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RealSocialGame  作者: 無月公主
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【新調】

ジャンさんが朝から目の下にクマを作りながら俺の新しい装備を部屋に持ってきてくれた。


「防御面を強化して、あらゆる耐性をつけた。実際に装備してみてください。」とジャンさんに言われて装備してみると、より一層ゴツくなって、重さは変わらないけど、見た目的に重そうに見える。色は今までと変わらず、白ベースに淵が金色になっている。デザインが少し独特だ。大きく変わった部分と言えばマントだ。肩には金色のジャラジャラした肩留め。マントは白だけど裏地は灰色。

「なんだか、俺が着ると大人の服を無理して着てる子供みたいじゃないですか?」

「なら、大人になればいいですよ。威厳を出す為にもそろそろ自分のアバターをイジっても良い頃合いだ。」

「自分のアバターを…?」

「これからは、第一印象での勝負になる事もあるでしょう。良い機会だと思いますよ。」

「……わかりました。考えてみてます。装備、ありがとうございました。耐性がかなり上がって、防御面もメイルに劣らないし…凄いですね。こんなに凄い装備を作ってもらえるなんて…感動です。」

「前の3倍は強くなってますよ。それからウォールの装備を新調しておいた。最初の防具を作ってからずっと…そう、ずっと新装備を研究していた。どうか受け取ってほしい。」

「…はい。」

タクトを握りしめて、ウォールを呼び出した。貰った装備を装着すれば腕に盾のようなものがついている。」

「私には見えない。両腕を揃えるように合わせてみてください。」とジャンさん。

ウォールは俺の顔をみてコクリと頷いてから両腕を合わせれば、大き目の盾になって、その上に更にホログラムシールド的な盾が現れる。

「凄い…こんなのどうやって作ったんですか?」

「企業秘密だ。全てが終わったら話します。きっと…出会う事になるはずですから。同じ屋敷にいるからな。さて、そろそろ失礼する。寝てないんだ。」と言って、ジャンさんは部屋を出て行った。


俺もアバターを成長させてみようかな。


コンコンと部屋をノックされて出て見ればシンだった。

「シン、どうかしたか?」

「いや、特に…暇だったから。って装備…プフッ…子供が無理して大人の服着てるみたいだね。」

「どこでそんな表現覚えてきたんだよ。」

「僕結構現実世界のドラマとか見るからさ。まぁ、もうドラマも残り少なくなってきてるけどね。」

「そうなのか?」

「うん【リアル】の中で撮影されたドラマなら、まだまだいっぱいあるけど、現実世界で撮られたドラマはもう残り少ないよ。」

「確かに…【リアル】ができてからは段々と【リアル】内で撮影されるように移行されていったからなぁ。」

「で、今日の予定は?」とシン。

「あぁ、その子供が無理して着てる状況をどうにかしようと思って、アバターを変えに行くところ。」

「付き添うよ。水無月さんのおかげで特にしておく事もないからね。」


俺とシンは初心者村のアバターを変更するショップへ移動した。


「久しぶりだなぁ。変更するの。特に髪型をイジるのが大変そう。」

「僕結構得意だよ。やったげようか?」

「お願いするよ。」

「まずは身長を少し高くするよ。10㎝…。どう?」とシンに聞かれれば視線が少し高くなった。試しに足ふみしてみる。

「うん、大丈夫そう。少しだけ違和感はあるけど。」

「これになれたらもう5㎝上げたいね。でも、まぁ十分。髪型は大人っぽく…嫌、りきのイメージってタクト持ってるし指揮者っぽいから…んー…でもこれはりきっぽさが無くなっちゃうような…。」と真剣にアレコレ考えてくれた。

