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Monsters Evolve Online 〜生存の鍵は進化にあり〜  作者: 加部川ツトシ
第10章 共闘イベント、本格攻略開始!

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第277話 青の群集の森林深部へ


 ハーレさんの風の操作も無事に取得し終えて、それから後は特に何事もなく森林エリアの川を遡っていく。川があるエリアは川沿いに進めば良いからわかりやすくていいね。まぁ初期エリアはマップが全て埋まっているから迷う事もないんだけど。


 そしてそれ程時間もかからずに青の群集へのエリア切り替え地点までやってきた。ちょっと寄り道もあったから水のカーペットを飛ばし気味にしたしね。


<『始まりの森林・灰の群集エリア1』から『始まりの森林深部・青の群集エリア2』に移動しました>


 これで青の群集の森林深部入りは完了。川が西寄りにあったので、中央よりは西側の方に出たけど、それはいいや。さてと西側は多分最後の競争クエストがあったミヤ・マサの森林だから、行くべきは東か南どっちかだね。レナさんが知っているという事だったので、案内は任せよう。


「さぁ、目的はここの南側の高原だよ!」

「あ、高原なんだ?」

「ここの先にも雪山はあるからね。その手前が高原になってるよ」

「おー、高原だー! でも景色は多分残念だー!?」

「ハーレ、それはイベントが終わってから改めてね?」

「こればっかりは仕方ないよね……。よーし、イベント終わったら雪合戦だー!」

「ハーレ、高原はどこ行ったのかな!?」

「もちろん高原も行くよー! でも、その先も目的設定した方が楽しいよ!」


 完全に高原が通り道で目的地が雪山になってるじゃないか。……いや、でも雪合戦か。それはそれで氷の操作の取得を狙えてあり……? でも事前準備は必要そうだし、ヨッシさん以外は氷の小結晶を用意しておいた方が安全かもしれない。そうなると桜花さんのとこに岩の運搬をしてそれで取引をして……って違ーう!?


「……ハーレさん、脱線するからそれはイベント終わってからな?」

「はーい!」


 その辺はイベントが終わってからじっくり考えるとしよう。雪山かどうかは別にしても移動距離を伸ばして遠くのエリアに行くようにならなければいけないのは間違いない。それはともかくとして、今は高原に行くのが先決だね。


「ちなみにレナさん?」

「ヨッシさん、どしたの?」

「東側はどうなってるの?」

「ここは確か平野だったかな。エリアとしては少し狭めだけど、色々揃ってたはずだよ」

「へぇ、平野なんだ」


 東側は平野か。同じ森林深部でも繋がってるエリアが全て同じって訳でもないのか。まぁ行こうと思えば他の群集エリアを突っ切って移動も可能だし、他のエリア同士も繋がっているだろうから問題もないか。


 よっぽど群集同士で険悪な状況に陥ってない限りは、占拠エリアになる競争クエストの対象エリア以外で追い出すような事はないだろう。こう考えるとやっぱり競争クエストの占拠エリアってのは重要なんだな。

 性質的にもあのエリアは再戦で奪い合う機会がありそうだね。ま、それはすぐにではないだろうし、今は共闘イベント中だから、そっちに集中しよう。今日はただでさえ、まだ何も出来てないからね。


「よし、最短で突っ切って行くか」

「だな。森の上を飛んでいくぞ」

「「「「おー!」」」」


 ここは森林深部だけどアルのスキルLvが上がってきたおかげで、上空とまではいかないけど森の上部1メートルくらいの高さまでなら浮けていられるようになっている。森の上を突っ切って一直線に進むのが最短距離だろう。



 そしてしばらく進んでいけば、森林の中から少し飛び出ている大きな木が見えてくる。この木がここの群集拠点種なのだろう。見た目はエンそっくりな感じだな。ついでに青の群集の森林深部も陥没した地形になってるのか。

 そういや赤の森林も、灰の森林と川の向きは違っても雰囲気はほぼ似たようなもんだったね。この辺は群集によって極端な差はないのかもしれないね。


 当たり前といえば当たり前だけど、青の群集でも群集拠点種というのは賑わっているようである。


「お、来るって言ってた灰の群集のクジラってあれか」

「ホントに飛んでる!?」

「……聞いてはいたけど、実物見ると迫力がすげぇな」

「あのクジラのPTなんだろ、競争クエストの時の爆殺って」

「他にもクジラはいたから、微妙じゃね?」

「空飛ぶクジラ計画は公言してるだけでも2PTいるからねー。まぁあっちは爆殺の方で合ってるよ」

「お、ありがとさん。確かこっちにも同じ計画を始めたってのもいたな」


 どうも僅かに聞こえてくる声の中から、空飛ぶクジラ計画の事は話題になっているらしい。ちらほらと灰の群集の人もいるみたいだし、青の群集の方でも空飛ぶクジラ計画は始動しているようだ。ふむふむ、そりゃあれだけ警戒されるように目立たせたら隠しようがないか。


「……他にも飛ぶ計画してるクジラがいたのか。まぁ俺らの方にもいるから別に問題ないな。ジェイ、行くぞ」

「えぇ、分かっています。行きますよ『移動操作制御Ⅰ』!」


 そして聞き覚えのある声が聞こえてきて、下からタチウオとコケの生えたカニが岩に乗ってやってきた。……何故か知らないけど、タチウオが1メートルくらいのラグビーボール的な形の岩に刺さっているけども。何がどうしてそうなっている?

