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僕の家に妹がやってきた?  作者: 西宮ユウ
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こんな妹はあり?いや、なしでしょ

~プロローグ~

俺は、都内の高校に通う兼業作家のカズヤだ。

両親共に海外出張で、兄妹もおらず一人暮らしをしている。

兼業作家とは、学生又は社会人といった仕事をしながら小説を書く人のことを言う。

俺は、新人賞で入賞しこの業界に入った。しかし、デビュー作は売れたものの、2作目、3作目はなかなか売れず、どん底にいるのだった。


第一章

~こんな妹ってあり?いや、ナシでしょ~


「か〜ず~や〜!学校いこ〜!!!」

朝っぱらからこんなに叫んでるのは、俺の幼馴染の由真 梨花だ。

見た目は清楚で、金髪、肌白、巨乳……ではなく、不思議、黒髪、貧乳だ。

梨花は、どんなときも『笑顔を絶やさない』をもっとうに生きてるらしい…

「今行くから待ってろ」

毎日こんな具合…...

「ね、ね、今日はどんな事ヤる?」

おい、なんかやるのところ違う意味になってないか?

「ん〜今日はーーんあっ!」

俺は、大事なことを忘れていた。

「締切、明日までだったぁぁぁぁあ」

そう、俺の3作目ー【漆黒のエンブリヲ】ーの新刊発売日だったのだ。

【漆黒のエンブリヲ】おれの3作目にして、ボチボチの売れ行きの作品。

1巻は重版がかかったものの、2巻は重版もかかること無く、3巻に突入というところ。

この3巻がまた手強く、全く原稿が完成していないのだ……

「また小説〜?私のことはいつ見てくれるのよ?」

何言ってんだこいつは。

「お前のことなんか相手してる暇なんてないんだよ。死ぬ気で書かないと……鬼編集に殺される………

鬼編集とは……今は触れないでおこう。

俺は、学校に着くやいなやパソコンを立ち上げ、原稿に手をつける。

休み時間、お昼休憩、5限目がおわった。

「か〜ず〜や~!一緒に帰ろぉぉぉぉおお!」

何でこいつは毎回のように叫んでるんだよ…...

もっと女の子らしくしろよな……

「はいはい。分かったから、ってもうこんな時間だったのか?書くのに熱中しすぎて時間を忘れていた……」

「もしかして、授業聞いてなかったの?」

もちろん聞いてるわけがない。

「おう」

「また怒られちゃうよ〜」

正直小説を書いているから、学校の授業なんて聞かなくて良いと思っている自分もいる。

帰り道、梨花が問いかけてくる。

「がすや?今度の日曜日ひま?」

「ん?日曜日?え~と特に予定はないけど、どうしたんだ?」

「ちょっと付いてきてほしい所があって……」

「付いてきてほしいとこ?どこだよ」

「それは......当日までの秘密!あ、私こっちだから、じゃ〜ね!」

と言って梨花は、去っていった。

なんだったんだあいつ。どこなんだ、行きたいところって…

俺は、家の前に着く。無意識に足を止めてしまった。

なぜか、誰もいない家に灯が付いているからだ。

「何で、灯りが付いてんだ?」

独り言がボソッと漏れてしまう。

俺は、恐る恐る家の鍵を開け、家の中に入る。

「た、ただいま〜」

返事は一切ない。

ほんとに誰かいるのか?俺の電気の付けっぱなしだったり?

多分そうだ、俺が電気を消し忘れたんだ。あはは……

俺は、灯りの着いたリビングに足を運ぶ。

ガチャッ……

「おかえりなさいませ、ご主人様♡」

はぁ〜〜?なんで家にメイドが?

ん?ここはメイドカフェか何かか??

ここは、俺の家なのか?

