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RealSocialGame  作者: 無月公主
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【ライカ】

デュークさんがジッと人形を見つめる。人形の方もデュークさんを叩く手を止めてジッとデュークさんを見つめ返した。

「…お前まさか…チビ姫か?」とデュークさん。

「チビチビ言うなぁぁ!!」と人形が怒る。

「そんな…まさか…え?…とにかく城へ急ごう。ほら乗ってくれ。」とデュークさんはクジラの姿になって半分海に浸かった。

「あ、はい。」と返事をして俺が乗れば護は人形を抱っこしてからデュークさんの背に乗った。


俺達はクジラ化したデュークさんの背中に乗ってシーレナ国の城に向かって海の中を進む。

ちらほら海の中に家が見える。これは海の中が好きなもの好きが住んでるそうだ。シーレナ国はビーチ、海中、ギルドハウスの城がある大きなドーム型の泡の中と3層で構成されている。

「実はなぁ。チビ姫の声が聞こえない事に、マリーナが沈んでてなぁ。長い事一緒だったせいか、もう自分の一部…いや、子供みたいになっちまってたらしくて絶対喜ぶぜ。」とデュークさん。

「そうなのか?マリーナが…わらわもマリーナが好きじゃ。優しゅうてな。」と人形。

「チビ姫、名前なんていうんだ?」とデュークさん。

「名はまだ無いのじゃ。マリーナにつけてもらうのじゃ。」

「そうか。じゃ急ごう。俺らの国はりきのとこみてぇに少数精鋭の鉄壁じゃないからなぁ。そうやすやすとゲートを出せねぇんだ。横入りして城内に侵入でもされたら大惨事だ。」とデュークさん。

「ミルフィオレ城内は複雑で侵入しても王のところまで辿り着ける人がいないってだけですよ。」

「複雑ねぇ。実は俺、昔ミルフィオレに侵入した事あるぜ。」とデュークさん。

「えぇ!?デュークさんが?」

「あぁ。お前のいう複雑どうのこうのじゃなくてな。寒すぎて凍るかと思った。」とデュークさん。

「あぁ!そういう事ですか。入国審査で許可がでないと服を着てても強制的にマイナス10度になるっていう設定にされてた気がしますね。」と護。

「ん?わらわは全然寒ぅなかったぞ?」と人形。

「それは分類が武器ですから。」と護。

「よし。着いたぜ。」と大きなドーム型のシャボン玉のような泡をすり抜けて、真っすぐ城のバルコニーへ向かうデュークさん。

あっという間に着いて、全員バルコニーに降ろされた。

ズカズカ、バタンッ!!と音を立ててモカさんがやってきた。

「デューク、あれほど玄関を使えと!!」とモカさんはデュークさんに怒るが俺達を見て、コホンと咳払いをして「よく、いらっしゃいました。すみません、うちのデュークが。」と頭を下げるモカさん。

「いえいえ!すみません突然訪問してしまって…えっと今日はマリーナさんに贈り物があって…。」

「贈り物?とりあえず、中へどうぞ。マリーナのところへ案内します。」とモカさん。


バルコニーから城内に入って、1つ部屋を抜けた先に大きなシャコガイっぽい貝殻があって、その中に真珠にようにちょこんと座っているマリーナさんがいた。これは見る人によっては本当に真珠に見えるかもしれない。特にモカさんやデュークさんにはそう見えるだろう。

「マリーナ!!」と言って、人形は護の手をすり抜けて走っていってしまった。人形がマリーナさんに到達する前に淡白く発光するモカさんに止められてしまう。モカさんの瞳の色が赤くなっているような気がした。

「ふぎゃ!なにをするのじゃ!!モカ!!わらわにそのような目を向けるでない!!!」という人形の言葉を聞いてモカさんの瞳がスッと宝石のような青い瞳に変わって、人形を掴んでいた手を離してしまう。

「え。あ。」と戸惑うモカさん。恐らく神眼が発動してしまったようだ。

「マリーナ!」

「…っ!!」

マリーナさんと人形は子と母のように抱きしめあう。

「そうじゃ、マリーナ。わらわに名をつけてくれぬか?神帝雷霊樹(しんていらいれいじゅ)様ではなく、新たな名前が欲しいのじゃ。」

「では、ライカという名前はどうですか?私は常々、雷を放ちながらも華のような可愛さを見出しておりました。」

「ライカ!!気に入った!!わらわはライカじゃ!!」と嬉しそうにする人形のライカ。

「マリーナさん、スマホを近づけてもらえますか。」と言って、俺のスマホをマリーナさんに向けた。マリーナさんもスマホを取り出して俺のスマホに近づけてくれて、プレゼントを贈る事に成功した。

