大貧民
例のごとき、この最後。
一分で読めるシリーズ第三弾。
アキラを乗せた飛行機は、もうすでに、出発していた。
間に合わなかったか…。
最後に、きれいに着飾ってみたんだけどな。
私は、手に握った手紙を見た。
たぶん、話す時間がないだろうと思って手紙を書いてみたんだけどな…。
渡す暇もなかったか…。
アキラ様へ
最後に話す暇もないだろうと思って、
飛行機の中で読んでほしくて手紙を書きました。
まぁ、私が素直に言葉にできないと思ったからでもあるんだけどね。
あっ、大富豪でジョーカー最後に出したら負けって
最初に言ってくれなかったこと、まだ根に持ってるからね。
えっと…、あなたから私はどういう風に見えてたのかな。
明るいやつ?ノリのいい奴?
ほんとはどっちも違うのにね。
わたしは、いわば大富豪のジョーカーでした。
あなたの前ならなんにでもなれたんだよ。
でもね、なんにでもなれたとしても、
いい友達だけにはなりたくはないんだよ。
ごめんなさい、何が言いたいんだかわかんないよね。
だから、伝えたいことは最後に。
ずっと大好きでした。
ナエより
「ばかだな…」
遅過ぎたジョーカーは敗北の宣言でしかなかった。
私は、手紙を破いた。
ラブレター書いたらこんな感じなのかなと思いながら書きました。
まぁ、こんなこと書かないんですけど。
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