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Monsters Evolve Online 〜生存の鍵は進化にあり〜  作者: 加部川ツトシ
第14章 あちこちを探索しよう:大きな湖編

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第409話 サファリ同盟と合流


 もう目の前には、先に出発していた灰のサファリ同盟と赤のサファリ同盟の姿があった。オオカミ組の姿が見えるから、サファリ同盟だけって訳じゃなさそうだ。どうやら発光やら火魔法やらで周囲を照らしながら移動しているようである。夜目があるとはいえ、灯りがある方が見やすいもんな。

 っていうか、何だか大根とかゴボウとか人参とかの根菜類の野菜集団がいるのは気のせいか……? うん、気のせいじゃないっぽい。それにしても、予想はしてたけどそんなに移動速度は早くはないね。


 それはともかくとして、このまま突っ込むと大惨事なのでちょっと調整をしないとね。速度を落として合流だ。


「アル、円形に水流を変えるぞ!」

「おうよ!」


 途中で全力を出し過ぎたとはいえ、先に行っていた集団に追いつけるんだから大した移動速度になったもんである。あの速度を緩めずに続けていればもっと速かったのかもね。まぁ人がいるところでは自重するけども……。

 とにかく、勢いを落とす為にも水流をゆっくりにしてアル自身に泳ぐペースを落としてもらおう。急ブレーキもそれはそれで危険だからね。


「あ、コケのアニキだ!」

「おや、凄い勢いで近付いてくるから誰かと思ったら皆さんでしたか」

「ケイ達じゃねぇか! すっげぇ速いのな!?」

「おっす、アーサー、水月さん! ……ついでにフラムも」

「俺だけ扱い酷いのな!?」

「ところで水月さん達は何をやってるのかな?」

「逸れる方が居ないかの確認と、ケイさん達のように後から合流した方への案内ですね」

「おー! 案内役なんだねー!」


 フラムが何か言ってるけどそれは別にいいや。どうやら水月さん達は最後尾で逸れる人がいないかをチェックをするのと、こうやって俺らみたいに後から合流する人への対応という事らしい。

 アルの勢いも落ち着いたし、そろそろ水流の操作と水の風除けは解除でいいな。それにしても人数多いなー。


<『移動操作制御Ⅰ』の発動を解除したため、行動値上限が元に戻ります> 行動値 13/57 → 13/59(上限値使用:1)


「改めてこんばんはかな。水月さん、他の赤のサファリ同盟の人達はどうしたのかな?」

「えっとですね、弥生さんとシュウさんとルストさんは先に現地入りしています。皆さんの面識のある方ですと、すぐ近くにいるのですが……」

「あ、アーサー君の上にライさんがいるね!?」

「うん、それは気付いてたかな」

「相変わらずハーレさんとかサヤさんにはバレるのな!?」


 どうやら相変わらずライさんは擬態をして隠れているようである。うーん、全然気付かなかったけど、流石にサヤとハーレさんは気付いてたようだね。いつも思うけど、どういう観察眼をしてるんだか……。


「まぁライさんがいるのは分かったけど他の人は?」

「コケのアニキ! 先頭にガストさんと、灰のサファリ同盟の人達がいるよ! 後は赤のサファリ同盟と灰の群集のオオカミ組の人達が分散して、護衛してる!」

「あー、なるほどね。役割分担をしてるのか」

「俺、ちょっと先頭の方に伝えてくるねー!」

「あ、別にわざわざ伝えに行かなくてもフレンドコールで……。もう行ったか」


 アーサーは俺らが追いついて来たことを報告に行ったようである。まぁ気合は入ってるみたいだし、悪い事をしてる訳でもないから別に良いか。もしかしたら直接報告してくれと言われてる可能性もあるからね。


 それにしてもアーサーから聞いた限りでは、この大移動のメンバーの配置としては先頭にガストさんと灰のサファリ同盟、その周囲を強いオオカミ組と赤のサファリ同盟で敵襲からの防衛をしている訳か。まぁこの大人数での移動ならよっぽどの事が無ければ大丈夫なんだろう。


