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RealSocialGame  作者: 無月公主
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【72匹の悪魔】

「東屋さん。…一応そのフォラスさん。悪魔でいつ暴走して襲い掛かってくるかわかりませんが置いていっても大丈夫そうですか?」

「えっ!?そうなの?」とうるうるした目でフォラスさんを見る東屋さん。

フォラスさんもうるうるした目で東屋さんを見返す。

「…ずっとじゃよ。ずっと頭に殺せ…殺せと響いておるわ。しかしのぅ。…殺し方をしらん。」フォラスさんの話を聞いてずっこける東屋さん。


「…少し、試してみても良いですか?その洗脳が解けるかどうか。」

「かまわんよ。」

アイツはフォラスさんの額に手をあてた。その瞬間体が俺に戻ったけど、そのままの体勢を続ける。心の部屋ではカタカタと忙しくキーボードを叩いていた。

ただの心の部屋ではないのが驚きだ。心の世界というものを実際に作ってあって、瞬時に異世界へ移っているようなものだった。カタカタ…タンッ。とお決まりの音を鳴らせば、再び俺は体をアイツに譲った。…今まで考えもしなかったけど、シンカさんの中もこんな感じなのかな。

「…おお。治ったわい。」とフォラスさんが大きな目を開けて驚く。

「お爺ちゃん…。」と東屋さんがうるうるした瞳でフォラスさんを見つめるとフォラスさんもうるうるした瞳で東屋さんを見つめた。

「というわけで、置いていきます。」


とりあえず部屋を出てルナさんの部屋を目指した。

どこもかしこも戦闘しているようだった。

「うわっ!!」と誰かが吹き飛ばされてきて、俺がそれをキャッチして支えた。

見た事あるけど名前は覚えていないギル員だった。レベル的に今出現している悪魔と戦うにはレベル差がありすぎるな。ギル員の名前はリキュウさん。リキュウさんは青い髪青い瞳、そしてスーツ姿だった。

コツコツと歩いてきた悪魔はエリゴスという名前らしい。見た目は騎士っぽかった。とても綺麗な顔をしていて男性か女性か区別しにくいが男性だろう。

「弱いな。」とエリゴスが一言。女性だった。

「騎士は弱いものいじめをしないものでは?」

「さてな。ソロモン王をさらった集団は全て敵だ。その者は弱いものではない。ただの雑魚だ。」とエリゴス。

「女性を傷つけるのは趣味じゃないですがー…。一瞬で…。」とアイツが一瞬で蹴散らそうとした時、「待ってください!」とギル員のリキュウさんが言う。

「自分で倒します?」と問えばコクリと頷いた。

「はっ…雑魚が…何をほざく。」とエリゴス。

リキュウさんはネクタイピンをとって落とし、それを足でグシャっと踏みつぶした。それからネクタを緩めた。

「ミルフィオレに加入するには数々のテストや実技試験、加入した後にも拷問のような厳しい訓練が待っています。お金がないものは千翠さんの班に入って現実世界並みにくるしい金策をさせられて…ゲームとしての楽しさを奪われたような感覚で生きていかされます。そんな僕達がどこで楽しさを感じるって…それはもうバトルしか…ないんです。」と言えば髪の毛が黒くなって瞳が赤く光っていた。

「ほぅ。少しは骨がありそうな恰好になったな。」と言いながらリキュウさん目掛けて剣を刺そうとすればそれを指二本で止めるリキュウさん。

「悪いな…。こっちは情報収集で忙しいんだ。蜘蛛の班を舐めないで頂きたい。」と言って手に紫色の炎を宿してそれを剣に伝わせていく。

「ぐっ…なんだ…これは…。」

「呪い…とでもいいましょうか。」

紫色の炎はジワジワとエリゴスさんについたい…手を黒く変色させて、ボロボロと崩しはじめた。

「なんっだ!?どうなって!?」

「痛みって…大切ですよね。痛みのない攻撃って…なかなか実感がわかなくて…反撃もできず、ただ…朽ちる自分の体を魅入ってしまう。」と言い終える頃にはエリゴスの姿は消滅してしまっていた。

