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別の世界ではただの日常です

知ったかぶり

作者: 茅野榛人

 今日は私が実際に体験した事を話しましょう。

 あれは、私がとあるアプリケーションでボイスチャットをしていた時に起きました。

 最初はとあるオンラインゲーム目的でボイスチャットに入り、私を含めた五人で二時間程ボイスチャットをしながら私の好きなとあるオンラインゲームを遊んでいました。

 しかし、そのオンラインゲームに、皆が飽きてきた為、次に何をしようかと、皆悩みました。

 十秒位の沈黙の後、一人が口を開きました。

「グロウスやる?」

「やるか!」

「よし、やろう」

「グロウスか、久々にやってみるか」

 『グロウス』とは、『グロウスアイランド』の略です。

 ここのボイスチャットで何度かグロウスと言う言葉を聞き、検索エンジンで調べ、グロウスが略称である事そして、グロウスアイランドが、大流行しているサードパーソン・シューティングゲームである事を知りました。

 しかし私は、これ以上脳内にゲームの知識を詰め込むと、好きなゲームの知識を忘れてしまいそうだと思い、グロウスアイランドには触れて来ませんでした。

 ですが、場の流れは完全にグロウスアイランドを遊ぶ方向になっていました。

 疎外感に苛まれ、喋れなくなってしまい、テンションもどんどん落ちて行ってしまいました。

 ここで私は、ボイスチャットを出ようとしたのですが、ただ出るだけではつまらないと思い、嫌がらせとも言えるある事をしたのです。

「グロウス? 良いね! 最近あれじゃん! あの何だっけ……新しい武器登場したんだよね!」

 そう、知ったかぶりです。

 暫く続けて、話が噛み合わなくなってきた所で、知ったかぶりをしていた事をバラして、皆をからかってやろうと思ったのです。

「おう、そうだよ! 良く知ってんね?」

「お? グロウス始めたのか?」

「一人増えたな、グロウスやってる人が」

「その武器……名前何だったっけ? グロウス何たらとかじゃなかったっけ?」

 ここから少しずつ、話を噛み合わなくさせるつもりでした。

「グロウスレーザーガンだよ」

「……あー! そうそうそれそれ」

 思わぬ偶然だと思いました。

「確か、あれだよね、あの、相手に当てても一回だけ貫通するから一回で二人倒す事出来るんだよね確か」

 確実にここで皆から怪しまれると思いました。

「そうそうそうそう! 今までの武器では出来なかった一回で二人が出来るようになったんだよ!」

「でも正直言ってさ、激ムズだよね」

 またしても思わぬ偶然だと思いました。

 しかしあれだけ具体的に言って全てが的中すると言うのは奇跡だとも思いました。

 今度こそ、話をずらそうとしました。

「あ、でもその、グロウスレーザーガン? ファイブグロウスってマップの西側にあるグロウスマウンテンで使いやすそうじゃない?」

「グロウスマウンテン?」

 ようやく話がずらせたと思いました。

「知らない? ファイブグロウスの西側に山あるじゃん、あれだって」

「あーあれか! あれグロウスマウンテンって言うんだ!」

 もうこれは流石に皆が私の知ったかぶりを利用しているとしか思えなかったので、ここでバラす事にしました。

「もう大丈夫よ皆、私の知ったかぶりに付き合わせちゃってごめんね」

「え? 何? どゆこと?」

「知ったかぶり?」

「いや、その、グロウスアイランドの事全部」

「何言ってんの、別に知ったかぶりじゃないでしょ、だって、全部正確だったもん」

「え?」

 後に調べてみたら、私が適当に言っていた内容と、実際の正確な内容が全て一致している事が判明したのです。

 私には、とても偶然とは思えません。


 って感じでしたよね? 茅野榛人の『知ったかぶり』って言う小説の内容って。

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