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RealSocialGame  作者: 無月公主
153/164

【クロノス】


目が覚めて、すぐに時間を確認した。さほど時間はたっていないようだった。

「りき、何が見えたの?」と咲が俺の顔を覗き込む。

「パイモニアさんは…無限ループする空間に閉じ込められてるみたいだった。リンクェイとかいう亀がこの国を襲ってきて…それで俺が倒してた。でもその後自演だと思われて、この国を出禁にされて…。」

「リンクェイ?…待って…もしかして…。どうして気づかなかったんだろう。GMが一人もいない世界なんてわけないじゃん。」と咲。

「ん?何?」

「囚われてるGMがいるの。」

「囚われてるGM?」とシンが不思議そうな顔をして聞く。

「あの人ですか…。チート機能を有した社員が数名残ってるんです。だいたいの社員は…咲先輩がダンジョンのBOSSとして配置したりだとかしてGM機能をほぼほぼダウンさせて脱出したんですが、海外に派遣されている数名の社員はGM権限を持ったまま放置されています。それらを囚われてるGMと指しています。」

【モカを連れてくるんだ。上手く解決できるはずだ。】

「え?」

「え?」

護と俺は顔を見合せた。

「どうしたの?」とシン。

「友人の力ならどうにかできるかもしれないんだ。でも…他人の敷地で開けるのかな。」

「とりあえず、連絡をとってみましょう。」


まずはデュークさんに連絡してモカさんに繋いでもらった。それから事の経緯を説明して、こっちにきてもらえる事になった。俺は【チョイスザサモンゲート】でモカさんを召喚する事に成功した。

「ここは…んなっ…大帝国【エインシェントエンパイア】…。そんな恐ろしいゲートスキルがあるとは…。」とモカさんは召喚されるなり俺の召喚スキルに脅えていた。

確かに…俺のスキルがあれば他国に侵入した後、仲間を呼び放題だ。とんでもない奇襲をかけれる事になる。

「とりあえず、問題の部屋を見てもらえば?」とシン。

「あぁ、そうだね。モカさん行きましょう。」


モカさんを連れてパイモニアさんがいるかもしれない部屋に入った。するとモカさんの目が赤く光った。

「モカさん?」

「…此方の方は?」とモカさんは誰もいない方を見て言う。

「俺らには誰も見えてません。この部屋には今来たメンバーだけですよ。」

「……神の目が反応している?」と目を凝らすモカさん。

「パイモニアさんという金髪のお姉さんが見えますか?」

「え……っ。あっ…はい。見えます。どうやらあちらには私しか見えないようですね。」とモカさん。

「言葉を交わす事は可能ですか?」

「すみません、私はギルド【シースルー】の副マス、モカと申します。アナタ方は?」とモカさんが喋りだした。

そこで大きく目を見開いた。アナタ方?…パイモニアさんの他に誰かいるのか?

「なるほど。これは厄介ですね。ふむ。少々お待ちください。」と言って突然スマホを取り出してポチポチと操作して俺に…脱ぎたてのパンツを渡してくれた。

「え…これ。」

「神の力が宿った下着です。貸し出します。」とモカさん。モカさんは今ノーパンだ。というか…モカさん。髪の毛が綺麗な栗色で目は…そのままか。宝石のような青い瞳だ。発光してるかのように見えていたのにそれが無い。パンツの効果か?

俺はそれを着けると、髪の毛が真っ白になって目が熱くなった。多分赤色になってそうだ。

目の前の机には動揺した顔を見せるパイモニアさんと、その隣には紫のローブをきた長めのおかっぱ頭の人がジッとパイモニアさんを見ていた。【変わろう。】と声が聞こえればもう俺は広大な草原にポツンとたっていて、目の前に大きな球体が現れてそこに視界の全てがうつっていた。


「GMクロノス。どうして君がここいる。」

「ん?この魂は…社長…なのですか?」

「そうだ。少し待ってください。結界を張るので。」と言ってアイツは太極珠で特殊な結界を作り出した。それは防音結界だ。この神の目にしか映らない人達だけにしか声が聞こえない。

