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第1631話 落下物の回収へ


<『【メタル・クラウド】の集会所』から『名も無き未開の原野』に移動しました>


 さて、洞窟を出て、谷へと戻ってきた。上は閉じられたままだけど……って、何気に戦闘中!? あー、アルマジロが復活してるっぽいな?


「ホホウ! 皆さん、話は既に聞いているので! 戦闘中なので、すぐに真上へ進んでいただければ!」

「ほいよっと! アル、いつも通り、移動は任せた!」

「おうよ! ケイは、今度はレーダーを落とすなよ?」

「分かってるって!?」


 落下物に閉じ込められている可能性のあるフィールドボスを探しに行くんだから、あれを探し当てるレーダーの仕様は必須だけど……うん、確かに1回は落としちゃってるからね。本当、冗談抜きで気を付けないと……あ、こうするか。


<行動値上限を6使用して『移動操作制御Ⅰ』を発動します>  行動値 135/135 → 129/129(上限値使用:6)


 インベントリからレーダーを取り出して、ロブスターのハサミの上に置いてから、固定するように飛行鎧を展開! ……うん、これなら強制解除にならない限り、落とすような事にはならないね。


「ケイ、反応はどうかな?」

「あー、ちょい待ち。確認はするけど、先にここから離れよう。戦闘の邪魔になってもダメだしさ」

「あ、それは確かにそうかな?」

「って事で、アル、よろしく!」

「おう、任せとけ! スリムさん、通れるように開けてくれ!」

「ホホウ! 了解なので!」


 おー、真上の岩部分が消えたから、丁度スリムさんが展開してたっぽいなー。さて、ルアー達も準備はしていってるし、俺らは俺らで進んでいきますか!


「フィールドボスの捕まった落下物、捜索開始だー!」

「……リコリス、勝手に仕切っちゃダメだよ?」

「指揮は、ケイさんだぞ?」

「別にこれくらいはいいでしょ!? 目的自体は、もうはっきり決まってるんだし!?」


 リコリスさんの声掛け、思いっきり彼岸花さんとラジアータさんから物言いが入ってますなー。まぁハーレさんがよくやる事だし、別にこの程度は構わないんだけど……。


「おっしゃ! 行くぜ、飛翔連隊! 『高速飛翔』!」

「……紅焔が大人しくしてる訳がなかったね」

「まったく、いつも通り忙しないですね!」

「まぁ紅焔だしね」

「いつもの事ではあるからな」


 先に紅焔さんが飛び出ていったけど……まぁこういうのは、いつもの紅焔さんだよなー。でも、ここに呑気に残り続ける訳にもいかないから、俺らも急いでいこう!



 ◇ ◇ ◇



 紅焔さんを追いかける形で、スリムさんが開いてくれた谷を閉じる蓋から脱出! いやはや、今は味方が展開しているからいいけど、敵に展開されると本気で厄介だよな、これ。

 紅焔さん、先に飛び立ったけども、外でしっかり待っててくれてはいるからなー。独断先行ではあるんだけど、全く周囲を無視という訳ではないのが――


「ケイ、反応はどう? 私達は西を任されたけど……拾えてるかな?」

「あー、すぐ確認する」


 うん、瘴気珠からの瘴気の抽出が終わるまでって時間制限もあるんだから、余計な事に割いてる時間はないな。ササっと確認すべき部分は、ちゃんと確認していこう。


 えーと、レーダーの範囲を広げて……あー、チラホラと反応があるにはあるな。……西以外にもいくつか。西だけに絞っても、いくらかあるのは厄介かも?


「西だけでも、結構な数の落下物の反応ありっすなー。正確な距離は分かってなかったみたいだし……片っ端から拾っていくしかないかも?」

「っ!? そんなに反応があるのかな!?」

「もしかして、こっちの新エリアじゃ……今はあまり落下物の回収は出来てない?」

「はっ!? あちこちの集会所へ、みんなが守りに散ってそうなのです!?」

「その可能性はありそうだな?」

「だろうなー」


 俺らだって、昼から全然UFOの落下物の探索をしていないんだから……他の人も同様に、同じような状況に陥っている可能性は高い。黎明の地では特に変わってないみたいだけど……まぁそれは、簒奪クエストの対象エリアになってないからこそだし――


「概ね、今の認識で合ってるだろうよ。落下物からの必要なアイテムの提供は、黎明の地の比重がどんどん大きくなってきてるからな」

「……桜花……そうなの?」

「まぁな。そっちの新エリアの現状は直接聞いてなかったが……場所や進化階位によって、役割分担になってるんだろうよ」

「……そうなんだ」

「あー、なるほど」


 うん、それは納得。俺らのいる新エリアでは簒奪クエストを防ぐのがメインで、黎明の地ではその為に必要なアイテムの収集って役割分担にはなる!