「で、俺らはこのまま後ろをついて行けばいいか?」

「えぇ、それで問題ありませんよ」

「んじゃそうするか」

「この速度なら自力で移動しようかな?」

「そだねー! 『上限発動指示:登録1』『共生指示:登録1』『共生指示:登録3』!」

「お、クラゲで空を飛ぶってのも面白い事をしてるもんだな」

「えっへん! そうなのですさ!」


 とりあえず水月さんに確認したところ、このまま最後尾にいても問題ないということである。そしてサヤは普通に降りて歩き、ハーレさんは移動操作制御の取得の為にもクラゲから傘展開とウィンドクリエイトと風の操作を呼び出して空を漂っている。ヨッシさんも追いかけるように飛んでいったね。

 うーん、ハーレさんの移動操作制御はいつ取得になるかな? まぁ早めに手に入れば良いけど……移動操作制御を上限発動指示で呼び出すのって実際どうなんだろう? 使用行動値で効果時間が決まるから無駄にスキルを詰め込んで効果時間を伸ばしたほうがいいのかもね。


「……あっ、ヨッシがいる!」

「あ、翡翠さんも参加してたんだね」

「……ヨッシ!」


 どうやら翡翠さんもこの湖の調査に参加していたらしい。相変わらず同じハチの翡翠さんに異常に懐かれているヨッシさんだった。

 知らない人も結構いるけど、参加人数は見た感じかなり多いし、今回のこの件では割と知り合いは結構参加しているのかもしれないね。ん? なんだかハーレさんの様子がちょっと変だぞ?


「むぅ……」

「ハーレ、ヨッシにはヨッシの交友関係があるからね」

「それは分かってるんだけど……」


 前にこういう光景を見た時にはそれ程反応を見せていなかったハーレさんだけど、地味に寂しそうでサヤに頭を撫でられながら慰められていた。

 そっか、そういう面でもハーレさんは色々と思う所はあったんだろうね。そういう事ならヨッシさんに懐いている翡翠さんにはちょっと悪いけど、話の腰を折らせてもらおうか。まぁ真面目に確認しておきたい事もあるしね。


「なぁ、翡翠さん。翡翠さんがいるって事は、タケさんとかザックさんとかイッシーさんも一緒か?」

「……ううん。今日はみんなそれぞれ都合が悪くていない」

「あ、そうなんだ」

「……一人で暇だった所にこの話を聞いて参加した。でも、ヨッシがいたから参加して良かった!」

「うー!? ヨッシは私の親友だー!」


 あ、翡翠さんがヨッシさんに懐いているのに我慢しきれなくなったのか、ハーレさんが割り込んでいった。うーん、まぁハーレさんの気持ちは分からないでもないけど、それはそれでどうなんだ……?


「……そうなの? なら、ハーレも私の親友!」

「あぅ!? その展開は予想外!?」

「それなら私もそうなるのかな?」

「……うん、サヤも親友!」


 なんだか翡翠さんの思わぬ話の展開に、呆気にとられているハーレさんだった。こんな感じで反撃……というのも何か違うか。まぁ普段は物怖じも人見知りもしないし、社交的なハーレさんのこういう反応は珍しいものだね。

 そしてサヤはサヤで置いていかれたようで寂しくなったのか、普通に混ざりにいってワイワイと騒いでいる。別に翡翠さんって人見知りってわけでもないんだな。


 とりあえず女性陣と翡翠さんは仲良くしているようなので、あっちはあっちで自由にしてても良いだろう。さてと俺とアルもこっちはこっちで何かやってようかな?


「アル、これって特訓しながらでもいいと思う?」

「あー、どうなんだろうな? フラムさん、そこんとこはどうなんだ?」

「敵の襲撃に対応出来るだけの行動値さえ残してれば、他の人に当てない限りなら問題ないって事になってるぞ。まぁ移動しながら警戒しつつ、特訓も出来る奴って少ないけどな」

「俺みたいに動きに関係ないスキルなら鍛えやすいぞ!」

「ライさんが言うと説得力が凄まじいな」

「おうよ! もっと褒めてくれても良いんだぜ!」

「いや、別に褒めた気はないけどな?」

「なぬ!? ケイさん、背後には気をつけておけよ……?」

「あ、ライさん、攻撃受けた瞬間に全方位に無差別反撃しても良いならどうぞ?」

「ケイさん、おっかねぇ!? やっぱやめとこ」


 ふふん! ライさんこそ、奇襲を宣言してしまえば意味がないのだよ! 瞬殺されない限りは反撃してやる!