頭のなかがパニックになって、俺は倒れてしまった。

「かずや様?かずやさ……かず……」

どんどん意識が遠のいていく。

数分が立って俺は目を覚ました。

「んっ……ここは…?」

「かずや様!やっと目が覚めましたね」

目の前には、黒髪ポニーテール、真っ白の肌に、フリフリの格好で膝枕をしている、ロリっ子がいた。

「あ、あんたは誰だ?」

俺はそのロリっ子に問いかける。

「私は、かずや様の妹になるメイドです!」

ちょっと何言ってるか分からない。

「妹でメイドってなんだよ」

「詳しくはこちらをお読みください!」

と言って渡されたのが、一つのタブレット端末だ。

画面をタップして見ると……

『かずちゃ〜ん、大好きなママだよ~ん。一人暮らし大変だと思ったから、可愛い妹を送ったよ。仲良くしてあげてね。P.Sパパとはラブラブです!』

なんだこのウザイ文章は……

P.Sの部分いらないだろ!

「という訳です!これから、よろしくお願いします!お兄さん!」

勝手に話を進めやがって……

「えっと…君の名前は?」

俺は、このメイド妹に問いかける。

「私の名前はリチャード・ビッチ・アルミです!」

「嘘つけ!ど~見ても純日本人だろ!しかも、ビッチって……」

「冗談ですよ!本当は、下着 覗見です!」

「それも嘘だろ!ただ下着覗きたいだけのやつだろが!」

こいつ、バカなのか?相当のバカなのか?

「本当は、未来と申します!」

「ボケるんじゃないんかい!」

無意識にツッコんでしまった。

「未来ちゃんか、よろしく」

「よろしくお願いします」

互いに軽い会釈を交わす。

「未来ちゃんが本当に妹になるの?てか、なりたいの?」

俺は問いかける。

「はい、なりたいです。お兄さんが欲しいなって思っていましたので」

戸惑いなく返してくる。

いったいどうしたらいいのやら……

これから、メイド兼妹の未来ちゃんとの生活が始まっていく。

その日の夜、未来ちゃんは俺の家の台所で料理をしていた。

驚くことに、俺よりも年下なのに、家事を完璧にこなすのだ。

掃除洗濯、料理、家事全般をやり遂げてしまう。

こんな出来た子が俺の妹?まだ夢みたいだ……

「かずやさ〜ん、ご飯できましたよ!」

自称妹が俺のことを呼んでいる。

「何を作ってくれたんだ?」

「今日は、私のあいえ……愛がこもったカレーです」

今何言おうとしたこいつ。完全アウトなこと言おうとしたよな。

そこは敢えてツッコまず、席に座る。

「「いただきま〜す」」

俺は、カレーを口に運ぶ。

んっ!!!

「うっまぁぁぁ!!!」

なんだこのカレー。今までに食べたことのない様なカレーだ。程よい辛さ、程よい甘さ、それらが完璧に融合されて、口の中に入れた瞬間に広がってくる。一口たべたら、止まらなくなる味だ。

俺もある程度料理は出来るが、ここまでの料理は作れない。

「かずやさんのお口に合って、よかったです!」

「このカレーどうやって作ったんだ??」

「え~と、それはですねーー」

俺は、気になった作り方を未来ちゃんに伝授してもらった。

「「ごちそうさまでした」」

俺は、カレーを食べ終わって満腹に満たされたが、違う満腹感もあった。

それはーー『誰かと食べる嬉しさ』だ。

いつも一人でご飯を食べてるから、誰かと食べるってなると、無意識でも嬉しい。(たまに梨花が食べに来るけど)

「あ、かずやさん、兄妹になるんですから呼び方を変えませんか?」

確かに、兄妹で、『カズヤさん』『未来ちゃん』なんて呼んでたら、傍から見たら変人同士にしか見えないしな。

「ならおれは未来ってよぶーー」

「私の事は、みーちゃんって呼んでくださいね!」

よりカップルみたいに思われるわ!!

その呼び方のどこに兄妹らしさがあるんだ!

「未来ちゃん、その呼び方はーー」

「私は、兄さんと呼びますね!」

そこは普通なんかい!

この後未来ちゃんを説得して、『未来』『兄さん』と呼び合うことになった。

俺はこれから、こんなツッコミ満載な毎日を過ごすのかと考えたら、骨が折れそうだ。




~後書き~

連載していきますので良ければ温かく見守ってください( ᵕᴗᵕ )


次作は妹の未来と、幼なじみの梨花が……

これ以上はいったら、面白く無くなっちゃいますねw

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