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Monsters Evolve Online 〜生存の鍵は進化にあり〜  作者: 加部川ツトシ
第9章 共闘イベントの開始

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第265話 ボスの出現


 敵を覆う瘴気が内部から弾け飛ぶ様にして消え去り、その正体を表していく。……ちょっと違うけど、どことなく変異進化や纏属進化の演出に似ている気がする。

 その姿は巨大な体躯に、トカゲのような鱗に覆われた表皮、巨大な顎と口を持ち、地を駆ける為の2本の脚と、脚に比べると小柄な手を持っている。色は禍々しい瘴気の黒色をしており、凶悪で鋭い眼光をこちらへ向けている。


 あー、これはあれだな。実物は見る事は無理だけど、見た目だけは見た事がある。ちょっと小型な気はするけど、いわゆる恐竜ってやつだ。そっか、そういや掲示板でも恐竜がいるってのは見た気がするな。……今まさに敵が恐竜に進化したってところか?


「……ちょっと距離があるけど、いけるか?」


<行動値を3消費して『識別Lv3』を発動します>  行動値 48/51(上限値使用:2)


 魔力集中はPTの再編中に時間切れで今は再使用時間の経過待ち。行動値は全快である。識別に視覚延長の効果で3倍まで倍率を上げて発動した。うん、距離はぎりぎりだったみたいだけどなんとか成功した。


『劣ティラノ・纏瘴』Lv1

 種族:黒の暴走種

 進化階位:未成体・黒の暴走種

 属性:瘴気

 特性:強靭、半覚醒、傀儡(支配度:1)


<ケイが未成体・暴走種を発見しました>

<未成体・暴走種の初回発見報酬として、増強進化ポイント6、融合進化ポイント6、生存進化ポイント6獲得しました>

<ケイ2ndが未成体・暴走種を発見しました>

<未成体・暴走種の初回発見報酬として、増強進化ポイント6、融合進化ポイント6、生存進化ポイント6獲得しました>


 纏瘴だと? これってもしかして纏属進化なのか!? 属性の『瘴気』や特性の『傀儡(支配度1)』も初めてだし、今までの敵とは明らかに違う。『傀儡(支配度:1)』って事は支配に段階がある……? そしてちょっと違いはあるけども、これは支配進化に似ている気もする。そうなると他にも支配種の敵がいるんじゃないか?


『グゥウ……! ……ヤメロ! ……オレノ……カラダ……デ……アバレル……ナ!』


 って、おいおいおい!? 何やってんの、こいつ!? 何やら地面に自分の頭を叩きつける様にして暴れまわっている。どうにも様子が変だ。


「おい、あれ……」

「げっ!? あいつが敵を増やしてんのか!?」


『……イシ……モ……モタヌ……キサマ……ノ……スキ……ニ……ナド……サセル……モノ……カ! クッ……ヤメロ!?』


 そして暴れながらも何やら黒い瘴気の弾をいくつも吐き出し、そこから新たな黒の瘴気強化種が誕生していく。……この恐竜、なにかに逆らう様に暴れている雰囲気があるし、完全に支配されている訳ではないのかもしれない。それが支配度の示している様子なのか……?


「フラム、ガストさん、今のやつ何か知らないか? どうにも赤の群集に何か関わりがありそうな気がするんだけど」

「コケのアニキ! 俺、心当たりあるよ!」

「どんな内容だ、アーサー?」

「多分、あいつはここの群集支援種の大きめのトカゲ! えっと、名前は……フラム兄、名前なんだっけ?」

「……あー名前、何だっけな?」

「……最低限必要な情報は分かったから、名前は別にいいや」

「アランな、アラン。お前ら、忘れんなよ」

「あ、そうだ! それだよ、ガストさん!」

「あー、アランだっけか」


 一応ガストさんが名前を教えてくれた。必要なのは名前ではなく、関係性についての情報だから名前は忘れてても問題でもないけどね。……というかしばらくすれば俺も忘れそうではあるけど。よし、とりあえずティラノと呼ぼう。

 アーサーからの情報が正しければ、このティラノは元はトカゲの群集支援種って事になる。……というか一度黒の暴走種になった奴は二度と黒の暴走種にならないっていう話はどこ行った!?


