彼女と過ごした三日間
余り上手くまとめられませんでした・・・・
すみません・・・・・
最初はまさかこんなことになるなんて思ってもみなかったんだ。
いつもみたいに学校から帰ろうとしたら少し呼吸困難になって倒れただけなのに救急車呼んだり親に連絡したりするなんて大げさだなぁなんて他人事みたいに思ってたのにまさか医者からあんな事を言い渡されるなんて・・・・・・
「息子さんの命はもって後一週間です。」
「・・・・は!?」
病院の診察室で俺はとんでもない事を医者から言い渡された。
この医者は今なんていった?
『ムスコサンノイノチハモッテイッシュウカンデス。』
確かこういった気がしたが、いくら冗談でもこれはきつ過ぎる。少し呼吸困難おこしただけであと一週間後には死ぬとかマジ笑えねぇ。
「はっ、何いって・・・!」
「先生!じゃぁやっぱり・・・!!」
そのとき後ろにいた母さんが涙を堪え涙声になりながら医者に問う。
何マジで受け取ってんだ母さん!?こんなの真に受けたらこっちの負けだ。
「先生、何とかならないんですか!?」
「残念ながら・・・・息子さんが幼少の時に申し上げた通り、息子さんの体は病に侵されてもう手の施しようがありません。」
「そんな・・・・・!!」
母さんは途端に泣き崩れ、それを父さんが肩で受け止めた。
何で泣いてんだ母さん?父さんもそんなシケた面すんなよ。
まぁ確かに小さい頃から体が弱くて運動止められたり、たまに眩暈がしたり、チョクチョク病院いったり、ちょっとした事で母さんが異常に心配したりする事はあったけどそんな事俺は気にも留めてなかったし、今じゃこんなにピンピンしてんのに死ぬわけないだろう?
「『病に侵されている』?『幼少のときに申し上げた』?フザケンナ!俺はそんな事一度も聞いたことねぇよ!!」
「奏風・・・・」
「俺抜きで意味の分からんことを勝手に納得しやがって!冗談じゃない!!いったい何がどうなってんだよ!?」
何で俺一人だけ分かってないみたいなことになってんだ!?
それに純鈴はどうなる?それにもし死ぬことが本当なら俺はあいつを置いて死ぬのか?
「俺にもわかるように説明してくれよ!」
「・・・・・奏風・・・ごめんなさい・・・!!」
母さんが俺に向かって頭を下げる。
「・・・何で母さんが謝るんだよ。」
「・・・・・・あのね、奏風は小さかったから覚えてないかもしれないけど・・・奏風は2歳位のとき突然意識を失ってこの病院に運ばれたの・・・・」
「?」
何言ってんだ母さん?話が全然読めねぇよ。
「検査をしたら、心臓の病に侵されていることが分かって・・・・」
「はぃ!?」
「手術をしても20歳まで生きられるか分からないって言われたの。それに手術は長い時間かけて行うからほとんど寝たきりだって・・・」
「そんなに俺重病なの・・?」
まさか自分がそんなヤバイ病気だったなんて・・・・・驚きだ。
「それで母さん父さんと話して一生寝たきりになるくらいなら奏風にはこのことは秘密にしていい人生を過ごさせてあげようってことになったの・・・・」
「・・・・・・・」
「・・・でも奏風にはちゃんと手術を受けさせてあげれば良かった・・・・そしたらこんなに若く死ななくても良かったのに・・・・!!」
母さんはそこまで言うと俺に一言ごめんなさいと呟きむせび泣いた。俺はそれを黙ってみていたらずっと口を閉ざしていた父さんも重々しく話し始める。
「・・・・奏風今まで黙っていて悪かった。・・・・・・だがこれだけは覚えておいてくれ。父さんと母さんはお前のためを思ってこうしたんだ。だからお前のことは今まで大切に育ててきたつもりだ・・・・・」
「・・・・・・」
俺はその言葉を聞いて思わず泣きそうになった。
「はは・・・・そんな事ないよ父さん。」
―なんだよ俺、ムチャクチャ愛されてんじゃん。
俺のためにこんなに悩んで泣いてくれる人がいるなんて思っても見なかった。最近は親とも喧嘩ばっかりして俺の事本当は要らなかったんじゃないかって考えていたのがバカみたいだ。
「俺は父さんや母さんにそういう選択をしてもらってすげぇ感謝してる。」
そのおかげで俺はいろんな人に出会えて純鈴というカノジョも出来た。
「だから・・・・・最後の生き方は俺に決めさせてくれ。」
「ああ・・・・」
両親はこの言葉に頷いた。
俺は病院を出ながら考えた。
―さてどう過ごそうか?
