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RealSocialGame  作者: 無月公主
152/164

【時】

シンのゲートで【エインシェントエンパイア】にやってきた。

門の外からでも見える建造物は、とても細かく美しい彫刻が施されているものが多かった。

王族気分を味わいたいなら絶対ここに住んだだろうな。

「護、人探しお願いできる?」と咲。

「わかりました。」と言って目を瞑る護。人がどこにいるかわかるGMしか使えないMAPを盗みみる為には結構集中力がいるらしい。

「今のところ、人はいっぱいだし大丈夫そうだね。」とシン。

「あぁ。ちょっと天馬で上から見てくる。」

「僕も乗せてよ。」とシン。

「わかった。」

俺は天馬を取り出して乗った。シンが俺の後ろに乗ったのを確認して、上空へと飛ぶ。

うわぁ…建物が多すぎて迷路みたいになってる。上からじゃ何もわからないな。

「ちょっと…広大過ぎて上からじゃ全部が見えないな。」

「そりゃそうだよ。最も人口が多い国だからね。それにここは差別がないからよそのギルドの人もたくさん住んでる。」とシン。

俺とシンは地面に降りた。

「どうだった?」と咲。

「うん、広すぎて何もわからないよ。こんなに広いところ初めてみた。ちょっと前まで【ドルガバ】のところが最大級だと思ってたからさ。」

「普通にいますね。【アーク】の【パイモニア】さん。ギルド城内です。」と護。

「は?じゃあアレは偽の…いや、そんなはずないよね。しっかりIDの、【パイモニア】さんしか押せない判子付きだったし。」とシン。

「とにかく会いにいってみよう。」


俺とシンは天馬に乗って移動して、護は自分の翼で咲はぴょんぴょんとジャンプしながらギルド城を目指す。

飛んでる人が多すぎて、あんまりスピードを出せない…。何度かぶつかりそうになってしまう。

「りき、僕が天馬を出すよ。」とシンに提案されて一度地面に降りて、俺の天馬をなおしてシンの天馬に乗りなおす。

「ちゃんと捕まってて。」とシン。

「ああ。」と返事をするやいなや凄いスピードで進んでいく。スピードは落とさず人を綺麗に避けて走っている。俺は乗り物のセンスもないのか…と内心ちょっとショックを受ける。


【アーク】のギルドハウスに辿り着く頃には夕方になっていた。

「やっと着いたね。」とシン。

「結構かかったね。」と咲。

ギルドハウスで受付をしてる【アーク】の人に証明書を見せた。

受付の人は「は?…すみません。流石に確認をとります。」と言ってどこかに電話をかけて、しばらくしてギルドハウスの中から幹部と思われる人が出てきた。

「遅くなりました。副マスのベバルです。どうぞ。中へ。」とベバルさん。

ギルド城の中に入って、凄く雰囲気の良いシックな部屋に案内され、ふかふかな椅子に座った。

「実は、ここ最近マスターの姿が見えないのです。上層部の者のみ捜索にあたってもらっています。ですが…どう考えてもいるんです。」と困っているベバルさん。

「すみません、いるってどういう事ですか?いないんですよね?」とシン。

「はい。確かに目には映らないといったところでしょうか…実際ギルドは健在。書類等は毎日更新されてます。我々には見えませんが…確かにいるようなんです。お茶を出せば空のカップが帰ってきます。」とベバルさん。

「不思議な現象ですね。」

【一度、相手視点を見て見れば良い。】

「あの、突然ですみません、調査するので今日どこかに泊めてもらえませんか?」

「ミルフィオレの方なら歓迎です。全国的にも一番の信頼と実績を誇っているといってもいい。少数精鋭なのにほんとよく…。ヴァルプルギスでのルナさんの姿は…炎で焼かれていく中で私の目にも焼きついています。」とべバルさん。

