自殺を止めたらドン引きされた
とある少女が歩道橋から飛び降りようとしていた。
そこに偶然居合わせた青年が言う。
「お前の死体誰が掃除すると思ってるの?」
「は?」
「だから、この下でミンチになったお前の死体を掃除する人の気持ち考えた?」
「あんたが掃除するの?」
「んなわけない。けど、気分がいいモノではないと思うよ」
「だから何?」
「人に迷惑かけるなって教わらなかった?」
「・・・・・・もしかして迷惑だから自殺やめろとでも?」
「うん。当たり前」
「え・・・・・・。そこ普通私に寄り添うんじゃなくて・・・・・・」
「いやいや。だいたいお前みたいなやつはこっちがどんなに声をかけても否定するだけだろ。例えば、あなたを愛してる人が悲しむよ、とか薄っぺらいこと言うもんなら、そんな人いない、で終了だ。こういうのは現実を突きつけた方が効果がある」
そう言った彼の目はドス黒く濁っていて少女はビビった。
彼は続ける。
「いいか、俺たちは死んじゃ駄目じゃなくて、死ねないんだ。もし死ねたらそいつは周りに迷惑をかけた最低野郎だ。お前は最低野郎か?」
「違う・・・・・・」
そう言って少女は死なないように柵の内側に慎重に戻り、そして、やばい目をした青年からダッシュで逃げた。
その後、彼女は自殺しよとすらしなかったらしい。