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Monsters Evolve Online 〜生存の鍵は進化にあり〜  作者: 加部川ツトシ
第6章 別の初期エリアへ行こう

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第166話 海エリアへ


「よし、ここは俺の勝ちって事で!」

「あー!? くっそ、ソウにはこういうとこで負ける!」

「勝負は勝負だ! 結果に文句言うな!」

「わかってるよ。はい、さっさと行ってきなさい!」

「ソウ、早くよろしく!」

「待たせてるし、早くしよう」

「だー!? 待たせたのは俺ら全員だろ!? なんで俺だけの責任になってんだよ!?」


 海エリアの方は中々話し合いの時間がかかっていた。というか話し合いで決着がつかなかったので、海水の弾での勝負をしていた様子である。聞いたところによれば、大半の人が海水の操作を簡単に取得出来るので勝負には丁度いいんだとか。

 勝負の内容は、互いに水球を撃ち合って先に被弾した方の負けらしい。……デカいクジラが不利そうだと思ったけど、うまく撃ち落として防御していたからどちらかというとプレイヤースキルの方が重要なのかもしれない。


 勝者はマグロのソウさんになり、そしてエンの所へと移動していく。海水の水球を使ってソウさんは陸地側を移動していた。あれが本家の海エリアの水球移動か。……マグロって止まれば呼吸出来なくて死ぬとか聞いたことあるけど、流石にゲーム内ではそこまでは再現してないらしい。静止不可のキャラとかいくらなんでも厳しいか。


『お、誰が行くか決まったか?』

「おう。俺が行く」

『よし、わかった。向こうにいるのも俺自身だから、特に説明はいらんからな』

「分かった」

『では送るぞ!』


 そしてソウさんの姿は消えていった。森林深部のエンの元へと転送されたのだろう。これでエンの方に海エリアまでの経路が埋まったマップ情報が揃い、経路の確立が可能になるわけだ。


『……よし、マップ情報は受け取った。情報を提供してくれた者もヨシミの方へ戻っていったぞ』

「お! そうなのか!」

「あ!? 海エリアでも5ヶ所目の転移地点が出来た!」

『……よし、良いタイミングだ。これなら……』


 そしてエンの根が、海水の洞窟の更に奥へと伸びていく。これは、ちょっと時間がかかるかと思ってたけど良いタイミングだったのか!? ……転移地点ってもしかして、経路確立の可能性が高い場所から優先的に設置されるようになっている?


<群集クエスト《群集拠点種の強化・灰の群集》、群集拠点種:エン(始まりの森林深部・灰の群集エリア2)と群集拠点種:ヨシミ(始まりの海原・灰の群集エリア5)の間で経路が確立されました>

<群集クエスト《群集拠点種の強化・灰の群集》・群集拠点種:エン(始まりの森林深部・灰の群集エリア2)経路確立 1/4>

<群集クエスト《群集拠点種の強化・灰の群集》・群集拠点種:ヨシミ(始まりの海原・灰の群集エリア5)経路確立 1/4>


 よし、経路確立のアナウンスが来た! これで森林深部エリアと海エリアが繋がった!


『よし、ネットワークの構築は成功だ。後はマップ情報があればあちら側へも転移は可能になったぞ。新しいマップ情報は必要か?』

「もちろんいるに決まってる!」

「そうだな。ここまで来たからには貰っていかないとな」

「いやっほー! これで海エリアに行けるね!」

「私も欲しいかな」

「そうだね。みんなで転移していこうか」

「あ、でも情報ポイントが勿体無いのかな?」

「……そういやそうだな」


 確かにこのままマップの更新をすれば情報ポイントが無駄になる。あ、一度エンのとこに戻ってから情報提供をしてから、転移してもいいのか?


「エン、帰還の実で戻ってから情報提供して、再度転移ってのはありか?」

『別に問題ねぇぞ? っていうか、別に帰還の実でなくても今ならお前たちはまだ転移の制限回数には引っかからないから、転移でも行けるぜ?』

「あ、それもそうか」

「それじゃ情報ポイントを貰いに行ってから海エリアに出発だー!」

「よし、そうしよう!」


「俺らもそうすっか」

「私は提供済みですので、ここで待っていますよ。そちらが片付いたら声をかけていただければ、合わせて転移しますね」

「……わたしはそれで良い」

「……俺もだ」


「森林深部の人達はああいう感じだけど、俺らはどうする?」

「とりあえずソウ待ちかな?」

「だな。置いていったら怒りそうだし」

「僕らもソウが戻り次第、森林深部の人達と同じ感じかな?」

「そうね。それがいいと思う」


 各PTの行動方針も決まったようなので、とりあえず1度森林深部へ戻ろう。そんでもってそれから海エリアに転移だ! 海エリアまではもうあと少し!


