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開幕 表 2

 7月8日 大幅修正後 再度投稿


 太陽もまだ昇りはじめてもいない深夜、地表から遠く離れた雪山の山頂に、二つの物影があった。一つは辺りに積もった雪よりも白い、巨大な岩のような何か。それは鼓動するかのように、体を上下に揺らしている。その傍らで、おぼろげな人影が、あぐらを組みながら空の果てに目を向け、何かを見つめるようにじっとしていた。



――☆☆☆☆――



「なんで、こんな事になったんだろうな?」

 俺ことフクチ・タクミは、自身が置かれた状況に対し疑問を呟いた。


「グルル、グアァ。…………ドウシ……タ……ノ?」

 その疑問には、間近にあった巨大な岩のようなものから返事が返えってきた。返事は、うなり声のようにぎこちないもので、人の喋る声色ではなかったが、確かに人の言葉を喋った。


「うん……起こしたか。悪いな、ちょっと今までのことを振り返ってたんだよ」


「イマ……マデノ……コト?」


「ああ、お前と始めてあった時から今日までのことだよ」


「タグミト……ハジメテアッタヒ……オボエテル!」


「おっ、ちゃんと覚えてるのか、偉いじゃないか。てっきり忘れているものだと思ってた」

 こいつとの出逢いは、あの砂漠から始まった。


「ワタシ……ソノヒ……ノコト……オボエテル。ワタシガ……タグミヲ……タベタ!」


「いや、食べたというか丸呑みだったろ。――まあ、それだけを覚えてれば十分か」

 それに俺じゃなくて石だ、丸呑みされたのは石だから。


「タグミ……タベタ……ワタシ……ソレカラ……オオキグナッタ!」


「まあ、食べたせいじゃなくて、俺の意思が影響出たんだと思うが、それで間違ってないか。それにしても……いい加減、口で喋るのやめないか『エナ』。相変わらず、上手く呂律が回ってなくて、俺の名前がタクミじゃなくて、タグミになってる」


「……イヤ……ワタシ……ガンバッテ……チャント……オハナシ……スル!」


「そうか、まだ頑張ってるんだな。いい加減、エナの舌じゃ難しいってこと、そこら辺は理解してるだろうに」

 このエナというやつは、どうにも頑固なところがあるようで、何とかして俺としっかりお話ししたいらしい。いくら無理だといっても、やりたいと意固地になって頑張っている。


「タグミト……チャント……オハナシ……シタイ……ノ!」


「まあ、良いけど、出来たらエナとしっかりと話したいんだが。――今のまんまじゃ、ゆっくりすぎる。エナが、どれくらいあのとき以降のことを覚えているか、一度しっかり確認しておきたいから、もう少し早くならないか?」

どうにもエナは、自分の口で直接お話がしたいようだが、会話する方法は他にあるため、現状ではいつまで話せるか分からないことから、さっさと話しがしたくその意を伝えた。


「…………タグミノ……オネガイ?」


「ああ、お願いだ、エナ……駄目か?」

 エナが頑固になれば、俺がエナの名前をしっかり呼んでお願いをする。こうするとエナは素直に俺のいうことを聞いてくれる。俺の教育がよかったのか、人の真摯なお願いはちゃんと見極め、素直に聞ける良い子に育った。


「ワカッタ……(タクミ。これで、いい?)」

 

「おう、そっちのほうで喋ってくれると助かる。それじゃ、順に話していこうか、あの砂漠で俺たちの出逢って、今日までのことを」

 俺のお願いを聞き入れたエナは、先ほどまで出していたうなり声と違う、おとなしげな子供の声を俺の頭の中に響かせた。エナと俺は、口に出さずとも、頭の中で直接会話することが出来るのだ。これでしっかりと話せると思った俺は、良い機会なので少し昔をエナと一緒に振り返ってみようと思った。


「(うん、ゆっくりはなそっ!)」

 嬉しそうな声色で、エナが俺との単純な会話を、楽しんでいることがよく分かる。 最近は我が強くなり、気むずかしい性格になったが、こいつの純真なところは今も昔も変わらないな、と俺は振り返った昔と今を比べ思った。



――――



「さっきの続きは、……そうだ、お前が石を丸呑みしたことだったな」


「(うん。……そのあと、あのこわいやつが、えなをつかまえた!)」


「こわいやつって、グリフォンのことか?」

 確か、あの後まだ蛇だったエナは、グリフォンに捕まって。……俺が、大空を超高速で引きずり回されたんだったな。


「(あいつ、きらい! いまでも、たべられかけたこと、おぼえてる!)」

 エナはどうやらあの出来事を今でも根にもっているようだ。今じゃ、あのグリフォンも敵じゃないだろうに、随分とトラウマになっているようだ。


「それにしても、あの頃と今のエナは随分と変わったよな」

 そうなのだ。エナの体は、現在ではとても大きく成長し、すでに小山ほどの大きさである。正直、蛇だったとは当時とは、だいぶ状況が違う。今あのグリフォンが現れても、しっぽで、余裕の一撃ノックアウトだろう。