この魂は光の線的なものを指している気がする。GMクロノスさんは俺の体の中のIDよりもっと細かなものを見て言ってるんだろうな。

「そんな…では、ずっと我々に命令をだしている社長は?」

「偽物…いや、もともと私だった者だ。別の人格が私に宿っていた。死なねば別人格からの解放はなかった。だがまだ死ぬわけにいかない私は…別人格を電子の海へ誘導した。小さな…勇者と共にね。体は完全に失ったが、とりあえず今このゲームさえ壊してしまえば、生産性の無い人間を破壊しようとする計画を阻止する事ができる。信じて力を貸してもらえないか。」

「…もちろんです。私もそのつもりで今こうして、この人を壊していました。」とクロノスさんは静かに目を閉じた。

「なるほどな。真面目で…優秀な人間だ。だからこそ、今起きている異常に対して理解し、柔軟に対応する事ができない。」

「今の社長は柔軟性が完全に失われた。本当に機械のようだ。電子の海で現世と同じように生きられるとでも思ったのでしょうか?いくら脳をコピーしてもコピーされるのは回路のみ。心は死ぬ。」

「その通りだ。しかし別の実験は成功した。血液循環装置を使って…脳だけを生かす実験だ。」

「そのようですね。心を感じられます。」


「いったい…貴様は何の話をしているのだ?別人格?脳だけ?私の声は…届いているのか?」と完全に忘れ去られていたパイモニアさんが立ち上がって俺の胸倉を掴んだ。

「これはこれは。すみません。流石の私も貴女まで遮断する事ができませんでした。ですが、これからは貴女にGMの監視が着くことをお伝えしなければいけません。」

「GMの監視だと?」とパイモニアさんはギロッと此方を睨む。

「クロノス。」と呼べばクロノスさんはパイモニアさんの前に姿を現したようだ。その証拠にパイモニアさんの顔がクロノスさんを見る。

「誰…だ?」

「GMクロノスです。いつも当社が提供する【リアル】をご愛顧いただきましてありがとうございます。」と営業スマイルをするクロノスさん。

「GMだと…!?」と言って、パイモニアさんはクロノスさんのIDを確認しているようだった。そして再び口を開いた。

「確かに…本当のようだな。」

「はい。【リアル】内、最大人口数達成おめでとうございます。しかし、今現実世界では我が社の不手際で想像を絶する世界になってしまいました。」と言ってクロノスさんはパイモニアさんに近づいて人差し指をパイモニアさんに向け一筋の光を放った。

「……このゲームは…終わったのだな。」と力なく崩れるパイモニアさん。

「はい。申し訳ございません。それともう一つ。」と言って今度は粉雪のような光をパイモニアさんの頭上に降らせた。

「…クロノス…お前はずっと私の隣いたのだな。」

「はい。ずっとおりました。」


なんなんだ?この妙な雰囲気は…。と映像を見て戸惑っているとアイツが背後から歩いてきて俺の隣に並んだ。

【彼は開始当初から、パイモニアに強い憧れと尊敬を抱いていた。仕事をさぼってストーカーしていたようだな。さて、変わろうじゃないか。】

「え!?いいのか?あれをほっといても。」

【よかろう。相手も満更でもないようだ。】


「クロノス。君もパイモニアさんも此方側へ。パイモニアさん。悪いが、ここでの話は内密に。後ほどクロノスが全てを見せてくれる事でしょう。」と言い終えると結界を解除してアイツは引っ込んでいった。

「あ…モカさん。下着返します。解決したみたいなんで。」

「あぁ。」

俺はスマホを操作してモカさんに下着を返した。モカさんは再び下着を装備して元通りになった。

「解決したの?」と咲。

「あぁ。上手くいったはず。」

目の前にパイモニアさんとクロノスさんが現れた。

「クロノス!?貴方だったの?」

「ん?………まさか…。陽子さん…優さん?」とクロノスさんは驚いていた。

「うん。そっか。全く気付かなかった。クロノスがストーむぐっ!!」

咲がいけない事を言いかけたようだったので護が咲の口を塞いだ。

「先輩。今余計な事を言ってはいけませんよ。さ。事件は解決したようです。帰りましょう。」と護。

お待たせしました!!!もう1話頑張るのでブクマまだの方お願いします!!!


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