 これなら進化階位の低い人でも、今のイベントに参加は可能だもんなー。いや、でもそれなら……。


「桜花さん、ちょいと提案!」

「ん? ケイさん、どういう内容だ?」

「新エリア側に、進化階位の低い人達を引き連れて、落下物の回収部隊とかは結成可能? もう命名クエストが終わってる『タシュー・タヨーウ』とかでさ?」

「……なるほど、護衛を付けて、放置気味の落下物の回収を狙いたいんだな?」

「そうそう、そういう感じ! 命名クエストが終わってないとこはフィールドボスの出現の可能性があるから、下手な事はさせられないけど……護衛に回せるだけの戦力はある?」

「成熟体に到達しているものの、最前線で動く自信はないって奴は山ほどいるからな。その手の奴なら、高Lv帯でない場所では問題なくいけるだろうよ。それ、俺の方で人を集めればいいのか?」

「そうしてくれると助かる! これから先で、まだどれだけの数は必要になるか分からないしさ!」


 機械の砂も、原石も、今回はなんとか足りた。でも、それはあくまで、ここまでのイベント期間で拾ったものを掻き集めただけ。追加で新たに入手をしなければ、どこかで尽きる可能性もある!

 今のこの原野で拾った反応を見る限り、早い段階で対処しておいた方がいいはず。少なくとも、足りなくなってから慌てるよりは絶対にいい!


「おし、その辺の手配は俺の方でやっておくぜ。灰のサファリ同盟や……折角だし、結成したての『グレイ・コンテスタント』にも動いてもらうのもありかもな」

「あー、それもありかも?」

「ま、細かいとこはこっちで調整しとくわ。ケイさん達は、頼まれてる事を優先してくれや」

「ほいよっと! それじゃ、そっちは任せた!」

「おう、任せとけ!」


 よし、具体的に誰にどう役割を任せるかは、全部桜花さんに委任で問題ないな! 伝手を色々持ってるんだし、なんとか上手い形に収めてくれるだろ。


「なぁ、ケイさん? 落下物、拾うのは無しか?」

「あー、ここから西方向のは極力避けた方がいい……いや、むしろフィールドボスを出した方がいいのか……?」


 紅焔さんが何気なく言ってきた事だけど……捕まっていたとしても、フィールドボスの正体を確認はしたいよな。でも、交戦するのは避けたいし……あー、地味に悩む!?


「ケイが悩んでるうちに、転移の実で登録し直しとくぞ。最悪、これで一気に戻ってくれば済むしな」

「はーい!」

「ここの登録、転移の種でしちゃってたもんね」

「もう1度、ここに転移してくるには必須かな!」


 俺が行動方針に悩んでたら、アルがサクッと進めちゃった!? いやまぁ、今の内容は確かに大事だけども!


「わっはっは! そりゃ、戻ってくるには必須だわな! おし、俺らも登録しとくぜ!」

「それはそうだね。万が一、戻るのに遅れたら困るしさ」

「ここは高Lv帯ですし、油断は禁物ですしね。その登録はしておくべきでしょう」

「よし! 僕らも、ササっと登録しちゃおう!」

「だな。一度、地面に降りるか」


 飛翔連隊の面々も、他のメンバーも、アルに合わせて地面に降りていってるし……うん、とりあえずその間に考えをまとめて――


「……ケイさん、私は拾っていくのは反対」

「彼岸花さん……それ、理由を聞いても?」

「……フィールドボスの正体は探りたいけど、他の敵との戦闘での時間ロスが心配。……それに、私達だけじゃ開け切れない数があれば、意味がないよ?」

「あー、それはそうかも……」


 捕まっている敵はフィールドボスだけではないし、俺らの人数よりも多い落下物が同じ場所にあれば……開けたところで、無意味な可能性も出てくる。そういう意味での時間ロスは、確かに避けたいところか。


「……俺も彼岸花さんの意見に賛成だ。正体を探るのは、捕まっていない不動種に限った方がいいだろう。まぁあくまで、不動種がいて、捕まっていないという前提にはなるがな」

「……見つからなければ……引き寄せるし……最終的には……同じ事?」

「ですよねー!」


 うん、冷静になって考えてみれば、悩む余地もなかったわ! 俺らがするべきなのは、捕らえられていない不動種が存在するかの確認と、フィールドボスが入っている可能性のある落下物の確保! それ以上は、余計な事はしなくていい!