「エン、転移を頼む!」

『おう。場所は俺の本体で良いんだな?』

「あぁ、そうだ」

『じゃあ行くぞ!』

「おう! みんな、転移したら速攻でポイント交換して海エリア行くぞ!」

「「「「おー!」」」」


 森林深部のみんなで揃って、エンの元へと転移していく。この手順さえ終われば、後は海エリアへ行くのみ! 折角の情報ポイントは無駄にしない! 転移は初めて使ったけど感覚としてはゲーム内へとログインしてくる時と似たような感じなんだね。



 ◇ ◇ ◇

 


<『常闇の洞窟』から『始まりの森林深部・灰の群集エリア2』に移動しました>


「それじゃ各自ポイント交換が終わったら出発って事で!」


 森林深部へと戻ってきたら簡潔に要件を伝えて、みんなは頷いて行動を開始する。さてと時間が勿体無いのでさっさと交換を済ませてしまおう。……周辺がざわついているのはマグロのソウさんが出現したからか、それとも経路確立のアナウンスが流れたからか、もしくはどちらも含めてか、まぁそんなとこだろう。誰かに捕まらない内にさっさと交換を済ませるか。今回は呼びかけるんじゃなくてウィンドウからしようっと。


 マップの情報提供は踏破8%はあるけど、貰ったマップの時点で7%はあったから貰えるポイントは1%分だけか。1%で情報ポイント20でクエストボーナスで5倍になって1%で100ポイント確保っと。ま、そんなもんか。多分、みんなは海水の地下湖までの経路は埋まってなかったからもっと多いはず。

 黒の暴走種は……あ、ザックさん達が先行してて残滓が殆どだったから未成体が2体分だけか。あ、でも成長体は1体5ポイントだけど、未成体は1体10ポイントか。少しお得だね。


 よし、これでとりあえず情報ポイントの交換が完了。今回手に入ったのは120ポイントで、今までと合わせて973ポイントか。もうちょいあれば進化の輝石が2個交換できそうだ。新しいマップも貰っておいてっと。

 当たり前だけど海エリアまでの経路がちゃんと埋まってる! 他のルートも結構な進度になってるな。こりゃいい感じに進んでるみたいだし、他の経路も確立まで結構早いかも。


 さてと俺は交換終わったけど、みんなは……ちょっとかかりそうかな? 今のうちにでも群集クエストの進捗具合を見ておこう。……他のエリアがどうなってるかも気になるし、確認だけならそんなに時間もいらないからね。という事でクエストの詳細表示っと。


群集クエスト《群集拠点種の強化・灰の群集》


【群集拠点種:エニシ(始まりの森林・灰の群集エリア1)】


 経路確立   0/4

 経験値強化  47%

 進化ポイント 708/2000

 転移地点   3/10


【群集拠点種:エン(始まりの森林深部・灰の群集エリア2)】


 経路確立   1/4

 経験値強化  55%

 進化ポイント 1258/2000

 転移地点   5/10


【群集拠点種:ユカリ(始まりの草原・灰の群集エリア3)】


 経路確立   0/4

 経験値強化  41%

 進化ポイント 768/2000

 転移地点   3/10


【群集拠点種:キズナ(始まりの荒野・灰の群集エリア4)】


 経路確立   0/4

 経験値強化  34%

 進化ポイント 879/2000

 転移地点   3/10


【群集拠点種:ヨシミ(始まりの海原・灰の群集エリア5)】


 経路確立   1/4

 経験値強化  50%

 進化ポイント 1125/2000

 転移地点   5/10


 ※進化ポイントは譲渡された増強進化ポイント、融合進化ポイント、生存進化ポイントの合算になります。



 ふむふむ、この感じだと転移地点が半分行けば1つの経路は確定って感じかな? まぁそれぞれのエリアもそこそこ順調っぽい。

 森林深部が一番進んでるのは競争クエストが終わってるからだろうけど、海エリアはどうなんだろ? 赤の群集の海エリアが灰の群集の海エリアとの競争クエストは捨てたとか掲示板にあったから、その影響もあるんだろうか? もしかしたら、シアンさんの海流の操作はかなり効果的だったのかもしれないね。


「おい、ケイ」

「お、すまん。みんな終わった?」

「終わったよ! ケイさんは終わってるよね!?」

「ケイ、終わったのかな?」

「ごめんごめん、終わらせたけど考え事してた」

「それなら別にいいけど、あんまりボンヤリして間抜けなミスとかすんなよ?」

「大丈夫だって」


 ちょっと考え事をしている間に、みんな終わらせていて逆に待たせてしまったようである。それにしてもアルは間抜けなミスとか失礼な事を言ってくれるな。まぁ、クエストの進捗確認は後にすれば良かったか。そういやザックさん達はどうだろう?


