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夏生詩集3

春は手前

作者: 夏生



春は手前

桜の蕾はふくらみ

まだ寒かった


深いところ

大きく揺れると

日の常が

消えてしまった

道も街も

大切な人たちも


叫ばれた

即席の絆は

絡みにからまって

使い道のない塊りになって

転がった


突然引きちぎられた

痛みは

癒えることより

耐えられるように

なることを

望んだ


こどもたちのために

鮮やかな色と

やさしい春の歌が

流れた


色だ、歌だ、と

貪り泣いたのは

大人の私


春にぬくまる街は

深いところで

重苦しく揺れて

あちこち震えた


あの日

壊れた部分は

壊れたまま

動いている














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