「(たくみのおかげだよ。たくみがいたから、えなは変わった。それで、あいつから逃げれた!)」


「まあそうなんだが、……俺がしたことはただ願っただけさ、お前があのままあいつに喰われるっていうのは、何となく気に入らなかったから。つい『頑張れよ!』って応援しただけだよ」


「(そのおかげで、えなはたすかった。こわいやつからにげれた!)」


「あの時は俺もかなり驚いたよ。グリフォンの巣に着いてから、それまで死んだかのように身動きしていなかった蛇が、いきなり飛び起きて、何倍もの大きさのグリフォンに牙を向けるんだもんな」


「(あの時、エナの体、すっごく満たされてた。だから、食べられないよう、頑張れた!)」


「そうみたいだな。……だけど、必死に暴れたせいで、巣のあった崖の上から転げ落ちて、下に流れていた川に落ちたときは気が気でなかった。それにくっついてた俺としては、またしても引きずられるように、お前の後を追いかけて水の中だからな、それも川から海までずっと流され続けるもんだからかなりトラウマだ、もう高いところから落ちるのは勘弁してほしいな」


「(えなも、落ちるのこわかった、水こわかった、それと、あのでっかいのこわかった)」


「あのでっかいの? ああ、海の底でいたあいつのことか、確かにあいつは怖かったかもな。それにしても、よくあの状態で覚えていたな」

 確かあの時のエナは、水の流れに必死で抵抗して、呼吸もままならない状態だったからな、意識も曖昧だった思ったんだが、どうやら覚えているみたいだな。


「うん、なんとなく」


「……エナ、良い機会だからしっとけ、あいつは今のお前の姿、『竜』を思い浮かべさせた原点だ」

 そう、あの時、海の底で見たのは、ある意味今のエナの姿と対をなすっものだった。


「(げんてん?)」


「おう、あいつの正式な名前はもちろんしらないし、姿も光っててはっきりとは分からなかったが、俺が見たところあいつはたぶん、『龍』っていわれる奴だ。俺はあいつのから、蛇が強くなったイメージを思い浮かべ、今のエナの姿を思いついたんだ」

 海の底にとぐろを巻いてたいたあいつは、頭に角らしきものがあったし、体の長さやサイズは蛇にしては大きすぎた。どちらかといえば龍っていったほうが納得できる形だった。


「(えなは、あのでっかいのとちがうよ?)」


「ああ、なんていうかイメージの問題だ。あっちは蛇がでっかくなった感じで、エナの方は、蛇に翼はえたり、四肢がある方なんだよな。エナにいっても分からんが、東洋龍と、西洋竜の区別だな。俺は龍より、竜の方が気に入ってるから、エナは竜になったんだと思う。まあ実際、龍がいるなら竜もいても良いじゃないか、と思っただけなんだけどな」


「(よくわかんない。えなはりゅうだけど、どらごんっていわれてなかった?)」


「ドラゴンっていうのは、竜の種類みたいなもんで、いろんな種類がある中で、俺は特に有名なこいつが好きなんだ」


「(好き……じゃあ、えなはどらごん!」


「なんだよ急に、えなは変なところに食いつくな」


「(いいの、えなはへんでいいの!)」


「……まあ、いいか。それじゃ、話をもどして海で龍と会った後だな。正直、あのときお前が長い間水の中にいたから、てっきり死んだかとおもってんだが、息はあったのか?」


「(息? …………なんか大丈夫だった)」


「う~ん、その頃からもう俺の影響があったのかな。俺はその時も、『死ぬなよ!』とか言ってたから、それが上手く適って、水中で呼吸が必要のない蛇にでも変わっていたのかな?」


「(…………きっとたくみのいうとおり!)」


「お前な、自分の事だからもう少し真面目に、……はあ、もういい。そうなると、グリフォンから逃げ出した辺りで、エナはもうただの白蛇じゃなくなってたのかもな」

 そう、なぜか分からないが、エナは俺の願いの影響のせいか、普通の白蛇から、今の姿、ファンタジーの代名詞たるドラゴンへと至っているのだった。……ただの蛇が竜になる辺り、そこら辺の説明なんかしろっていっても、俺にはよく分からない。ただ願ったら叶ったのだ。


