神モード
気を付けろ。
Gが出るぞ。
油断するな。
Gが出るぞ。
気付いた頃にはもう遅い。
奴らはどこからともなく忍び寄る。
奴らは、そこにいるんだ。
久々に、キッチンにGが出た。
一人で料理を作っていたら、唐突に上から落ちてきた。
普通なら、ビックリするのかもしれない。
でも、僕は全く動じない。
それは、昔実家に住んでいたときに頻繁に出現していたからだ。
だから、驚異的なG耐性を持っているのだ。
Gとの戦に関しては、私を神と呼んでくれたまへ。
彼らの歴史は古く、2~3億年前から地球に住んでいるらしい。
そう考えると、少しはリスペクト出来るのではないか。
人類との同居は、火を使い始めた頃からと言われている。
人類の進化は、果たして良い時代を構築するのだろうか。
もしかしたら、多少不便なぐらいが幸せなのではないだろうか。
ブロックチェーン。
仮想通貨。
AI。
5G。
人類の進化は、科学の進化の賜物である。
もう、科学の進化は止まらない。
一体、科学は我々をどんな未来に連れていくのだろうか。
そんなことを考えながら、神モードになった僕は逃げ回るGを追う。
進化論でのリスペクトはあるけど、残念ながら出会ってしまったから。
それにしても素早いな。
Gも進化しているのか。
それとも、僕が退化しているのか。
Gの素早さにあっさり白旗をあげた神。
仕方ない。
最終兵器のスプレーをばらまく。
はっはっはっはっは。
こうして、Gと人類の戦いは幕を閉じた。
そうだ。
人類の完全勝利だ。
束の間の勝利の余韻に浸ったあと、気付いてしまった。
そういえば、戦場はキッチンだった。
折角、時間をかけて作ったのに。
戦いの最終兵器による汚染が広がってしまった。
神は、ちょっぴり文明を嫌いになった。
神は3分待っている。
出来上がったカップヌードル(シーフード味)を噛み締める。
メチャクチャ旨いじゃないか。
神は、やっぱり文明を好きになった。