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17/22

17.鑑定士と部下、再び

 物音でクリスは肩を揺らした。いつの間にか、うたた寝をしていたらしい。寒さが増している。


(もう、そんな時間か)


 夜のお披露目とやらの時間なのだろう。

 ジュベールか、商人か。はたまた別の誰かか。来るべきとき、クリスが体を起こした時だった。


「……馬鹿め、そこでお前も待ってろ。お前も出品してやる」


「ジュベールの馬鹿!!馬鹿ジュベール!」


「お前が語彙力がなさすぎる、口調も品位がない。――まったく」


 ジュベールの声と、複数人の足音。そして、何かがクリスの横にどさりと倒れこんだ。


「ベルマン、か」


「ボス……?大丈夫ですか、え?なんかやけに寒そうな恰好してるじゃないですか!ジュベール⁈あいつ俺にさんざん言っておいて、自分のほうがろくでもない趣味してるなおい!」


 うるさい声を聞き流してから、クリスは言った。


「なんで、ここに」


「ボスに何かあったら助けるのが俺の仕事だし。――って思って、俺なりに助けに来てみたのはいいけど、普通につかまりました。ジュベールの野郎、用意周到過ぎるだろ……」


「だが、お前、あのとき」


 最後に別れた時、彼はクリスに怒っていた。

 隠し事が出来ない性格上、ジュベールと手を組んだわけではないのはわかっていたが、こんな早くに助けに来るとは思っていなかった。

 ニ、三日くらいは顔を出さないだろうとおもっていたのに。


「……その、あのとき、言った言葉は嘘ではないです。でも、その、なんか嫌な予感して。匂いを追ってきました。そしたら、ジュベールたちに行き会って。あいつ、いつの間にあんなに古代遺物を集めてたんだか……」


「僕のことなんて、放っておいてよかったんだぞ。これじゃ、お前まで売られてしまう」


「そんなの駄目です!確かに言った言葉は嘘じゃない。そういう気持ちだって消えない。でも、あなたがやってきたことで、余計な争いがないことも事実なんだ。俺は、それも知っているのに。頭に血が上がって、……すんません」


 声が小さくなっていく。


「あなたから学んだことは多い。ジュベールは前、俺に言った。秘匿技能の使い手を増やしたいって、その、俺はそうだなって思って。俺なりに、近所の子に教えようとしていたりしてたのに。ボスを捕まえたり、変な方法使わなくても、そういうのだっていいじゃないかってさっきも言ったんですけど、あいつ、それを鼻で笑って」


 クリスはベルマンの言葉に眉根を寄せた。


「近所の子供に魔法……、そんな危険なこと勝手にしていたのか」


「まぁ、その。ちゃんと遊びまじりですよ!でも、ダメでした。魔力の感覚は少しつかめるくらいが関の山、もっと体系的に教えないと思って……。

 さすがに親父に獣化を教わったときみたいに、全裸にして森に放置するとかはかわいそうでできないですし。もったいないんですよ。結構魔力がある子だっているのに、古代遺物とか複製品に頼って個々の才能を伸ばさないのは」


「もったいない、か」


「もったいないです」


 ベルマンはベルマンなりに社会を変えようとしていた。

 クリスが知らなかっただけ、知ろうともしなかっただけなのだろう。ジュベールとはまた違う意味で。


 革命前のこの国では、秘匿技能を貴族以外が学ぶことは罪とされた。

 革命後も、魔法を教えることができるものもいなければ、魔法を使えるものが出ることで再び度を超えた特権階級ができてしまうことを恐れて、皆魔法を遠巻きにし、魔力を通せば使用でき、廉価な複製品を使うばかりだった。


 クリス自身、アクレシスの魔力が多いことから、ツテを辿ればアカデミアに入れるだろうと踏み、彼女になんの教育も施さなかった。クリスの知っている秘匿技能の習得方法を彼女に強いるのは嫌だったからだ。

