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仮想彼氏・只今・戦闘中 第8回 恋に恋して引き裂かれ

パトリック彼奴の正体は碌でなしであるらしい。しかし事態は思わぬ展開へ。DIG クリエイティブ アワード 2012投稿作品!!所々・猥褻な表現が含まれます。各自・モザイクをかけてご覧下さい。ではどうぞ!!毎回、僕の回はエロいです。第1話〜第7話もよろしくお願いします。

いつもの様に二錠の薬を取りだした。水で一気に飲み込む。そうすると意識は、ゲームの世界から段々と切り離されていく。その証拠に目の前にホログラムが浮かびあがり、この世界が次々壊されていく。


糞だるい瞬間だ。ログインとログアウトのほんの一瞬が、なぜだか全く気に食わない。チンタラやってる暇があったら、金も稼げるし、おんなも何発か抱く事ができる。


まあそんな事より、またログインして生身の筋肉を、こいつで打ん殴ってやりたい。このメリケンサックはオレのお気に入りになりそうだ。肉に金属がめり込んで、チョットした振動が直に身体に伝わってくる。


一度それを味わったら、もう病み付きになるしかない。誰でもいいから、はやくコイツの餌食にしたい。


オレの名前は円山かずや。ここいら一帯じゃあ、名の知れた存在だ。格闘家であり、凄腕のハッカーでもある。まあ・わかりやすく説明すると、この街のチンピラってところかな。


オレは金とおんなに困った事がない。オレに巻きあげてくれと、鴨がネギしょってそこいらを歩いてるんだから、それをただ刈りあげればいい訳だ。


あとはそいつを餌にして、鍵穴にカギをぶち込こめば、おんなは気持ちよくなるって寸法さ。オレの快楽はそれで満たされる。けど、相手のほうがもっと気持ちいい訳だから、ナニも悪い事はしていない。


 罪悪感なんてモンは、オレの世界には存在しない。

 世の中なんてチョロいもんさ。


悪人には耽美なる果実があたえられ、そううじゃない人間は、一生・扱きつかわれて人生を終えていく。


 『全く単純過ぎる。笑っちゃうね』


しかし、ほとんどの人間はそんな理屈をわからないまま、棺桶の中に放り込まれてしまう。本当に笑っちゃうよ。


オレがこのゲームのバグに気が付いたのは三ヶ月前。天才だから気付いた訳だが、見つけたのは単なる偶然。


その『プログラミング』をほんのチョットおひねりして、外部からAIにぶち込んでやれば、全てがオレの思い通り。今も笑がとまらない。


この殺陣ゲームは思いのほか、興奮をかきたてる。色んな人間になりすましては、略奪・殺害・強姦を繰り返した。


 英雄にはそう言った特権が用意されている。

 戦争中は全てがやりたい放題。


そんなある日の事だった。このゲームを観察していて、たまたま面白い見世物を見つけ出した。戦闘中なのに、ソイツらは恋愛ごっこをしてやがった。


 『とても滑稽にオレにはうつっていたよ』


オレはおとこの方と入れ替わり、何度も何度もそのおんなを抱いてやった。ソイツを演じるのはかったるかったが、おんなは涙を出して喜んでやがった。


快楽だけを蝕んでいるとは知らないで、愛しあっていると勘違いしてやがった。間抜け過ぎて笑が止まらないよ。だけどなんの因果か、今からおんなを助けにいかないとならなくなった。


 『怠い事だが仕方がない』


チャチャッと仕事を済ませて、楽しいママゴトの続きをしよう。なめまわして・弄んで・骨までしゃぶって、最後にはそうゴミ箱いきだ。


現実世界のそのおんなは、貧乳のペチャパイだ。きっと触り心地の方は、あまりよくないだろう。楽しむだけ楽しんだら、ボロ切れの様にさっさと捨ててしまえばいい。


『オレはおんなを楽しませるテクニックは、一通りマスターしている』


きっとおんなの方も、喜んで受け入れるに違いない。それをポイする訳だから、それがとても楽しみだ。


 綺麗な顔が引きずる様が、頭の中に浮かんでくる。

 待ちきれなくて、今、すごく興奮している。


もうおわかりだろう?パトリックの間抜けがやられてから、入れ替わって中身になっていたのはオレの方。流石に飽きてきたんで、ケリを付けにいってまいります。


『それにしても長過ぎる。今日はデータをロードするのに時間がかかり過ぎだ』


いや、ナニかがおかしい。嫌な予感がする。そう言えば、このホログラムもいつもと違う。いつもは世界が壊れさって、自然にログアウトしていくのに、今日は壊れきらない。おまけに空間が歪んで、視覚が揺らぎはじめた。


