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RealSocialGame  作者: 無月公主
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【ゲームの中でもテストはある。】

~会議室~


全幹部が揃っていて、それぞれのAIが席の後ろに立っている。

千翠さんの隣に座っている黒髪の少年って誰だろう?右目の下に紫色の星のタトゥーがある。そして小さなシルクハットを頭にのせていて…目は赤い。

「あー…無理だー…。」とスノーさんが机に突っ伏す。

「嫌だ…逃げたい。」とスドーさんも机に突っ伏す。

二人が机に突っ伏している理由は、アップデートされた内容を全て頭に入れなければならないからだ。

「こんな事も頭に入れられないんですか?」とここぞとばかりに良い顔をして煽る東屋さん。

「黙ってろ引きニート!」とスノーさんが言って、「ひぃっ」と声をだして縮こまる東屋さん。

「静かに。」とラートさんが注意をする。

「この状態では我がギルドは危険です。そこでテストを受けて頂き、100点満点中80点ならば外出を許可するようにしようかと。賛成の方は手を上げて。」と千翠さん。

ラートさん、東屋さん、Shiftさん、パンデミック卿、ユナさん、ジョンナムさん、レイニーさん、ダリアさん、ルピネルさん、Mr.DADAさん、アローさん、リオさん、マーマパパ、エムルンさんが挙手をした。俺も遅れて挙手をする。

手を挙げてないのはスドーさんとスノーさんの二人だった。

「それでは、決定という事で。」と笑顔の千翠さん。

スノーさんとスドーさんからどんよりオーラがでていた。

「だーーーー嫌だーーーーー。」とスノーさん。

「テスト用紙の作成は私とラートで作ります。」と千翠さん。

「ん?」とShiftさん。

「どうかされましたか?」と千翠さん。

「いつもはうちの班の仕事だったからか、聞き間違えかと思って。」

「あぁ、今回のアップデートで色々とご苦労された事でしょうから、此方は担当を変えようかと思いまして。この情報をまとめたこのデータ、見事です。満点を差し上げても良いくらいです。よく頑張ってくれましたね。」と真面目な顔をして褒める千翠さん。

「……っ。どうも。」とShiftさんは照れているのか少し俯く。

「さて、ルナ。どうして手を挙げなかったんです?」と千翠さんは隣にいるルナさんに問う。

「……頭が悪いからよ。」とルナさん。

「一般人よりは上でしょう。」と千翠さん。

「……ヴァルプルギスで、色々あって…その一部の頭の良さを置いてきちゃったの。」とルナさん。

本当は多分、今、咲と護に作らせている もう一人の自分に一部を分けたんじゃないかな?と推測する。

「は?何を訳のわからない事を…。」と千翠さん。

そこでスッと後ろに控えていたシンカさんが千翠さんとルナさんの間にわって入って「龍化したまま意識を保てる秘術の代償です。」とルナさんを庇う。

「…‥なるほど。そういう事ですか。」と千翠さんは納得し、正面を向く。

「大丈夫です、ルナ。自分が意識共有をします。ですから、ルナは一度読むだけで全て頭に入ります。」

「え?」と俺の声がでてしまい、シンカさんと目があい「い、いや、そんな事できるのかなーって思っちゃって。驚いて…。」と言って声がでた訳を話す。

「はい、特別なんで。」と笑顔で答えてくれるシンカさん。答えにはなってないけど…。

「ひとまず、先ほどのデータは本にして晩餐時に配布します。Shift班の方々はお疲れでしょうから一旦休憩してください。それからスノーとスドーはお勉強退室して下さい。家庭教師に澪をつけます。」と千翠さんが言うと千翠さんの後ろに立っていた澪さんがスノーさんとスドーさんの後ろへつく。Shiftさんと東屋さんが席を立って「では、お先に。」と言って会議室から退出する。

