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【創作小説】アプリ「書く習慣」2023/11/20お題より『宝物』

作者: 涼しい秋風

高校三年の夏、隣のクラスの男子生徒に好きだと告げられた。

一年だけ同じクラスになった事があるものの数回話した事がある程度で、とても仲が良い訳ではなかった。しかし、そうではなかった様だ。

「実は、小学校の高学年と、中学の書道教室が一緒だった。」

私は驚いた。まさかそんなに接点があったとは。

「だったらどうして話しかけてくれなかったのだ。」

「微妙に接点が…無かったんだ。小学生の時は一度も同じクラスにならなかったし、書道の教室は時間がすれ違っていた。話しかけても気不味いだろう。」

…確かにそうかもしれない。

「しかし、だからと言ってこのタイミングで突然告白をされても、此方も困るのだが…。もう直ぐ受験だし。」

「そう、そうなんだ、それは自分でも分かっている。大学生になったら住む場所も人間関係も変わるだろう。だから断ってもらって構わない。」

「そんな…。」

気持ちの整理がつかない、ぐるぐるした感情と共に頭の中が真っ白になる。

どうしたら良かったんだろう。せめて時間が戻せたら良いのに。

「もっと早く接点を作っていれば世界は違ったんだろうか。」

相手が悲しそうにそう言う。

「それは、私もそう思う。早く言ってくれれば良かったのに、と。でも一つ変わらない事としては、君が私の事を好きだという事だろう。」

相手も私も見つめ合う。

「君から貰った気持ちは大切にする。」

「…そうだな、この気持ちに変わりは無い。心の中に保管しておいてくれ、そして、この事は恥ずかしいから誰にも言わないでくれ。」

「約束しよう。」

私は彼から貰った大切な言葉と気持ちを、宝物の様に大切に閉まった。

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