「つー事は……落下物に触れるのは禁止だな!」

「そうなるなー。となると、誰が持ち運ぶかが――」

「それは私がやりましょう。元々、この松の木を持ち運ぶ為に岩を生成していますし、その中に入れれば邪魔にもなりませんからね」

「おし、そういう事なら運搬役はライルさんに任せた! 回収役は、岩の操作、氷塊の操作持ちで分担してやるって事で!」

「ふふーん! お任せあれ!」

「あぁ、了解だ」

「……うん!」

「……任せて!」

「……いや、待て。それだと、人数が多くないか?」

「えーと……確かに、このメンバーだと結構いるよね?」

「あ、確かに!」


 サラッと指定したけど、確かに結構な人数がいるな!? 該当するのは……俺、ヨッシさん、曼珠沙華の3人、十六夜さん、風音さん、カステラさんか。うん、どう考えても多過ぎる!


「その時の判断次第って事で! 臨機応変にやっていこう!」

「……まぁそれが無難だろうな」

「それじゃ、それで決定! さー、出発だー! ケイさん、1番近い反応を教えてー!」

「おい、リコリスが仕切るなと――」

「だって、もう赤の群集は出発しちゃってるもん! 呑気にしてる場合じゃないよ!」

「……まぁ確かに、それはそうだが」

「という事で、ケイさん、案内をよろしくー!」

「ほいよっと! アル、細かい方向の指示を出しながら進むから、先導してくれ!」

「おう、任せとけ!」


 さーて、それじゃ落下物の回収をしていきますか! 墜落したUFOもありそうだけど……今回はスルーで! 時間制限があるから、最優先は西に向かって進んで、落下物を回収する事だな!



 ◇ ◇ ◇



 レーダーで落下物の反応を拾いながら、西へ、西へと進んでいく。移動すればするだけ、新たに反応を拾うもんだから……かなりの量が放置になってんなー。

 一応、ここまで見つけた落下物は、1番近くにいた人が岩で掬い上げて、ライルさんの松の木を支える岩の中の空洞へと収めていっている。拾った場所によっては、地面の土ごと掬ってるけど……まぁそこは仕方ないって事で!


「こりゃまぁ、随分な数になってきたな? てか、転移で戻る事になったら、これってどうすんの?」

「その場合は、その場に放棄しかないかも……」


 持ち帰れるなら、その方がいいけども……優先順位を考えれば、こうなるよな。そういう意味では、初めから転移で戻るつもりではいない方がいいかも?


「流石にそれは勿体なくねぇか!?」

「まぁ終わってから、改めて回収しにくればいいとは思うけど……転移で戻るのは、出来れば最終手段って事で! 基本的には持ち帰るつもりでいくから!」

「だよな!? この中にも、結構な数の原石や瘴気珠があるだろうしよ!」


 フィールドボスがこの中にいなくとも、これらを持ち帰る事には意味がある。放置状態のこれらの落下物から、得られるアイテムは多いだろうしねー。


「はいはーい! 墜落してるUFOがあれば、どうするの? 今のとこ、まだ遭遇してないけどさ?」

「あー、それはスルーのつもりで――」

「ケイ、待て」

「ん? アル、何か問題でもあった?」

「改造品は手に入らないかもしれないが、破壊して機械の砂にする事は出来るんじゃないか?」

「あー、その手が……それ、クオーツに無効化してもらってからじゃないと無理じゃね?」

「……ん? あぁ、そうか……。元々、全壊していたものは機械の砂には変わっていなかったか」

「そうそう、そういう事!」


 今のメンバーなら、UFOを破壊する事自体は容易だろうけど……機械の砂に変えるのは、クオーツの手を借りないと無理なはず。……あれ? これ、本当に無理なのか?


「……全壊状態から、更に攻撃しても、無理?」

「今、丁度、その可能性を考えたところ……。1つ見つけたら、それだけは試してみるか」

「試してみないと、まだ分かってなかった部分だったか」

「そうなるんだよなー」


 全壊状態から更に攻撃を加えた事がないから、サッパリ分からん! でも、機械の砂を補充出来るなら、しておきたいとこではあるしね。

 落下物の回収の合間で出来る作業だろうから、そこまで余計な手間にもならないし――


「次の場所、UFOが墜ちてるのさー!」

「噂をすればなんとやらだね! あれ、『Ⅰ型』の方だよ!」

「おし、そのUFOで試してみますか!」


 今のところ、フィールドボスらしき不動種は見当たらないけども……まだ時間には余裕がある。ササっとUFOをぶっ壊して、機械の砂になるかを確認してみよう! 駄目なら駄目で、次に見つけるのはスルーすればいいしね。


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大きな流れ自体は同じですが、それ以外はほぼ別物!
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