「蜘蛛の班には申し訳ないが、ペナルティ覚悟で散って情報収集を頼めるか?」とラートさん。

「ふふん♪ペナルティと言っても、千翠様が用意した偽施設で既定の時間を過ごすだけでございましょう?」とユナさん。

「いえ、単純にログインができない状態になるだけですので、自室でお寛ぎ下さいといったところでしょうか?」と千翠さん。

「だ、そうだ。」とラートさん。

「ふふん♪随分とぬるい世界ですこと。畏まりました。では先に失礼させて頂きますわ。パンデミック卿はここに残しておきますわ。」とユナさん。パンデミック卿は頷く。

「よろしく頼む。」とラートさん。

ユナさんが退室すると同時にスノーさんとスドーさんも席を立って退室した。

「さて、試験官どこに任せるか…。」と千翠さん。

「俺の班がする。試験用の部屋は王宮の間の小部屋を拡張して使う。」とラートさん。

「あぁ、そうですね。ラートの班が一番適任でしょう。」と千翠さん。

ラートさんの班は知性溢れ、正義を貫く良い班だと評判だ。千翠さんが直ぐに頷くのもわかる。

「アロー準備を頼んだ。」とラートさんが言うとアローさんは「畏まりました。」と言って部屋を出た。

「そういえば、会社はどうなったんです?」と千翠さんはラートさんに問う。

「あぁ?嫌な事を聞くねぇ。潰したよ。資産の半分は金塊に変えて琵琶湖の底だ。もう半分は無くなる前に全部ココにつぎ込んだ。」とラートさん。

「賢いですね。その通り、もう通過は意味をなさない。開放された時には別の通貨になっている事でしょう。」と千翠さん。

「だろうな。」とラートさん。

「さて、そんな事より、DADAさん、全ダンジョンを回って変わりがないか見てきてもらえませんか?」

DADAさんは「わかった。」と笑顔で答えて部屋を出て行く。

千翠さんの隣の少年ってDADAさんだったんだ。前に見た時は顔を仮面で隠していて、背も高くてパンデミック卿と見分けがつきにくかったのに。

「マーマパパとエムルンはテストを受けないと外へ出る事ができないという事を班員に伝えてきてください。きっと時間もかかるでしょうし、一番色々あるでしょう。資金提供はします。」と千翠さん。

「りょうかーい☆」とマーマパパ。「骨が折れそう。」とエムルンさん。二人は席を立って、会議室をでていく。

「リオは子供達の国とギルド内に残っている子供達を見てあげてください。リオ…私の推測が正しければ…一度読んだものは全て頭に入るのでは?」

「その通りだ…こんな事、肉体のあった頃の自分じゃありえない。」とリオさん。

「そうですね。どちらかというと体育会系でしたからね。」と千翠さん。

「あぁ。そうだな。……先に失礼する。」とリオさん。

「あ、何かあったらすぐ連絡下さい。」とリオさんに声をかけた。

「あぁ。」と言ってリオさんは会議室を出た。

「ジョンナム・レイニー。すまないが、すぐに内容を頭にいれてテストをパスしてください。それからすぐにBM討伐の依頼にいってもらいます。他ギルドからの依頼処理…頼めますか?」

ジョンナムさんとレイニーさんはコクリと頷いた。

「さて、本ができました。」と千翠さん。教科書くらいの本をどこからか出してきて、一冊机の上に置いたと思えば、プレゼントが届きましたというホログラム画面がでてきて、【中身を空ける】ボタンを押すとアプデ内容が詰まった本がでてきた。

確かに…千翠さん喋ってる間ずっと手を動かしていたような気がする。あれだけ色々指示をだしてたのに、手は完全に別の事をしていたのか。

完全に教科書だ…。教科書みたいな本の中身を見てみると完全に教科書のようだった。むしろ教科書だ。

「では一時解散します。ジョンナム、レイニーはここに残ってテストを受けて合格してから。他のみなさんは晩餐でお会いしましょう。」と千翠さん。

パンデミック卿とジョンナムさんとレイニーさんと千翠さんは残るようだった。他は席を立って会議室からでていく。

俺も一緒に一度会議室を出た。


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