 だが、ベルマンは自分なりに魔法の身につけ方を近所の子に教えようとしていた。それでその難しさを知っていた。


「そうだな。お前のやり方はすごく危険だ。でも、逃げ隠れし続けるだけじゃなくて、そういうやり方で、残す方法もあるのかもしれない。秘匿技能にこだわらず、魔力を扱う感覚を覚えるだけでも、意味があるだろう」


 秘匿技能は特殊といわれる。

 魔法の中でも、予備行動なしに使用できるそれは血統による。

 ――だが、それだけではない。


 クリスも、ベルマンも、ジュベールも、貴族として生まれ、その血統でよく出る魔法特性を発動できるよう幼少期から叩き込まれ、使いこなせるようになっただけなのだ。

 それを誇りとすべきであり、それを隠すだけなのが、もったいない、か。


(それなら、まだ)


 もっと広める時が来たかもしれない。徐々に、なのだろうけど。


「ベルマンの方法は一手だな。アカデミアにも、旧貴族が教師として雇われているしな」


「アカデミアみたいなところには程遠いけど、ボスにそういってもらえると嬉しいです」


 ベルマンは恥ずかしそうに笑った。



  ◇◇◇



「どうやらネズミが迷い込んだようですね」


 ジュベールはトオゴを見た。

 余計なことを言うな。苛立った視線に彼女は赤い唇を笑みの形にして、肩をすくめたのみだった。

 ベルマンは幼少期から共にいる兄弟のような存在だが、意見は常にあわなかった。

 そもそも自分が得ることのできなかった獣化を得ているだけでも苛立つのに、それを誇りとするでもなく、ただ、ボスのいうことをきくだけ。

 イライラする。イライラするのだ。


 そんな時に声をかけてきたのがミドラ商会――トオゴだった。


「もっとあなたたちは怒っていいと思いますけどね」


 クリスもベルマンもいない、ただの仲介の仕事だった。もともと貴族御用達だったと言う彼女は、ジュベールの苛立ちに共感した。

 クリスのいうこともわかっている。革命で力を持つ貴族はほぼ死んだ。外に逃げた貴族達も、その秘匿技能を狙われ、屈辱の日々を過ごす。

 そんな中で自分達だけで再び反逆するのは難しい。

 ただ、策がないわけではない。道を照らされた。


 ――古代遺物の使い方にはさまざまなものがあるでしょう。貴族達が収集していたそれらは、革命で散財した。中には面白い使い方ができるものもたくさんある。あなただって知っているはず。


 そうささやいてきたトオゴと密やかに手を組み、情報を集める。

 クリスへ伝わる情報を操作し、自分が優位にことを運ぶ舞台を作っていく。

 ベルマンにはことを起こす前に、探りを入れた。だが、彼はいつも通りだった。

 その時の言葉を思い出すとジュベールは拳を握った。


(何がボスのいうことを聞いていればいいだろう、イライラするなよ、ジュベール、だと?!)