「(うん、それから段々と大っきくなって、つばさがはえて、てとあしもはえて、えなはどらごんになった!)」


「……今考えると、進化のプロセスを大幅短縮っていう話じゃないな、さすがに今のエナの大きさになるまでは、結構かかったが、翼や手足が出来たのは、割と短い期間で連続で起きたし。俺もその頃には自覚が出てきたよ、まるで俺が考えた『望みが現実になる』っていう状況に」

 原理は分からないが、俺の願いがエナに影響を与える。これが現状分かっている答えだ。


「(たくみのおかげで、そらもとべるし、ひもふける。それにたくみとおしゃべりもできるようになった。ぜんぶ、たくみのおかげ!)」


「そうだよな、大体翼が生えた頃から、エナは頭も良くなってきて、手足が生えるようになった頃には人並みの頭になっていたんだっけ」


「(おそらをとべるようになったころから、だれかが、えなのそばにいるってきづいた。そしたら、えなのなかにたくみがいるってわかった!)」


「そうだったな。空の上でいつものように引きずられていたら、エナが急に挙動不審になって辺りをきょろきょろ見だしたんだ。これはもしかして、と思ったら本当に俺の存在に気づいて、頭の中で意思疎通出来るようになったのがあの頃からだ」


「(それから、えなはわかった! たくみがずっといっしょだったこと。これからもいっしょだってことも!)」


「はいはい、そうだな。…………これからもね」

 エナの言った台詞は、今の俺にとって少し返答に困るものだ。


「(たくみ……どうしたの? えなといっしょ、いや?)」


「そういうわけじゃないさ、ただちょっとな、やらなきゃいけない、いや知らなきゃいけないことが出来たせいでさ、俺たちはいつまで一緒にいられるのかなって思ったのさ、……いつのなるか分からない話だけど、いつかはエナも俺とお別れし「イ…ヤ!」…うわっ!」


「タグ…ミト…ハナ…レル、イ…ヤ!」


「エナ、声が出てる。ちょっと落ち着け」


「(……なんでたくみは、えなとおわかれなんて、いうの? たくみはえなとずっといっしょだよね? もし、たくみがいなくなったら、えなはいやだよ)」


「……エナには仲間がいるじゃないか?」


「(なかま……でもあの子たちはえなだよ。えなの、つばさやうでなんだよ?)」


「それでも仲間さ。確かに、あいつらは、エナの体から生まれた分身みたいなもんだけど、エナとは違う体に心をもってる。今じゃあいつらは立派にいきてるのさ」

 言葉の通り、エナは自身の体から、仲間となる別種の竜を生み出した。なんか寂しいからとかいって生まれたそれらは、ちぎり取った部位によって今のところ3つの種族が存在する。


「あいつらのこと好きじゃなかったのかよ?」

 俺の命名で、翼から生まれた『翼竜種 ワイバーン』・四肢から生まれた『多頭種 ヒドラ』・心臓と大量の血から生まれたエナに似た姿の『純粋種 ドラゴン』。彼等は現在、俺たちの元から離れ、各地に自身の住処を置き種族を増やしている。……ちなみにエナがちぎり取った部位は、半日も掛けずに自然治癒した。ドラゴンの生命力は偉大である


「(あのこたち、すき。でもたくみのほうがもっっっとすき!)」


「嬉しいこと言ってくれる、ありがとよ。――それにしても、こうやって考えてみると、エナは最初の竜で、今いる竜達のお母さんみたいなもんなんだよな。つまり竜の始祖ってわけか」

 それの原因みたいな俺は一体何なんだって話だ。……エナが食べて石。現状分かってる中で、あの石は俺の本体みたいなもんらしい。これについてもよく分かっていないが、エナはあれを食べて進化したようなもの、ファンタジーやRPG風にいってしまえば、あの石、つまり俺は進化の石とかになるのかな?


「しそ? えなはみんなのおかあさん?」


「……うん、ああ! そうだな、エナはあいつらみんなのお母さんさ、だからしっかり面倒見てやれよ、俺がお前を見守っていたようにさ」


「(……たくみ、やっぱりどこかにいっちゃうの? エナといっしょにあのこたち、みていてくれないの?)」


「……さっきからいっているとおり、わからないんだ。今後、俺がどうなるのかさ」


「(あいつらのせい? このまえから、しつこくえなたちをおいかけてくる。あいつらのせいでこんなとこに、いるんだよね)」


「まあな、あいつらが関係してないとは言わないさ」

 そう、俺たちが今いる雪山で暮らしているのには理由がある。……実は俺たち追われているのだ。もしかしたら、彼等との戦いで、俺がどうなるのか、そんなことすらもわからないのが現状だ。……何となくだが俺は、あいつらとの戦いの後で、自分たちの状況がこのまま変わらないままだとは思えなかった。


