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Monsters Evolve Online 〜生存の鍵は進化にあり〜  作者: 加部川ツトシ
第13章 あちこちを探索しよう:雪山編

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第381話 雪山へ行く準備


 初心者のコケのフーリエさんに色々レクチャーしていれば、いつの間にか揃っていたみんなに思いっきり見物されていたっていうね。来たなら声をかけてくれれば良かったのにさ。

 あ、いつの間にか雨が上がって太陽の光が差してるね。教えてた間に気付けば快晴か。さてと声をかけてほしかった気はするけど桜花さんがいて、みんなも揃っているのなら丁度いいね。


「まぁ今のは良いとして……。桜花さん、ちょっと調達したい小結晶があるんだけど」

「おうよ、取引依頼だな! ちょっと準備するから待っててくれ」

「ほいよ」

「『樹洞展開』『発光』! よし、良いぜ」


 そして桜花さんは桜の樹洞に入れるようにして、灯りもつけていく。アイテムの取引をするにはこれが重要って事なんだろうね。あ、桜花さんの2ndの緑色の小鳥も中に入ってきた。色が変わってるし、未成体になったのかな?


「桜花さん、この小鳥は未成体?」

「おう、そうだぜ。オオカミ組に依頼して、未成体まで育成を手伝ってもらってな」

「色々やってるんだな、オオカミ組って……」


 なんだか便利屋化してないか、オオカミ組。まぁあちこちで活躍してるっぽいし、悪い事でもないけどね。灰のサファリ同盟や桜花さんみたいな商人プレイをしている人達にとっては欠かせない存在になってるのかもしれない。


 あ、小鳥の脚に地味に細い根が繋がっているから共生進化中っぽい。ふむふむ、共生進化は離れられないからこの辺は仕方ないんだろう。っていうか、小鳥がマスコット的な感じになってる気もする。

 そういや小鳥って呼んでるけど種族としてはなんだろう? リアルに近いのを見た覚えはあるんだけど、ちょっと名前が出てこない。なんだっけ、スズメっぽい大きさの緑の鳥……ウグイスか……?


「その小鳥って種族としては何になるんだ?」

「あー、こりゃメジロだ。採集メジロ」

「あ、メジロか」

「おー! メジロだねー!」


 そうか、緑色の小鳥はメジロだ、メジロ。目の周りが白いんだから、そりゃメジロだよ。


「ま、入ってくれや。取引は中でしよう」

「ほいよ」

「お邪魔しまーす!」

「わっ!? 椅子代わりの岩があるかな」

「あぁ、それか。その辺は灰のサファリ同盟に頼んでな」

「なるほど、岩の操作か」

「そういうこったな。ありゃ便利で良いもんだ」


 前に桜花さんに岩の運び込みの話をしてた事もあったけど、その辺は土の昇華持ちが増えている灰のサファリ同盟が引き受けたようである。まぁ俺しか出来ない事でもないし、タイミングも合わなかったからこの辺は仕方ないかな。


「さてと、本題に移ろうか。ケイさん達は何が入り用だい?」

「氷の小結晶をPTの人数分を数時間分、貰えないか?」

「おう、ちょっと減り気味ではあるが在庫はあるぜ! 氷の小結晶って事は目的地は雪山か?」

「ま、そんなとこ。てか在庫が減り気味なんだ?」

「まぁ一時的なもんだろうから、それ程問題はねぇよ。そんなに雪山に行くってヤツも多くはないしな」

「あ、そうなのか」


 流石桜花さん、話が早い。まぁPTメンバー分の氷の小結晶が必要になりそうな場所は今のとこ雪山くらいか。それに準備が必要となるエリアだとそれ程大挙して行く事も少ないよな。


「んー、そうだな。少し多めに見積もって1人3時間分くらいありゃいいか? 1個30分だから、1人6個として……ヨッシさんは必要か? あとアルマースさんの分は必要だよな?」

「あ、私の分はいらないね。アルさんの分は使うからお願い」

「あいよ。んじゃ合計で24個だな。ケイさん、それでいいか?」

「問題なし。それで何とトレードなら良い?」


 貨幣がないからこの辺は商人プレイをしている人次第にはなってくるんだよな。あんまり小結晶は持ってないからそっちでは交換出来ないけど、アルから預かっている蜜柑やレモン、それに合間の時間でヨッシさんが焼いてくれた肉や魚があるからその辺でトレードだな。

 とりあえず桜花さんの不動種の桜のスキルっぽい取引画面に候補として交換しても良いものをリストアップしていく。ふむ、不動種にはこういう機能もあるんだね。


「そうだな……。このレモンなら1個で小結晶1個、蜜柑は2個で小結晶1個ってとこか。……ん? この冷たい蜜柑ってのは昨日のボス戦の最中に発見されたってあれか?」

「あ、そうそう。地味にちょっと性能アップしてるやつ」


 その冷たい蜜柑は昨日の使い残しのやつだね。流石に量産し過ぎて、余ったのがあったのでインベントリに入れておいたんだった。冷やした蜜柑って回復性能が5%くらい上がってるんだよね。


