表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Monsters Evolve Online 〜生存の鍵は進化にあり〜  作者: 加部川ツトシ
第17章 『???』を探そう

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

508/1633

第508話 新たな昇華魔法 後編


 空を飛んで、ハーレさんの次々に放つ投擲により回避方向を制限されたザリガニは、刃物化した針でチャージをしつつ両方のハサミを開閉しながら構えて、ハーレさんに向けて速度を上げて飛んできている。


「狙いは私だー!? 『連速投擲・風』!」


 即座に狙われた事に気付いたハーレさんはザリガニに向けて、応用スキルである連速投擲で攻撃を仕掛けていく。でもまだ連撃の初めの方だから威力が足らずにザリガニのハサミによって弾かれていた。


「うー!? 連撃は初めは威力が足りないよー!?」

「ハーレさん、それは気にしなくて大丈夫。ほら、ハサミも吹っ飛ばしたしね」

「おー、やったー! でも、残りは回避先の制限だよね!」

「うん、それでお願いねー! サヤさん、投擲準備よろしく!」

「分かったかな!」


 当たっていく度に威力の上がるハーレさんの連速投擲はザリガニのハサミを両方を消し飛ばしたけれど、最後の方は回避方向を誘導する為に投げ放たれた。そういや、首以外は部位破壊は出来るんだよな。スキルによっては回復も出来るけど。

 そしてそれと同時にサヤがレナさんを投げる用意をして迎撃体勢へと移っている。そこに刃物化したザリガニの針が、全身を縦に回転させながら上段から切り下ろされてくる。眩い銀光の具合からチャージは終えたか!


「サヤさん、今!」

「それじゃいくかな! 『強投擲』!」

「ふっふっふ、チャージは間に合わなかったけど、これくらいなら何とかなるさー!」


 そのザリガニの斬撃を迎撃する為にサヤに投げられたレナさんは、ザリガニの針と打ち合い、少し威力負けをして落下していった。だけど、その甲斐があったのかザリガニの針の銀光は弱まっているし、突っ込んでくる勢いも落ちている。


「ダイク!」

「おう! 『並列制御』『ウィンドウォール』『ウィンドウォール』!」

「よし、ダイクさんナイス!」


 ダイクさんの発動した複合魔法であるウィンドプロテクションによって、ザリガニの攻撃を完全に逸していた。勢い余ったザリガニ針は地面へと突き刺さっている。……まぁすぐに脱出は出来るんだろうけど、それを待ってやる必要もないな。


「ヨッシさん、回復は充分か?」

「うん、バッチリ! いつでもいけるよ」

「よし、それじゃこれで仕留める気で行くぞ!」

「了解! 『アイスクリエイト』!」


 なんだかんだでそれなりに物理攻撃でもダメージを受けているザリガニの残りHPは半分である。……ヨッシさんには仕留めるつもりとは言ったけど、最大威力の昇華魔法でもフィールドボスのHPを半分消し飛ばせるかはやってみないと不明だな。

 まぁだからといってやらないという選択肢はない。仕留めきれなきゃ、別の手段で仕留めるまで!


<行動値1と魔力値3消費して『土魔法Lv1:アースクリエイト』を発動します> 行動値 69/70 : 魔力値 197/200


 そこそこの量のレモンとリンゴで全回復させたから、魔力値は充分! ……レモンが余ってた状態だから良いけども、そう気軽に出来る手段でもないけどね。

 とにかく俺の生成した土と、ヨッシさんの生成した氷が重なっていく。正直、この組み合わせがどういう風になるかが予想出来ないんだよね。


<『昇華魔法:アイシクル』の発動の為に、全魔力値を消費します> 魔力値 0/200


 地面に張って冷気が伝わっていったかと思えば、地面から複数の鋭い氷柱が急激に伸びていく。そして、結構な広範囲に渡って槍のような氷柱が生えた光景になっていた。地面に針が刺さったままだったザリガニも氷の槍に串刺しにされて、ボロボロになっている。

 おー、これは結構な広範囲攻撃だね。ふむふむ、味方の位置を考える必要はあるけども殲滅向きではあるかな。


「今のはびっくりしたかな!?」

「あはは、サヤさんありがとねー!」


 そしてサヤが咄嗟に竜に乗り、レナさんを抱えあげて上空へと退避していた。うん、流石の対応の速さだね。他のみんなはアイシクルの範囲外だったので、問題はなかったようである。