「凄いですね。」

「そんな事より、今ギルド城内に残ってるのは僕くらいか僕より強い人ばっかりですよ。あれらに勝てなさそうな人は今金策で全員外に出てるはずです。だから安心して目的を果たしてください。時間はかかると思いますがきっと勝てるはずです。僕も他の応援に向かいます。」とリキュウさん。

「わかりました。ありがとうございます。」


今、戦っている人達を信じてルナさんの部屋へ向かった。


コンコンとルナさんの部屋をノックすればシンが開けてくれた。

「りき…。」と言いながらシンは部屋に招きていれてくれた。

シンカさんとルナさんがベッドに眠っていた。ウェパルの姿が見えない。

「シン、ウェパルはどこ?」

「こっち。」と言って扉を開ければ脱衣所で、その先の扉をもう一度ひらけば豪華な浴場に女性が入っていた。恐らくウェパルだ。

「ウェパル…ですね。」

「そうじゃ。」

「どうして封印が解かれてしまったんですか?」

「殺意じゃ。殺意が日に日に酷くなっておる。」

「殺意ですか…。」

【やはりな。フォラスで試していて良かった。恐らく魅惑系の魔法か薬でウェパルを支配していたが、日に日に増す殺意で調整をミスったようだな。】

「解いてみても?」と問えば「やれるものなら。」と言われた。

ウェパルの額に自分の手を押しあてて殺意を解く。

「どうして殺さないのじゃ?」

「殺意を解く事自体無意味に近いですが…今ここに残留する水を枯らしてしまえばアトランティスが元の姿に戻れないと思って。」

「なるほどのぅ。このまま水を維持させてやろう。おかげで頭がスッキリして維持し易い。」

「あと少しですよ。」

「あと少しか。また、あの窮屈な塔に戻るわけなのだな。」

「大丈夫です。ここで起きた事は綺麗サッパリ忘れているはずですから。」

「それは苦しまずに済みそうだな。」


浴場を後にして部屋に戻ってルナさんの近くに言った。

「シン、シンカさんが眠ってからどれくらいたったかわかる?」

「え?…2時間くらいじゃないかな。」

「2時間…現実世界では2分くらいか…。うぐっ!」結界を破ろうとしている悪魔たちの攻撃でダメージが来ていた。

「りき!?」

「もう…持ちこたえる事が難しい。意識が…途切れそうだ。」…実はずっとアイツも俺もじりじりとダメージを受けていた。全てが万能なわけではない。即席で作った結界で閉じ込めていたせいもある。もっとじっくり練れば良かったみたいだけど、やらなければならない事が多すぎて、それどころじゃなかった。頭が割れるように痛かった。

「りき!!しっかりして!」と言いながらシンは適切にメンタルヒールを飛ばしてくれる。

ほんの少し痛みが和らいだ。だけど、もう…あと少しのところで気力が持たない。

体の主導権が俺に戻りつつある…ルナさん…早く…早く戻ってきてください。

激痛の中、アイツは自分が意識を失った後の事を考えてアイテムを作っていた。それが終わるまでは絶対に俺も意識を飛ばす事はできない。

段々体が冷えてきた。屋上にいる悪魔達を放ってしまったら…すべてが終わってしまう。どうしてよりにもよって…とんでもないダンジョンの敵がここに配置されてしまったんだ。

初心者の村に配置されている最強のダンジョン。完走は基本的に難しく…ミルフィオレの人達はいとも簡単にクリアしているが、実際は結構な年月とお金をかけた装備が必要なダンジョンだ。

「シン…頼みが…ある。」

「何?」

「この…薬を…ソロモン王に…。ルナさんが…封印を…解いてくれるから…。」と言って、なんとかカプセル薬シンにを渡す。

「わかった…。」

「ルナ…さん…ごめん。俺…もう守れそうに…ないです。でも…信じてます。みんなを。」とルナさんに手を伸ばした。

意識が途切れる中…ひんやりと冷たいものが手に当たった気がした。全身が冷たくなっていくのを感じながら俺は完全に意識を飛ばしてしまった。

ブクマが増えたのでやる気がでて追加書きました!ありがとうございます!!

また日曜日お会いしましょう!! ※毎週日曜日更新。

モチベはブクマといいねとTwitterフォローです。

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