第32章「次なる冒険へ」
数ヶ月が経った。
リョウとアリアの日常は、幸せに満ちていた。
朝。
二人で一緒にコーヒーを飲む。窓から差し込む朝日。
「おはよう」
「おはよう」
キス。
当たり前の、でも特別な時間。
昼。
配信の準備。ダンジョンの攻略情報をチェックする。視聴者からのメッセージに返信する。
攻略サイトも更新する。二人で協力して、詳細なガイドを書く。
「ここ、こう書いた方がいいかな」
「うん、わかりやすい」
共同作業。息が合っている。
夜。
定期配信。毎日19時。
視聴者は安定して200万人。
「今日もよろしく!」
リョウが挨拶する。
「一緒に楽しもうね」
アリアが笑顔で続ける。
コメント欄が温かい。
「待ってた」
「今日も楽しみ」
「癒やされる」
常連の視聴者たち。顔なじみのコメント。
この配信が、彼らの生きがいになっている。
リョウとアリアにとっても、視聴者は家族だった。
配信後。
二人でゲームをしたり、映画を見たり。
たまに外食。
何気ない日常。
でも、それが何よりも幸せだった。
ある日の配信中。
緊急ニュースの通知が入った。
「新ダンジョン発見!」
画面に映像が流れる。
「神々の遊戯場」。
巨大な宮殿のような構造。空中に浮かんでいる。
推定ランク、SSS。
最高難度。
世界中の配信者が、挑戦を予告している。
リョウとアリアは顔を見合わせた。
「どうする?」
リョウが聞く。
アリアは笑顔で答えた。
「行く?」
「当然」
二人で笑った。
視聴者が沸く。
「きた!」
「挑戦だ!」
「絶対見る!」
リョウが画面に向かって宣言する。
「明日、行きます。神々の遊戯場。世界初攻略、目指します」
視聴者が盛り上がる。
「応援する!」
「絶対成功させろ!」
「信じてる!」
スーパーチャットの通知。
「頑張れ!」のメッセージと共に、大量の支援。
リョウとアリアは、感謝を伝えた。
「ありがとう。みんなと一緒に冒険します」
温かいコメントの海。
配信を終了した。
画面をオフにして、二人はソファーに座った。
「明日、楽しみだね」
アリアが言う。
リョウは頷いた。
「ああ」
「でも、今日も楽しかった」
アリアは笑う。
「毎日が冒険だよ」
リョウは彼女を見つめた。
「君といれば」
キス。
「大好き」
「私も」
幸せな沈黙。
翌日。
リョウとアリアは、装備を整えていた。
武器、防具、回復アイテム。
全て確認した。
「準備、OK?」
「うん」
二人で頷く。
配信開始の告知をSNSに投稿する。
瞬く間に拡散される。
ハッシュタグ「#神々の遊戯場」がトレンド入り。
世界が注目している。
配信を開始する。
待機視聴者、300万人。
過去最高。
タイトルが表示される。
「【新章開幕】俺たちの冒険は終わらない」
リョウとアリアが、画面に笑顔で映る。
「行ってきます」
二人で宣言する。
コメント欄が祝福で埋まる。
「頑張れ!」
「見守ってる!」
「最高!」
ダンジョン「神々の遊戯場」の入口。
巨大な門。神々しい光を放っている。
リョウは手を伸ばした。
扉に触れる。
ゆっくりと、開いていく。
中から、眩い光。
アリアが手を握る。
「一緒に」
リョウは頷いた。
「ああ」
二人で、光の中へ足を踏み入れる。
新たな扉が開く。
新たな冒険が始まる。
視聴者300万人が見守る中。
次なる伝説が、今、生まれようとしている。
――――――――――
【完】