「ちょっとだけHPが残っちゃったね」

「……みたいだな。さて、どうするか」


 ザリガニの残りHPは1割を切っている。物理型ということで魔法はよく効いたようで、単独発動分の昇華魔法が2発と、2人の全快分の昇華魔法を1発でフィールドボスの約9割を削れたなら上等か。……ただ、魔力値の回復に結構な量のレモンと上質なリンゴを消費したから割に合うかというと微妙なところだけど……。


「ヨッシさん、提案があるんだが良いか?」

「ダイクさん、どんな提案?」

「風と氷での組み合わせも試してみないか? 俺の方は魔力値は結構あるから、ヨッシさんの方に最低限の魔力値さえあれば仕留め切るには充分だと思うぜ」

「お、そりゃいいな。ヨッシさん、それも試しておこうぜ」

「……確かにそうだね。うん、そうしよっか」

「よし来た! レナさん、サヤさん……って、既に動いてたか」

「ふっふっふ、ザリガニなら捕獲済み! 『解毒』!」


 とどめに何を持ってくるかを決めている間に、氷柱に突き刺さったザリガニを踏みつけているレナさんの姿があった。どうやら、ザリガニに飛んで逃げられないように脚で抑え込んでいるようだ。

 チクチクとレナさんの脚にザリガニの針が刺さっているけど、毒自体が纏癒で効きにくい上に解毒ですぐに回復しているみたいで意味はないようである。そしてサヤは竜の上に乗って上空で待機していた。


 そして、そうしている間にアイシクルによって多量に生成された氷の槍が消え去っていき、その隙を狙ってザリガニはレナさんの脚から逃げようとしていく。流石はフィールドボス、大人しく殺られる気はないようだ。


「甘いよっと! 『踵落とし』!」


 だけど、レナさんが逃げようとしたザリガニに追撃で踵落としを決めてから、再び踏みつけていく。……うん、もうザリガニは逃げられる状態ではないだろう。羽も千切れかけてるしね。

 その間にヨッシさんは大急ぎでレモンを齧って魔力値を回復させていた。とどめの昇華魔法の発動分にはレモン1個分の回復量でも充分である。


「回復いけたよ」

「よし、んじゃやりますか! 『ウィンドクリエイト』!」

「うん! 『アイスクリエイト』!」


 そうして生成された風と氷が重なり合い、この戦闘で4つ目の昇華魔法が発動となっていく。今度の昇華魔法は……これは完全に吹雪だな。っていうか、視界が悪くなり過ぎて何がどうなっているのかが分からない。

 魔力値を全快で発動した訳ではないから少し吹雪の規模は控えめで、影響範囲にいるのはザリガニを踏みつけているレナさんだけである。……まぁ吹雪の中にいるから、どうなってるか全然見えないんだけどね!


<ケイがLv14に上がりました。各種ステータスが上昇します>

<Lvアップにより、増強進化ポイント2、融合進化ポイント2、生存進化ポイント2獲得しました>

<ケイが未成体・瘴気強化種を討伐しました>

<未成体・瘴気強化種の撃破報酬として、増強進化ポイント3、融合進化ポイント3、生存進化ポイント3獲得しました>

<ケイが規定条件を満たしましたので、称号『平原を荒らすモノ』を取得しました>

<増強進化ポイントを3獲得しました>

<ケイが規定条件を満たしましたので、称号『平原の強者を打ち倒すモノ』を取得しました>

<増強進化ポイントを3獲得しました>


<ケイ2ndがLv14に上がりました。各種ステータスが上昇します>

<Lvアップにより、増強進化ポイント2、融合進化ポイント2、生存進化ポイント2獲得しました>

<ケイ2ndが未成体・瘴気強化種を討伐しました>

<未成体・瘴気強化種の撃破報酬として、増強進化ポイント3、融合進化ポイント3、生存進化ポイント3獲得しました>

<ケイ2ndが規定条件を満たしましたので、称号『平原を荒らすモノ』を取得しました>

<増強進化ポイントを3獲得しました>

<ケイ2ndが規定条件を満たしましたので、称号『平原の強者を打ち倒すモノ』を取得しました>

<増強進化ポイントを3獲得しました>


<『瘴気石』を1個獲得しました>


 お、どうやら空飛ぶザリガニは倒せたっぽいな。Lvも上がったし、称号も色々と手に入った。……そういや周囲を見てみれば、雹に押し潰されたり、凍りついたり、地面から氷槍が生えまくったりで近くの植物は全滅してるね。そりゃ荒らすモノの称号も出るか。