「(あの、かみがみ、とかいうやつら、みんなやっつけちゃおうよ。そしたら、たくみはいなくならないでしょ?)」


「やめなさいって何回も言ってるだろう、神々、あいつらが追っかけてくるのは、こっちに非があるんだ。それにエナが本気出したら辺りは焼け野原になるって、この前に経験しただろうが! あんなの見るのはもうこりごりだ」

 俺たちを追いかけてくるのは、自称、神様というやつらだ。本当に神様かどうか知らないが、奴らは不思議な力をつかって、俺たちに戦いを挑んできた。その戦いの中でエナは一度本気で応戦し、住処だった森を一つ焼け野原にしたのだった。それ以降俺たちは辺りに被害が出ないよう転々としながら、奴らから逃げてきたのだ。


「(でも! えなたちはなにもわるいことはしていないよ!)」


「俺たちは確かにしていないが、他の竜たちは別だ、あいつらに特に何も言い含めなかったせいで、この世界の人間たちに大きな被害が出た。それに竜の総数が増えすぎたせいで、自然のバランスが崩れたのも問題だ。エナには難しいかもしれないが、竜たちは強すぎたんだよ」

 数回ほどあった神々との戦いの中で、やつらの一部の者は毎回罵倒と共に詳しい説明をしてくれるため、俺たちの置かれた状況はある程度考察できた。神々曰く、この世界には、世界を作った神様、一番偉い奴が決めたルールがいくつかあって、その一つに、人に対する過剰な攻撃や敵対を禁ずる、という定めがあるらしい。ようは人を尊重しましょう、とのことだ。竜たちは、そのルールを無視し、都合の良い餌として、人を捕食しまくったそうだ。


「(でも、それはいきるため。ひとだからだべちゃだめって、おかしい)」


「そうだな、……だけど、やっぱり竜は人を食いすぎたんだよ。あいつら神々にとってもそれは見逃すことはできないんだろうよ。なんせこの世界は、それまで何事もなく順調に回っていたんだから。俺たちがはじめてなんだと、神々に楯突いた異分子ってやつは」


「(……たくみはこうかいしてる? えなのなかまをふやしたこと、えなといっしょにいることも)」


「後悔か、――してないよ。俺はエナと一緒にいれてうれしかった。エナがあのとき俺の本体? みたいなあの石を食べてくれていなかったら。きっとあの砂漠に今もひとりぼっちだと思うし、仲間も増やしたことも、少しおもしろがったところもあるし、単純に寂しかった所もある、知ってる奴が増えると気が紛れるかと思ったんだ」

 そう、エナの仲間が増える様を見ていた俺は、どこか調子に乗っていた。エナと話せるようになったばかりの頃だったせいか、もっと話せる仲間が欲しかったのだ。……きっとエナは俺の心情を見抜き、あの行動に出たのだろう。だって、生まれてきた竜たちはほとんど俺のイメージ通りだったのだから、俺の影響がないなんていえるわけがない。


「(ほんと?)」


「あいつらは喋ることは出来なきなかったし、エナみたいに意思疎通もほとんど出来なかったけど、見ていて意外と愛嬌もあったし、俺もあいつらのこと気に入ってるんだからな」

 エナから生まれた竜たちは、基本知能も生まれたての赤子と変わらない、野生の本能のまま生きているやつらだった。竜種の中で翼種や純粋種は少し知能が高かったが、それでも身振り手振りでも意思疎通が限界だった。本質的にあいつらは野生の獣と変わらないのだ。


「(……でも)」


「それにさ、あいつらがいないとエナは本当にひとりぼっちになる。俺が勝手にエナを蛇から竜みたいな別種にしたんだから、同じような仲間がいないと種族として不安じゃないか?」


「(えなにはたくみがいる! だから!)」


「それでもさ、例え俺がいたとしても、自分で仲間を増えせたとしても、エナにはつがいとなるやつが必要になるさ、本当の家族ってやつがさ」


「(つがい? ほんとうのかぞく? たくみはちがうの?)」


「俺は……そうだな、パートナー、いわゆる相棒って奴かな」


「(でも、たくみはえなとずっといっしょにいる、だから、かぞく!)」


「馬鹿、家族って言うのは、この場合、自分と相手で子供を作っていくような関係なんだよ! なんて言えば良いんだ、……相思相愛? そんな感じが必要なんだ!」


「(じゃあ、えなはたくみとこどもつくる!)」


「無理だ、お前は竜、俺は人間! しかも体なし、生きてるか死んでるかも分からない浮遊霊みたいなもんだ」

 そう、今の俺は確実に生きてはいない、肉体もなく、何の因果か浮遊霊のようにこの世界でおぼろげに存在している。その証拠に、エナ以外で俺の姿を見ることが出来るのはほとんどいない。よくわからないが、個体として優秀なものは見たり聞いたりと、俺の存在を認識できる。しかし、そんな存在は指で数える程度しかいない。


