撃と爪刃乱舞で試してみたが……あー、ちょっと表現としては不適切な気もするんだが、手の甲に水製の爪が生成される感じだ。連撃系なら攻撃部位の数に合わせてちょっと小さくなって分割されてたな。
草花3 : ……興味深い。連撃系や応用スキルにもちゃんと追撃効果があるという認識で良い?
ドラゴン : おう、その認識でいいぜ。
ヘビ : 思いっきり使える魔法じゃん!? 風雷コンビめ、困惑させやがって……。
カンガルー : でもまぁ、聞けば聞くほど風雷コンビにとっては割には合わないよな。
クジラ : 確かにそうだよねー。
Lv7の魔法がPTで有用なのは間違いないけど、風雷コンビみたいな特殊な構成のコンビやソロでは使いにくそうではあるもんな。
後でソロでも使える手段を探ってはみるけど、これはやってみない事にはなんとも言えないんだよね。まだ検証すべき内容は色々とあるから、『守勢付与』とヘルプで見たもう1つの使い方を説明したら検証再開だな。
コケ : それじゃ『守勢付与』の方の説明をしていくぞ。こっちは水球をぶつける事での自動迎撃になってる。ちなみに迎撃可能な回数は、相手の威力次第みたいだ。多分だけど、付与魔法を使ったプレイヤーの魔力が高ければ高いほど、迎撃効果は強くなる気がする。
ドラゴン : とりあえず『攻勢付与』も『守勢付与』も、魔法を使うプレイヤーのステータスが重要っぽいぜ。付与された……検証した時の場合だと俺が火属性だけど、付与された水の追撃には所持属性の相性による威力の減衰はなさそうだったぞ。
オオカミ : ほう、それは良い内容だな。苦手な属性の敵を相手に、追撃での魔法ダメージが期待出来る訳か。
ヘビ : すっげー便利じゃん!
草花 : そだね。コケの人、ナイス情報だね!
ネズミ : よし、この内容なら取るのは決定!
草花3 : ……私も風魔法Lv7を取る事に決めた。
クジラ : おー! 追加で2人が取得決定だー!
よしよし、Lv7の魔法は好感触みたいだね。今分かっている範囲では自分自身に付与出来ないというデメリットこそあるけども、PTを組んでいるならかなり有用だもんな。『攻勢付与』と『守勢付与』に関しては使い分けには気を付ける必要はあるけども、決して無駄ではないのも重要だ。
まぁLv7の魔法ともなると流石に魔力値の消費が多めではあるから、昇華魔法を使いたい時とかには要注意ではあるか。ま、この辺はLvを上げて魔力値を増やしていきたいとこだね。
木3 : で、そこまでは俺らも確認したけど、まだ聞いてないもう1つの使い方ってなんだ?
ドラゴン : あ、それは俺も気になってた。
ヘビ : そういや味方への付与が1つ目の使い方って言ってたっけ。
草花2 : 味方への付与って言い方からすると……。
サル : ……敵への付与も可能なのか?
コケ : うん、その通り。もう1つの使い方は、敵への付与になってるよ。
ネズミ : マジで!? え、どういう効果になるんだ?
草花3 : ……それは非常に気になる。
木3 : 何となくそんな気はしてたが、やっぱりか。
ドラゴン : あー、俺らに説明せずこっちで一緒に説明した理由は、近くに敵が居なかったからか。
コケ : ドラゴンの人、正解。ヘルプには強制的に属性を付与するとだけ説明はあったんだけど、試すにも敵を探す必要があったからさ。順番的にここへの報告を優先したんだよ。
ドラゴン : なるほど、そりゃ納得だ。
オオカミ : 敵を探すより先に報告を優先してくれたんだな。コケの人、感謝する。
コケ : 良いって事よ。それに、取りたくなった人もいるみたいだしな。
ネズミ : おうとも! 俺もすぐに取得して、色々と使い方を探ってみる。複合魔法になるかとか、敵に使うとどうなるかとかな!
草花3 : ……私も取る。……ところで、コケの人、質問いい?
コケ : ん? どんな質問?
草花3 : 付与の重ね掛けは可能?
コケ : あ、それは無理だった。……まぁ、違う属性だとどうなるか分からないけど。
草花3 : ……そう。その辺も試していかないとだね。
コケ : それもそうだな。
まぁ時間の都合にもよるんだけど、草花3の人が言うように試しておくべき事かもしれないね。同じ属性での重ね掛けが無理でも、違う属性なら重ね掛けが出来る可能性はある。……まぁ強力な魔法ではあるから、実際に試してみないと何とも言えないとこだけど……。
オオカミ : とりあえず、現状分かっている範囲の情報は出揃ったと判断していいか?
コケ : えーと、言い忘れがなければそのはず!
ネズミ : よし、それじゃ俺の方でも検証を開始してくる!
草花3 : ……私もやる。
カンガルー : これで3属性の魔法Lv7の情報が揃いそうだな。
カンガルー2: うがー! 俺は自力でLv7の魔法を目指すぜ!
ラクダ : 俺はソロだし、敵への付与の詳細が分かるまでもうちょい待機だな。
サボテン : お、ちょっと目を離してた隙にかなり進展してんじゃん。へぇ、Lv7の魔法ってこんな感じのか。
さてと、まだ様子見という人もいるけど、明確に取りたいという意思を示している人も出てきているね。うん、博打ではあったけども水魔法Lv7を取得したのは正解だったかも。
コケ : それじゃ俺も敵への付与とか色々試してみるから、一旦この辺で! あ、追加報告はまとめの方に上げとけばいい?
オオカミ : あぁ、それで構わんぞ。俺の方でまとめておくからな。
コケ : いつもサンキュー、オオカミの人! それでは!
そうして情報共有板への報告は終了である。さーて、色々とまだやっていない水魔法Lv7の検証をやっていこうじゃないか。
あ、でもその前にもう少しで10時だからサヤとヨッシさんと合流するのが先かもね。