「元黒の暴走種って耐性があるんじゃなかったっけ!?」

「大量の瘴気では無理だったって事なんだろうよ。この様子を見る限りだとな」

「そういえばイベントが始まった時に慌ててたもんね!」

「この量の瘴気は想定外だったって事なのかな?」

「確かに凄い量だよね」


 明らかに今までとは桁違いの瘴気の量だもんな。それこそ、過去の記録映像であったプレイヤー達の故郷が滅んで行く際の瘴気の量に近いくらいだ。……これだけの瘴気をこの星にいた何かが地下に持っていたという事になるんだよな。まだ全体像が見えてこないけど、不本意な手段とも言ってたし何か事情がありそうだ。


『……ニ……ゲ…………ロ……!』


 そしてティラノが地面に頭を叩きつけるのをやめたと思えば、禍々しい瘴気を纏ったまま突撃してきた。うぉ!? 結構な迫力だなって言ってる場合か! あ、尻尾に黒と銀光の混ざった様な光を発し始めてきた。

 銀光って事は応用スキル持ちかよ、流石ボスっぽい! ボスって表記はないけど、多分ボスだよな? 中ボスくらいか。


<ワールドクエスト《地の底にいるモノ》のボス戦に参加しました> 参加回数:1


 やっぱりボス戦のようである。参加回数ってのはなんだ? ……今はそれを気にしている場合でもないか。まずは回避が最優先だ!


「全員、散開! 距離を取れ!」


 今ここにいるメンバーは結構な人数がいるけど、さっきまでなんだかんだで一緒に連携して戦えていたので指示はすんなり通って、みんな回避していた。……そしてティラノは周囲の瘴気強化種を一緒に吹き飛ばして、仕留めている。

 うっわ、向こうはフレンドリーファイアありか。げっ、ティラノが倒した瘴気強化種から溢れた瘴気が吸い込まれるようにティラノへと移動して纏う瘴気の量が増えた。

 具体的にその行為にどんな効果があるのかが分からないけどあんまり良い予感はしないな。周囲の敵は放置せずに仕留めておいて、ティラノも倒していく方向性が良さそうだ。


「ケイさん、足止めしとくから作戦は任せるぞ! 行くぞ、オオカミ組!」

「「「「「おう!」」」」」


「そういう事ならオオカミ組に足止めは任せた! 赤の群集は周囲の半覚醒以外の雑魚の始末を頼む! 成長体の人は成長体を、未成体の人は未成体を狙って、連結してるPTで固まって行動値を気にしながら動いてくれ! 細かい動きの指示は各PTリーダーに任せた!」

「「「「「「「「おー!」」」」」」」」


 とりあえず基本方針はこれで良いだろう。さてとオオカミ組がティラノの足止めに向かっているので今のうちに倒す体制整えないとな。他の灰の群集のメンバーはラーサさんのPT、その他の知り合いのいないPTが3PTほど。ま、これだけいればなんとかなるだろ。


「とりあえず俺らで突っ込んで試してみるから、ラーサさんや他の人のとこは半覚醒の処理を頼む」

「わかったよ、ケイさん」

「ここはコケの人に従っとくのが正解だな」

「だな。必要があれば、合わせて動くから指示出してくれ」

「灰の群集の『ビックリ情報箱』の真髄を見せてやれよ、コケの人!」


 特に見知った相手でもない人も素直に指示に従ってくれている。いや、信頼してくれるのは良いんだけどそのあだ名はやめて欲しいんだよね!? ……いや、今はオオカミ組が足止めしてくれているんだ。そっちに専念しよう。


「今回はみんな別々に動くぞ。サヤと辛子さんは近接で動きながら様子を見ながら攻撃を叩き込んでくれ。アルは突撃で、ヨッシさんはアルの防御役。ハーレさんは俺と一緒に来て、情報の収集を頼む」 

「ま、俺は臨時だしな。合わせるのには異存はねぇぜ」

「任せたぞ、ケイ!」

「みんなでようやく戦えるかな」

「よーし、暴れるぞー!」

「そうだね。やっぱりいつものメンバーが良いよ」


 みんな既にやる気一杯である。どうやらバラバラで動いていたのはみんなとしても不満はあるようだったらしい。まぁ今回は役割は分けるけど、同じ敵を相手に戦うんだ。やる気も出てくるだろう。


「コケのアニキ! 俺達はー!?」

「アーサーとフラムは成長体を仕留めて回れ。水月さんはサヤと辛子さんと一緒で。ガストさんは俺の支援を頼む」


 他の人達には周囲の瘴気強化種の始末を頼んで、これで一応の作戦立案は完了だ。さてと、それじゃ派手に始めますか!


「さてと、初手は盛大に行くか。アル!」

「あれだな? 再使用時間は問題ないし、やるか。『魔力集中』『アースクリエイト』『操作属性付与』!」


<行動値1と魔力値3消費して『水魔法Lv1:アクアクリエイト』を発動します> 行動値 50/51(上限値使用:2): 魔力値 109/112

<行動値を19消費して『水流の操作Lv3』を発動します>  行動値 31/51(上限値使用:2)


 大量の水による水流を生成し、その上にアルが浮かぶ準備が整った。さて、ここからアルが高速遊泳を使い、全力で頭突きを食らわせていけばボスといえどもそれなりにダメージはあるだろう。


