表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/38

boy friend

「ボーイフレンドとかいないの?」と、フェルディナントは

あっさりと。


「男の子とつきあったことない。女子高だったし、なんか怖いし」



それは事実で、サービスエリアで絡んできた連中と

似たようなもの、だと思っていた。



「僕には、ふつうに話せるのに」と、フェルディナントは

楽しげに。


「だって、あなたは紳士だし、それに...」ラジオの向こうだし、と言い掛けたところに


パーキングに、国産のバン、トヨタのボクシーだろうか、

黒いそれを、サングラスを掛けた女が運転して

乱暴に停車し、子供と亭主らしき連中、どやどやと

降りてきて。



木陰のいい場所に止まっていたワーゲンを、いかにも

邪魔そうに見、奇声を上げる子どもを叱りもせず

サングラス女はタバコをふかしはじめた。

高原のさわやかな空気は、タバコの臭いと

騒ぐ子供の声で台無しになった。


まだのんびりしたかったが、ワーゲンのエンジンを掛けて

出ることにした。



「だからイヤなのよ、家族連れって。自分さえよければいい、って最低」と、わたしはワーゲンのクラッチをつないでロードに出た。


「そうだね、ドイツにはあんなのはいないなぁ」と、フェルディナントは言う。


「そう?」意外、と思ってわたしは。



「うん。日本だけじゃないかなぁ。ドイツであんな事してたらすぐに警官がくるよ」


フェルディナントはさらりと。



わたしはおどろき「ホント?」



「本当さ、陸続きの国じゃみんなルールは守る、のが当然なんだ。そうしないと国、が守れない」と

毅然とフェルディナントは言う。


車を路上駐車してても、邪魔でないところなら違反にはならないが


日本のように、繁華街に止めたりすればすぐにレッカー移動、だそうだし


子供が国道に飛び出して轢死しても、運転手の罪にはならない、なんて事もあった、なんてフェルディナントは言った。



「ドイツって徹底してるのね」私は感心して。



「そうさ、日本もそうすればいいのに。なぜしないんだろう」



フェルディナントは不思議、と言う雰囲気で言った。


「規則が緩いし、いい加減なのよ、日本人って」

わたしは、諦めるように言った。



「こないだもね、原発が爆発して。放射能まみれになったのに管理者は責任も取らずに、退職金を6億円も貰って。その上、その会社を税金で生かし続けるとか」

と、わたしは、よくわからないニュース原稿を読んだ(笑)


「知ってる、ドイツ気象庁は放射能拡散予想もしたりして心配したし、原発は廃止する事にした」と、フェルディナントはまた、ニュースキャスターみたいな合いの手を(笑)



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