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RealSocialGame  作者: 無月公主
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【疫病】

NPCの人々が謎の病に倒れた。

そして倒れたNPCに触れたギル員が触れてから72時間【疫病潜伏】というデバフがついて、72時間後に【疫病】という名前のデバフに変わって倒れた。

キラキラと美しく賑わっていたアトランティスはガランと静まり返っていた。

倒れたギル員は地下牢に入れられてるらしいが澪さんが全力で治療を行っているらしい。


幹部会議の為の招集がかかって、俺達は急いで会議室へと移動した。

リオさんとダリアさん以外の幹部が全て揃っていた。

目を瞑り、腕を組んで座っている千翠さんが「会議を始める。勿論【疫病】についてだ。」と言った。

「ま、現実世界2021年の疫病を模しているんだろうな。」とラートさん。

「ふふんっ♪でしたら…直ぐに広まり、多くの人が倒れてしまいますわね。」とユナさん。

「症状を聞いても良いか?」とスノーさん。

「現時点で分かっている事は…【疫病】という名前のデバフがつけば体力が1になります。それから無気力状態となります。幸い、聖属性数値が高いものは感染せず、聖属性による治療で回復はしますがデバフがとれていません。治療を辞めれば再び体力が1となって、倒れてしまう…が現状です。」と千翠さん。

「完全に模してきてるなら、後遺症があるかもしれないな。」とラートさん。

「現時点で完全な治療法が見つかっていませんからねぇ・・・。もちろん今も色々試させてもらってますが。ラート班のギルデバルドをお借りしても?」と千翠さん。

「わかった。連絡しておく。」とホログラム画面を出して何やら忙しく操作するラートさん。

「もしかして、私の片手剣で?」と咲。

「私の?」と千翠さん。

「な、なんでもないです!」と咲。

その言葉でピンときた。そうだ、ギルさんが持つ【ソル】で吸収できれば…デバフを消す事もできるのかもしれない。

「俺の班でヒールに回せる奴はリリアくらいか。」とラートさん。

みんなの前にホログラム画面が表示されてリリアさんの戦闘力やとってるスキルやスキル振り等が表示された。

「これは!!」と驚く人もいた。

リリアさんは、ほぼ全属性均等にスキルが振られていた。

「待て待て、あのリリアがこんなステータス…。」と一番驚いていたのはスノーさんだった。

「本人曰く、ポイントをどれに振ろうか迷ってらしい。相談する相手もいなかったと言っていた。スノーが見てた頃は振らずにポイントを溜めたままの状態だったんだろうな。」とラートさん。

リリアさんはギルさんに隠れて睡眠時間もかなり削ってダンジョンへ行きまくっていたから、ポイントが大量にあって当然だった。

「千翠が直々に治療すれば早いのに。」とルナさん。

「感染したら、業務に支障がでますから、今は無理ですねぇ。」と千翠さん。

「ふふんっ♪次々と連合から感染報告が入ってきておりますわ。………ヒルデガーデンを覗いて…ですけど。」

「ヒルデガーデンを覗いてだと?」とラートさん。

「確かに、あそこは日が射さない要塞のような町。光源は全て聖属性の光…。」とパンデミック卿。

「聖属性の光を光源って…どういう事ですか?」と隣に座るスノーさんに聞いてみた。

「ん?あぁ。ランプに魔法を吹きかけたら、その属性の火がついて光るんだ。俺は氷属性だから白に…えーっと、電球で言えば昼光色っていえばいいのか?聖属性は電球色な。火属性は赤に。上位の火炎魔法にすれば、また色が変わる。ヒルデガーデンは町の電灯から何から何まで聖属性のランプで統一してるらしい。」

「なるほど…。」

「たった今、聖属性のランプを患者に近づける実験を行っています。それと、現実世界の疫病を模しているのであれば、マスクをしていれば感染しないのかどうかも確認中です。」と千翠さん。