「わー、何も見えないー!」

「レナさん、効果が切れるまで待っててもらえる?」

「うん、それは問題ないよ。折角だから吹雪の中でもスクショ撮っておくし!」

「……それって、意味あんの?」

「……真っ白く写るだけで意味はなさそうな気はするかな?」

「ケイさん、サヤ! それは甘いんだよ! こういう晴れた中での局所的な吹雪とかそうあるものじゃないのさー!」

「そうそう、ハーレさんの言う通りだよ! うん、太陽のある方向でなら光が乱反射してるっぽいね」

「……流石はサファリ系プレイヤーってとこか」


 どこまでも逞しいレナさんの声だけの会話をしつつ、吹雪が収まっていくのを待っていた。よし、これでとりあえず夕方の部のみんな揃った状態でやるべき事は完了だね。


「もう6時をちょっと過ぎてるかな!?」

「あ、ホントだ。あ、こら!? みんな、ごめん! 弟が待ちかねて呼んでるから、もうすぐにログアウトするね」

「ほいよ」

「慌ただしくてごめんね! それじゃまた夜に!」


 どうやらヨッシさんの弟が待ちかねて呼びかけている感じかな? ゲーム中に外部から呼びかけられるとシステムメッセージが出てくるし、ちょうどそうなっているんだろう。そしてヨッシさんは大慌てでログアウトしていった。……ふむ、あの慌て具合だと身体を揺すられて強制ログアウトになりそうだったとか、そんなところだろう。……思いっきり俺もその体験には心当たりはあるしね。


「私も呼ばれない内にログアウトしようかな? 合流は……後で揃った時にフレンドコールでいいかな?」

「おう、今日は転移の種も使えるしそれで良いぞ」

「確かにそれもそうかな。それじゃまた後で」

「また後でねー!」

「レナさんとダイクさんは、また今度かな」

「うん、そうなるねー!」

「おう、また今度な、サヤさん!」


 そうしてサヤも晩飯を食べにログアウトをしていった。ふむ、ヨッシさんは6時を過ぎると弟が呼びに来る事があり、サヤについてはそこまで慌てなくても大丈夫な範囲か。まぁ6時を過ぎたと言っても7分くらいだしね。


「ヨッシさん、慌ててたな?」

「多分だけど強制ログアウトを避ける為だと思うぞ」

「そうだと思うよー! ヨッシの弟ってやんちゃだもんね!」

「あー、なるほど。それなら納得だ」

「だろ? 強制ログアウトになっても面倒だもんな」

「ケイさん、なんでこっちを見るのさー!?」

「……心当たりがないとでも?」

「……え? あぅ!? そういえば思いっきり心当たりがあったー!?」


 そうそう、ハーレさんがサービス開始初日に俺にやった事である。あの時はお互いに兄妹だとは気付いていなかったけど、今考えると思いっきりあの時の犯人はハーレさんだしな。……まぁ今はお互いにログアウトするタイミングは大体分かってるから、ああいう事はないけどさ。


「あはは、その辺は兄妹だから起こる事もあるよねー! さてと、ケイさんとハーレさんは7時までだし、さくっとデンキウナギを捕まえて灰のサファリ同盟本拠地まで持っていこうかー!」

「そういやそんな話だったっけな。レナさん、デンキウナギを捕まえる前に俺の方で本当に必要か確認しとくぞ?」

「それもそだねー! それじゃ連絡はダイクに任せて、その間に湖まで移動しよっか」

「はーい!」

「ほいよ。俺が水のカーペットを出そうか?」

「うん、ケイさんお願いね」

「ほいよっと」


 ダイクさんは灰のサファリ同盟にデンキウナギの補充の確認の為にフレンドコールをかけ始めたので、その間に俺が移動の担当だね。まぁもし要らないという事であれば途中で引き返せばいいし、いるというのなら俺かダイクさんの水の操作で捕まえて戻ればいい。


