仲良くなりたい -2-
「じゃあ予定が終わったら戻ってくるね。すぐ終わると思うから」
用事というのは、フェンデルさんにアシュテルゼン王との面会を仲介してもらえないかと聞きに行くという内容。早ければ数分で済む。
それはいいとして、今日は驚くことばかりだ。
お淑やかで真面目な性格だと思っていたから、ここまで積極的で好意を表に出すとは。もちろん好意があることを僕に知られているというのもあるだろうけど、それにしてもすごい。
「でも、その……一緒のベッドで寝たりだとか、一緒にお風呂入ったりだとか、そういうのはまだ恥ずかしくて……あ、明後日くらいには大丈夫、だから」
「…………ん?」
「め、面倒臭くてごめんなさい! な、何もかも初めてで慣れてなくて……」
待て待て。何か勘違いされているような。
「その……皆さんと同じようにはできないと思う、から……ごめんなさい」
「待って。誤解してるかもしれないから一応伝えておきたいんだけど」
おそらくユザミは僕がセシア達と普段からベッドで一緒に寝たり、お風呂に入ったりしてると思っている。いや、ベッドで一緒に寝たりはあったけど普段からではない。それは重要だ。
明後日くらいには、と言ってるあたり、そうしなきゃという気持ちがあるのだろう。僕としては健全を大前提にしていたから変な誤解は避けたい。
「他の皆と普段から一緒にベッドで寝たりとか、お風呂に入ったりとかしてないよ」
きょとん、と呆気に取られた表情をするユザミ。やっぱりそれが普通だと思っていたみたいだ。
「その……どこまで進んでるの?」
「ど、どこまで……っ!? ぼ、僕から触れるようなことは一切してないから!」
思わず先を想像してしまって慌てながらも否定する。
「そう、なんだ……ご、ごめんなさい」
額の上に手を置き、俯いて顔を隠している。
一緒のベッドで寝ることや一緒にお風呂に入るのは恥ずかしい、というのはまだいいが、明後日には大丈夫だからというのは了承しているという意味で。
挙句に言葉の文脈的に就寝や風呂以外のことも含まれていた。それはつまり、それ以上も大丈夫にするということ。
これは、さすがに、気まずい。
「じ、十時の予定、ちょっと早いけど行ってこようかな! すぐ戻ってくるから!」
「わ、分かった! いってらっしゃい!」
お互い早口。僕は足早に部屋を出て、フェンデルさんの元へ向かった。