「ザックさん達は終わった?」

「俺らは俺らで動くから、ケイさん達は先に行ってていいぞ。目的は達成したしな」

「……1PTには出来ないからな」

「……残念だけど、また今度。ヨッシ、またね」

「それもそうか。それじゃまたな!」

「おう、またな!」


 PT上限人数が6名だから、どうしても一緒のPTとはいかないもんな。今のところPT以上の大人数に対応したシステムもないし、敵の取り合いにもなるからここで別行動の方がいいかもしれない。まぁ、同じゲームをやってるんだしまた会うこともあるだろう。それぞれに挨拶をして、フレンド登録もしてザックさん達とは別行動となった。タケさんとは今度会った時にでもフレンド登録をしておこう。


「それじゃ、海エリアに行きますか!」

「「「「おー!」」」」

「って事で、エン。ヨシミのとこまで転移を頼む!」

『おう。行ってこい!』


 そうして俺達は再びエンの転移によって移動していく。全く違う新エリアへと向かう事もあってみんなのテンションも高いように思う。これで念願の海エリアへと進出だ! 海エリアの光景はどんなものだろうか。今から楽しみだ。……あれ、何か重要な事を忘れているような……?



 ◇ ◇ ◇



<『始まりの森林深部・灰の群集エリア2』から『始まりの海原・灰の群集エリア5』に移動しました>

<環境不適応の為に、群体数の一部のコケが弱りました>


 移動が終わった事を伝えるメッセージの後に、忘れていた事の内容が判明した。纏海が時間切れになって解除になってたの忘れてた!? そういやみんなの体色が青になってたし、ついうっかりしてた!? アルの言った通りに間抜けなミスをしてどうする!?


<『進化の軌跡・海の欠片』を使用して、纏属進化を行います>

<『水陸コケ』から『水陸コケ・纏海』へと纏属進化しました>

<『海中適応』『海水の操作』『海水魔法』が一時スキルとして付与されます>


 危なっ!? 新エリアに行って早々、ど忘れでいきなり弱るとか間抜け過ぎる……。


「ケイ、何やってるのかな?」

「……ケイさん、纏海を忘れてたんだね」

「あはは……。みんなはちゃんとしてたようで」

「ケイさんって、元々水属性で少し青っぽいし発光で光ってるから気付かなかったよ!?」

「……ケイ、気を付けろよ。流石にそれで死亡は間抜けだぞ?」

「……ごもっともで」


 アルがすぐ近くにいるし、弱るけどすぐに死ぬ訳じゃないから大丈夫といえば大丈夫だけど、流石にこれは間抜け過ぎた。うん、気を付けよう。

 ともかく、これで海エリアに到着だー!











 無事(?)海エリアに到着したということで、常闇の洞窟の簡易マップを公開!

 まだ作中では全部は埋まってないけど、ケイ達がすべて埋める訳でのないので大丈夫かな。

 一応、他の群集の初期エリアの位置関係も含めて記載。

 雑なのは大目に見てください。


挿絵(By みてみん)


 黒いルートが洞窟の主要経路。赤いルートが経路確立に関わる経路になります。

 全て埋める必要はありません。

 赤いルートにはコケや海水の流れなどのヒントあり。

 記載はありませんが、細かい分かれ道は多数存在しています。


 各経路の5色の点が転移地点。

 群集拠点種に近い順、経路確立の可能性が高い順に設置されていきます。


 経路確立に不要な地点もありますが、そこの設置は順番的には最後の方になります。

 他のエリアへの移動には必須ではない転移地点だけども、あればそれなりに便利な場所にはなっています。(ただしクエストクリアにはこの転移地点の設置も必須)

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大きな流れ自体は同じですが、それ以外はほぼ別物!
ケイ以外の視点での外伝も収録!

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これまでの第1巻〜第19巻はこちらから。
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― 新着の感想 ―
[一言] やった~\(^_^)/ う、み、ダァァァァァ~(//▽//)
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