 あー、それにしても発動しっぱなしで何もしないスキルを使うのなら移動中でも出来るよな。よし、見た感じでは発光を鍛えてる人も結構いるみたいだし、俺もやっておこうっと。


「アル、今の視点ってクジラと木のどっち?」

「ん? 木だけど……あぁ、そういう事か。いいぜ、クジラに視点を切り替えるわ」

「サンキュー!」

「……よし、切り替えたからやっていいぞ!」


 さてと実際に可能かどうかは色々と前提条件が足りてないんだけど、構想中の事はあるからね。土の昇華と並行してそろそろ必要なスキルの強化をしていこうか。正直なところ移動操作制御がもう1枠欲しいんだけどな……。

 ただ、いくつか可能性そのものは考えてある。まぁ実際に出来るかどうかは試してみるしかないんだけど……。


「ケイ、何やるんだ?」

「フラム、いつの間に登ってきたんだ……?」

「ん? さっき飛び跳ねてだぞ。いやー、この前のサヤさんに投げられたので、何とか跳ねるのには慣れたぜ!」

「あ、そう。ところで不動種はしてなくていいのか?」

「反応薄い!? あー、道中は中継しても仕方ないだろ? 湖に辿り着いたら、ルストさんと同族同調で中継する予定だ」

「あー、そういう予定なのか」


 簡単にアルの上に跳んできたフラムだけど、ようやくツチノコのジャンプを修得したんだな。ふむふむ、フラムも何だかんだで少しは強くなってきているんだろう。

 それにしても道中は中継無しか。まぁ中継してもただ大人数で移動してるだけだしね。例の成熟体でも出てくれば面白いかもしれないけど、あれって中継しても大丈夫なのかな? うーん、それはそれで危険な気もする。


<行動値上限を4使用して『発光Lv4』を発動します>  行動値 32/59 → 28/55(上限値使用:5)


 とりあえずこれで発光のLvを上げておこう。アルの木の前にいるから、Lv4で発動するとアルには眩しいだろうしね。昼か夜かに左右されないようにする為にも発光の強化は必須……なはず。

 まぁ発光なら移動中とか関係ないから、育てやすいしね。考えてる事が駄目だったとしても無駄にはならないさ!


<『ハイルング高原』から『名も無き平原』に移動しました>


 あ、色々やってる間に大きな湖へと繋がる平原エリアに辿り着いたようである。ふむ、初期エリアの隣接エリア以外は大体がまだ名無しエリアなのかな?

 エリアの命名クエストについては何かしらあったりするんだろうけど、まだその情報はないんだろうね。うーん、まだ分からないけど、命名クエストがどんな内容なのかは気になるね。まぁやってればその内分かるだろう。


 周囲を見てみるとそこそこ広めの範囲にアルが通れそうなくらいの間隔で木々が植わっている。これは森というよりは林かな? どうやら進行方向的にもこの林を突っ切っていくらしい。

 あれ、でもなんだか移動速度が落ちてきたね。もしかして敵の襲撃か? うん、前方の方から火の弾や電気の光が散発的に見えているからその可能性は非常に高そうだ。


「あ、危機察知に反応ありだよ! ……狙われてるのはケイさんかアルさん! 正面だよ!」

「マジか!?」


 どうやら林に入っていきなり奇襲のようである。……ん? 夜の林でいきなりの奇襲で俺かアル狙い……? そういえば今の俺の状態は思いっきりロブスターの背中のコケが光っている。

 ……ということは、もしかして……? はっ!? 目の前から何かが飛んできている。やっぱり、虫……それもカブトムシか! そして狙いは俺で確定っぽい。


<『並列制御Lv1』を発動します。1つ目のスキルを指定してください>

<行動値を2消費して『鋏衝打Lv2』は並列発動の待機になります>  行動値 26/55(上限値使用:5)