「(……じゃあ、どうすればいいの?)」


「あきらめろ、俺とお前じゃ、種族も違うし、こればっかりはどうにもならんよ、それに俺は、お前のことは好きと言えば好きだが、その感情は、妹や娘に対する父性愛のような……「(もういい!)」……あ~、エナ?」


「(もうしらない、たくみのばか、ばか、ばかっ!)」

 どうやら、俺の台詞が、エナの触れてはいけないとこに触れてしまったようだ。いつにもまして、彼女は不機嫌になってしまったようだ。


「あ~エナ、悪かった。少し厳しく言い過ぎた」


「(しらない、たくみはえなのこと、きらいなんだ! だからうそをいってるんだ!)」


「嫌いでもないし、嘘も言ってないよ、まったく。……はあ、そうだな、もし来世って奴があるんだったら、その時ならどうかわからない、とだけいっておこうか」


「(…………らいせ? それってなに?)」


「……来世っていうのは、死んだ後のことだよ」


「(たくみはまたうそをつくんだ。しんだらなにもないって、まえにたくみがいってたよ)」


「まあそれは俺の常識って奴ではそうだったんだよ。でも、この来世って言うのは、ここ最近あるんじゃないかって思い始めたんだ。嘘じゃなくて訂正だ。」


「(……それって、なんで?)」


「エナには話したかな? 俺がこの世界で、一番最初にあったこと?」


「(うん、ねておきたら、へんなそうげんにいたんでしょ?)」


「そうだ。まあ、そこら辺は置いておこう、……初めは、夢かなんかだと思ったんだが、一向におきる気配もないし、いい加減、目に見えているものを現実だと思うようになった。そしたら、この世界はどういう所なのか気になったのさ」


「(たくみは、このせかいをなんだとおもったの?)」


「最初、いやここ最近までは、俺が元いた世界とは違う、どっかの見知らぬ異世界かと思ってたんだ。だけど……この前、襲ってきた神々のやつら、普通に日本語喋ってたんだよな、だから違和感を感じたんだ。それで色々と考えた結果この世界は、元いた世界の遥か未来とかもありえるんじゃないかって思うようになった」


「(それだけ?」


「他にも予想がいろいろがあったけど、とりあえず自分の状況からしてそれが一番良い線かもって思ったんだ。実はこの世界は、俺が死んだ後、すっごい時間がたって地球が突然変異して、めちゃくちゃ環境が変わった世界じゃないこと予想してみた!」


「(……よくわかんないけど、なんかへんじゃない?)」


「うむ、自分で言っててめちゃくちゃ矛盾がありそうな気がする。――でもそれだったら夢があって良いじゃないか」


「(ゆめ……)」


「さっきの続きだが、みんな死んだ後、生まれ変わりとかするのがあって今この世界にいる奴らはみんな生まれ変わり。そんで、俺は鈍くさくって生まれ変わり損なった間抜けって訳だ。なんかうろ覚えだけど、俺にはでっかい何かと一つになるような感じの時に、思いっきりはじき出された記憶があるんだよな。だから、今の浮遊霊みたいな状態になったんじゃないかと俺は思ってる」


「(たくみ、でたらめいってない?)」


「でたらめとは失礼な――ほんの遊び心だ」


「(もう、たくみのばか! またえなであそんでたでしょ)」


「ははっ、でも嘘は言ってないのは保証する。――だから、もし来世が本当にあって俺とエナが同じ種族で巡り会えたら……まあ、一緒になっても良いぜ」


「(ほんと? ほんとに、ほんとに、ほんとっ7!?)」


「ほんとほんと、そんな奇跡があったらいくらでも一緒にいてやるよ」


「(わかった、きせきでもなんでもいいよ。えなは、ぜったいかなえる。これが、えなのゆめなんだとおもう。わたしは、たくみとおんなじすがたで、いっしょになる!)」


「……エナの夢ね――まあ見るだけならただってな、一応期待して待ってるよ」

 俺は、無邪気に夢を真剣に語るエナには聞こえない声で、小さく夢へのエールを送った。正直、心境としては「お父さんと結婚する」と娘に言われた気分だ。夢が叶ったらかなり問題だけど、こうも嬉しそうに話されると何も言えなくなる。



――◇◇◇◇――



「う~む、俺はなにいってんだろうな。とりあえず、次の話にいこうか。――なあエナ……襲ってくる神々の中で飛び抜けて強い銀髪の女性、目映い翼を持った神がいただろう。あいつのこと覚えてるか?」


