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掃除(5)

 ヘルパーRの掃除にはとても満足している。

犬が3頭もいたら、いくらシングルコートの犬でも多少の毛は抜けるし、散歩の時に身にまとった細かい草や種なんかも家に帰ってから床に落ちることもある。また、特にミニピンの あお は高齢で目も見え無くなっているので、粗相も多い。それらは彼女によって瞬く間に掃除される。基本的に掃除機を使うけれども、ちょっとゴミが落ちているとさっとほうきを持って来る。綺麗好きなんだなー!と感心したものだ。

 ただ、感心したのは最初のうちだけだった。。。

基本的には掃除はする。だけど、ソファの下、テーブルの下、何か物を動かさないと掃除できないところに関しては手をつけない。テレビ台の下とかテレビの裏とかも然り。要するに、目につくところは非常に綺麗なのだが、隠れたところは手付かずなのだ。

 それと、バスルーム。日本の家と違って、トイレとバスは一緒の部屋にある。我が家のバスルームは、木目調であるが素材はタイルである。掃除はしやすい。色はグレーで、汚れは目立ちにくい。だからなのか、おそらく手を抜いている気がする。洗面台など目につくところ、トイレ自体は綺麗なのに、床に落ちた髪の毛については、1日か2日放置しているのが分かる。ただ、ごっそり落ちているわけでは無いし、1日何度も使う場所なので、掃除直後だって髪の毛が落ちることもあるだろう。数日ごとには掃除しているのも分かるので、目をつぶっているところではある。

 

 キッチンのシンク周りについては、いつもピカピカだ。ただ、うちはキッチン収納が少なく、シンク下に収納スペースはあるけれど、扉はないので、丸見え状態である。鍋やフライパン、ボウルにザルなど、綺麗に重ねてなるべく見苦しくないように工夫してくれているのは分かる。でも、問題は床だ。床に直置きしているわけではないのだが、それらを取り出さないと掃除しにくい。実際、そこは私が家事を全部やっていた時も大掃除案件で、普段は手付かずだった。でも、さすがに料理してて何かこぼれてしまったとか、切った野菜がコロコロと転がって奥の方に転がったりしたら、それは面倒でもどかして掃除した。当然のことだ。

 すっかり我が家にもなれたであろうある日、私がたまたまヘルパーRが小さく切ったキュウリが転がってシンク下の奥に転がっていくのを見ていた時があって、その時は

「あー!中に入っちゃった!あとで拾いますね!」

と私の目を気にしてか即座にそう言っていた。その数日後、ふと気になってシンク下を覗いいてみた時、そこに半分干からびた状態でまだあった。拾ってないじゃん!ヘルパーR、やっぱり目につかならければいいや!な精神のようだ。これは言わなければならぬ!お金を払って雇っているのだ!私には彼女にやらせてもいい権利がある!と鼻息荒く思った。だが、今別室で違うことやり始めたのに、それを止めさせてまで注意する強さを私は持ち合わせていなかった。ヘルパーを生まれて初めて雇っているので、遠慮してしまう小心者の私。

今やってることが終わってキッチンに降りてきたら言おう!と心に決めた私だった。


 しかし、ヘルパーRの方が一枚上手だった。私がシンク下をチェックしていたのをちゃんと察知していたようなのだ。別室で洗濯物を干してフンフンと上機嫌で鼻歌を歌いながらキッチンに戻ってくるやいなや、

「今日は比較的時間があるので、シンク下を掃除しますね!」

と、今まで一度も手をつけなかったシンク下を突然掃除し始めたのだ!

私は一瞬唖然としたが、結果、私の荒い鼻息はおさまったし、ヘルパーRも私に注意されずに済んだわけで、一件落着な出来事であったが、(こやつ、侮れないな。。。)と思ったのは言うまでも無い。

恐るべし、ヘルパーR!


 4ヶ月経った今も、見えないところはスルー精神のヘルパーRだが、私も彼女に扱いには慣れてきて、あまり命令口調じゃない言い方で

「ソファの下も掃除しといてねー」くらいは言えるようになった。なんといっても、私が1人で家事をやっていた時に比べたら、家は綺麗だ。ヘルパーRよ、ありがとう。


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