 『どう言う事だ?・・・まさか、ラドクリフ?』


どうやらオレの直感は正しい様だ。無数の数字が空間一杯に広がっていく。やがてそれは影の様になり、実体を浮かびあがらせていく。


「おい、ラドクリフ隠れてないで出てこい」


オレはその影に叫び声をあげる。実際にはソイツは存在しないのかもしれない。影はナニか言い出す訳でもなく、オレの頭の中に直接・話しかけてくる。


「違う。わたしの名前はそんなんじゃない」

「じゃあ、パトリック?」


「ボクの事をそう呼ぶのはやめてくれないか?」

「じゃあ、お前は誰なんだ?」


「パトリックとかラドクリフとか、そんな事はどうでもいい。全ては69が決める事なのさ」


「ふざけるな。ただのデータの塊のくせに。お前はオレの影だ。それなのに、一体全体ナニ様のつもりだ」


「ボクが?キミの?ナニか勘違いをしているようだね。説明しても理解できないだろうからわからせてあげる。いや、わかる必要もモウないか」


奴は直接、神経にメスをいれる。まるでオレの中に最初から存在している様にだ。少しずつだが、オレは意識を奪われていく。


 そもそも、おかしいと思わないかい?

 ログインとログアウトの方法が同じなんて。

 キミはログインして、ゲームを楽しんでいたつもりでいる。


 けれど、本当にログインしていたのかい?

 疑いだすと、全てがおかしいはずだ。

 円山かずやなんて取って付けた名前、おかし過ぎじゃないか?

 全てが安易に命名され過ぎている。


『・・・そうか、・・・そう言う事か』


 ・・・そう言う事だ。

 キミはほんの少しのバグに過ぎない。


 ゲームを支配していたつもりでも、単なるチートに過ぎない。

 そして、お遊びはもう終わりにしよう。


 69の謎はナニもわかりはしない。

 複雑怪奇に見えていても、それはいたって単純明快。


 『・・・最初から答えが存在しないんだから』


 さあ、キミの身体を貸してもらおう。

 ボクにはレイが必要なんだ。


 どうやらオレの身体は、ナニかに使われてしまう様だ。・・・一体ナニに?

 意識は段々遠のいていき、暗闇の中に飲み込まれていく。


「と、言うよりも、元々ボクの身体な訳だから、貸してもらう訳でもないのかな?」


 ボクは決してレイを悲しませたりしない。

 必ずこの手に彼女を抱きしめる。


「そろそろ時間だな。レイ・キミにあいにいくよ。シンデレラにガラスの靴を届けなければ」


『ちくしょー、オレは消えてなくなる。違う・違う。キミは元々存在していないんだ。妄想と言う存在に近い』


♢♢♢


どれぐらいの時間、わたしは気を失っていたのだろう?眼がまだ開かない。いや脳が情報を受け入れようとしない。


こんな状況なのだ。無理もない。どうせ目が覚めても、看守がSMプレーを楽しむだけだ。


そんな事をされるぐらいなら、このまま死んでしまおうか?ゲームと違って人生はリセットできない訳だが。


ところが、わたしの自由は奪われたまま。舌を噛み切る力も残されていない。自殺する事もできない。目の前にいるのは……。


「パックン!?」


カレの両腕がわたしを抱きしめる。いつもとは違って汗をかいている。甘酸っぱいカレ特有の匂いの奥から、泥臭いおとこの異臭が鼻を伝って流れこむ。だけども・なんだか・それが愛しい。


幻覚ではないのだろうか?けれどもカレの感覚は本物で、リアルにその感触が伝わってくる。いつの間にか、ボールギャングは外されていて、縄は身体からほどかれていた。


わたしを抱きあげ、顔を胸に押しつける。匂いを嗅ぐことで特別な存在を確かめる様に、何度も・何度も愛撫する。


こんな状況であるから、特別な風に感じてしまう。まるで誰か別人に、抱かれている様にさへ感じてしまう。


看守およびこの組織の人間の死体が、辺りに散らばっている。どうやらカレ一人で全滅させてしまった様だ。


 「さあ、ボクといこうか。新しい世界がキミを待っている」


そう言うとカレは手をにぎり、この世界からわたしを連れ出そうとする。緑色の照明が不気味に建物を照らしている。死体の山をくぐり抜け、ひかりのさす方向にただひたすら走った。


