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第五話 アルバイトが欲しいにゃん 1

ブログの効果で来客数が増えた……喫茶トムトム。

そうなるとアルバイトを増やさないといけなくなるって事でバイト君達の推薦でバイトを募集することになりました。

トラちゃんブログの効果なのか、孝子の定期的に上がる狼煙のせいか、店の客の入りは順調……というよりも、今のメンバーじゃさばききれなくなってきた。

アルバイトのOBの毅さんがいると無償ボランティアだなんて言ってお店と手伝ってくれる。

そんな毅さんの本職は弁護士さん。今は二つ先の駅にある弁護士事務所で修行中だ。

今日は裁判の帰りだったみたいで、無駄にニコヤカに接客をしている。

コレ……本人は相当機嫌が悪い証拠だから。そのせいか、今日のシフトの大輔と武人が必死になって動き回っている。そこまでしなくてもいいのになあ。俺も手伝っているし。

あっ、俺の方は今日は午後から休校だったから1時から店を手伝っている。

「大輔さん、最近こんな感じですか?」

「うーん、そんな感じだよね。12時のランチから女性のお客さんがかなり増えてね。ほらっ、女性って長居するじゃない?それで満席になっちゃうんだよ」

「そうそう。空気を読めなんて言えないけどさ、孝子ちゃんも手伝っているって訳」

そうそう、孝子もバイトと一緒に手伝っているからデザートまで手が回らなくなっている。

「そっか。バイトを増やすしか方法はないか」

「なあ、だったら俺の従弟でもいいか?」

「毅さん……急に話題に入らないでください。そろそろお仕事に戻って下さい」

「いいじゃん。かつての勤務先が忙しそうだからボランティアを買っているって言うのに。賃金は請求しないし、ってか、あれだけオーナー達にお世話になったんだ。恩返しさせてくれよ」

毅さんはそう言うと、僕のエプロンからメモ帳を取り出して従弟君の情報を書いてくれた。

こいつがそのうちここに来るように話をしておく。こいつも法学部に通っているし、お茶好きだからいいと思うぞ。

「そうですけど……だいすけですか?」

「そうか、既に大輔がいたな」

「いたから雇わないって事はないですけど。暫くは同じ時間にならないようにしますよ。僕らも困るけど、常連さんは面白がるでしょうから」

「そうだな。それじゃあ、紬さんに話をしておくか」

そう言うと、毅さんは厨房の中に潜って行った。直接交渉をしてくれるようだ。


「あの……俺達もアルバイトしてくれそうな同級生連れてきてもいいですか?」

「俺も、今の待遇を言ったら俺もやりたいって奴もいたんで」

「うん、母さん達に話してから連れてきてもいいよ」

「それと……ここで働きたいって言っていた、高校生いたじゃないですか?」

「ああ、裕貴君ね。大学受かったのかな?」

「その彼は、僕の大学にいますよぉ」

のんびり口調で大輔君が答える。大輔君はうちの店で出す紅茶が好きで常連さんからアルバイトに昇格した口。今日はカウンターでドリンクをせっせと用意してくれている。

「本当。だったら裕貴君を誘って貰ってもいいかな?」

「多分……もう少ししたら来ますよ。僕が店が最近忙しいって彼に言いましたから」

「本当?助かるなあ。でも何人雇っていいのかな?」

「そこは紬さんと勉さんに任せたら?」

大輔さんはようやくランチの波が引いたみたいでカウンターにやって来た。

「孝子は?」

「ケーキの仕込みです。孝子さんにはケーキに専念してほしいんですけどね」

「大輔さん……それ以上は言わないで」

言葉を遮った俺を大輔さんは苦笑いして見ている。

今日の孝子はカウンターでグラスを洗ってくれていたのだが……洗ってすすぐだけで4個もグラスを割っていた。どうしたらそうなるのか……誰か教えてくれよ?


やっと落ち着いた午後2時。皆で長テーブルで賄いを食べている。お客さんはいるけれども、常連さんなので問題はないだろう。

「最近、トラちゃんブログのお陰でお店は大変だね?」

「そうですね。毅さんが従弟君をアルバイトでどうだろうかって言ってくれました」

「俺もバイトをしたがっている同級生がいるから連れて来れますよ」

「僕は……まずは裕貴君を入れる事が先かな。その後に友達に聞いてみるよ」

武人さんは、毅さんと同じ大学で学食で『賄いがあって、学業と両立できるバイトってないかね』ってぼやいている所を拾われてアルバイトになった経緯がある。

今日は大輔さんと武人さんがアルバイトに入っているけれども、他に彰さんと克幸さんというバイトさんもいる。

不思議な縁なのだが、バイトさん達は皆大学が違えど法学部の学生さん。学者志望の彰さん以外は弁護士さん志望だ。大学院に行く為の学費を少しでも溜めたいからとこの店で働いている。

もっと稼ぎのいい店もあるけれども、武人さんいわく、『賄い旨いし、勉強の両立を第一に見てくれる所は本当んい少ないんですよ』って口一杯に頬張りながら力説する。

「武人君、零しますよ。子供じゃないんですから」

「だって、旨いんだからさ。今朝寝坊して朝食食べそびれて……」

「ダメよ。そう言う時は、店に顔を出しなさい。クロックムッシュ位は出してあげるわよ」

「すみません、奥さん」

「それより大学が忙しいの?」

「そういう訳では……ゼミの飲み会です」

武人は寝坊の原因を正直に言った。ゼミの飲み会だと回避は無理だもんな」

「この時期はどうしても飲み会があるからね。適当なところで抜けちゃえばいいんだよ」

「そんな事言ってもさ、皆つぶれているから教授をタクシーに乗せる人がいなくなるんだよ」

「そっか。武人君は優しいね。今度から教授がタクシーに乗ったら会費を払って帰ったら?」

「そうですね。大輔君の言う通りに今度はそうします。で、奥さん友達がここの店でアルバイトをしたいって言っているんですけど?」

「そうね、今は忙しいから……定着してくれるといいんだけどね」

「大丈夫です。あいつ等も学費溜めているんで。それじゃあ今度のシフトの時に来れる様に話しておきます」

「よろしくね。うちは高校生は雇わないわよ。それと学業との両立が出来ない人は本当に止めて貰うわよ」

「母さん、俺も探した方がいい?」

「うーん、次郎はまだ何もしなくてもいいわ。ブログでもその事は匂わせないで」

「はーい」

俺達は和やかにランチタイムを過ごしてから、再び業務に戻るのだった。


以下が今日のトラちゃんブログ

女の子は愛嬌があればいいっていうけど、あの子はどうなの?

ケーキは美味しいのよ。なのに、ヘルプでグラス洗いしてくれてグラス割っていたら仕事が増えるじゃない。

最近、お客さんが増えていて、ランチに来ても満席で入れない人もいるの。

皆が入れるにはどうしたらいいのかな?何かいいアイデアがあったらお願いします。

今日の値のランチはお魚を焼いたの。忙しいのに、パパがほんのちょっとだけお塩を付けて焼いてくれたお魚を解してくれたの。お肉もいいけど。お魚がやっぱり一番ね。

(写真には、解された白身の魚が乗った小鉢が乗っている)

皆が食べているランチっておいしいの?あたいには味が濃いから食べたらダメってママもパパも言うのよ。でもたまにミルクをくれるからいいにゃん。

パパ、今日も美味しいご飯をありがとにゃん。


次回、だいすけくんをお願い(はあと)回になります。

担当のお店の方よろしくお願いしますね。

追記:ブログの値は本当はあたいなのですが、あえてそのままにします。

そこから……また騒動が(内容を決めてない)

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