<2つ目のスキルを指定してください。消費行動値×2>

<行動値を2消費して『鋏鋭断Lv1』は並列発動の待機になります>  行動値 26/55(上限値使用:5)

<指定を完了しました。並列発動を開始します>


<熟練度が規定値に到達したため、スキル『鋏鋭断Lv1』が『鋏鋭断Lv2』になりました>


 お、スキルLvが上がったね。それはそうとして突っ込んできたカブトムシの角を左のハサミで発動した鋏鋭断ではさみ、右のハサミでカブトムシの頭部に鋏衝打を叩き込んでいく。あ、意外と硬くて角は切断出来なかったけど、朦朧は入ったっぽい

 防壁系魔法を覚えてからあれに防御は頼りっぱなしになってたから別の方法を試してみたけど案外出来るもんだな。でもあんまりHPは減ってないから、このカブトムシは多分未成体だな。


「うわー、ケイが無茶苦茶な事をしてる……」

「え、そうか?」

「フラム、その言い方は失礼ですよ。あのくらいなら私も出来ますしね。ですよね、サヤさん」

「うん、あれくらいなら簡単かな」

「……そういやプレイヤースキルが高い人ばっかだった……」

「ただいまー! って、フラム兄どうしたの?」

「……いや、何でもない」


 何かフラムが凹んでるみたいだけど、フラムだし別にいいや。それにしても光源がある場所で散発的に戦闘が起こってるっぽいし、このカブトムシからの奇襲の原因は発光による灯りか。

 何となくこの林の特徴は予想は出来たけど、先頭から戻ってきたアーサーが何か知っていたりしないかな? 多分推測は間違ってないとは思うけど、他の情報も含めて確度は上げておきたいところ。


「アーサー、この状態に関して何か分かるか?」

「うん、ガストさんに連絡して周れって言われて、他のみんなにも途中で伝えてきた! ここは夜の日に光源になるスキルを使うと虫系の敵が活性化して襲いかかってくるってさ!」

「あー、やっぱりか」

「おー! そんな場所もあるんだー!」

「それで、この状況はどうするの?」

「とりあえず、ケイの持ってるカブトムシはぶっ倒すんでいいだろ。アーサー、ガストさんは他に何か言ってたか?」

「えっと、そんなに広くはないらしいからそのまま突っ切るって!」

「ほいよ。倒しつつ強行突破だな」


 まだ識別はしてないけど、捕まえた感じではそれほど強い気はしない。灰のサファリ同盟や赤のサファリ同盟がこの場所について一切情報を持っていなかったとは思えないので、それほどの驚異ではないという事なのだろう。


「……ねぇ、今日はPTに入れて貰ってもいい?」


 そしてその様子を伺っていた翡翠さんが俺たちへのPTへの加入希望を伝えてきた。そういや翡翠さんは今日は1人だったね。

 ヨッシさん以外のうちの女性陣とも結構仲良くなったみたいだし、そもそもフレンドである。枠が空いている状態で断る理由もないな。


「もちろんさー! いいよね!?」

「おう、良いぞ」

「私も良いかな」

「俺も良いぜ」

「翡翠さん、歓迎するよ」

「……ありがとう!」


<翡翠様がPTに加入しました>


 喜びに満ちた声を上げながら、翡翠さんが今日の臨時メンバーに決定した。連結PTにするかどうかは移動中の今で決めるのは微妙だけど、通常のPTはこれでフルメンバーである。


「それじゃまず、このカブトムシをぶっ倒すぞ!」

「「「「「おー!」」」」」


 スキルの発動は終わったけども、カブトムシの角をハサミで挟んだままだからね。ジタバタと暴れているけど、襲ってきた以上は容赦はしない。覚悟しろ、カブトムシ!


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大きな流れ自体は同じですが、それ以外はほぼ別物!
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― 新着の感想 ―
[一言] 地味に、常夜灯になったらしい(笑) 一直線に飛んできたカブトムシ~ かわいそうに(゜ー゜)(。_。)ウンウン
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