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第43話 襲来 -5-

そんな私をみて、サイコな白装束も腹が立ったのだろう。


「おまえ・・・焼かれたいのか?狐の炎に焼かれると、100日間苦しんであの世に行くのだぞ!」


(こっわー・・・執念深過ぎて引くんですけど・・・って言うか・・・狐?狐って言った?)


「サイコ、狐なの?」


その言葉を聞いて、サイコがビクッと身体を揺らした。


「なぜ、それを・・・」


「いや、今自分で言ったよね・・・?」


サイコ、結構迂闊なんだな、と思わずクスッと笑いが漏れた。


・・・それが間違いだったのかもしれない。


「おのれぇ・・・大人しく言うことを聞いていれば無傷で帰れたものをぉぉぉぉ!」


あっという間に鬼のような形相になったサイコが、ボウボウと激しく燃える炎と共に、私に突進してくる。


(ややや、やめて・・・・・!)


動けない私は突進だけはやめてほしいと本気で願いながら、そこでふと思い出した。結界を張ればいいのだと言うことを。

サイコに言われるがままには張りたくないが、自分を守るためには喜んで張ろうではないか。


「守りの結界、張れ…!」


これで周りから音がなくなり・・・


「何をぶつぶつ言っておるのじゃああ!」


なくならない!!!

どうして!?結界、どうした!?


そこで初めて、守り水晶を番所の卓上に置きっぱなしにしてきたことに気が付いた。


「いやあああああああ!」


目をぎゅっと閉じて、これは流石に死んでしまう・・・・短い人生だったな、と諦めモードに入ったその時、

微かにピュイーっという口笛のような音が聞こえたかと思うと、


「グウッ!!」


バシーーーンと言うものすごい衝突音とともに呻き声が聞こえ、何かが私の前に立ち塞がった気配を感じ、それから静寂が辺りに広がった。


恐る恐る目を開けると、私の周りを囲っていた青い炎の輪は消えていて、ゆっくりと顔を上げると、墓場の時と同じように銀色の髪を風に揺らしながら振り返って私を見る蒼月さんと目が合う。


「何度言えばわかるんだ?」


呆れたような顔で吐き出されるその言葉を、私がただ茫然と聞くことしかできないでいると、


「おのれ・・・蒼月・・・・」


怒り心頭といった様相のサイコが、背負っている炎をさらに大きくして、蒼月さんを睨んでいる。


「ここ数日の街の治安の悪化は、おまえの仕業か?」


前に向き直り、静かに問いかける背中を見つめる。


「ふふふ・・・そうさね。その娘をちょいと探していたもんだからね。夜市のような騒ぎを起こせば娘が見つかるかと思うてな。」


ここ数日のいざこざが私を探すためだと聞いて身震いする。


「さあ、その娘を渡してもらおうか。ここで結界を張らせるのじゃ!」


ーーヒュンッーー


言い終えるかどうかというところで、何かが私たちのすぐそばを掠めた。


(うわっ・・・!)


すぐ横の草が焦げている。

それから間を置かずに次々と炎の矢のようなものが打たれてくるのを蒼月さんが薙ぎ払う。

冷静に構えを取り、次々と飛んでくる炎の矢を避けながら、時折手のひらから光を放ち、それを打ち消していく。

私はその様子を見つめながら、なんとか動けるように身体を整えようとするが、青い炎が消えて自由に動けるようになったにも関わらず、恐怖で身体が震えて思うように動けない。


「おまえの相手をしている暇はない。早く消えろ。」


蒼月さんは冷静に言い放つと、一瞬でサイコの前に移動し、手のひらから放たれる青い光がサイコを直撃した。サイコは一瞬たじろぐが、すぐに炎を纏い直し、反撃を試みる。


「そう簡単には行かぬぞ、蒼月!」


サイコは狐の耳と尻尾を持つ姿になると、再び炎を激しく燃やし、今度は巨大な火球を作り出して蒼月さんに向けて放った。

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