「…………眩しい羽のやつ?」

 この話題を切り出したとき、エナの表情は先の喜びようから一転して、忌々しげな雰囲気を醸し出しはじめた。


「眩しい羽って、いや間違ってないけど、……まあいい、実は俺、彼女とは初対面じゃないんだよな。あのときが見たのがたぶん二回目なんだ。最初あったときは、この世界で目覚めてすぐの話で、……当時のことは今でも俺の黒歴史なんだが、それはもういい。この前、神々の奴らが襲撃の最後に現れた、エナと本気でぶつかり合っても、一向に決着が付かなかったよな」

 目映い翼を持った神、眩しい羽の相手は、俺たちのことを執拗に追いかけてくる神の筆頭だ。そして、俺がこの世界、神々の奴ら曰く『イデニオン』に始めてやってきた時、夜の草原で出会った、二人の女性の片割れ、巨大な鳥の姿をもっていた銀髪の女性によく似ていた。さすが、戦闘中の服装は白いワンピースではなく、しっかりとした戦装束だったが。驚くことに彼女は相対する相手すなわち、数倍の大きさを持つエナを相手に、真っ向からぶつかり合いっても負けないという恐るべき存在だった。


「(あいつ、つよかった。えなのつめやきば、ひをはいても、ぜんぜんきかなかった。ぜんぶ、あのまぶしいはねでふせいでた)」


「確かにそうだったな、あの羽は一体何で出来ているのやら、エナが弱いわけではないんだよな、……あの時の余波だけで、住処だった森や周りの地形に、周囲のにいた他の神々がぶっ飛んでいったんだから」

 彼女との対決の前までは、住居である森で神々を余裕をもって迎撃していたのだが、エナと銀髪の女性の戦いは凄まじく、その戦い以降、あたりを巻き込まないために、俺たち戦場のことを意識しながら逃亡している。


「(……なんで、あいつからにげてるの? あいつをたおそうよ)」


「……悪いな、今までずっとエナには無理言って彼女から逃げてもらってて、彼女には、少し気まずいとこがあったんで戦いたくなかったんだが。――まあ、次で決着をつけるよ」


「(それじゃ! あいつをたおして……「でも、決着を付けなきゃならないのは俺だ。――俺が彼女に話を付けなきゃならないんだ」……え、なんでたくみが?)」


「彼女の狙いは、ずっと俺なんだよ。きっとこの世界で本当に意味で異分子なのは俺で、彼女はそれを知っているんだ。だから、今でもまだ、彼方此方に数を広げる竜達を放っておいて、しつこく俺たちを追い回しているんだと思う。…………正直最初に会ったときの黒歴史が尾を引いていて、今まで追いかけられてたと思ってたが、前回の襲撃でそれも違うってことがわかったんだ。どうやら彼女はまだ、あの時の不審者野郎が、俺だって確信がある訳じゃないみたいなんだ」

 あの時は、本当に混乱していて、うまく考えが行かなかったが、明らかにあの場には導かれたように俺はいた。今思えば、俺があそこにいた理由は、きっと彼女等二人の内にあるような気がする。漠然とした勘だが、たぶん間違いない。……そうじゃなかったら責任転嫁しているだけのくず野郎になってしまうので、当たっていて欲しいところだが。


「(でも、でも、きっと危ないよ!)」

 エナは泣き叫ぶかのように悲痛な意思を俺の頭にぶつけ拒絶を伝える。


「悪いな、エナを巻き込んじまって」


「(そんなの、いい! ぜんぜんだいじょうぶ……だから、えなをおいてかないで)」


「……エナ」

 エナは一連の話から何となく悟ったのだろう、俺が死ぬことも覚悟していることを。銀髪の女性は本気で俺の事を排除しようとしている、彼女と俺が相対するということは、俺にとって非常に危険な話だ。


 そのためか彼女の思念から「絶対離れない、死んでも一緒にいる」といった無言の意思が俺に届いている。こうなると俺からエナに

いえることはほとんどないだろう。


「(うぅ……たくみ)」


「わかった、とりあえず一緒にいよう、どうなるかはあちらしだいって事で」

 俺は妥協案をエナに持ちかけ、話を切り上げることにする。


「(…………)」

 エナはその妥協案に対し反応しなかった、俺の意思が既に固まってることを見抜いてのことか、だだをこねてるだけなのかわからないところだが、現状では話が続きそうになかった。



――◇◇◇◇――


 あれから、それなりの時間が流れ、俺とエナの間にはいまだ沈黙が続いている。


(……そろそろいいか、もう十分話せたし)

