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Monsters Evolve Online 〜生存の鍵は進化にあり〜  作者: 加部川ツトシ
第10章 共闘イベント、本格攻略開始!

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第273話 充実していくまとめ情報


 色々と片付いたので、ミズキの所まで移動してからサヤとヨッシさんは一旦ログアウトしていった。逃亡防止に隠れ潜んでいた人達も、終わったのを確認していた。そしてミズキの森林はいつもの様に賑やかな様子に戻っていく。


 さてと、ベスタが連撃系の応用スキルを使っていたしその辺も確認しておこうっと。さっきまで色々とやったから、少しの間くらいのんびりしていても別にいいよね。……のんびりしたいから、少し目立たない位置に移動しようっと。


「ハーレさん、ちょい移動しよう」

「そだね! さっきの今だと目立ちそうだもんね!」


 少し転移地点から離れた場所まで移動してきた。うん、ここなら木々も多めのとこだし、それほど目立たないだろう。


「ケイさん、これからどうするー!?」

「ちょっとまとめの確認がしたい。ベスタが連撃系の応用スキルを使ってたんだよ」

「おー!? それは気になるね!」

「だろ?」

「それじゃ確認だー!」


 ハーレさんの同意も取れたという事で、まとめの確認だな。それにしてもまだまだ埋まっていない箇所は多いけど、それなりに情報は増えてきたね。えーと、応用スキルの項目を確認していこうっと。


「お、やっぱり新情報あったな。チャージ系の応用スキルの強化スキルが『凝縮破壊Ⅰ』で、連撃系の応用スキルの強化スキルが『連鎖増強Ⅰ』なのか」

「おー! やっぱり連撃系のもあったんだ!」


 詳細としては凝縮破壊はチャージ時の威力増加になっていて、連撃系の応用スキルは対象の連撃スキルで敵か敵の攻撃に命中させた回数だけ段階的に威力が上がり、ミスをしたら1撃ごとに1段階ずつ下がっていくようだ。

 そして連鎖増強Ⅰはその威力増加とミスした際の段階低下を低確率で防止か。取得条件は称号『連撃を放つモノ』の取得。そして称号取得の条件は『力を溜めるモノ』のスキルの種類を変えただけのようである。


 ふむ、現時点で分かっている範囲のスキルの分類も出てるね。えーと、物理攻撃スキルは1撃のみのスキルは単発系スキルに分類されてチャージ系の応用スキルへ発展、同時攻撃を含む2発以上の攻撃を行うスキルは連撃系スキルに分類されて連撃系の応用スキルへ発展か。そして操作系スキルと魔法系スキルは別系統として存在していると。

 まぁ単純に物理攻撃スキルは単発とそれ以外って認識でいれば良さそうだ。そうなると俺が狙うべきは凝縮破壊か。……でも先に昇華を狙いたいんだよな。候補としては属性を持っている土の操作。あれの昇華があれば、多分岩の操作がいつでも使えるようになるしね。


「なぁ、ハーレさん」

「何かなー!?」

「土の昇華狙いと、凝縮破壊狙い、どっちがいいと思う?」

「そのうちどっちも取るつもりなんだよね!?」

「あ、それはもちろんだ。どっちを先にするかって問題」

「それなら土の昇華でいいと思うよ! ケイさんはコケがメイン!」

「……俺はコケがメインか。ま、それもそうだよな」


 俺の本体……というか主戦力はコケの魔法と操作だしな。殴打重衝撃をポイントで取ったから、一応の近接攻撃力も確保してはいる。まずは得意分野を徹底的に伸ばしていく事にするか。


「そういやハーレさん、スキルの育ち具合は?」

「狙撃Lv4、強投擲Lv3です! あ、そうだ! そういえば変異の法則の推測が載ってるはずだよ!?」

「え、マジか!」


 それは地味に気になっていた情報だ。推測段階みたいだけど、それでも確認はしておきたいところである。えーと、どこだ? ……あ、未確定の推測情報ってとこか。


 ふむふむ、灰の群集の所属ボーナスである変異率上昇の効果とその法則についてか。基本的に非常に確率は低い事が大前提で、同系統スキルの上位スキルへと変異する事が確認されていると。派生ルートは無視し、段階を飛ばす事もあるのか。