______________
それから俺はほとんどの時間を純鈴と過ごした。幸い俺が病院に運ばれたのは夏休みの一日前だったので、時間はたくさんあった。自分からデートに・・・それも三日連続で誘ったことは一度もなかったので純鈴は少し驚いたようだ。しかし純鈴は・・・・もちろん病のことは一言も言ってないのだが何かを察してくれたらしく今まで入っていた予約を全てキャンセルして俺のわがままに付き合ってくれた。
三日目の今日は二人で遊園地に来ていた。
純鈴は予想以上に喜んでいるらしく大はしゃぎだ。しかしこの笑顔もあといつまで見られるのかと思うと胸が痛む。
思わず下を向くと純鈴が顔を覗き込んできた。
「どーしたの、奏風?」
「純鈴・・・・・いやなんでもない。」
慌ててその場を取り繕うように無理やり笑ってみせる。
「ふーん・・ならいいケド。」
純鈴が疑わしそうにこっちを見てきた。
「ホントに?」
「・・・・だからなんでもないって言ってんじゃん。ほら早くしないと全部まわれねぇぞ。」
「まぁそりゃそーだね。でもちゃんと奏風も楽しみなよ、せっかくの遊園地なんだからさ!」
そうだな、と薄く笑ったその時だった。
「うっ・・・・!」
突然呼吸がうまく出来なくなった。思わずその場に膝を着くと純鈴が心配そうに駆け寄ってきた。
「奏風大丈夫!?」
純鈴に弱々しく微笑み、大丈夫だと言おうとしたが口から出てきたのは言葉ではなく真っ赤な液体だった。
「奏風っ!それ血・・・っ!!まってて今救急車呼ぶから!!」
純鈴が必死の形相で携帯を開く。
―もう俺はダメかもしれない
そこで俺の意識はなくなった。
___________
「・・・・・バカ奏風・・・・っ!」
私は小さく呟いた。
ここは奏風が運ばれた病院の待合室。目の前には奏風の両親が座っている。突然デートの途中で倒れた奏風は救急車に運ばれた。そこで私は奏風の両親に会い奏風が余命一週間を告げられていたことを知った。
「なんで・・・・なんで私に言わなかったの・・・・・」
もちろんなんで奏風が私に言わなかったのかは分かっている。きっと私の落ち込む顔が見たくなかったんだろう。奏風は優しいからきっと耐え切れなかったんだ。
でも・・・・それでも・・・・
「ちゃんと言ってほしかった。」
目から涙が零れ落ちた。
「純鈴ちゃん・・・・」
奏風のお母さんが口を開いた瞬間、医者が部屋に入ってきた。
「息子さんは・・・・おそらく今日が山でしょう。皆様中にお入りください。」
「・・・・・そんなっ」
「奏風!」
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目を開くとそこには両親と涙目で覗き込む純鈴の姿があった。
「奏風・・・っ」
「奏風・・・目ぇ覚めたんだね。」
「父さん母さん・・・・・純鈴・・・・・」
自分の体を見るとあちこちにチューブが繋いであった。
「この・・・・バカ奏風・・・・っ!なんで私に言わなかったのよぉ」
純鈴の瞳から涙が溢れ出る。
「・・・泣くなよ・・・純鈴・・・・せっかくの顔が・・・台無し・・・・だぞ・・・」
お前には最後まで笑っていてほしいんだ。
そのとき看護師の声が響いた。
「先生!心拍数が低下しています!!」
「奏風!」
「ダメ・・・奏風!!」
―そっかぁ・・俺死ぬのかぁ・・・・
俺は他人事のようにそう思った。
俺は両親の方を見た。
「父さん・・母さん・・・ろくに親孝行できなくて・・・・ゴメン・・」
「そんな事ないわ!母さんたちにとっては奏風が生まれてきてくれただけで十分親孝行よ!!」
母さんが俺の手を握った。
―ありがとう母さん、そういってもらえて俺はとても幸せだ
次に純鈴のほうを見た。
「純鈴・・・・俺と出会ってくれてありがとう・・・・俺はお前が好きだ・・・・だから・・俺を早く忘れて新しい恋人をつくって・・・」
「バカ奏風!」
「え・・・・・・」
純鈴が俺の手を強く握った。
「なんでそんな事いうの!?私は奏風のことが大好きなのに!!」
「・・・・・・」
「これ以上そんな事言ったら地獄の果てまで追いかけるわよ!!」
「純鈴・・・」
純鈴の表情が歪み、瞳からさらにたくさんの涙が出てきた。
「・・・・大好き・・・・大好きなの・・・・・だから・・・だから・・・・まだ逝かないでよ・・・!!」
―純鈴・・・俺はお前に出会えて本当に良かった
そのときまた看護師の声が響いた。
「さらに心拍数低下!38、37・・・!!」
「奏風!!」
「奏風!まだ・・まだまって!!」
俺は皆を見ていった。
「・・・・皆ありがとう、俺は世界一幸せ者だ・・・・・父さん母さんいつまでも仲良くな・・・純鈴・・・・お前は俺を早く忘れて幸せになれよ・・・・・」
「奏風!!」
「・・・奏風!!!」
「奏風・・・・っ!!」
言い終わると突然世界が白黒に変換し無音になった。
そして視界は闇に包まれ・・・・・・俺は死んだ
アドバイス等がありましたらお願いします!