第2回 私辞めます事件①(17)
とある夕方、私はヘルパーRに注意をした。
それはもうずっと前から気になっていた犬たちへご飯を与えるときのタイミングについて。あお に薬をあげた1時間後に犬たちのご飯タイムになる。18時に薬なので、19時にご飯である。ヘルパーRはせっかちだ。18時50分にはドックフードの準備を始める。そして18時55分には準備が終わる。ドッグフードの匂いがプンプンするのに、犬たちは5分待たされることになる。ぴんく が、ものすごい勢いで吠え始める。あお もつられて吠え始める。そして むらさき…。3頭の大合唱だ!なので、ある日、
「Ma'am 5分早いですが、吠えるのでもうあげても良いですか?」と聞いてきた。私もうるさくて堪らん!と思うので、いいよ!と言った。一度それを許したから、次からいつも5分早まって、いつの間にか18時45分くらいにはドックフードの準備を始め出した。当然18時50分にはドックフードの準備はできている。犬たちは大合唱!そして「Ma'am 10分早いですが、吠えるのでもうあげても良いですか?」となった。こで薬を飲ませてから1時間ルールを10分短縮すると、せっかちなヘルパーRのことだから、次は15分になるかもしれない。そう思って「19時まで待って」と言った。素直にOK!と言ったものの、犬たちにとってはぜんぜんOKではないのである。10分間ずっと吠え続けた。もちろん、うるさいー!と注意するが、ドックフードの匂いを前に吠えずに我慢など ぴんく には無理なのだ。毎日のことなのに、ヘルパーRはずっと18時45分にフードを準備する。お決まりの「Ahhiii!」と言いながら。。。彼女が来てからかれこれ3ヶ月近く、ほとんど毎日大合唱になる。ある日、私はあまりのうるささに耐えられなくなった。
「あのさ、19時にご飯って決まってるんだから、その5分前に準備して19時になったらすぐに出せば、こんなに吠えなくて済むよね?それなのに、どうして毎日のようにドックフードを早い時間から準備するの??犬たちが吠えるの当然だよね??」とささっと翻訳アプリで書いたスマホを見せた。
「 Ahhiiii ! Ok Ma'am」
自分でもこのうるささに辟易したのだろう。苦笑いしながら従った。
そして次の日の朝、私が身支度を整えようと洗面所に立った時、掃除用のぞうきんが無造作に置かれていた。実のところ、前日の夜から置いてあった。片付け忘れるってことはあるだろうけど、私が片付けてしまうと、自分が片付け忘れたことも気づかないだろうと、そのままにした。見回すと、掃除用のたくさんのボトルもバスルームの端っこに雑然と放置されていた。それは実はいつものことだったけれど、その日はいつも以上に乱雑に置かれていた。漂白剤、お風呂洗い用が2種類、トイレ用、窓拭き用、カビ取り剤、まだ開けてない新品のボトルなどなど、こんなに毎日使ってない!と思うボトルの数々をバラバラに置きっぱなしにしている。これはナイよな。。。とスマホで撮った。また同じ朝、ふと窓からの景色に小さい違和感を覚えて、何気なく裏庭を見たら、掃除用のほうき、デッキブラシなどが無造作に立てかけられている。植木鉢などが綺麗に見えるようにしていたのに、(窓から見えるところにそんなん置くなよー)と移動させようと思って裏庭に通じるドアを開けると、ドアが施錠されていなかった。ここから泥棒が入るのは簡単だ。多分一晩中空いていたし、今日だけたまたま施錠してなかったとも思えない。裏庭の地面には使いっぱなしのぞうきんが放置されているだけなく、バケツ、たらいなどが整理されることもなく散らばっていた。強風でも吹いて飛ばされたのか?と思うほど。スマホで撮影。さらに、キッチンのシンクの周りにも、食器洗い用の洗剤、コンロの汚れ落とし用洗剤、ハンドソープ、キッチン用漂白剤、カビ取りなどのボトル、いくつかのスポンジ類がグチャっと置いてある。これも毎度のことだが、彼女が使い勝手がいいのなら…と黙認していたけれど、見た目にとてもだらしないのですごく嫌だった。スマホで撮影。こんなにも色々な場所が雑然としているのは、ヘルパーRのだらしなさ。いくら掃除が完璧にできていても、やはり1度注意しておくべきだよなーと思って、「掃除はとてもキチンとできていて、それには満足している。でも、それらの道具や洗剤類をもうちょっと整理して置いて欲しい。それに、毎回の掃除に使うわけじゃないものも置いてあるようだから、使う時だけ出してきて、そうじゃない時は見えないところに整頓して欲しい」という内容を、さっき撮った写真も添えて翻訳アプリでサクッと書いてメッセージを送り「メッセージしたからチェックしてね」と言い残して、その日は仕事に出かけた。
帰宅。その日はとても仕事が忙しくて、ぐったりして帰ってきた。辺りはもう真っ暗で、家の電気が煌々とついていて、家の中が丸見え。これももう何度も何度も何度も何度も「暗くなって電気を点ける時はブラインドを閉めてね!」と言っていたのにまたなのか!疲れてんのにますます疲れる!と思った。昨日から注意ばっかしてる。家に入るなり私は大きいため息をついた。
「はぁああ。。。R、 ブラインドカーテンは閉めてね」と言った。すると、
「Ahhiii !Ma’am 私が開けたんじゃないです!」
「そうかもしれないけど、もう何回も言ってるよね?家の中丸見えなんだよ」
と言った。そして、また翻訳アプリで
「家の中が丸見えっていうのは、防犯上良くないよね??家の間取りもわかっちゃうし、何がどこに置いてあるのかも通った人みんなに見えるよね?ついでにいうけど、裏口の鍵もよく閉め忘れてるよね?何かあったらどうするの?あなたはこの家のヘルパーなんでしょ?もっとこの家を守ってね。」と入れた。
すぐ既読がついて、ヘルパーRは自室へと駆け込んでしばらく出てこなかった。




