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ヘルパーRのこと②(4)

 面接の時、ヘルパーR自らが語った一番得意なスキルは炊事ということだった。

得意な料理は、フィリピン料理以外では中華料理だそうで、他にはパスタなども得意料理だそう。日本食は作ったことがなが「奥さん(私)が教えてくれれば覚えます!」と、言った。なんとやる気のあることか!私も夫も歓喜した。


 また、犬の世話については「出来ます!」と即答。動物は大好きで、前の雇い主のことろで、コーギー・うさぎ・亀の世話を私が主にしていた。コーギーは途中で亡くなったが、晩年、私がお世話して介護していた。その後、雇い主が保護犬のハスキーを迎えたが、大型犬で手に負えなくなったので途中で手放した。大きい犬も全然大丈夫です!と言った。


 前の家では10年勤めた。子供が小さいうちは、幼稚園や学校へ行く前に身支度させたりご飯を食べさせたりしていた。2年ごとに契約更新してもらっていたが、子供が大きくなったので、更新ぜず契約期間が終わったので応募した。前の家では朝5時に起きて、仕事が終わるのは夜の11時だったそうだ。


                  ⭐︎


 そもそも、ヘルパーを探す時にはへルパー紹介所に頼んだ。主に何をやって欲しいのかなどの希望を伝え、条件に合いそうな人の履歴書をもらい、この人良さそう!と思った人との面接を設定してもらう。ここはヘルパー天国。わんさか集まってくるのかも?と思っていたが、そんなことは全くなかった。まぁ、ここら辺は街中ではないし、人口や土地柄もあるのだろう。面接は一日に何人もという感じではない。ポロポロと連絡が来て、週末に面接を設定してもらう。私たちがヘルパーを選ぶように、ヘルパーだって雇い主を選ぶ権利はある。1ヶ月の間にマッチングが成功して面接できたのはたったの4人。そのうち最初の1週間は、2人面接することになっていて、そのうちの1人は当日にヘルパー側からドタキャンされた。理由は「他の家に決まった」。履歴書を見ると、現雇用主からの推薦状がついていて、その人たちからとても信頼されているようだった。優秀な人はすぐに決まるということだろう。

 実際面接した人は、犬が大好き!という人であったが、話を聞いたいくうちに、今まで雇われていた家に犬がいたことはなく、自分の国でも犬を飼っていたわけでもなく、近所にたくさん野良犬がいて、その犬たちを怖くはなかったし、犬は好き!というだけの話。はい、却下。無理だよ、好きだけじゃ。

 次の週に面接の予定があった人は、なぜか隣に付き添い人を連れていて、自分ではほぼ話さず、その付き添い人が代わりにベラベラと本人について紹介するという変わったパターンだった。こんな自分で自分の話もできないような人を雇えるわけがない。即却下。

 その次の週にも1名ドタキャンされて、面接できた人は、今の雇用主のところに来てわずか半年ほど。通常、ヘルパー契約は2年契約である。2年後に更新してもいいし、そのタイミングで違う人に替えるも良し、必要なくなればそれで終了も良しということだ。それなのに、まだ半年しか働いていないのになぜ?と思うのが自然である。彼女が言うには、雇い主が自分に厳しく、いつも暴言を吐かれていて怯えながら生活している。そこは辞めて、別の人に雇って欲しいと言う。犬の面倒を見た経験はないが、犬は好きだそうだ。印象としては、弱々しくておっとりタイプ、別の言い方をすれば鈍臭さそう(失礼!)な感じ。悪い人ではなさそう。でも、もしかして今の雇い主が厳しく当たるのは、このヘルパーの仕事ぶりにも問題あるからじゃないの?と思えた。ちょっと助け出してあげたい気持ちもなくはなかったが、犬の面倒が見られないのでは無理だよね、ということで却下。


 3週間経ってみて、週に1人ずつしか面接できてない。一歩外に出れば、犬を散歩させているヘルパーだらけのこの近所で、なんでこんなにも犬の世話に長けた良い人材が見つからないんだ!私たちはだんだん焦ってきた。この調子でズルズル決まらなければ、今後の計画に支障が出る。それでも、紹介所からの面接の連絡を待つしかない。自力で探す人もいるようだが、それはヘルパーを何度も雇った経験がある人。ヘルパー初心者の私たちには、自分たちで有能なヘルパーを探し当てるなんて無理だったし、ヘルパーは政府に届け出が必要で、勝手に雇えないのだ。それゆえ事務手続きが面倒で、自分たちだけで出来る気がしなかった。


 そして、探し始めて1ヶ月後に救世主のごとくやってきたのがヘルパーRだった。最初から彼女は明るく、それでいて落ち着いていた。ポジティブオーラ全開で、犬の世話も期待できる。何より老犬の世話をしていた経験があるのだ。聞いてもいないのに、休日だとしても必要があれば働けます!日本食だって覚えたい!とかなり前向きだ。面接中に「良かったら、犬たちの写真を見せていただけませんか?」と言い、その場でスマホの中の我が子たちを見て「わー!すごくかわいい!」と言い、今までの人たちとは比べ物にならないほど会話が弾んだ。その日は彼女の後にもう1人面接があったのだが、ヘルパーRが帰った直後に、夫は「もう今の人に決めます!次の人は申し訳ないけどキャンセルでお願いします!」と紹介所スタッフに言った。ヘルパー側だってドタキャンするのだ。私たちがドタキャンするのだってアリだった。その日のうちにヘルパーRにも我が家で働く意思があるか確認してもらい、こうしてヘルパーRは我が家のヘルパーに決まった。

 彼女の就労ビザなどの事務手続きなどがあるので、最終的に我が家にやってきたのは、それから1ヶ月程度経った8月の中旬である。


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