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Monsters Evolve Online 〜生存の鍵は進化にあり〜  作者: 加部川ツトシ
第11章 共闘イベント、後半戦へ

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第301話 気付いた事


 食事休憩ということで、一度ログアウトである。いつもの様にいったんの場所へとやってきた。今回の胴体部分の文字は『共闘イベントは前編終了! 後編は本日14時より開催!』となっている。まぁ普通のお知らせになっているようで、流石にまた白紙という事はないようだ。


「共闘イベントの前編クリア、お疲れ様〜」

「おう。ところでなんで即時に後半開始じゃないんだ?」

「すぐに後半開始じゃないのはボス戦の休憩期間だね〜」

「……なるほど、休憩時間か」

「いや〜、少数ではあるけど10時間以上ぶっ続けでやってる人もいるから流石に休憩してもらわないとね〜」

「あ、制限かかるのか」

「そうそう。この辺は機器の方の仕様だから、合間で休憩を入れられるようにした時間設定なのさ〜」


 なるほどね。確かにあのボス戦の仕様だと、休憩せずにぶっ続けで12時間やり続けてる人もいるかもしれないから、そういう人用に少し休憩しろという措置なのか。……うん、俺もゴールデンウィークの時にオフライン版でやり過ぎて使用制限はかかったし、必要な措置なのだろう。


「平日ならもう少しがっつり空けるんだけど、土日でそれだとね〜」

「あー、流石に土日だとな」

「という事で、3時間の休憩設定です〜。程々に休憩してね〜」

「ま、そこまで長時間でもないけど休憩はしとくよ」

「よろしくね〜。あ、そうそう。別に絶対にそうじゃないと駄目な訳じゃないけど、後編開始時は出来るだけ初期エリアにいる事を勧めるよ〜。気に入ってる場所があれば、そこがいいかな〜?」

「え、なんで?」

「それはネタバレになるから言えません〜」

「……という事は初期エリアに何かがあるのか」

「どうだろね〜?」


 いったんがこういう思わせぶりな事を言うって事は何かありそうだ。気に入ってる初期エリアか。んー、やっぱり自分のスタート地点の森林深部かな? まぁ、この辺はみんなと合流してから決めようか。


「ま、始まれば分かるから自分で確かめるよ」

「そうしてね〜。あ、スクリーンショットの承諾もお願いします〜」

「ほいよ」


 そしていつもの様にスクショの承諾をしていく。まぁ終盤はスキルの熟練度稼ぎしてただけだから別にそれほど休憩も必要はないけども、昼飯休憩のつもりではいるからね。とりあえず昼飯を食ってこよう。



 ◇ ◇ ◇



 ログアウトして、リビングへとやってくればそこには既に昼飯の準備が済んでいた。今日はうどんのようである。ん? てっきり晴香の方が先に来てるかと思ったけどまだなのか。


「あ、圭ちゃん。丁度呼ぼうと思ってたとこなのよ」

「良いタイミングだったんだ。……晴香は?」

「……どうしたのかしらね? 圭ちゃん、呼んできてくれない?」

「あー分かった」


 飯時にはいつもすっ飛んでくる晴香がやってこないというのも妙な気分だな。とにかく2階へ行って、晴香の部屋の前までやってきた。……なんか話し声が聞こえるって事は誰かと会話中か? まぁ一応軽くノックして声をかけておこう。


「おーい、晴香? 昼飯だけど、どうしたよ?」

「あ、ごめん! また後でねー!」


 そういう返事が聞こえて、晴香が自室から出てきた。用事は済んだというよりは中断させた感じもするけど……。


「……通話の邪魔になったか?」

「あ、要件は話し終えてたから大丈夫! ちなみにラックからー! あ、ゲームは関係ない話題だよ!」

「そうか。なら内容は聞かないわ」

「まぁ宿題の範囲を聞いてきただけなんだけどね!」

「聞かないって言ったのに言うんかい!」


 いや、別に聞いても大して問題の無い内容だったけども……。それにしても晴香も一応は宿題はちゃんとやってるんだな。


「まだやってないから、ご飯食べたら後編開始までにラックと宿題を片付けてきます!」

「……まだやってないのかよ」

「いやー、色々とお手上げで!」

「おーい、それでゲームやってて大丈夫か?」

「ラックが教えてくれる事になったから大丈夫! 外部ファイルの取り込み可能な仮想空間で勉強さー!」

「あー、そういやそんなのもあったな。まぁ頑張れ」


 ネット回線の契約の内にホームサーバー経由で普通の部屋っぽい仮想空間を作るって機能もあるからな。どっちかがゲスト用の認証コードを発行すれば、一緒に使えるって機能。まぁ基本サービスに組み込まれてるのはそれほど出来る事は多くないからそれほど使う事もないけど、宿題をするくらいなら問題はないか。

