Episode 04 ~Sister~
「意外に近いもんだよな。歩くのが速かったのか?」
僕は何かに導かれるようにその建物
─教会
に入った。
僕はまず、その荘厳な雰囲気にのまれた。
やわらかな色、ミルク色に彩られ、ガラス窓からは光が差し込んでいた。
「あれ?入ったらすぐ礼拝堂みたいなとこに出るものとばかり思ったんだけど…案外違うもんなんだ、へぇ。」
聖堂にはシスターさんがちらほらいて、僕に気付くと微笑んでくれたり、お辞儀をしてくれた人もいた。
それに合わせ、慌てて僕もお辞儀をする。
場違いだと今更気付いた。自然を装い、まわれ右をしようと後ろを振り向きかけたそのとき…
「あ、あの…お時間がありましたら、ぜひ礼拝をしていってください。」
近くにいたシスターさんが、小さいけど耳に届く不思議な声で僕に礼拝をすすめてくれた。
顔が真っ赤なところをみると、よほど勇気を出して声をかけてくれたのかもしれない。
「あ、でも僕、場違いなんじゃ…。」
「い、いえ!! とんでもないです!」
シスターさんは自分の声に“はっ!”とし、さらに真っ赤になった顔で、周りに小声ですみません、すみません、と謝っていた。
もちろん僕にも謝ってくれた。