「しばらく様子を見るしかないわね。とにかく今は聖属性持ち以外の外出禁止。晩餐も治まるまで中止ね。タクミ、全員に連絡メールを出しておいて。」とルナさん。

「へーい。」と頭の上で腕を組み、だるそうに返事をするShiftさん。


しばらく待機しているとダリアさんが会議室に入ってきた。

「すまない。遅れた。」

「何してたんだ?」とスノーさん。

「キル数稼いでた。」とダリアさん。

「自由だなぁ。」とスドーさん。


次にリオさんが会議室に入ってきた。

「リオ、何してたんだ?」とスノーさん。

「子供達を安全なところへ避難させていた。俺の所有している別荘島に。」

「島!?」とスドーさん。

「あぁ、ニートだったからな。金策して島を購入したんだ。かなり前の話だけどな。」

「かなり前!?」とスドーさん。

「リオのビビリリゾートね。あそこなら感染の心配はないわね。」とルナさん。

「ビビリリゾート?」とスノーさん。

「えぇ、モンスターが沸くのがこわくて島の回りを聖水で囲って光源全て聖属性にしてあるの。これはエターナルフォートレスの知恵を借りてやったんだっけ?」とルナさん。

「あぁ。だいぶと参考にした。」とリオさん。

「聖水ぶっかけたらデバフとれるんじゃねーか?」とスドーさん。

「でも聖水って、リオだからじゃぶじゃぶ使ってるけど、高いのよ?」ルナさん。

「高いか?」とスドーさん。

「私たちにとっては安いかもしれないけど、NPCや他の人は金策自体かなり難しいの。特に今は外から課金できるわけでもないし…貴重品よ。製造方法だって、世界樹のてっぺんで水を汲んでくるか、聖なる泉のクエストの最後のボスを倒して汲むか、聖属性上限突破してる人にお願いして水を聖水にする呪文を1時間唱えてもらうかしか方法がないんだから。」とルナさん。

「ご丁寧に説明ありがとさん。説明しなくても知ってるよそんな事。ルナは優しいから全員分とか考えたんだろ?俺はギル員だけの事を考えたけどな。」とスドーさん。

「ふふんっ♪スドーさん。ルナ姉様にそれ以上何か申されるなら…あの秘密を暴露させて頂きますわよ。」とニコリと笑うユナさん。

「なっ……黙ります。」とスドーさん。

「まぁ、今の説明は何も知らないりきには丁度良かったかもな。」とスノーさん。


「デバフ解除に成功しました。」と千翠さん。

「聖水ぶっかけたか?」とスノーさん。

「いえ、聖水をかけてもデバフはとれなかったそうですが、聖水を被った人が感染者に接触してもデバフはつかなかったそうです。そして、残念ですが、今のところデバフを解除の方法は、まず聖属性の治癒をした後にギルデバルドと練習試合をして片手剣にデバフを吸収させる事…ですね。」と千翠さん。

「俺からも報告したい事がある。アトランティスの全体を俺の班で見回ってもらって、いつもと違うところを探してもらったところ…水に変化があったそうだ。」とラートさん。

「水?」とルナさん。

「あぁ。アトランティスの中央広場の噴水の水に黒いモヤモヤ…ドライアイスを水に浸けた程度の黒い煙が漂っていたらしい。これに関しては聖属性ランプで解消されたそうだ。モヤ付きの水をそこらへんのNPCを捕まえて飲ませたところ【疫病潜伏】のデバフがついたらしい。」とラートさん。

「ちょっとまって…私のNPCになんて事してくれてるの!!」とルナさん。

「ギルデバルドのところへ連れていってデバフ除去済みだ。……だが。」とラートさん。

「厄介ですねぇ。本来…我々の魔法やスキル、武器の特殊スキル等一切の効果を跳ねのけていたNPCが、ギルデバルドの剣のスキル効果を受けたとなると…。」と千翠さん。

「あぁ、仕様変更に載っていた事でまだ、検証出来ていなかったが…スキルを受け付けるという事はNPCを殺す事が簡単になってしまったという事でもある。痛みを受ける人が増えるな。」とラートさん。

そうか…忘れていたけど、NPCも…中身はヒトなんだ…。

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