 元々は在宅ワーク向けの仮想オフィス機能の簡易版ってものらしいしね。その辺は業務用になってきて俺にはまだ縁がないからよく知らないけども。


「ちなみにお昼は何ー!?」

「うどんだ、うどん」

「おー! うどんだー!」


 そして晴香はササッとリビングへと向かっていった。ま、ゲームばっかりでなく宿題もちゃんとやるっていうなら問題視する事でもないか。



 ◇ ◇ ◇



 食事を終えて、再ログインしてきた。ハーレさんはラックさんとしばらくの間は宿題をしているという事で俺のみのログインである。14時の10分前までにはログインしてくるという事なので、まぁ支障はないかな。


 ログインした場所はログアウトした荒野エリアの横のソヨカゼ草原。ログアウトする前に引き続きバーベキューは続いているようだ。まぁなんだかんだ連戦だった人も多いだろうし、結構回復アイテムを使って補充が必要なんだろうね。

 さてと他のみんなはどうだろうね? お、アルは既に来ている……っていうか、すぐ近くにいた。今回は木の方でログインのようだね。


「おっす、アル!」

「……なぁ、ケイ」

「ん? どうした、アル?」


 何か考え込むような声音のアルの様子にちょっと違和感がある。……何か失敗したかのような悔しさが滲み出ているけど、一体何があったんだろうか?


「さっき昼飯食いながら、少し気付いた事があってな。……ジェイさんめ、地味にやってくれたぞ」

「……え、どういう事だ? っていうか何の話?」

「昨日ボス戦での魔法吸収の話だな。その時に魔法吸収のポイント取得の前提条件で水分吸収と養分吸収の話もしてただろ?」

「あーそういやそうだっけ? でも、それがどうかしたのか?」


 あの時のジェイさんは普通にこっちの不確定情報に、間違いはないと補足を入れてくれたはず。……何か問題になる要素なんてあったっけ?


「よーく考えろよ、ケイ。木の養分吸収ってのはこういう仕様だぞ。『養分吸収』!」

「……え? あっ!?」


 そしてアルの木の根が突き刺す様に動いていく。それを今見てアルが言いたい事に気付いた。今は何も相手がいないから空振りだけど、木の養分吸収は根で突き刺していくスキル……。つまり、このままの養分吸収はコケには使えない。


「もしかしてコケの条件は別物!?」

「さっきベスタに確認を取った。まだ未確定になってる理由は、その可能性があるからだとよ。コケ側の条件が確定出来てねぇらしい」

「あー!? これ、完全にジェイさんに誤情報の誘導やられてんじゃん!?」

「……いや、間違った事は言ってねぇんだよ。コケの条件が異なる可能性を伏せてただけでな」

「……やってくれたな、ジェイさんめ!?」


 迂闊に鵜呑みにすると危険なのか、ジェイさんの発言って。まさかそんなとこに情報戦の仕込みがされていたとは思わなかった。……アル、よく気付いてくれた。


「で、ケイ。本題はここからだ」

「……コケの条件を確定させようって事だな?」

「あぁ、ベスタからも可能であればと頼まれている。どうだ?」

「何か悔しいから良いぞ」


 うん、さっきアルが悔しがってた理由がちょっと分かった。これは確かに悔しいね。……即座に気付けなかったというのが特にである。

 それにコケの養分吸収にも興味が出てきた。あまり興味を惹かれなかったから取らずにスルーしてたけど、スキル仕様が違う可能性があるなら確認しておきたい。スキル取得一覧開いて、養分吸収を探していこう。お、あった。取得に必要なポイント数は融合進化ポイント15か。よし、サクッと取ってしまおう。


『養分吸収Lv1』

 自身の核から敵のHPを吸収し自身の力へと変換して、戦闘時の行動値の回復速度を少し上昇させる。


 あ、これ地味に良いやつだ。なんで今までこれを取らなかったー!? いや、でも今の支配進化状態なら便利だけど魔法型のコケ単体だとちょっと微妙か? これって物理型のコケの攻撃スキルっぽい気がする。


「アル、木の養分吸収ってHP吸収だったよな?」

「あぁ、そうだぞ。……やっぱりコケは違うのか?」

「うん、HPが無いからだろうけど戦闘時の行動値の回復速度を少し上昇だとさ」

「……どうなんだ、それ?」

「多分物理型ならこれで回転率を上げながら攻撃していくのかもしれないね」

「あー、そういや初めの頃は燃費悪いって言ってたもんな」


 おそらく物理型のコケは養分吸収で行動値の回復速度を上げて、そこから他の物理攻撃へと繋げて行くのだろう。魔法型の俺だと移動回数は減らせるから、そういう形での戦闘スタイルの違いかな。