 自分自身では何も考えず、ただ他人に追従することしかできないものに、何ができるというのか。


「先日の魔銃が壊れたと聞いたので、こちらをお渡しします。"食い意地"が張っているので、お気をつけを」


「……あぁ」


 ジュベールはトオゴが差し出す魔銃を手に取った。

 "食い意地"が張っている。つまり、魔力消費が強い、効率が悪いと言うことだ。


「やっと入手できました。その手のものはなかなか良いものは手に入りづらいので、次は壊さないようお願いしたいですね」


「……」


 なぜ壊れたのか。なぜあの魔弾がローグに当たらなかったのか。なぜクリスが女になったのか。

 トオゴは聞きたいのだろうが、ジュベールにだってわからないのだ。

 ただ、同じことは繰り返さない。

 この魔力の吸われ方からして、必中を放てば、いや、放つことができるほど魔力を貯めることは難しいだろう。

 それに、また防がれたら終わりだ。必中は使わない方がいい。


「そろそろ始める時間ですね。準備はお済で?」


 本心を見せぬ笑みで商人が言った。

 覚悟を問われている。もう、とうの昔に覚悟はできている。

 この女も信用できない。そうジュベールだってわかっている。しかし、彼女の差し出す案はどれも益があるように思えた。

 生き残った貴族の多くは雲隠れし、自分たちの存在を隠し、再起に拒否を示す。

 ごく少数のものにそれとなく声をかけるも、貴族の再起よりも新国家の裏に隠れながら新しい社会を作るのだとジュベールをたしなめる。クリスと同じことを皆が言う。


 そんなの、ジュベールには許せない。

 許してはいけない。


 毎晩の悪夢がささやく。


 ――お前は、私たちを捨ててしまうのですか。革命で殺された幾万もの私たちを。


 そうじゃない。そうじゃないんだ、母上。


 ――でも、貴方は貴方の安寧を求めるのでしょう?何不自由ない生活を。

 

 違う、私は……!


「……ジュベール様?」


「なんでもない」


 笑みのまま問いかける商人に首を振る。そうだ、自分には手を貸すものもいる。しかし、その手を借り続けるには自分たちの有用性を示し続けないといけない。


 今できること。今すべきこと。


 ――悪夢から逃れるために。


 いや、悪夢を終わらせるために。


「いこう」


 自分には力が必要だ。その力、強さは、今、試されている。

 ジュベールは魔銃を握りしめた。


   ◇◇◇


「――で、結局俺は隷属?の首輪ってやつをはめられてしまったので、自分では獣化ができなくなっちゃって」


「ああ」


 ベルマンの言葉にクリスはうなずいた。

 隷属の首輪は確かに取り扱ったことがあったが、見つけた段階でクリスは隠している。

 しかし、鑑定しているときジュベールは同席していた。隠し場所をジュベールが知っているとは思えないので、あのときの感覚を覚えて、ほかのときに探索で探し、同じようなものを見つけてきたのだろう。


 隷属の首輪は危険な古代遺物の中でも比較的数が多いものだった。多くが首輪と指輪が一対になっており、主となるものが指輪を、隷属されるものが首輪をはめる。これはつけたものの魔法の使用を操ることができる。

 奴隷は主から逃れられない。


 クリスがつけられなかったのは、すでにヤナとのつながりを絶つ魔封じを付けたからだろう。

 一度にいくつもの古代遺物を使用するには魔力消費が多すぎる。


「洗脳か?」


「ボスからみて、古代遺物は使われていましたか?」


「いや」


 ただ、もし、彼が洗脳なり、誘導されているとしたら、商人が怪しい。もともとはクリス自身が前に出ていたが、別事業もあり、数年前からジュベールにも一人で営業をさせていた。

 それがこんな裏目に出るとは思わなかった。

 二人は人の気配で目を合わせ、口をつぐんだ。すぐにドアが開く。


「彼らを会場の裏に連れていけ。私は客たちに顔を出してくる」


「わかりました」


 ジュベールとトオゴの声がした。ジュベールはすぐに去った。


「では、皆さん、準備をしてください」


 トオゴの声の後、複数名が部屋に入ってくる気配がした。

 トオゴの部下らしい彼らは口数が少なく視線だけでやり取りしているようで、無言のまま、クリスたちの縄を引く。

 経たされ、縄を引っ張られるままついて行く。


(揺れが少ない、船の大きさはどれくらいなのだろう)


 クリスが考えながら歩いていると止められ、ドアが開く音のあとに、金属のきしむ音が聞こえた。


「檻に入ってください」


「こんなところにか」


 トオゴとベルマンの声が聞こえた。クリスには見えないが、どうやら目の前に檻があるらしい。


「そうですよ、商品であることを忘れないでください。やはり価値を示すには外面は大事ですからね。今も会場では古代遺物や魔具《商品》を飾るために総動員です。そちらも見に行かなければいけないのでね。あまり時間をとらせないでください」