 俺は、この沈黙を破るべく、行動を起こす決意をした。



「お~い、でてこいよ。さっきからいるんだろう、覗き見さん。いい加減、少し話そうじゃないか、さすがにこのまんまずっとって訳にもいかないだろう!」

 エナとこれ以上話していても、たぶん平行線になるだろう。俺の相棒はどこか俺に甘えん坊な節があるし、きっと俺が離れていくことは最後まで許しちゃくれない。俺は、この場の空気を変えるために、この場にいるもう一人の人物の介入を要求した


「――……その通りだな、このような沈黙の場を見続ける趣味は私にはないからな」

その声と同時に、気配もなく、一人の女性が現れた。その女性は、背中に輝く翼を持ち、羽根付き兜に白い甲冑を装着した、神話に出てくる戦女神を彷彿させるいでたちの女性だった。彼女こそが、先ほど話に上がった眩しい羽の持ち主。実は彼女、初めから俺たちのこと空からずっと眺めていたのだ。


「覗き見がよくいうぜ」


「――ふん、最初から気づいていた男が、どの口でいう」


「(え!?」

エナは突然の出来事に驚きの声を上げた。どうやら今までずっと気づいていなかったようだが、俺はエナがおきる前から、あいつの気配を察していた。そのために、頭の中で会話するのを推奨していたのだ。別に聞かれるのは問題ではないが、追っ手に伝える情報は選択出来るに越したことはない。俺の台詞だけの断片的な情報だけを聞いていた彼女は、何を思っただろうか。微妙に独り言を言っている痛い奴に思え恥ずかしくなってきた。



――――



「今まで、律儀に話が終わるのを待っていてくれたのか?」


「……私は、お前を観察していただけに過ぎない」

 彼女は、割と暇人かもしれないと思った。俺みたいな男をただじっと観察して何が面白いのやら。――ちなみに彼女はなぜか知らないが、俺の事を認識できるらしい。まあ、それも意識してのことで、当初はまったく気づいてなかったらしい、前回の戦闘時に、はじめて気づいたそうだ。今では俺の存在を知覚できると分かっているものの一人である。


「グルルル! グアアアァァァ!」

 エナは丸めていた体から、翼を雄々しく広げ、二つの前足を使い勢いよく立ち上がった。そこには、逆立った白鱗を身に纏い、鋭利な羽でできた一対の翼と、切れ味の良さそうな爪をもつ両腕、巨木を思わせる逞しい両足、そして先端の尖った長い尻尾と、胸に七色の光を放つ、ひし形の宝石を持った純白のドラゴンが姿を現した。


「やめておけ、今回は決着を付けに来たわけではない」


「シンジ……ラレル――……カッ!」

 返事を返すと同時に、エナは突然の来訪者に向かって、敵対の意思表示をおこなった。口から爆炎、それはもはや小型の太陽といっていい火球を、突然の来訪者に向かってはき出した。


「……相も変わらず、獣のそれと変わらないな、そのような攻撃が互いに通用しないことは百も承知だろう。それとも、いまだに学習出来ないぐらいの知能しかないのか?」


「ウル……サイ!」

 エナは、一つで足りなければ、いくらでも喰らわせてやると言わんばかりに、火球を、溜めもなしに連続ではき出し、攻撃している。しかし、その全てが彼女の背にある光る翼で防がれている。先ほどからの攻防で、辺りの雪は一気に溶けているのに、両者に影響は何一つないとないというのだから、恐ろしいものである。


「エナ、いい加減にしておこうぜ。今回は本当に話し合いのようだ。「(でも!)」……エナ、頼む」


「グウ、…………」

 俺の頼みを聞き入れたのか、エナは攻撃をやめ、少しの間様子見に移ったようだ。ただ、不満はあるのか、どこか非難の目でこちらを見ている。その様子は、強大な竜がいじけているようにも見え、なんと言えない笑いがこみ上げそうになった俺だった。


