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魔法研究機関レグロノヴァ


「やあやあ、ようこそ世界一の魔法研究機関レグロノヴァへ! 君のことを待っていたよ!」


 部屋中の本棚を埋め尽くす一室に陽気な声で白衣の男性が入ってくる。


 僕達は魔法国家マギアに転移テレポートした後、希少スキルのことを聞くために魔法研究機関レグロノヴァに来ていた。


「君がリト・アーネル君だね。初めまして、僕はロマニ・コンツェルシ。魔法研究機関レグロノヴァの所長です、よろしくね」


 手を差し伸べてくるロマニと名乗った男性と握手すると、その手をべちんと叩いたリンが僕の隣に座った。


「で、スキルについて何か分かったの?」


 ちなみに他の三人はソファの後ろに立っている。彼女達も研究結果に興味があるみたいだ。


「全然。何よりサンプルがないからね」


 サンプル。それは希少スキルが発現した人のことだろう。


「情報を集めてみてもパッとしないものばかり、玉石混合さ。スキル持ちを魔法解剖できたりしたら話は変わるんだけどね」


 チラッと僕を見るロマニさん。


「でもね、リト君。そんなことをしたら魔法国家マギアが滅んでしまうんだ。わかるね?」

「わかります」


 僕の隣と後ろからとんでもない殺気を向けられたロマニさんが冷や汗をかいて同意を求めてくる。


 分かってるなら言わなければいいのに。


「まぁでも気になる情報はあるよ」


「ほ、本当ですか!?」


 それはとても嬉しい。国や街をまわって情報を集めるより、魔法国家マギアに入る情報の方が信憑性しんぴょうせいがある。


「それはスキルの解除方法についてですか?」


 イルフが聞く。


「いや、ちまたで有名な誰々さんがスキル持ちかもって話だよ」


「なら必要だ」


 スキルの解除についてじゃないのは残念だ。


 セシアがスキルが発現した人がいるという情報に食いついた理由はわからない。


「ちなみに何の情報ならいらないんだい?」


「スキルの解除方法ならいらない」

「めちゃくちゃいります。騙されないようにお願いします」


 唐突な僕の旅の目的を否定するミーシャ。僕はすかさず訂正する。


 なんてことを言うんだ。これは皆にとって大切なことなのに。


「はは、どうやらリト君と女性陣の間に違う考え方があるんだね」


「僕はスキルを解除して皆に自由になってほしいんです。このスキルで多くの人に、そして彼女達に迷惑をかけてしまっているから」


 皆に言い聞かせるように言うと、マロニさんは驚いた後に小さく微笑んだ。



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