 あ、投擲系スキルと爪系スキルでの例が出てるね。ハーレさんが投擲系統での変異だし丁度いいか。どれどれ、内容を確認してみようか。


【スキルの派生ルート】

 スキルによって設定されたLvに到達した段階で派生先があれば派生スキルを取得。必ずしも派生先がある訳ではない事に要注意。(2〜3回の派生を確認)

 それまでの攻撃の使用方法により派生先が変化する。まだ未確定だが、所持している特性や種族固有スキルによっても内容が変わる可能性あり。(詳細が分かり次第、追加して記載)


 【投擲系スキルの基礎派生ルート】

  基本スキル 『投擲』

  単発系への派生 『強投擲』ー『狙撃』

  連撃系への派生 『散弾投擲』ー『連投擲』


 【爪系スキルの基礎派生ルート】

  基本スキル 『爪撃』

  単発系への派生 『強爪撃』ー『強斬爪撃』

  連撃系への派生 『双爪撃』ー『爪連撃』ー『爪刃乱舞』


 以上の派生ルートを無視した『強投擲』から『連投擲』、『投擲』から『狙撃』、『強爪撃』から『爪刃乱舞』への変異が確認されている。通常時に突然変異する事もあるが、派生条件を達成時に変異確率が上昇するようで、その場合は派生ルートが変わる可能性あり。

 他の群集での変異については情報不足ではあるが、上昇効果がある灰の群集でも少数例なので他の群集ではほぼ見る事すらない可能性もある。この辺りは可能であれば他の群集からの移籍者の情報提供を求む。



 ほうほう、これはまた随分とハーレさんの状況に当てはまっている例だね。そうか、狙撃の前に強投擲への派生が間にあったんだな。そして変異でそれをすっ飛ばして、ルートすら変わって狙撃になっていたと。うん、まぁ威力とか進化ポイントを考えれば変異は得ではあるんだろうね。……これって確実にあれだよなー。


「これの情報サンプルの1つはハーレさんだろ?」

「大当たりだよ、ケイさん!」

「やっぱりか! どう考えてもピッタリ過ぎるわけだ!」

「でも、ちゃんと同様の事例で検証したとは言ってたよー! すっ飛ばして変異するパターンって情報提供された中でも結構あったみたい!」

「……まぁ他の変異情報もあるから、そりゃ検証してるよな」


 それにしても、ルートを無視して上位スキルへと変異するのか。何に変異するかは、その時の運次第って事なのかもしれないね。……応用スキルへの変異とかもあるんだろうか? うん、それは流石に分からないな。

 変異は狙って出来るものでもないし、もし変異すれば手札が増えてラッキーくらいに考えておいた方がいいかもね。


「時間も微妙だし、このまま色々見ていくか」

「賛成ー!」


 とはいえ、折角の時間なんだしスキルの熟練度は稼いでおくか。何も的当てばかりが熟練度稼ぎじゃないしね。今は夜目だけ発動中だから、盛大に使っていくか。ハーレさんも近くの石に腰掛けている事だし、邪魔にもならないだろう。


<行動値上限を4使用して『発光Lv4』を発動します>  行動値 53/53 → 49/49(上限値使用:5)

<行動値上限を1使用と魔力値2消費して『自己強化Lv1』を発動します>  行動値 49/49 → 48/48(上限値使用:6): 魔力値 112/114 :効果時間 10分

<行動値1と魔力値4消費して『土魔法Lv1:アースクリエイト』を発動します> 行動値 47/48(上限値使用:6): 魔力値 108/114

<行動値上限を1使用と魔力値2消費して『操作属性付与Lv1』を発動します>  行動値 47/48 → 47/47(上限値使用:7): 魔力値 106/114

<行動値1と魔力値4消費して『土魔法Lv1:アースクリエイト』を発動します> 行動値 46/47(上限値使用:7): 魔力値 102/114

<行動値を3消費して『増殖Lv3』を発動します>  行動値 43/47(上限値使用:7)

<行動値を4消費して『土の操作Lv3』を発動します>  行動値 39/47(上限値使用:7)

<熟練度が規定値に到達したため、スキル『土の操作Lv3』が『土の操作Lv4』になりました>


 さて、これで熟練度稼ぎ、大人しくしているバージョンの完成である。可能な限りのスキル発動を盛り込んだ状態だ。そして地味に土の操作のLvが上がったね。あ、並列制御を使えばあと1個くらいは追加できるかな?