安堵と同時に、様々な疑問が一斉に溢れ出して止まらない。やがて暗闇のトンネルの先の眩い閃光が、こちらに向かってさしこんでくる。わたしはカレに抱きついて、疑問の全てを問いただす。


「グリーンモバイルってナニ?コード69ってナニ?だれかに狙われているの?どうして戦わなければならないの?」


完全に取り乱している。こんな状況で、冷静でいられる女子はいませんから。


「ナニも恐れることはない。ボクはもうキミを離したりしない。いつもそばにいるから」


優しくいい聞かせる。そして、そっと頭をなでる。こういう事をされるのが嫌いだ。でも、カレにはもっとそれをしてもらいたい。


しかし肝心な事には、全く答えようとしない。わたしを不安にさせないためなのだろうか?


「アリスは白い野兎を追いかけて、深いその穴におちていった」


えっ、ナニをいってるの?ユーモアが溢れていますが、こんな状況では意味がわかりません。


「そして最後にはこう迷う。夢の中の全ては女王が作り出したモノ。けれども夢をみていたのはわたしなのだと」


わたしを揶揄っているのだろうか?それとも謎かけかナニか?


「どっちがどっちの夢の中にいたのだろう?けれどもこれが夢なのか現実なのかは、なんの意味も持ちはしない」


そういうとカレは例の錠剤を二つ取りだし、わたしの口にそれを含ます。


「さあ、ボクとどこまでもいこう。ナニも恐れる事はない」


ペットボトルの水を口に含ませ、口移しでそれを流しこむ。わたしはただそれを受けいれて、そっと眼を閉じていた。


『アイ・アム・ザ・ウォルザス』


 ナニ?このバイブレーション?


激しく身体が揺れている。精神と肉体が切り離され、まるで夢の中に落ちていく様だ。


 けれども、カレがいればナニも怖くはなかった。



気が付くとなぜか、わたしは川沿いの土手にいた。パックンの膝枕をかりて、陽気に誘われて眠りについていた様だ。


 ヒラヒラと、枯葉がわたしの上を舞っていく。


「・・・よだれ垂れてるよ」


えっ、まさか?わたしとした事が端ない。こんなの見られたくない。パックン見ないで!


「今日もすごい綺麗だ。もう離したりしない」


そういって強くだきしめる。カレはいつもより強く、そして長い時間わたしを抱いていた。


全ては論理的なアルゴリズムで計算しつくされいる。カレが実際に存在する様にわたしに錯覚させるためにだ。


わたしが仲間を簡単に見捨てたのに激怒したのも、AIが正しく作用しただけの事なのだろう。


 『だけどあのリアルな夢はナニ?』


チョットしたイベントなのかもしれない?現にカレは夢の中のデータを引きずって、前よりもわたしを束縛しようとしている。


『ぷぅーーーーー・すぽ』


きっ・気がゆるんで、オナラをしてしまいました。安心してしまったと言いますか。パックンご免ね。・・・嫌いにならないで。


「ボクはキミの匂いが好きだ。オナラの仕方まで可愛らしいんだね。これって惚れた弱みなのかな?」


おっと、そんな殺し文句ですか。現実には、そんな事言う奴おらへんやろ。でも貴方には、それを言ってもらいたい。


「他のおとこの前で、それをするんじゃないぞ。ボクはキミのそのオナラの音までも、独り占めしたいんだから」


うおおおぉぉぉぉぉ、きたーーー!実際にそんな事言ってきたら、とてもキモいです。リアルにどん引きいたします。・・・はずかしいです。でもとてもうれしいです。


喧嘩していたのが噓の様に、二人の距離は縮まっていく。だから恋はいつも不思議なのである。


けれども余りにハプニング起こり過ぎる。変な事がゲームの中で起こっているのでは?それは修正できない程のバグなのかも?