「……」


 クリスは何も言わずに、押されるがまま、歩を進めた。

 そのあとにベルマンが続く。


(これも魔封じの気配だな)


 檻に入ると、全身に押さえつけられるような不快な感覚があった。

 目隠しと同じく、魔封じのようだが、こちらは複製品のようで、力は弱い。


「貴方たちは、今や珍しい貴族の血を引く若者で、しかも秘匿技能をお持ちです。なので、値段はつり上げるつもりですし、今日は『売り払う』というよりも、うまく扱える人間を探すというのが目的です。なので、いま態度を悪くしたところで、買われずに済む。ということにはならないでしょう。態度ではなく、その体に価値があるのですから」


 トオゴが笑っている。ベルマンのうなる声が聞こえた。しかし、すぐに止まり、小さな悲鳴が聞こえた。


「忘れないでください。あなたの首輪の主は二人います。ジュベール様と私です。余計なことを言わないように」


「ベルマン、今は黙っていろ」


「ほら、あなたのご主人様はとても冷静だ。さすがですね」


 トオゴはベルマンにも聞こえる声で、クリスの耳元に話しかける。


「ジュベール様は貴方のことを最終的には自分の監督下におきたいようですが、私は反対です」


 トオゴの声は穏やかで艶を孕む。

 彼女は世間話をするように続けた。


「生き残った旧王家の血統は受け継がせるべきです。そして、その血統の持つ秘匿技能は我々の良い資産となる。今や秘匿技能を持つ貴族の血を引くものも少ない。ぜひジュベール様かそこの部下か。番って子をなすのをお願いしたいですね」


 クリスはトオゴの声の方向を見る。想定内だ。むしろ、それをジュベールが考えない方がおかしいのだ。


「人間を血統書付きの犬のように扱うのは、この国では許されないことだが」


「ばれなければなかったことと同じです。それに、他の国ではどうでしょう?」


 冷静なクリスとは違い、短気なベルマンは煽りに慣れていない。


「貴様……!」


「おい、ベルマンやめろ」


 怒りで震えていたベルマンは立ち上がろうと身をよじるも、縛られたままだ。

 トオゴの声が楽しそうに笑みを含む。


「まぁ勇敢!まさにこの国名物、勇猛果敢な獣化の騎士といったところですね。ただ、今はその勇敢さは有効ではないですね。やみくもに頭に血を上らせても、押さえつけられるだけです。『眠れ』」


 トオゴの声が笑みを含んだまま、低くなった。

 言葉の終わりと同時にクリスの足もとにベルマンが倒れこむ。

 クリスは彼の重さに耐え切れず、檻にぶつかりながら、座り込んだ。


「ベルマンッ」


「意識を失っただけですよ。あなたとは違い、獣化の秘匿技能は隷属の首輪さえあれば意識がなくても発動できるのでね」


 クリスは見えないまま、トオゴの声の方向をにらみつける。


「あら、怖いですね。もう少しお待ちください。ジュベール様も含めて、私がしっかりあなた方の行く末をまとめさせていただくのでご安心ください。では」


 トオゴとその部下たちは去っていった。


 金属でできた檻は、床も壁も冷たい。どうにか後ろ手で触るも、檻の隙間はクリスの手のひらを広げよりも狭い間隔で、抜け出せるような形ではなさそうだ。クリスは耳を澄ませていた。


 倒れたベルマンはクリスの膝の上に頭を乗せ、静かに呼吸している。

 声をかけても起きないが、寝ているだけのようだった。


(わざと挑発したんだろうな)