「で、魔法吸収の方はどうだ?」

「ちょい待って、これから確認する」


 養分吸収の仕様が違うという情報も重要だけど、本命は魔法吸収のポイント取得に現れる条件の方だな。えーと、スキル取得一覧をもう一回開いてっと。……さっきまで無かったけど、そこには魔法吸収の項目がしっかりと存在していた。

 つまり魔法吸収をポイント取得する為には水分吸収のLvは分からないけど、養分吸収はLv1あれば充分と。ジェイさん、これを知ってたな?


「なぁ、アル?」

「……あったんだな? 木は養分吸収Lv3が必要だが、コケは持ってるだけでいいのか……」

「おう。それでなんだけど、これは取っておくべき?」

「あー、どうだろな? あって困ることもないだろうけど、使い勝手が良いかどうかは微妙な気もするな」


 そもそも魔法吸収は詳細なスキル内容も知らないんだよな。直接制御していない魔法を吸収出来るとしか……。うーん、ちょっとまとめも見てみようか。

 木の方の内容はあったけど条件の確定が出来ていないくらいだから、コケとの差異に関しては情報不足のようである。でも魔法を吸収して魔力値の回復が出来るみたいだから、地味にあった方が便利かもしれない。

 それにしても植物系の物理攻撃のスキルの情報は全体的に不足気味のようだね。その代わり魔法系の情報は充実している気もする。なるほど、情報提供欄にも『木の物理型の情報が不足気味なので、提供を求む』と書いてあるし、灰の群集の植物系魔法寄りのプレイヤーが多いんだな。


「情報不足っぽいし、使い道が無い訳じゃなさそうだから取るだけ取ってみるかな」

「まぁその判断はケイに任せる。……俺は根の操作の昇華だな」

「そういやそれを狙うって言ってたっけ。まだ無理っぽい?」

「Lv5になってから結構使ったからもう少しだとは思うんだが、熟練度に関しては表示が無いからなんとも言えんな。ケイ、ちょっと鍛えるのに付き合ってくれるか?」

「おう、良いぞ。俺も土の昇華を目指したいからな」


 熟練度に関しては地道に稼いでいくしかないからね。ひたすら使いまくって熟練度稼ぎあるのみだ。……何か他にも手段があったら嬉しいけど、昇華とかの強化の称号もあるか簡単にはそんな手段は用意してくれないだろうな。


「んじゃ早速やるか? ここでやっても良いけど、場所をミズキの森林とかにーー」

「あ、ちょっと待った。先に魔法吸収を取るからさ」

「取るんだな?」

「ポイントはあるし、具体的な使い道は後から考える!」

「ほいよ。まぁボスの誘導に使い道があったしな」


 そうそう、ああいう使い方があるのなら持っておいて損はないはず。なんだかんだで融合進化ポイント30は必要だから、それなりに優秀なスキルなんだろうね。……よし、取得も完了したし詳細を見てみようかな。


『魔法吸収Lv1』

 核から直接の制御下にない魔法を吸収し、無効化する。また自身の魔力値を少し回復させる事が出来る。


 ふむふむ、このスキルは基本的に他の植物系で手に入る魔法吸収と同じようである。あ、核からってとこだけは違うかな? まぁこれならロブスターの表面で増殖して使う事は可能だね。

 これを使うのはどちらかというと対人戦よりは対モンスター用のスキルかな。対人戦で使えなくもないけど、並列制御で操作系スキルで魔法を直接制御されたら駄目だろうしね。


「そんじゃ、特訓やりますか!」

「おうよ。場所はどうする?」

「んー、サヤとヨッシさんが来るまでここでやって、その後で場所移動するか?」

「それもそうだな。……ん? ケイ、ハーレさんはどうするんだ?」

「ハーレさんならリアル都合でログインは14時直前くらいになるぞ」

「ほう、そうなのか」


 今頃はラックさんと共に宿題を片付けているはずだろう。多分ハーレさんは自分で連絡はしているとは思うけど、サヤとヨッシさんにもこの辺は伝えておかないとね。

 サヤとヨッシさんもスキルの熟練度稼ぎはしたいとは思うけど、他に用事もあるかもしれないので決めつけないでおこう。その辺はログインしてから確認すればいいしね。それまではアルと2人で特訓だー!


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大きな流れ自体は同じですが、それ以外はほぼ別物!
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― 新着の感想 ―
[一言] 雷………… ビカビカ放電するコケをつけたロブスター?に、なってるのかな~?
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