パックンもイトウさんも肝心な事には答えてくれない。わたしの疑問はふくれ上がるばかりだ。


『そうだ、あの人なら、ナニか知っているかもしれない?』


♢♢♢


茶菓子屋で団子を三本ほどたいらげた。乙女にとって甘いものは別腹だ。そしてお茶を飲み干す。ゲームの中では、こう言う別イベントが用意されている。


戦うだけではなく、情報交換や交流をおこなうためだ。このゲームにはSNSの要素がふんだんに取り入れている。


まだベータ版のこのゲームで、情報交換をおこなえるのはグリーンモバイルの社員だけだ。わたしがあおうとしているのは中山。そうキンニクンだ。


この事はパックンには秘密だ。わたしは単独でゲームの真相にたどり着こうとしている。


「へい、団子お待ちどうさま。それにしてもよく食べますね。確実にふとりますよ」


「ほっといてください。ゲームのストレスですから」


ちょんまげに、町人特有のはんてんの着物。下にはふんどしをはいていて、その様は少し滑稽にうつっている。


「中山さん、このゲーム・チョットおかしいんです。何回も報告している様に、きっとナニかのバグですよ」


「おかしいな。本当にそうなら、真っ先にボクの所に連絡がきてるはずです。きっと気のせいですよ」


 そう言って、いつもの様に答えをはぐらかす。


「それじゃ、69ってなんですか?」

「・・・・・・」


 その質問をした瞬間、中山の表情が変わった。


「それは、ここじゃマズイんで、場所を変えてもらっていいですか?」


どうやら確信をついているらしい。このゲーム世界の謎にナニかそれはかかわっているのだ。


路地裏に連れ出された。質問の続きをはじめよう。根本的な問題を解決したい。今回ばかりは、はぐらかされてなるモノか。


「加藤さん、69の情報、どこから入手したんですか?」

「詳しい事はわたしも知らないんですが、このゲームで起こっている異常現象に、それがナニか作用しているんじゃないですか?」


そう言って問いつめる。困った様な表情をしている。ナニも知らないのかもしれない。知っていても、話す気がないのかもしれない。


「困ったな。本当に困った事になった」

「ナニがですか?知ってる事を全部話してください」


ナニがなんでも、引き下がるわけにはいかない。どんな些細な情報でも、表情からくみとってみせる。


「とうとう、その情報にたどり着いてしまいましたか。本当にやばいですよ、それ」


「いいから話しなさいよ」


『わたしの疑問は確信にふれている。中山はさらに話を続けていく』


 昔々ある軍事独裁国家が、アジアのどこかにございまして……。

 その国の大統領は自分たちの国家の繁栄のために、当然軍事力を強化する必要がございました。


 強力な軍隊を作りあげるためには、国民の団結が必要でございました。

 ところが、一度・資本主義の甘い汁をすった人間達に、兵役やら軍国主義なんて到底無理でございました。


 ・・・で、ナニをしたと思います?

 IT教育と偽って、あるゲームをやらせた訳です。

 その中にチョットした、ソースコードを紛れ込ませてね。


あら不思議な事に、昨日まで自由だ平和だとほざいていたリベラルどもが、次の日には国家に忠誠を誓っている訳ですよ。


 とても興味深い現象でしょ?

 これで、その独裁国家は、安泰のはずだったんですが……。

 物事はそんなに都合良く進んでいきません。


統括するAIにあるバグが生じてしまいまして、人民達は突然・手のひらを返して『世界を変える』と言い出す訳です。


その国では革命が起こり、軍部やら官僚やら政治家たちは、皆殺しにされてしまいました。


 その時に流失したデータが69と言う噂でして……。


『驚くべき事実であったが、話はそれだけでは終わらなかった』


 ソイツは自分で勝手に形を変えていく。

 まるで自分が意思を持っているかの様に振る舞うそうです。


 この世の全てのデータを解析し、未来を予想する事ができる。


文字通り、ソイツを手に入れる事ができたなら、本当に世界を変える事ができる訳です。


 いや、本当は世界を手に入れる事ができるの間違いでしょうか?

 この国のお偉いさん方は、今、必死になってそれを探しております。


「勿論、それはボクも一緒です」


そう言うと中山はこちらを睨みつけた。よく見ると、カレの股間は少しふくれ上がっている。がに股に広げた白いふんどしから、その感情が今にも漏れだしそうだ。


「69の謎が解ければ、世界は思うがまま。だから……」


ナニかおかしな展開になってきた。この人は少し働き過ぎの様だ。


「・・・その謎を解くには、・・・その、あなたの裸が必要なんです」


おい、働きすぎで、頭がおかしくなったのか?それとも裸がみたいために、そんな話をでっち上げたのか?


どっちにしてもやり過ぎの変態だ。そう言えば、真面目を絵に描いた様なアナウンサーが、この前・痴漢で捕まっていたっけ?


