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ポーカー


 このカジノのポーカーは面白い事に、カジノは、僅かなプレイ料金しか取らない。もっとも常勝プレイヤーに店員が混ざっているのだが。客どおしが潰れるまで戦うスタイルだ。最後に、残った優勝者が総取りだ。


 まずは、ポーカーだ。ポーカーフェイスっていう言葉があるとおり、無表情のヤツが多い。

 ちなみに、極めたら、相手の表情を読むだけで勝てるらしい。自分の手札を見ずに優勝なんて逸話があるくらいだ。


 この賭け事は、かなり、頭を使う。遊び人らしい俺の一面が開花するかもしれない。なんて、思っていたのだが。


「ひぃ、勝てるけどフォルトだ。」

「ひぃぃ、ブタだけどオールイン。」


「頼むから、俺を見るな。」


 ここに来て、捨てられない勇者スキルが、邪魔をする。俺の表情を盗み見ようとした馬鹿が、パッシブスキルの威圧を食らい、次々と自滅していく。

 頑張って抑えてるのだが、油断するとスキルが発動、自滅の繰り返しだ。

 頼むから、ずっと、コッソリ見続けるなんて真似は止めて欲しい。視線を隠されると、集中力切れるんだよっ。


 この時の俺は、1人だけ、威圧スキルを抑えるという、なにか別のゲームに突入していた。


 そして、ポーカーに負けた。


 悔しい。遊び人に成り下がった俺には、威圧スキルをずっと抑え続ける事が出来なかった。つまり優勝した。


 観客は、納得していなかった。俺も、もちろん、納得出来ていない。この場に勝者は居なかった。


 ポーカーの優勝風景は奇妙だ。無表情の優勝者に沸き上がる観客という構図。


「頼むから、俺を見るな。」


 今夜は、そこに新たな1ページが追加された。優勝者が、納得いっていない表情豊かな顔で、悔しそうに声を荒げて去る。観客も納得してないが、負けた原因が、攻撃されたというよりかは、自分のミスであるため、ブーイングも無くそれを静かに見守る。


 歴史の闇に消えた一戦である。


 積み上がるチップを、高額チップに替えて、島を移動した。


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