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Episode 03 ～cross～

電車が止まった。どうやら駅に着いたらしい。

電車を降り、人気のない駅を出る。

周りを見る。

商店街はシャッターだらけだったが、買い物袋を提げたおばあちゃんが歩いていたり、小さな男の子と女の子が喋りながらどこかへ駆けていったりしていた。

いくら人気がないといっても、やっぱり人はいる。

「静かだな、ここ…。」

どうせ目的地もない、僕はただ歩いた。

五分くらい歩いただろうか、商店街をぬけると海が見える少しだけ開けた道路に出た。

空との境目の見えない、真っ青な海。

時おりふく風は潮のにおいがして、

「ほんと、どこまで続いてるんだろうな…。」

左から右へゆっくりと首を巡らす…

あるものが目に止まる。

「ん?……なんだあれ?十字架、だよな。」

興味本位な意思は僕の足に伝わったようで、自然と十字架を目指して歩き出していた。