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RealSocialGame  作者: 無月公主
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【序列選定】

練習場の観客席。

俺とシンと咲と護は観客席に座って、ホログラム画面を見ていた。

練習場には翼班が全員揃っていた。全員、班の制服、白の軍服を着て、本物の軍隊のように整列していた。ラート班はこういう事にうるさいそうだ。

「なんだか全員軍服だといつものイメージと少し違うなぁ。」と俺が言うと、シンが少しニヤっとして「ここからさ。」と言う。

ラートさんも軍服を着ていて、白い剣を取り出して剣先を地面に突き立てた。

するとラートさんの着ていた服が、戦闘する時に装備するプラチナメイルに変わった。真紅のマントがなびく。

「総員。解除!!」とラートさんが大きな声を響かせる。

その瞬間、赤が白に変わった。

全員が全員、白色をベースにした戦闘装備服に変わった。天使の羽みたいな羽を生やしている人が多数だ。

それから全員、班のシンボルの金色の刺繍が入った真紅のマントをつけていた。

ラート班は腕章じゃなくてマントを班の印にしている。

「凄い…。」

「だよね。班に入ったら真っ先に仕込まれるらしいよ。」とシン。


「これより、序列選定1を始める。審判は千翠に任せている。皆、結果が決まったら千翠のAI巫女と澪とほのかに結果を報告するように。対戦は全員と戦う事とする。Shift班の誘導に従って動くように。以上!!」

目の刺繍が入った腕章をつけたShift班員がぞろぞろと練習場に入ってきた。


「審判は千翠班って事か?」

「え?いや、東屋さんみたいに機械に入って、全員の試合を1人で審判するはず。」とシン。

「流石…。序列選定1ってなんだ?」

「今回から序列選定の内容を大幅に変更したらしいよ。選定1はAI抜きのユーザー同士の戦闘。選定2は職業同士での戦闘。選定3は装備ポイントだね。」

「細かいな。」

「これをやっておけば、任務の振り分けが楽らしいよ。」


練習場1を4分割するかのようにバリアの壁が敷かれて、その中にラートさん、アローさん、ギルデバルドさん、キングアズレイさん、が4枠にいた。

「ん?なんか…俺の目がおかしのか?」

何故かバリア内にいるはずの人達の姿が通常よりもかなり小さいような気がした。

だけど、ホログラム画面を見れば普通のサイズで首を傾げているとシンが「それ、そういう効果のバリアだよ。中に入ると小さくなるんだ。だから通常の練習場と変わらない広さで戦える。結構ギルド資金使ったからね。」

「そういう事か。」

先ずはラートさんのところへリリアさんが入っていった。

リリアさんは白をベースにした布装備に真紅のマントをつけて、ラートさんのドデカイマシンと戦う。リリアさんは短剣を胸に刺す。するとラートさんと似たようなくらいドデカイけどスマートで女性的なラインのある白色のマシンのような巨体に変化する。

「ラートさんの武器って…いつも通り大きいけど、何か…違うような?」

「あぁ。気づいた?新調したらしいよ。アークエンジェルって名前の武器で天界戦争シリーズの武器だね。まぁ。染色合成されて、白基調になってるけど。ラート班はこの天界戦争シリーズの武器大好きだからね。リリアさんの武器も天界戦争シリーズ。ちなみにイシュタムだね。これも染色合成で白基調になってる。」

「へぇ…。」

「天界戦争シリーズは高いから相当お金持ってないと買えないしガチャだし、今は新BMのドロップ品を合成させないと弱いんだよね。」

大きな巨体がぶつかり合う。

「ロボット映画でも見てる気分だ。」

ラートさんの出す光線がリリアさんの体力をゴリっと削ってしまう。

「ん?ん!?」

「相性が悪そうだ。ラートさんの攻撃って一見魔法攻撃に見えるけど…物理攻撃だからね。いくら巨体になっても実際の防御力は着てる装備だからね。リリアはさっき布装備を着てたから、物理攻撃に弱いんだよ。」