プレゼントは武器ライカ。AI型の武器。俺の春風のタクトのように1つだけ武器を装備する事ができる。

「りきさん…これは…っ。」とマリーナさんがそれに気づく。

「プレゼントです。とても苦しい思いをさせてしまいましたから。」

「ありがとうございます…。」とマリーナさんは涙ぐみながら微笑む。

「…それと、ライカさんはとても頭が良いみたいなんで、太極珠があればそれを装備させておくと良いですよ。」これはアイツが思っていたことだ。俺の中の社長室でライカさんとアイツが色々喋っていて、アイツの心の中では「この子なら太極珠を俺と変わりなく扱えるだろう」と確信していた。そしてそれは、今後絶対俺の助けになると感じていたからこそアドバイスを残した。まぁでも太極図は手に入れるのに苦労すると聞いた事がある。

「太極珠…ですか。私にクリアは難しいです。とても痛みに弱いので…。」とマリーナさん。

「あぁ。それなら俺のをやるぜ。」とデュークさんがスマホを取り出してポチポチと操作してマリーナさんに太極珠をプレゼントする。

「デューク!?なっ…お前がアレをクリアしたのか!?」とモカさんが驚く。

「は?アレってなんだよ。ただの座禅24時間だろ?」とデュークさん。

「そうだ。お前ができるわけがない!」とモカさん。

「お前すっげぇ失礼な事言ってるぜ?やる時はやる男なんだよ。」

「……信じられない。」とモカさんは壁に向かってブツブツ呟いていた。

マリーナさんはもらった太極珠をライカさんの腕にはめて装備させてあげた。

「これは…面白い武器じゃのう。前の武器よりもマリーナを助けられるぞ。」とライカさんはニッコリ笑う。

「りき、ありがとな。これから我が家が賑やかになるぜ。」とデュークさん。

「コホンッ。ありがとうございます。国を救ってくれただけでなく、こんな高価な贈り物まで。」とモカさん。

「なぁ!泊まってけよ。1日くらい良いだろ?」とデュークさん。

「是非、ここの海の幸は☆5レア級の味ですよ。」とモカさん。

まぁ…アイツも寝てるし1日くらいはいいか。

「そうですね。せっかくなので泊まらせていただきます。」

「シャ子!イル子!」とデュークさんが声を張り上げれば、「はーい!シャ子です!」とシャチを擬人化させたかのような少女がやってきた。「イル子です!」と下半身がイルカで全体的に水色な女の子がふわふわ浮遊しながらやってきた。

「大切なお客様だ。モカが用意してある中でも一番良い部屋に案内してやってくれ!」とデュークさん。

「はーい!此方ですお客様!!」と二人の少女は声をだして俺の腕を引っ張る。


案内された部屋は一面水族館のような素敵な空間の部屋だった。天井にあるのは…真珠を模したシャンデリアかな?一流ホテルもびっくりなくらい高級そうだ。良くこんな内装思いつくなぁ。

この世界でのAIの扱いは本当に召使いだったりペットみたいな扱いが主流だ。だからこういう部屋のAI用の部屋は貧相だったりするけど、今確認してみればAI用の部屋も俺と似て変わりない内装だった。

もしかして、この国の人たちはAIを人間と同じように扱っているのかもしれない。部屋に辿り着く前にすれ違った人もAIと楽しそうに喋っていたし…かなり良い国かもしれない。


コンコンと部屋をノックされて出て見ればデュークさんだった。

「よぉ。気に入ってもらえたか?」とデュークさん。

「はい。こんな綺麗な部屋に泊まるの初めてで驚いてます。」

「なぁ。お前…お前も二人いるのか?」とデュークさん。

「え?」

「いや、戦ってる時のお前と、今のお前…まるで目つきが別人だ。」とデュークさん。

「そうですね。俺の武器は春風のタクトっていって…7人のAIを操って戦う武器なんですけど、そのうちの一人が俺に宿ってくれて戦ってくれるっていって…わかってもらえますか?」

「あぁ、うちの姫さんもそんな感じだったからわかるぜ。」

「あの人は俺の憧れです。前は体を乗っ取られそうで凄く嫌だったんですけどね。一緒にいて考えを共有していくうちに…嫌いにはなれない人になってました。」

「姫さんも似たような事言ってたな。まぁ。今日はゆっくりしていってくれ。」

「はい、ありがとうございます。」

またもや遅くなりました。ありがとうございます!!そろそろぼちぼち1話目とか修正入れようかと考えております。また連絡します! 次回はやっと他任務行きますよ!

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