 なんか伝説の刀が刺さってる岩みたいな雰囲気だな。もしくは戦士の墓標。


「よう、ケイさん達。迎えに来たぜ」

「……どうやらその必要も無さそうですけどね。ようこそ、青の群集の森林深部へ。道案内を予定していましたが、あなたがいるなら必要ありませんでしたね。『渡りリス』のレナさん?」

「へ? なんでわたし? 『渡りリス』って何?」

「あの競争クエストの後に群集で聞いてみれば、次から次へと色んなエリアから目撃情報が出て来ましたからね。……流石にすべての初期エリアで目撃情報が出るとは思いませんでしたよ。他の方々は具体的な情報は得にくかったですけども、あなたは特別に多かったですからね」

「あちゃー! そりゃあちこちには行ったし色んな人とも話したけど、あだ名が付いちゃってたとはねー」


 どうやら競争クエストの後に調べていたようである。っていうかレナさん、青の群集の初期エリア全てに目撃情報があるって地味に凄い。灰の群集と隣接していない場所もあるんだから確実に陸路を使って行った場所もあるって事だよな。……プレイヤースキルも凄いけど、やはりレナさんは侮れない。


「まぁわたしの事は良いとして! そこのタチウオの人……キリサメさんだっけ? なんで、岩に刺さってるの?」

「キリサメじゃねぇ、ザンウだ! ……いや、キリサメってのも意外と悪くないか……?」

「あ、ごめんごめん。普通に読み間違えた。ザンウさんね、覚えたよ」


 あー、ジェイさんが斬雨さんを何度も呼んでたのを聞いているから読み方は分かってたけども、名前だけを見たらキリサメとも読もうと思えば読めるんだな。……あれ、レナさんって戦ってる時に聞いていなかったっけ? ま、ど忘れする事もあるか。

 とにかく俺も非常に気になっている事をよく聞いてくれた。普通の岩の操作ではああいう風にはならないと思うんだけど。もしかして、ジェイさんは……?


「まぁ斬雨がそれで良いのであれば良いですが……。まぁこれは単純な落下防止ですよ」

「なるほど、それが土の昇華って訳か」

「……やはり即座に見抜かれますね。まぁケイさん相手に隠し通せるとは思っていませんでしたので構いませんが……」

「とか言いつつ、ジェイは内心悔しがってるんだぜ? あれ、自分から言うつもりでいたからな」

「……落として置いていきますよ、斬雨?」

「おっと、そりゃ勘弁。悪かったって、拗ねるなよな?」

「本気で落としてほしいようですね」

「おわっ、マジで勘弁!?」


 ジェイさんがカニのハサミで斬雨さんを抜こうとし始め、斬雨さんは慌て始めている。ここのコンビも何だかんだで仲が良いらしい。そういやジェイさんのカニはワタリガニっぽかったのに、二周りくらい大きくなってゴツくなっている。特にハサミが。


「……冗談はさておき、今回は共闘という事でよろしいですね?」

「あぁ、問題ないぞ」

「いや、俺は良くねぇよ!? ホントに抜いて落とそうとしてるじゃねぇか!?」

「別に良いでしょう、これくらい」

「「「「「「あっ」」」」」」


 ジェイさんが引き抜いた斬雨さんをホントに放り投げちゃった。地味にジェイさんは機嫌を損ねているようである。うーん、昇華の事はよっぽど自分から話したかったみたいだね。それならちょっと悪い事をしてしまった様な気もする。


「ちょ!? 『空中浮遊』『刺突』! 危ねぇな、ジェイ!?」

「どうせ落ちてもダメージは無いでしょう? それにどうせこの程度なら落ちる訳ないですし」

「まだ高いとこで自由自在に飛ぶにはLv足りてねぇの分かってるよな!?」

「少しでも飛べれば斬雨には充分でしょう? ……そろそろ皆さんも困るでしょうから、この辺りにしますよ」

「あー、それもそうだな。スリムの奴に任せっぱなしだから、さっさと行くか」


 そしてジェイさんが斬雨さんが岩の真横に突き刺さった状態から、岩を回転させ上部へと移動させていく。ジェイさん自身は回転する岩の上をバランスを取りながら歩いて、最終的には斬雨さんをハサミで掴んでいた。どうやらジェイさん自身が落ちないようにするための物でもあるらしい。