「なるほど…。でもラートさんはメイルだったよな?魔法に弱いんじゃないのか?」

「そんな単純な人じゃないよ。魔法抵抗をしっかり積んでるはず。リリアは魔法火力重視してるところがあるから全身布にしてあるけど…。まぁ普段ならギルデバルドが絶対に彼女を守るはずだから、防御を捨てたね。」

「へぇ…。」

ラートさんとの対戦はあっさりと終わって、巫女さんに報告をしてからリリアさんは隣のアローさんの枠へ入って戦闘する。

「もしかして序列最下位から順番に戦闘していってるのか?」

「多分そうだと思うよ。」

「な…何時までかかるんだ。」

「いつも1日で終わってないよ。新人が50人超えたらやってるっぽいよ。」


アローさんとリリアさんの戦いではアローさんも巨体になって戦いっていた。戦闘時間が結構かかっていた。ラートさんとの戦いを終えた人が3人ほど溜まっていた。アローさんの体力がかなり少なくなっていて、まわりがざわつきはじめた。

リリアさんの後の人が3人ほど溜まっていた。


「拡大して覗いてみようか。」とシンが言うから、試しにホログラム画面を拡大させて覗いてみると…「まずいまずいまずいまずい!!」とアローさんが言っている声が入ってきた。

リリアさんは赤い炎を凝縮したようなビームをアローさんに放つ。

「やばいやばいやばい!!負けたら社長になんて言われるか・・・!!あっ!!良かった!!溜まった!!デッドレイン!!」何かの技を叫べば空から無数の矢が降ってきて、それはリリアさんの体力をジワジワと削っていく、体力が削れ切れてしまう前にリリアさんが次の魔法を繰り出そうとした時、間に合わずにあと一歩のところで体力が0になってしまった。

「あ、あぶねーーー!!!!」とアローさんが叫んでいた。


リリアさんは巫女さんに報告して、ギルデバルドさんの枠に入ったが、ギルデバルドさんは自害してリリアさんが勝ってしまった。

「仕方ないよね。惚れた弱みってやつ。一番の弱点さ。」

「そうだね。」


次にリリアさんはキングアズレイさんと対戦に入った。

レイさんはケンタウロスのような白い巨体のマシンに変身した。


「天界戦争シリーズの武器ばっかだな。」

「そうでもないよ。ほら、リリアの後の人たちは普通の武器だし。」

「序列上位はほとんど天界戦争シリーズの合成武器なんじゃないの?」と咲。

「まぁ。そうかもね。」とシン。


リリアさんは圧倒的な差でキングアズレイさんを倒してしまった。

「え!?レイさん…。」

「くぁぁぁぁ~~~~、つえーな。やっぱり。」と背後からスノーポークさんの声が聞こえた。振り返ってみると、スノーポークさんが後ろの席を陣取っていた。

「え?あっ…スノーさん。」

「よぉ。あぁー…リリアの野郎、追い出すんじゃなかったぜ。」とスノーさん。

「でもスノー班の皆さんはリリアさんに対して風当たり強いように思いますけど…。」

「うん、まぁ。そうだな。みんな命かかってるからな。結構シビアなんだ。」とスノーさん。

俺は何も言えなかった。リリアさんの記憶を覗いて、可哀想にって思ってたけど…そうだ。命がかかってるんだもんな。リリアさんに冷たくあたってしまうのも分かる気がする。

………あれ?でも…俺はスノー班の皆は酷いなって思ってたけど…リリアさんの実際は演技で…本当に悪いのはリリアさんか?

「りき、大丈夫?だいぶ四面楚歌してるけど。」

「大丈夫。ちょっと、考えが偏ってた事に反省してただけ。」

「そう?リリアは次の会場に移動したね。」とシン。

「しばらくは練習場1の戦闘を楽しむよ。」

「まぁ全員みてると気が遠くなっちまうから、ド派手に楽しいとこだけ見てれば良いと思うぜ。」とスノーさん。

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