「んー、そうだな。雪山に行くって事は、氷柱が手に入るか……?」

「そういや雪山で手に入るって事だったっけ」

「よし、ならこれでどうだ? 氷柱3個で氷の小結晶1個の後払い。もちろん氷柱の数が足らなきゃ、後からその辺のアイテムとの交換でいいぜ。その提示したアイテムで充分足りるしな」

「え、それで良いのか?」

「誰でもって訳にはいかないが、ケイさん達なら良いぜ! 氷柱については誰かに採集を頼もうかと思ってたとこだしな!」

「なるほどね。ちょっと相談していい?」

「おう、良いぞ!」


 どっちにしても目的地自体は変わらないし、個人的にも氷柱は採集したいとこではある。条件的には氷の小結晶とのトレード分以上の数の指定もないし、悪い話ではない。


「みんな、どうする?」

「私は結構良い条件だと思うかな。折角なら氷柱も見ておきたいしね」

「氷柱をバックにスクショを撮るぞー! そしてカキ氷を作るぞー!」

「……作れるかな……?」

「ヨッシなら大丈夫さー!」

「うーん、期待が重いね……。まぁ、どっちにしても採ってきたほうが良さそうだね」

「なら、受けるって事で良いか?」

「うん、いいよ」

「問題ないかな」

「いいよー!」


 昨日は言わなかったと思ってたけど、今日になってハーレさんがカキ氷と言い出したか。まぁ体感気温は特にないから、雪山の現地で作っても大丈夫だろうけどもここは持ち帰ってきた方が確実だろうね。

 それにしてもその場合って氷を削るのとか器はどうするよ……? うーん、場合によっては雪に埋めて冷凍蜜柑を作るくらいで我慢してもらうか。ん? あ、そうか。冷凍蜜柑を作ってみてもいいんだな。


「桜花さん、受けるのは良いけど種類を増やすのはあり?」

「ん? ものにもよるが、ありっちゃありだぜ」

「それなら冷凍蜜柑とかいかが? 作れるか分からないけど」

「……ほう、そうきたか。それに関しては既に作ってる人がいるから、性能は分かってるぜ」

「お、既に作った人がいたのか!」

「おうよ、昨日の夜中にな。ボス戦の後に雪山まで行って作ってきた人がいて、回復性能は向上するのは確認済みだ。冷凍蜜柑なら1個で小結晶1個との交換でいいぜ」

「よし、それじゃそれで!」

「あいよ! あ、大量なら大量で何かのアイテムとの交換で受け取るから、多くても問題ないからな」

「あればあるほど良いわけか。了解っと」


 そうして桜花さんから人数分を受け取って、雪山に行く準備は完了である。実際に雪山に行くのはアルがログインしてからにはなるけどね。ちょっと予定が変わって採集してくるものや、アイテム加工の用事も増えたけど問題ないだろう。


「あ、そうだ。桜花さん、瘴気石の扱いってどうなってる?」

「あー、瘴気石か。今はまだ扱いが難しいとこだな」

「あれ、てっきり需要があるもんかと思ってたんだけど……」

「需要自体はあるんだよ、需要自体はな?」


 需要はあるけど、扱いが難しい……? あー、そうか。あれだけボス戦に参加していた人数がいればそりゃそうもなるか。確か初回は確定入手だったしね。


「あ、もしかして持ってる人が多過ぎるのかな?」

「サヤさん、大正解だ。初回討伐の時の確定入手分が今の段階では多過ぎて、取引に使える状態じゃないんだよ」

「という事は、それらの消費待ち?」

「おう、そうなるな。ちなみにだが再戦になったボス戦だと低確率で瘴気石が落ちて、結構良い確率で小結晶が落ちるみたいだぜ」

「ほうほう。あ、そういや雑魚の未成体からも瘴気石は落ちたぞ」

「お、ケイさん運が良いじゃねぇか。それは超低確率だぜ」

「マジか!?」

「おう、マジだ」


 あまりにも水砲ザリガニがあっさりと落としたからそれなりに確率はあるのかと思ったけど、あれって超低確率なのか。それならかなりラッキーだったんだね。

 それにしても瘴気石の扱いが今はそういう状態なら迂闊に使わずに持っておいた方が良さそうだ。


「おーい、桜花さんいるー?」

「お、ラックさんか。どうした?」


 そうしていると樹洞の入り口からリスのラックさんが顔を覗かせていた。桜花さんのとこでのラックさんとの遭遇率が地味に高いね。それだけ桜花さんと灰のサファリ同盟の交流が盛んだって事なんだろうけどさ。


「あ、ラックだー!」

「あ、ハーレにみんなだ。そういや雪山に行くって言ってたっけ。その準備?」

「うん、そだよー!」

「そっか、そっか。それじゃちょっと桜花さんに持ってきた話をハーレ達にも話そうかな?」

「どんな話ー!?」

「え、私達に?」

「どんな話だろ?」

「ラックさん、どんな内容だ?」


 この様子だとラックさんというよりは灰のサファリ同盟として話かな? それも行き先が雪山って確認してからという事は、それに関係している話かな?


