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Episode 02 ~Tra in~
家を出て、駅に向かう。僕の家から駅までは五分歩けば着くような好立地だ。
特に当てもないけれど、切符を買いホームに出る。
ホームにいる人は疎らで、いつもと変わらない。
どこからか聞こえてくる女子高生の笑い声、隣に立っている電車を待つ小さい子供とそのお母さん、目の前を歩いてゆくスーツをきっちり着たおじさん……。なにも変わらない。
しばらくして、電車がきた。僕の乗った車両は僕を含めた三人だけでひどく殺風景に見えて、こんなにも車両は広かったのかと思うほどだった。
席は遠慮することなく座り、目の前で流れてゆく風景をぼーっと見る。
「どこに行こう…。」
手持ちのお金は少ない。
今回は……いや、毎回僕の行動は行き当たりばったりだ。
「計画性がないんだよな、計画性が。」
そんなことを考えていたら海が見えてきた。
太陽の光を反射して車両の中まで照らす。
「次の駅で降りようかな。」
ブルル、ブルル、ブルルル…
携帯が震えた。
メールか電話か、どちらにしろ珍しいこともあるもんだ。
携帯を手にとり、ディスプレイを確認。
…サイトのメールかよ!!