数分後、決まった髪型は前の髪型にほんの少しだけウェーブをつけて、少しだけ髪を伸ばして、いい具合に歳をとった感じに仕上がった。

「シン!最高だよ!ありがとう。」

「はははっ。なんとか大人になれてよかったよ。…あ。でも…筋肉ちょっとつけた方が良いよ。」

「うっ…確かに…ひょろひょろだ。筋肉ってどうやってつけるんだ?」

「筋力をあげるしかない。筋力を上げたら筋力容姿が解放されるから、それを徐々に適用していくしかないよ。」

「んー…あとは、目とか…細くする?今のままだと童顔すぎるけど。」とシン。

「少しで良いかな。あんまり変え過ぎると、もう誰かわからないし。」

「それもそうだね。じゃあ少しだけ。」とシンは細かい数字をイジって、俺の目を少し細くしてくれた。

鏡を見て見ると、少し大人びた容姿になった。なんとかギリギリ今の装備も似合う。

「完璧だ。ありがとうシン。」

「どういたしまして。」

アバターショップを出ると咲が立っていた。

「咲、どうしたんだ?」

「りき!新しい装備が完成したって聞いたからアリーナ抜けてきたんだけど…かっこよくなったね。」と褒められて、抱きしめられて顔が少し熱くなった。

ていうか…身長を高くしたから鎖骨あたりに咲の頭があって、それがなんともたまらない感情が沸いてくる。

「ありがとう…///」

「りき、ちょっと走ってきた方が良いよ。感覚慣れしとかないと、攻撃をいつも通り避ける事が難しいと思う。」とシン。

「あ、うん。じゃあ走ろうかな。」

「走るならアトランティス内の方が安全だと思う。」と咲。

「うん。じゃあ一回戻ろう。」

「りき、その前にPTいれて?」と咲。

「あ、うん。」ホログラム画面を出して、咲をパーティーに入れた。


3人はゲートを出してアトランティス入り口に移動した。

「じゃあ、ここからギルドハウスまで走る?」とシン。

「あぁ。うん。遠いな…走れるかな。」

「筋力数値あげる為にもやっといた方が良いよ。」

「そうだな。」

入り口からギルドハウスに向かって走り出した。

前の体より、歩幅も違う。でも…なんか少し…少しだけだけど、晴れやかな気分だ。学校に行ってた時、冬は絶対に当たり前のように持久走があった。今まさにそれをやってる気分だ。空気も冷たいし…。ここは万年冬の国だもんなぁ。

たった10cmでこんなにも見る世界が変わるのか。


なんとか無事にギルドハウスまで到着した。少しだけ体が馴染んできたかも。

「お疲れ、僕はちょっとルナの様子を見てくるよ。シンカがいるから大丈夫だとは思うけどね。」とシン。

「わかった。色々ありがと。」

シンはゲートを出してルナさんの部屋に向かった。

「りきはどうするの?」

「時間があったらちょっと練習付き合ってくれないかな?攻撃を避ける動作の確認をしておきたいんだ。」

「うん、わかった。」

俺と咲はゲートを出して、練習場へ移動した。

すると、幹部全員が練習場に揃っていて目を見開いてしまった。

「ふふんっ♪あらあら、もしかしてりきですの?」とユナさんが俺の前に立った。

「こ…こんにちは。お、俺ゲート間違えたみたいですね…。」

「そんな事はないぜ。丁度呼びに行こうと思ってたところだ。」とスノーさん。

「え?今から何をするんですか?」

「ふふんっ♪幹部同士の練習試合…ですわ。」

「そんなっ…それじゃあ順位がついてしまうんじゃないですか?」

「ふふんっ♪あえて、そうしておく必要がありますの。競わなければ強くはなれない。人間はそういう生き物ですから。」

「ラート班の序列選定の時のように、全員とあたるように対戦する。」と千翠さん。

千翠さんまでいるなんて…。

「勝者はルナと試合でもさせるか。」とスドーさん。

「良いでしょう。」と千翠さん。


…身長が変わったせいで、まだ歩幅だとかそういう感覚が馴染めてないのに…

「りき、大変な事になっちゃったね。」と咲。

「どうしようかなぁ…。俺、まだ体が全然馴染んでなくて。」

「…でも、りき。タクト使ってる間そんなに激しく動いたり避けたりすることってなくない?」と咲。

「あ…。忘れてた。」

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