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洗濯(6)

ヘルパーRは、洗濯もマメだ。

綺麗にしてくれるのはありがたい。だが、やりすぎなのだ。ある日、

「毎日、そんなに全部洗わないでいいよ。洗濯は基本1日1回でいいからね。」と言った。ほっとくと、3回も4回も洗濯するのだ。色々小分けにして。

我が家には洗濯カゴが2つ用意してあって、1つはタオルや下着など直接肌に触れるもと色の薄い衣類を、家族にも脱いだりタオル使ったら入れておいてー、というルールにしていた。もう1つのカゴには、ジーンズやフーディーなどの厚手なものと、色の濃い衣類を入れることになっていた。家族3人だと、それらのカゴを1日交代で洗うので十分だったし、仮に全部洗ってしまうと干すところがないし、あんまりキツキツに干しても乾かなかったから、自然とそうなっていった。

 それをヘルパーRは全て毎日全て洗うし、なんなら小分けで洗うし、バスマットもマメに洗うし、犬の物を洗う日はもう夕方まで洗濯機が稼働している。乾かないから、24時間何かしら洗濯物が干してある。ヘルパー初心者で小心者の私が冒頭のセリフを言ったのは、彼女が来てから2週間ほど経ってからである。

 「Ahh!ma'am! 大丈夫ですよ!これが私の仕事ですから!」

完全に勘違いしている。私が彼女の負担を減らそうとして言ってるのだと思ったらしい。そんな優しい人間だと思ってくれたのか、と思うとありがたいことではあるんだけれど、そうじゃないんだよな、と心の中で苦笑。

「いえいえ、そう言うことじゃないの。全部洗っても干すところがないし、干しても乾かないでしょ?3人分の洗濯物しかないのに、毎日ずっと洗濯機が回ってる。水も電気も洗剤も勿体無いしね。」

カタコトで言ったが通じたようだ。さっきより声のトーンが落ちて

「Ahh! でもma'am, 洗濯だけしているわけではないんです。手洗いして脱水だけ洗濯機を使っている時もあるんです。バスマットは基本的に手で洗って、脱水だけ洗濯機でやっているんです。全部を洗っているわけではないんです。」

必死すぎて、同じことを何度も言っている。一生懸命やってるのに、なんで文句言うのよ!という気持ちがこもっているのは明らかだった。

「そうなのかもしれない。綺麗にしてくれるのはありがたい。でも毎日全部を洗う必要はないよ。そもそも、そんなに洗濯するほどの量はないはずだよ。」

「Yes ma'am. では、どのようにすればいいでしょう?」

「洗濯カゴが2つあるんだから、1日に1つ洗えば良いでしょ?ただ、週に1回、シーツと枕カバーは洗って欲しいし、そういうエクストラなものがある日は1回じゃなくてもいいよ。それと、あなたの衣類については、毎日はしないである程度溜まってからにしてね。」

「Ok, ma'am.でも、私の洗濯物は週に1回しかしてません!」

心の中で(そんなに必死にならんでも良いのに。。。)と思いつつ

「あー、はいはい。じゃ、それでお願いね。」

と返事しておく。

                  ⭐︎


 洗濯の回数については、その後改善された。1日の多くが洗濯機の音が鳴り響いている…という状況が無くなって静かになった。ただ、洗濯の回数が減ったのに、洗剤と柔軟剤の減り方が半端ないのは続いていた。ちまちま買いに行くのが面倒なので、洗剤は少量で洗える濃縮タイプのをいくつかストックしていたし、5Lくらい入っている柔軟剤を買ってきていて、それで私の場合は何ヶ月も買わずに済んでいたのに、ヘルパーRにかかると1ヶ月程度で終わる。一度口頭で

「洗剤と柔軟剤が、すっごく減りが早いんだけど、入れすぎじゃないかな?私が自分で洗濯してた時の3倍くらい無くなるの早いんだけど?」

「Ahh ! ma'am ! そうですか?普通に入れているだけですけど!でも気をつけます!」

 後日、ちょうど洗剤と柔軟剤を洗濯機に投入する場面に出くわした日があった。そしたら案の定だ。キャップ1杯で十分な洗剤なのに、そのキャップになみなみと洗剤を注ぎ、2杯目をキャップに入れ始めた。あの勢いだと、もう1杯入れるのは確実!

「ちょっと待って!その洗剤は、キャップ1杯で十分に洗えるように濃厚に出来てるの。1杯で十分。今まで入れすぎてたんだよ。」

「Ahhiiii! Ok, ma'am.では、柔軟仕上げ剤はどのくらいですか?!」

「柔軟仕上げ剤も1杯だけ。日本の洗剤も柔軟仕上げ剤も、優秀なの。」

「Ahh, Ok, ma'am. 知りませんでした!」

「知らなかなかったのなら仕方ないね。次から気をつけて。」

「Ok, ma'am」

本当は、柔軟仕上げ剤は日本のじゃないんだけれど、洗剤は1杯、柔軟仕上げ剤は2杯とかだときっといつの間にか適当になるのは目に見えていた。それにこれまで洗剤も柔軟仕上げ剤も入れすぎていて、洗濯物からの匂いが強くて、しかもタオルなんかはしっとりしすぎてなんとなく湿っぽい気がしていたし、水分が吸いにくいとさえ感じていた。このくらいで十分!

 

 この数ヶ月で分かったこと。ヘルパーRは、自分が正しい、自分には非がない!と思ったことについては、反論せずにはいられない。この洗濯に関してだけではない。

単純作業を頼む時は素直に「Yes」だけで終わるのに、ちょっとやり方を注意したりすると、自分はこう考えたらからそのようにしたのに!的な言い訳をしないと気がすまないらしい。

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