<行動値上限を2使用して『移動操作制御Ⅰ』を発動します>  行動値 71/71 → 69/69(上限値使用:2)


 よし、既に再使用の為の時間は過ぎていたし、これで水のカーペットの生成完了。……ちょっと移動操作制御の登録内容を変えたい気もしてきたけど、シンプルな水のカーペットも使い勝手は良いんだよな。……前にネス湖で使った懐中電灯モドキも登録したいけど、登録は1枠しか……。


「あー!?」

「ど、どしたの、ケイさん?」

「ケイさん、何事ー!?」

「なんだ、どうした!?」

「あ、ごめん。ちょっと見落としてた事に気付いてな。うん、気にしなくて問題ない」

「ほほう? また何か企んでるねー?」

「企んでるって程じゃないって。ただ、移動操作制御の枠数が足りないなら、ロブスターでも移動操作制御を取るってのもありって思っただけ」


 それなら同調共有でスキルを共有させて、2つの移動操作制御を同時に使う事も可能なはず。正直なところコケとロブスターで同じスキルを持っていると無駄な気もしていたんだけど、それはスキル次第では相当な利点になる事を見落としていたらしい。


「あー、そっか。支配進化から行くとそういう手段もあり得るんだね」

「朗報なのさー! ケイさん、次の目標はロブスターの移動操作制御!?」

「ま、そうなるか? いやでも凝縮破壊Ⅰも欲しいしな……」


 ちょっと次に何にするかは悩みどころだね。移動操作制御ってポイント取得は可能だったっけ? その辺は後で調べておこうっと。……そういや移動操作制御に同調共有で共有化しているスキルが登録出来るのかも確かめておかないとな。その辺は見落としていたから確認が出来ていないからね。


「あ、悪い、さっきのはこっち側での話だ。それじゃデンキウナギは必要って事で良いんだな? おう、それじゃこれから獲っていくわ」

「ダイク、デンキウナギは必要って事で良い?」

「ま、そうなるな」

「よしよし、それじゃデンキウナギを獲りに行くよー!」

「「「おー!」」」


 デンキウナギが必要という情報も確定したので、晩飯までの間はデンキウナギの捕獲運搬をやっていくという事で決定だね。



【ステータス】


 名前:ケイ

 種族:同調強魔ゴケ

 所属:灰の群集


 レベル 13 → 14

 進化階位:未成体・同調強魔種

 属性:水、土

 特性:複合適応、同調、魔力強化


 群体数 365/5850 → 365/6000

 魔力値 4/200 → 4/202

 行動値 69/70 → 69/71


 攻撃 72 → 73

 防御 105 → 108

 俊敏 79 → 81

 知識 154 → 159

 器用 167 → 173

 魔力 219 →227



 名前:ケイ2nd

 種族:同調打撃ロブスター

 所属:灰の群集


 レベル 13 → 14

 進化階位:未成体・同調打撃種

 属性:なし

 特性:打撃、斬撃、堅牢、同調


 HP 6439/6650 → 6439/6850

 魔力値 93/93 → 93/94

 行動値 61/61 → 61/62


 攻撃 216 → 224

 防御 202 → 209

 俊敏 166 → 172

 知識 67 → 68

 器用 74 → 76

 魔力 39 → 40


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
自力での電子書籍版もありますので、よろしければこちらもどうぞ。
大きな流れ自体は同じですが、それ以外はほぼ別物!
ケイ以外の視点での外伝も収録!

最新巻はこちら!
電子書籍版『Monsters Evolve Online 〜生存の鍵は進化にあり〜』第20巻

これまでの第1巻〜第19巻はこちらから。
電子書籍版『Monsters Evolve Online 〜生存の鍵は進化にあり〜』シリーズ
― 新着の感想 ―
[一言] 平原で吹雪に合う いや、巻き込まれた人は居ないから大丈夫(゜ー゜)(。_。)ウンウン そうして、また、荒らしたらしい(笑)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