「おー!? やり過ぎってくらいに色々やってるね!?」

「ふっふっふ、これで自己強化と土の操作と発光を同時に育てるんだよ!」

「同時発動って手段があったね!?」

「ハーレさんも真似しても良いぞ?」

「そうしようっと! 『魔力集中』『上限発動指示:登録1』『アースクリエイト』『土の操作』!」


 ハーレさんは流石に投げる訳にもいかないので、そこまでのようである。まぁそれでも小石を浮かべているのを見ればそれなりに熟練度は稼げるだろう……って傘展開をしたクラゲの中に小石を入れて持ち上げるんかい!?


「おー! これも案外ありだね!」

「そうか、無理に風でなくても良いんだな」

「リスで飛ぶ時はこれにしようっと!」


 ちょっと持ち上げるにはまだ力不足感がありそうな感じだけど、そこは土の操作のLvが上がれば解消されてくる話である。ハーレさんの土魔法は投擲の弾として優秀なので、可能であれば昇華を目指してみるのも良いかもね。まぁ物理寄りのハーレさんには凝縮破壊の方が先だろうけど。


 そんな感じで特にこれといって役割もない熟練度稼ぎの為だけのスキル発動をしながら、充実してきているまとめ機能を読み込んでいく。うん、知っている事も結構あるけど、案外知らない事も結構多い。


 今日、桜花さんに教えてもらった不動種の特徴もしっかりまとめられていた。そこで新たに知った内容としては、不動種と言ってもいくつか方向性が分かれているとの事である。

 桜花さんみたいに色んな人から手に入るアイテムの交換をメインとする商人的な活動をする人や、自力で集めてきたアイテムを各地のエリア情報と交換するサファリ系の情報屋的な人、木の分身で作った種族が地味に遭遇した種族としてカウントされる仕様を活用した2nd選びの紹介をする人、そして中継をメインに色んな人の溜まり場として活動する人などがいるらしい。


「不動種って言っても色んな人がいるんだな」

「灰のサファリ同盟の所属の人は情報屋タイプが多いよー!」

「まぁそうなるだろうな」


 現時点でギルド的なものはないけど、そのうち機能として追加されたりはするのかな? オオカミ組とか灰のサファリ同盟とかは思いっきり活用しそうだけど。まぁ、もしあればそのうち告知があるだろ。


「あ、ケイさん! ちょっと気になる内容を発見!」

「どんなの?」

「物理攻撃の並列制御での利用についてだってさ!」

「……ほう?」


 それは確かに気になる。そういえばその組み合わせは試した事が無かったね。……ベスタは応用スキルで実際にやっていたけども、全部が全部あんな風に出来るとは思えないしね。検証情報があるなら見ておきたいとこではある。


 えーと、爪系スキル等の同一系統の攻撃部位がある場合についてはそれぞれに分散させる事で同じスキルの並列制御での発動は可能か。

 噛み付きなどの攻撃部位が1ヶ所に限られる場合は、推定で1.5倍程の威力になるけど行動値が3倍になる事を考えると非推奨となってるね。まぁそれだと無駄に行動値の消費が増えるだけで使いにくいよな。

 物理攻撃の応用スキルについては、同一スキルは再使用制限に引っかかるから発動不可だけど、しっかりと行動値は消費するので無闇に使わない様に要注意って書いてあるね。うん、内容を把握していれば問題はないけど、何も考えずに発動すれば悲惨な事になりそうだ。



 さてと、色々とまとめを見ていたらいつの間にやら7時目前になってきた。そろそろ切り上げて、晩飯を食べて来ようかな。


「ハーレさん、そろそろ切り上げるぞー」

「そだね! 晩御飯だー!」

「今日はなんだろな?」

「なんだろなー!?」


 相変わらず食欲旺盛なハーレさんは既にハイテンションである。ま、とりあえずログアウトするか。



 ◇ ◇ ◇



 そしていつもの様にいったんのいるログイン場面へとやってきた。今回の胴体部分は『お手数をかけて申し訳ありません』となっている。はて、今までと何やら様子が違うね? どうしたんだろうか?