「へぇ、面白い事をすんだな。なら、更にこういうのはどうだ? 『ウィンドクリエイト』『強風の操作』!」

「お、ガストさん、それはいいね! アル、いけるか?」

「やってやろうじゃねぇか! 『高速遊泳』『強頭突き・土』!」

「そんじゃ、いくぜ!」


 そしてアルが高速遊泳を発動して俺の水流に乗った後に、ガストさんがクジラを後ろから押すように強風を操作していく。うっわー、すげぇ加速だ!? うーん、ここまで来るとアルのクジラの頭突きを応用スキルに置き換えたいとこだな。

 おっと、オオカミ組への警告をしないと。このままならダメージはなくても巻き添えで轢きかねないし。


「オオカミ組、各自散開! クジラの衝突に備えて支援の拘束を忘れるな!」

「行くっすよ! 『コイルウィンド』!」

「おうよ! 『ファイアボム』!」

「ふはは! 複合魔法『バーストホールド』を喰らえ!」


 お、流石はオオカミ組。言わなくともこちらの動きを即座に察知して回避対応どころか、拘束の複合魔法まで使ってくれた。ふむふむ、あの組み合わせで風で渦巻く中に火の爆発を閉じ込めて連鎖爆発起こしているのか。

 これは意外と使えそうな組み合わせだし、覚えておこう。風魔法Lv3のコイルウィンドは使えるけど、火魔法Lv4のファイアボムがまだ使えないけどね。


 そしてそこにアルの渾身の頭突きが衝突する。うおっ!? このティラノ、アルを受け止めやがった!? あ、でもそれほど耐え切れずに吹っ飛んでいったね。うん、流石に今のをあっさりと止められてたら困るところだった。


『グッ……、ハイ……ノ……グンシュウ……カ……。カマ……ワン、……コノ……ママ…………』


 今のでHPが3割程減ったティラノが何かを話しかけてくる。予想外に結構HPが減ったし、これはこのまま自分を倒せとかそういうやつか? まぁ今回の半覚醒になってるこのティラノは異常事態で共闘中という事も知ってるだろうし、半覚醒からの解放方法も知っているんだろう。……で、なんで途中で台詞が止まった?


 無言になったかと思ったら、走って逃げ出していった。そしてティラノの表面を瘴気が脈打つように覆っていく。……まるで瘴気に侵食されていくかのようだ。なんか露骨に強化されたっぽいけど、逃げるとかそんな行動パターンありかよ!?


「みんな、追撃に行くぞ!」

「分かったかな!」

「おう! 乗れるだけ俺に乗れ! 飛ばして行くぞ!」

「……そうもいかないみたいだね」

「わっ!? 敵に囲まれたよ!?」


 追撃はさせないとばかりに、半覚醒の黒の暴走種や黒の瘴気強化種が周りを取り囲んでくる。……地味に飛行系のやつまで増えてるじゃないか。これは一定量のHPを削ればボスが逃げるとかそういうやつなのかもしれない。

 今回のボスはそう簡単には倒させてくれないのかよ。大量の雑魚敵が邪魔で追いかけられない! まずはこいつらを倒せって事なんだろう。


「あーもう! とにかくこいつら仕留めるぞ!」

「……それしかないかな?」

「どうやら追撃させてくれそうにもないしな」

「さっきの恐竜は少しずつ削っていくタイプのボスみたい?」

「かもね! とりあえず雑魚をぶっ飛ばすぞー!」


 結局、一旦出現数が減るまでの間は戦い続けるしかなかった。半覚醒は未成体3体、成長体5体、瘴気強化種が成長体30体、未成体20体の討伐分が追加だよ! 半覚醒で各種進化ポイントはそれぞれ56、瘴気強化種でそれぞれ120だった。やっぱり多いな、これ!

 一応Lv5にも上がったけど、このボスの逃亡行動は地味に嫌い! 途中で終わるのは不完全燃焼なんだよ! でも一応ボスもそれなりに経験値は貰えるようではあった。



【ステータス】


 名前:ケイ

 種族:支配ゴケ

 所属:灰の群集


 レベル 4 → 5

 進化階位:未成体・支配種

 属性:水、土

 特性:複合適応、支配



 群体数 150/4450 → 150/4600

 魔力値 46/112 → 46/114

 行動値 15/53 → 15/54


 攻撃 56 → 58

 防御 77 → 80

 俊敏 60 → 62

 知識 107 → 112

 器用 110 → 116

 魔力 149 → 156



 名前:ケイ2nd(ログイン不可)

 種族:傀儡ロブスター

 所属:灰の群集

 

 レベル 4 → 5

 進化階位:未成体・傀儡種

 属性:なし

 特性:打撃、堅牢、傀儡


 HP 2529/4350 → 2529/4550

 魔力値 45/45 → 45/46

 行動値 42/42 → 42/43


 攻撃 120 → 127

 防御 113 → 120

 俊敏 88 → 94

 知識 46 → 48

 器用 46 → 48

 魔力 24 → 25

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大きな流れ自体は同じですが、それ以外はほぼ別物!
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― 新着の感想 ―
[一言] ∑( ̄□ ̄;)ボス、逃げた
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