婚約破棄のエピローグ
サブタイトルが"婚約破棄のエピローグ"、後書きが完結っぽい感じですが、ピンクの令嬢ポアラとコーネリアの話をはさんで、ミリアムの恋愛編に続きます。
引き続き楽しんでいただけたら嬉しいです。
よろしくお願いします^_^
あの笑撃の婚約破棄からひと月が経った。
不思議な事にアルトバルトに続いて、エランシオとお母上様も病に倒れたらしい。
どうやら王城で局所的に病が流行っているようだ。
( ※これから数年後、ミリアムの予想が大当たりする。3人共ひっそりとみんなが存在を忘れた頃に死んだことにされる予定……)
三人はどこか隣国に病の療養に行くことになり、アルトバルトは王太子を返上する事になったそうだ。
新しい王太子はもちろんエランシオではなく、国王の養子に入った王弟殿下の御子息ドルリチェ・ソルリディアがなる事に決まった。
そう、あの日王城でコーネリアをエスコートしていた泣きぼくろのセクシーなお兄さんだ。
新しい王太子の告示と共に、コーネリアとの婚約も発表された。
コーネリアの婚約破棄は、私と違って婚約破棄の書類を交わした訳ではないので無事無かったことにされたみたいだ。
良かった。
私は婚約破棄でハイテンションになったところに、笑撃を受け ( 笑い ) 死にかけたせいか、卒業パーティーの次の日から3日ほど熱が出て寝込んだ。
心配したお父さまとお母さまは熱が下がっても領地に帰らず残ってくれたが、領地から矢のような仕事の催促が来て私を気にしつつ領地に戻って行った。
リクトは2年生の学園生活も始まり寮に戻ったものの、私を心配して休みの日にはタウンハウスに帰ってきてくれている。
私は心配したルルにお世話してもらって、のんびり食っちゃ寝して過ごしていた。
が、そろそろひと月だ……今後の自分を考えなくてはいけない。
エランシオと結婚するよりは確実に良いが、貴族令嬢として婚約破棄は大きな傷だ。
多分、私が結婚できるとしたら、貴族との結婚で箔をつけたい商人か、年寄りの後妻といったとこだろうか……。
どちらも幸せになれる気がしない。
…………無理に結婚する必要があるのだろうか?
いや、ない!
やはりおひとり様で、領地で好きな事をして悠々自適に過ごすのが一番幸せそうだ。
リクトもそのうち可愛らしいお嫁さんを迎えるだろうから、小姑ミリーさんは本邸からちょっとだけ離れたあたりに家を建てよう。
そうだ、リクトの子どもとか孫が家に来た時に遊べるよう庭が必要だ。
ブランコもあるといいかも。
リクトの子どもも孫も絶対かわいいに違いない。
それからいっぱい黄色い花を植えよう。
メイドはリクトの本邸から通いで来てもらう事にして、素敵なおひとり様ライフだ。
あ、あと気楽にぶらりと旅行もしたい。
美味しいショコラ店巡りとかもしたい。
そのために必要なのは……お金だ!そうだ、働こう!
幸い公爵夫人になる予定だったから、礼儀作法と知識はバッチリだ。
家庭教師でも侍女でも何でもつぶしがきく。
お給金が良いのは王城の女官だが、侯爵以上の紹介状がないと難しいらしいから傷ありツテなしの私には無理そうだ。
ちょっと地方の羽振りの良い貴族家の家庭教師あたりが良いだろうか。
で、お金が貯まったら領地に帰って、あとはのんびり余生を過ごすのだ。
いい、すごくいい!
な〜んて幸せなおひとり様ライフを夢見ていたのだが……。
「愛しいミリアム・ハウネスト嬢、私と結婚しましょう」
「はい、喜んで」
私は心を込めて、扇子をゆっくり両手で開き胸に抱いた。
"あなたを愛しています"
それはちょっとだけ未来のお話…………。
さあ、運命の扉がいま開く!
1つの区切りとしてお礼を言わせてください(^^)
"いいね"をつけてくださった方、面白かったよと声を掛けていただけたようでとても嬉しかったです。
ありがとうございました。
ブックマークをつけてくださった方、がんばってと背中を押していただいたような気がしました。
ありがとうございました。
評価をくださった方、がんばってるねとポンと肩をたたいていただいたような気持ちになりました。
ありがとうございました。
ご感想をくださった方、出した手紙のお返事をもらえたような気分で、ウキウキご感想を読ませていただきました。
ありがとうございました。
私の作品に気づき、読んでくださって本当に感謝です。
ありがとうございます。
これでこの作品が終わりのような後書きになりましたが、まだ続きますので、どうぞこれからもよろしくお願いいたします。





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