闇の円卓
暗い石室。目を凝らしても一寸先は闇。
そんな闇の中に在る円卓では会議が行われていた。
老人男「ウェステリア……存外しぶとい者よな」
中年男「十年前と少し前に娘を殺しかけてやったというのに」
魔女「バーントもバーンナウト商会も融通してやったというのに、約に立つどころか逆に嵌められおってからに」
足を円卓に乗せてふんぞり返る男「まぁ良いんじゃねぇか。塵はウェステリアが片付けてくれただろう」
賢者「では、次の策はどうする?」
踊り子「アーサー王太子は随分とウェステリアの小娘に御執心のようじゃない?」
老人男「ふん、ウェステリアの小娘は頓痴気なものを作り出したり、食ったりする方にしか興味が無さそうではあるが?」
踊り子「あら? 御老体は古い考えね。好いた惚れたも形はそれぞれ、その王太子も頓痴気に付き合い、食い道楽に付き合いして、お嬢ちゃんもその仲間として王太子を意識しているわよ。それに王太子だけでは無いじゃない。氷の美貌の貴公子も妹に御執心みたいじゃない。他人が駄目なら、身内や仲間に亡き者にしてもらえば良いのよ。他人に与えられる絶望より、自ら手を下し、後から真実を知った時の絶望は計り知れないでしょうね」
「くくっ! 良い! 実に良い!! 面白そうじゃねぇか!! 国に隙が生じるか、ウェステリアが終わるか、か。面白れぇ!! 貴様の策でウェステリアを陥れる。テメェら良いな!!」
足を乗せてふんぞり返る男は足を上げ円卓へと振り下ろした。
円卓が砕け散ると同時に石室の人の気配が無くなっていた。
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第一章は終わりました。
それではまた。