「なぁ、いったん。これってどしたの?」

「言葉のままだね〜。運営としてはプレイヤーの方に色々と手間をかけさせて反省しているところなのさ〜」

「……もしかして、運営ってあれの一連の流れを見てた?」

「場合によっては対応に動く必要もあったからね〜」

「そういやそうなるのか……」


 運営としても放置出来る状態では無かったって事になるよな。……すぐに動けるように確認していたという訳か。そうなると、俺達の裏工作も運営には全部筒抜けって事なんだろうな。


「……運営としての判断は?」

「普通なら教えられないけど、今回は事情が事情だからね〜。教えるけど、他言無用が絶対条件だからね? それでもいいかな〜?」

「あぁ、問題ないよ」


 そもそも言いふらすつもりもないからね。そう決めているからこそ、あれを実行に移した訳だし。


「まず元凶の人の方は、運営から次はないって警告になってるよ〜。発端ではあったけど騒動を大きくしたのはどちらかというと周りの方だし、元々運営からは凍結もしてないし、現時点での即座の処罰はなしかな〜」

「そっか、それは良かった。って、え? 凍結されてなかったのか!?」

「凍結されたフリをしてたみたい〜。この辺は基本的に公開してない情報だから、分からないもんね〜」

「……マジか」


 という事は、今日の事もBANされた風に見せかけて自発的に消える予定だったのか。そこまでやって、全てを片付けるつもりだったんだな。


「どっちかというと便乗犯の人達の方が処罰は重めかな〜。程度にもよるけど累積警告とかで最長で1週間のアカウント停止とその後の再犯で永久停止の警告が行ってるよ〜」

「……なるほどね」


 運営としては行動を把握しているから元凶を放置も出来ないけど処罰を下すほどではないと。でも便乗犯は明確にやり過ぎているから、こっちの処罰は重い訳だ。……まぁ具体的に誰がどの程度の事をしてたのかは知らないけど、運営の基準で相応の対応はされたらしい。


「……それで君達の方だけど」

「……ちょっとやり過ぎた?」

「あの対戦自体はエリア的なルールの範囲内だから規約違反ではないけどね〜。でも大々的な中継は晒し上げに近いとこもあって、でも事情が事情だったし運営の力不足もあったから警告ではなく軽い注意だけ。出来れば次にああいうことがあれば、自分達でやるのではなく運営に連絡をお願いします〜」

「あ、そっか。中継が晒し上げになるのか……」


 確かに醜態を晒させるという目的で中継を意図的にやったんだから、ここは警告を受けても仕方ない部分ではある。でも事情も把握していて、ウィルさん自身の同意もあった側面もあるし、運営の対応も後手に回っていたから注意のみってことか。……まぁ次がない事を願いたい。


「……とりあえず今後何か変な事がなければ今回の件は問題なしって認識でいい?」

「そういう事になるね〜」


 ま、それが妥当なところか。……後味の悪い結果にならなくて良かったって事にしておこう。

 その後はいつものようにスクショの承諾処理である。まぁ今回は昨日の赤の群集での戦闘のスクショが多かったね。共闘イベント中は全許可でいいって事で処理をしておいた。


 さてと一度ログアウトして、晩飯だ! 今日のメニューはなんだろうね?

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大きな流れ自体は同じですが、それ以外はほぼ別物!
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― 新着の感想 ―
[一言] まぁ、今回のことは確かに、運営も対応をミスってるしね(゜ー゜)(。_。)ウンウン 後は、雲霞の如く湧いてきた便乗勢が思いのほか多かった事が原因かな 赤に偏りすぎてたんだろうな…………
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