 人間の精神に魔法をかけるときは、落ち着いた時よりも混乱や怒りなど精神が不安定になった瞬間が一番効きやすい。

 ベルマンの秘匿技能では、会場で大暴れされたら眼も当てられないのだろう。

 だが、クリスはそうならない。そう判断されているのだ。


 その事実が、クリスの弱さを示しているように思えた。

 男だった時も、対して強いとはいえなかった。必要に駆られて鍛えはしたが、結局腕っぷしも何も誇れるほどには強くならず、頭を使う方がまだ向いていると思えた。


 しかし、それでも今の無力感よりはましだ。


(もっと現状を受け入れることが出来たら、この身体を強みに思えることができるんだろうか)


 この姿になった原因、運命を変える古代遺物。


 運命とは一体何だったのだろうか。


 改めて頭をよぎる。

 クリス自身の運命は、あの時ローグを助けたからといっても、変わらないということではないか。

 結局、ジュベールやトオゴにつかまり、いいように使われるのだ。


(運命、か……)


 そもそもあれだって、クリス一人では魔力が足りなくて使えなかった。

 つかえたのは、ローグの魔力を足したからだ。

 そう考えると、ローグの運命が変わっただけで、満足するべきなのかもしれない。


(彼なら弱い僕なんかと違って機会さえあればアクレシスを助けることができる、だから、それでいい。……なんて)


 クリスは視線を上げた。


 物音、人の声。欲望が絡みあう場所が、ここにある。

 嫌いではないが、好きでもない。好きになれるのは自分がその手の主導権を握っているときに限る。

 アクレシスは無事だろうか

 自分が蒔いた種は自分で回収するしかない、でも、アクレシスは違う、彼女は、彼女だけでも。


 一人でも。そう、はじめからそうだった。一人で耐えて、頑張ってそれで、何かを変えることができるならそれでいいと思っていた。なのに、ここにベルマンがいる。

 ジュベールだって、クリスが引き込まなければ、もっといい生活ができていたかもしれない。

 人を人と思わない所業は、貴族だろうが、平民だろうが関係なく起こりうる。

 革命前のこの国もそうだった。


 貴族ではないものを、魔法を使えないもの、秘匿技能をもたぬものは人を人と思わぬ所業を受けていた。

 だから、革命が起きた。

 なのに、再び、その過ちが繰り返される予感がした。

 クリスはいつだって、力足らずで何もできない。それが、事実。

 いっそすべて壊せたら良いのだろうか。だが、すべて壊すためには、それ相応の力が必要なのだ。

 ヤナとの契約が消えかけているということだろうか。後ろ向きな考えばかりが頭に浮かぶ。


 クリスは頭を振った。

 考えてもわからないことは、考えても仕方がないのだ。


(しかし、やけに動きがないな)


 いつのまにか、どこからともなく聞こえていた会場のざわめきが聞こえなくなっている。

 クリスは物陰で首をかしげていたときだった。


「あッ」


 檻が――否、船が揺れ、クリスは檻の壁に叩きつけられるように動いた。衝撃で膝からベルマンも離れる。

 この船は大きな客船で、穏やかな海域に停泊していたはず。多少の揺れはあるにしても、突然この揺れは一体。


(人為的なものか?)


 海賊か。それほど頻発するわけではないが、海には海賊もいる。しかし、この船は他国の貴族たちが参加するような大掛かりなものだ。当然護衛船もいるはず

 突然の攻撃をできるほどの武具はそれこそ魔法や魔具でしかありえない。

 逆を言えば魔具なら可能。ただし、その魔具を持つものは限られている。


「まさか」


 頭の中に浮かぶのは英雄の姿。

 何かと規格外である彼ならば、何が起こっても不思議ではない。


 刹那、何かが壁を破壊しながら飛びこんでくる音がした。


「……くそ、狙いが外れすぎてる……」


 ここ数日で聞きなれた声がした。


「ローグ・フォルード……?」


「誰かいるのか?……魔封じの檻か。え、クリス!?」


 そこにいたのはローグ・フォルード、のようだった。

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