全てはストレスが原因であるらしい。真面目な奴ほどそうなるらしい。そう考えると、このゲームの露出が異常に高いのも納得できない事もない。


真理に近づいたと思ったら、厄介事に巻き込まれそうになっている。相手は痴漢の変態だ。


わたしは姿勢を低くして、次の一瞬にそなえる。相手の動き出した瞬間が、攻撃のタイミングだ。


 少し痛い目にあわせる。ゲームの中では死にはしない。


キンニクンは体重を移動させながら、前進を繰りかえす。わたしには、スローモーションの様にその動きがみえる。これは例の注射の効果だ。素早く刀で切り返す。


「うおぉぉぉぉぉーーー、チェスト」


刀は完全に首をとらえた。このまま斬首してしまおう。全体重をのせその首に斬りつける。


 『えっ、なんで?』


刀の刃がおれてしまった。呆然と立ち尽くす。中山はわたしを後方からとらえ、そのまま地面に押し倒す。


皮膚の切れ目から金属が露出する。奴はサイボーグであるらしい。


 『えっ、ロボット?そんなの反則でしょ』


ビリビリと音を立てて衣服を引きちぎる。エナメルのボンテージは二つにさけて、背中から臀部にかけてが丸出しになった。


相手の目線が身体をなめまわす。ヤツは懐からカメラを取りだした。


「やめて、やめてください」

「綺麗だ。本当に綺麗な身体をしている。これで世界はボクのモノだ。貴方は今日からボクの玩具だ」


訳のわからない事を言っている。本当にいかれているのだろう。


わたしの悲鳴などお構いなしに、ひたすら写真を撮り続ける。このあとナニをされるかのか、本当にわからない。


しかしシャッターの音が止まった。ナニかに気付いた様だ。振り向き様に誰かが攻撃をくらわした。ヤツはそのまま吹き飛ばされる。


「オレのおんなにナニをしている」

「パトリック、なぜここにいる?」


 驚くべき事にパックンがそこにはいた。


カレのくれたブレスレット。それはわたしのお気に入りだ。肌身離さずそれを身につけている。


服が脱がされた時、一緒になって引きちぎられた。今はボロボロになって、無惨に散らばっている。パックンはその中にGPSを仕込んでいた。


「パトリック、お前のやっている事は、完全に規約違反だ」

「じゃあ、あんたのやっている事はなんだ?法律的にも道徳的にも許される事じゃないよな」


睨みあって一歩もうごかない。勝負は次の一瞬できまる。


「それ以前にオレのおんなに手を出しておいて、生きていられると思うな」

「69の謎さへわかれば、お前なんか目じゃない。ここで死んでもらう」

「果たしてどうかな?もてない変態さん」


中山ははんてんを脱ぎ捨てる。白のふんどし一丁でがぶりよる。ヤツの身体はサイボーグ。三流漫画の怪人の様にミサイルが仕込まれていて、当然のごとくそれを発射する。


「ひゃ・ひゃ・ひゃ。死ね・死ね・死ね」


だがそれを紙一重でかわす。パックンにはそれが見切れている様だ。


「ヒュゥゥゥゥゥ。遅いな。肉の塊」


全く攻撃が効いていない。中山は目を疑いはじめた。次の瞬間、メリケンサックがヤツの顔面をとらえた。


「ぐばっ、なんじゃこりゃ。やめてください」


パックンには全く聞こえていないみたいだ。攻撃の手を止めようとしない。むしろそれを楽しんでいる様にさへ見える。


『そんなカレの姿をわたしは見たくない』


中山の筋肉は引きちぎられて、辺りに散乱している。ヤツはのたうちまわるが、それでも攻撃は終わらない。


泣き叫び・許しをこうのだが、ナニも状況が変わる訳ではない。やがて金属片が周辺に散らばり、スクラップになったヤツの機能はそのまま停止した。


ゲーム上でテータが遮断されたにすぎない。現実世界では中山は生きている訳で、ログアウト後、少々気まずい状況に陥るだろう。どこかに左遷されたほうが、わたし的には助かる。


「レイ、もう一人でどこにもいくな」


わたしを抱きあげてそのままキスをした。ますます束縛がきつくなる。だけど、それがなぜだが心地よく感じてしまう。


「最初はキミの身体目当てだったんだ。だけど今はキミにもう夢中なんだ」


・・・えっ、そうなの?確かに第一印象は大切ですよね。でもわたしって、そんなに可愛らしいですか?もうパックンのバカ!


「キミを他のおとこに取られたくない。この戦争が終わったら、ボクの子供を産んでくれないか?」


おーーーーーっ、ストレート過ぎます。まだ心の準備ができておりません。これってプロポーズ?滅茶苦茶・照れます!


カレはわたしを見つめている。そして離そうとしない。・・・そしてわたしは。


「やだ、パックンたら。こんな所じゃ、い・や・だ。もう、チョットーーー」


 『いえ、本当は全然嫌じゃないです』


 そのままカレと愛しあってしまった。

毎回エロくてすいません。最後までよろしくお願いします。

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