「えっとね、先に桜花さんに確認を取らせてね」

「確認する事があるのか。了解っと」

「で、ラックさん。確認ってのはなんだ?」

「ちょっと不確定の情報提供があったアイテムの持ち込みが無かったか確認したくてね。『氷結草』ってアイテムの持ち込みはあったりしなかった?」

「……『氷結草』? いや、そんなのは来てないな」

「そっかー。まだ実物が確認出来てないから、あちこち確認中なんだけどここも外れたねー」

「済まんな。流石に持ち込みに関しては選べるものでもないからな」

「うん、分かってるよー。あと、はいこれ」

「フレンドコールでない理由はそれか。泥団子の追加は確かに受け取ったぜ」

「まぁこっちの受け渡しが本命だけどね。まー、そういう事だからもし持ち込みがあったら連絡お願いね?」

「おう、分かったぜ」


 ふむふむ、これがラックさんの桜花さんへの用事って事か。メインは生産している泥団子の在庫補充で、おまけで未確認アイテムの実物が無いかの確認か。

 それにしても『氷結草』か。うん、確かにこれは雪山に関連してそうではあるし、話というのはそれ絡みっぽいね。


「ラックさん、その『氷結草』ってのは?」

「えっと、まとめの方の情報提供欄にそういうのを手に入れたっていう情報が上がっててね? 手に入れたもののインベントリに入れる前に敵に襲われて倒されちゃって失くしちゃったって話でさ」

「あらま、それは災難だね」

「そうそう、そうなのさー。それで実物がないか探してるとこなんだけどねー?」

「結果は芳しくはなさそうかな」

「そうなの! その見つけた場所にレナさんに行ってきてもらったんだけど、外れでね。まぁその時に冷凍蜜柑が手に入ったから良いんだけど……」


 さっきの冷凍蜜柑を作った人ってレナさんかい! 相変わらずどこでも名前が出てくる人だね、レナさんは。……それにしてもレナさんでも『氷結草』は見つけられなかったって事か?


「そこで雪山に行こうってハーレ達にお願い! ダメ元で良いから、それっぽいの探してみてくれない?」

「私は良いけど、みんなはどうー!?」

「目的地が変わらないんだし、良いんじゃないかな?」

「私は賛成だね」

「俺も良いけど、アル次第だな」


 まぁサヤの言う通り目的地が変わる訳じゃないから、別に問題もないだろう。絶対に見つけてこいとかになれば流石に躊躇いもあるけど、行く途中でもし見つける事があればという事ならアルも駄目とは言わないはず。

 それにその『氷結草』とやらにも興味がない訳でもない。何となくアイテムの合成に使えそうなアイテムっぽいもんな。


「ラック、アルさん次第にはなるけど良いかなー!?」

「うん、それで問題ないよ。あ、こっちでお願いするんだし氷の小結晶はこっちで持とうか?」

「あー、それは大丈夫。そもそも冷凍蜜柑の作成と氷柱の採集で後払いになってるからな」


 多分実物を持って帰ってくればそこから灰のサファリ同盟の方で発展させていくだろうし、そっちで恩恵を貰えればそれでいい。根本的に探すのは雪山に遊びに行くついでだしね。


「あれ? 桜花さんって後払いはNGじゃなかったっけ?」

「基本的にはな。だけどケイさん達には恩があるから、このくらいは問題ねぇさ。それに踏み倒すような人達じゃねぇって」

「あー、それもそだね」

「でもまぁ、他の人には他言無用で頼むぜ」

「それもそだね。了解しましたー!」


 なんだか随分と桜花さんには信頼されてるっぽいね。さーて、それじゃその信頼に応えるためにも雪山に行ったらしっかりと冷凍蜜柑の作成と氷柱の採集をやってこないといけないか。


「それじゃそろそろ戻るねー! みんな、よろしくー!」

「おうよ! 見つかるかどうかは分からんけど、やるだけはやってみるからな」

「あはは、無茶はしなくていいからねー!」


 そう言いながらラックさんは樹洞から出て、戻っていった。ここですべき用事は終わったって事なんだろう。


「さてと雪山に行くのはアルと合流してからとして、それまでどうする?」

「はい!」


 元気よく手を上げているハーレさん。何かやりたい事でもあるっぽいけど、前みたいに強引に自己主張はしなくなったな。


「はい、ハーレさん」

「カキ氷用の器を用意しておきたいです!」

「……そう来たか」

「それはどうすれば良いのかな……?」

「うーん、どうしよう?」


 確かにカキ氷をしたいのならそれは必要になるだろうけど、どうやって確保しようか……。カキ氷にかけるシロップは果汁とかハチミツでなんとかなりそうな気はするけど、器の問題は厄介だね。

 

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― 新着の感想 ―
[一言] 皮を乾かして、凍らせておく?←グレープフルーツとかの
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