「……ようやくか、しつけがなってないようだな?」


「そいつは悪かった。とりあえず自己紹介とこうか? 俺の名前はフクチ・タクミ」


「……そんなものは知らん。お前の名前など聞きたくもない」


「そうかい、随分と嫌われたもんだ。まあいい、それで今回の用件はなんだ?」


「余計な話は抜きだ単刀直入に言う…………前回、お前が呼んだ名前、それの出所が知りたい」


「前回、俺が言った名前ね。そんなのあったかな、それにそんなの知ってどうするんだい?」


「……白を切るつもりか?」


「いやいや、まてまてよ。あれは確か……う~ん、少し思い出させてくれ。ええっと、なんだっけ? 俺はなんって言ったんだ?」

 前回の戦いの中、何となくだが心当たりはある。しかし何故だか知らないが、名前の部分が虫食いのように分からなかった。


「…………もういい、どうやら――こちらの勘違いのようだ」


「いやいや短気は良くないぜ。ちょっと待てよ、なんか覚えてるんだ。自分が誰かの名前を口にしたのはな。……ただそれがなぜか思い出せないんだ」


「「…………」」



――



「ア……ム」

 沈黙の続く気まずい空間を破ったのは、先ほどから様子見していたエナの呟いた名前だった。


「それだ! その名をどこで知った、答えろ!」


「あ、む?」


「(たくみが、このまえ、つぶやいてた)」

 エナは、その名前を口にしたときの様子を、言葉にせず直接俺に伝えたきた。


「あむ、アム? いや、…………アム! そうだ、アムだ!」

 俺の中でその名前は、まるで抜けていたピース。その名前を理解したとき、やっと一つ何かが埋まったかのように思えた。


「なぜだ!? なぜその名を貴様が口にする。貴様はこの世界のものであるはずがないのに、このイデニオンに害をなすだけの存在であるはずなのに! …………あなたはなんでその名前を知っているの!」

 まるであり得ないものを見るような、その態度は、途中から口調も変わったせいか、何かを恐れおびえている女性になっていた。


「……その口調、やっと始めてあった時のものと一緒になったな」

 俺は、エナと出会う前。一方的に見知っていた女性にやっと会えた気がした。今までの彼女は、どうにも堅苦しくて違和感があったのだ。


「――ッ! ……あのときの思念。貴方だったんですね」

 その時の彼女の表情は、何かを諦めるような、苦渋に満ちた顔つきに見えた。


――


「…………もういい、貴様の調子に合わせていては埒があかない。答えてもらうぞ、その名の出所を力ずくにでも!」

 少しの沈黙の後、彼女は突然口調を元に戻し、両手を掲げ、前回の戦いでも使用していた、光り輝く長剣を持ち出した。どうやら、話し合う気はここまでのようだ。


「戦う気はないって言ったくせに、これかよ。――どうやら、随分とこの名前を知ってることが問題のようだが、残念なことに俺はこの名前の意味を知らない。まだ名前しか思え出せなくて、詳しいことは思い出せていないんだが?」


「それが本当だとしても、あの方の名前を知る者、それが貴様のような異分子という時点で問題だ! ――クッ、そう言えば、始めにそう言ったのは私だったな。――……日が頂上に昇りきった頃、今日その時に、全ての決着を付ける!」

 何か気になることがあったのか。予想外に素直な反応で自らの非を認めた彼女は、武装を解き背を向けながら、俺たちの決着の時を指定してきた。


「意外と素直なんだな、あんた。……了解した。次で決着を付けよう。エナもそれで良いな?」


「グルル(うん、たくみがしたようにして)」

 予想外に落ち着いていたエナは、特に何もなく、話を了承した。……先ほどの戦闘姿勢になったときも、動きはなかったし、何か心境の変化があったのだろうか。当初の好戦的なエナはどこにいったのか。


「……それでは」

 そういって、彼女は一瞬で姿が見えなくなった。神様というのは、瞬間移動もお手の物らしい。そんな、場違いな感想をもてるほど、彼女の去り際の手並みは鮮やかだった。


――


「珍しく、エナは戦闘に積極的じゃなかったな、さっきはなんで落ち着いてたんだ?」


「(…………さっきのあいつ、えなといっしょだったから)」


「一緒だって?」

 何が一緒だというのだろうか? 彼女とエナの共通点はあまりないように思えたが。


「(うん、だいじなひとのこと、しんけんにおもってた。かえるときのかお、たくみにおこられたえなといっしょのかおしてた)」


「なんだそれ?」


「(えなとあいつ、にてる。きっといっしょ)」


「……そっか。エナの勘だ、まあそうだとしておこうか」


「(たぶん)」

 エナはどこか確信に満ちた顔つきでこちらを見つめていた。


「どっちにしろ、日が昇ったら決戦だ。……とりあえず、それだけを考えようぜ」


「(たくみはどうするの?)」


「……さて、どうしようか?」

 多分おれがしなければいけないっことの答えは、『明夢』この名前にヒントがあるのだろう。それが一体なんなのかが分かれば、俺がこの世界にいる理由も分かるような気がしてならないが、そう都合良く分かる話ではないようだ。


「(えなは、たくみがのぞむならなんでもするよ)」


「とりあえず、都合の良いハッピーエンドにはなりそうもないな。だけど、何とか上手くいくようにあがいてみますか」


「(うん、あがこっ!)」


 俺とエナ、それといまだ名も知らない銀髪の彼女との因縁は、そう簡単には終わりそうもないと思った。今日の決着は、一体に何の決着になるのか、それは今の俺たちには、まだわかりそうもないことだ。



 一応修正はしたけど、誤字脱字に設定矛盾がありそうで怖いです。また見かけたら適宜修正させてもらいます。

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