「ジェイさん、刺した斬雨さんを掴むなら窪みでも作って嵌ってたらどうだ?」

「いえ、それは試したのですが視界の問題がありましてね。色々と試行錯誤中なのですが、何か良い案はあったりしませんか?」

「あ、そうか。岩だから視界に問題が出てくるのか」


 これは岩の盲点というか欠点っぽい? アルの背中の上では下が見にくかったというのと同質な気はするけど、調整すれば何とか出来そうな気もする。ふむ、最小限まで岩の大きさを小さくすれば……あ、ジェイさんだけならいいけど斬雨さんのバランスが悪くなるのか。

 どうやら水のカーペットは視界の確保という側面においては、透き通っているから思っていた以上に優秀であったようである。あ、発想を変えてみようか。岩を変えるんじゃなくてジェイさん自身の視点を切り替えていく方向性で。


「ジェイさんは共生進化だよな?」

「えぇ、そうですよ。支配進化にも興味があるにはありましたが、物理攻撃はあまり得意ではないのも含めまして支配進化にもデメリットがありますしね。少し早まったかと思いましたが、結果的にはこちらの方が私には合っていましたよ」

「そっか。……まぁ支配進化でも問題はないんだけど、増殖でハサミまでコケは広げれるよな?」

「えぇ、可能ですね。……あ、そういう事ですか。その方向性は失念していましたよ」

「お、気付いた?」

「えぇ、試してみますよ。『増殖』! この状態でコケの視点をハサミの方に移せば……なるほど、これはありですね。ケイさん、ありがとうございます」

「いえいえ」


 折角コケで自由に視点を変えれるんだから活用しないとね。これならハサミが届く距離を基点にした視点になっているから甲羅の上からよりは見やすくなっただろう。まぁこれから共闘するんだし、このくらいのアドバイスは良いだろう。


「それでは皆さん、戦場に案内しますので着いてきて下さい」

「ジェイ、その前にPT連結だろ?」

「あぁ、そうでしたね。これは失礼しました」


 そしてジェイさんからのPT連結申請が届いてくる。よし、承諾っと。


<ジェイ様のPTと連結しました>

<濡れたらスリム様のPTと連結しました>


 既に青の群集で連結済みだったようで、すぐに18人の大所帯へと変わっていった。俺ら以外の灰の群集が3人ほどいるから、臨時でPTの編成を変えている感じかな?

 知ってる人はフクロウのスリムさんと、目の前にいるジェイさんと斬雨さんだけか。まぁ名前を覚えてないだけで総力戦で戦っていた人もいるかもしれないけどね。この感じだとホントに迎えに来ただけっぽいな。


 それにしてもジェイさんが土の昇華持ちか。支配進化の事も知っていたし、あの総力戦の時点で昇華目前まで行っていたのかもしれないね。ルアーと話をした時にも思ったけど、対戦相手の状況が後から分かるというのも面白いものだ。

 1日でも後ろに日程がズレていたら、違った結果が出たかもしれないんだな。勝負は時の運って事なのだろう。結果タイミング的なものに助けられた勝利だったのかもね。


 ま、過ぎた事のもしもを考えても仕方ない。準備も整った事だし、サクッと移動妨害のボスを仕留めて共闘イベントを進めよう! 


「それじゃーー」

「それじゃ出発だー!」

「ハーレさんに台詞をまた取られた!?」

「ふっふっふ、ケイさん、こういうのは早いもの勝ちさー!」

「言ったな、ハーレさん?」

「はいはい、ハーレもケイさんもこれ以上時間かけるような事はやめてね」

「今日はまだろくに出来てないから、早く行きたいかな?」

「あぅ!? 容赦のないダメ出し!?」

「ハーレさんが割り込むからーー」

「あーこれ以上馬鹿やってないで、さっさと行くぞ」


 結局最終的にはアルに取られてしまった。うーむ、ハーレさんは、最近その辺の遠慮がないな。まぁ台詞くらいなら害はないから別にいいか。


「……この和気あいあいのメンバーがあれだけ強いってんだから、油断出来ねぇよな」

「えぇ、そうですね。ですが今回は味方ですから、非常に心強いものです」

「確かにそりゃ違いねぇ!」


 結構な高評価を頂いているようで何よりだね。さてと、青の群集なら赤の群集ほど気兼ねする必要はないだろうし暴れるぞー!

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大きな流れ自体は同じですが、それ以外はほぼ別物!
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― 新着の感想 ―
[一言] 太刀ウオを持って切りかかるカニ…………何気に強そう(なお、タチウオ本人は掘り回されるから地味に怖い(笑))
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