「ありがとうございます。うちのルナも喜びます。」とシン。

「そ、そんな!!ルナ様のAI…!!そんなっ…お目にかかれるなんて!!」と目を輝かすベバルさん。

「あ…はは。どこに泊まればいいですか?」

「一番良い客室を用意しますよ!!」


そして俺達は部屋を用意してもらった。

皆で一旦一つの部屋に集まって、俺だけベッドで寝るカタチとなった。

【はじめるぞ。】


素敵な女性が見える。金髪の長い髪をポニーテールにしていた。自分はその人になっていた。今鏡を見て身だしなみを整えているようだ。

キチッと身なりを整えて、短い溜息をつけば書類が綺麗に整頓されている机に向かう。

その瞬間…大きな爆発音が外で聞こえて、何事だ!?と気持ちを焦らせながら窓から外へと出た。

巨大な樹木を背負った亀と…俺が戦っている!?いや、動きからしてアイツが戦っているんだろうけど…圧倒的な討伐力だ。

「すまない。この国のバトル王だ。何があった?」

「バトル王!?突然巨大な亀がここに出没して…被害が及ぶ前に倒せて良かったです。でも…さっきまでいなかったはずの貴女が何故ここに?」と問えば「いなかった?私はずっとここにいた。突然現れたのはそっちだ。」と返す。

この者達はミルフィオレの連中か。そういえば最近ミルフィオレのやつらが各国に散らばって救世主ごっこをしていると聞いたな。やつら、どういう手段を使ったか知らんがモンスターを招き入れて倒して恩を押し売りしようとしてるのか?どちらにせよ。私一人でどうにでもなったはずだ。

「とにかく【アーク】の皆さんが探しています。皆のところへ。」と俺が言えば、自分は剣を取り出してそれを彼の喉元に突き立てる。

「お前たち…ミルフィオレは出禁だ。もう全て解決した帰ってくれ。」と自分が言えば何も言えずだんまりになるミルフィオレの奴ら。

バカバカしい。常に強力な結界をはっている我が国に侵入するモンスター等いるものか。


しかし、それから何度も何度も、あの巨大な亀からの奇襲が続いた。

戦ううち、どうやってアイツはこの亀を倒したのか。と考えるようにもなった。

次第に…国の皆がいなくなっていった。死んで戻らぬ人となってしまったギル員…そして、巨大な爆発攻撃を繰り広げてしまったせいで国民もいなくなっていった。

残ったのは私一人だ。目の前のホログラム画面には国内人口数1と表記されていた。

どうしてこうなってしまったんだ…これはミルフィオレが仕組んだ事なのか?だったら…あの時、出禁にせず受け入れておけばよかった…。たくさんのNPCが犠牲になった。彼らには心がある。ただのゲームデータではない。私は王として失格だな…。

そう思っていた時、時が巻き戻った。ミルフィオレのりきという奴が巨大な亀を倒しにきて、私はそれを受け入れた。報酬を渡すとも言った。

しかし彼は「いえ、時が来たらログアウトをみんなに呼びかけてほしいんです。もちろん皆が落ちたあと貴女も。」と報酬は受け取らず、変な指示を出してきた。「わかったよ」と受け入れたが、再び時が戻されて、またミルフィオレのりきが巨大な亀を倒すところから始まった。それは数回繰り返されて次第に私は外へ出ず自室に引きこもる事にした。

そして、あの亀の正体を探った。亀はリンクェイという名前で四霊ダンジョンのBOSSらしい。

それをここまで引っ張ってくるのは困難というよりも不可能だ。では本当に発生したイベントなのだろうか。引きこもって不自然に積もっていく書類を処理してるうちに亀は来なくなった。

ミルフィオレからの使者もギル員も…国民も…全てが消えていた。

もうわけがわからない…いったい私に何をしろというのだ。

外へ出て見ようかとも思った。しかし、私が外へ出ると強力な結界が崩壊して変なモンスターが入ってくるかもしれない。……もう、どうすればいいかわからない。…そうだ。あの人なら…と最初は憎んでいたミルフィオレへ助けの手紙を送った。どうせ届きもしないだろうがな。





読んで下さってありがとうございます!!少し難しい感じなってます!!ブックマークして下さった方々ありがとうございます!ほんっとモチベに繋がって2話連続投稿できるようになりました!!ありがとうございまあああああああああああああああ!!!

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