表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

18/124

これからのこと


 これからの動きについて話そうとした瞬間、ノックが鳴った。


「私が出るわ」


 相手が女性だった場合を考えて僕は出ることができない。リンが名乗り出てくれて、扉へと向かっていった。


「何の用だろうか」


「総支配人の挨拶などでは?」


 部屋の扉までは細い廊下を通るので声は聞こえない。


 するとリンはすぐ戻ってきた。


「使用人の挨拶だったわ。なんか綺麗な人だったけど……誰とも目線合わせてないわよね?」


「うん、合わせてない」


 使用人の挨拶、というのもちょっとおかしい気がするけどとても礼儀正しい人なのかもしれない。


 とりあえず僕が出なくてよかった。


「これからどうするかを話し合おう」


 セシアの一言で僕達は切り替える。


 なんせ相手は大量猟奇殺人鬼。もしかしたらスキル持ちだし、スキルの内容によっては最強と呼ばれている彼女達でも危ない。


「とりあえず私達はこれからブリテンの王様に謁見えっけんしに行かないといけないわ」


 それを聞いたのは初めてのはずなのに発言者のリン以外は頷いていた。


 いつの間に話していたんだろう。特にセシアは寝泊まり当番だったからずっと一緒にいたはずなのにな。


「基本的に国に入ったらお偉いサマから挨拶があるのよ。謁見っていうより来てくれませんかって感じね」


「はは……なるほどね」


 人智帝国ブリテンは決して小さい国ではない。中規模の国だけど人口は数千万いるだろうし、領地に入ってすぐの街の景色からも栄えていた。


 そんな国の王様が来てくださいって。すごいのは知っていたけど久しぶりに実感した。


「今日は謁見がありますし、明日の夜から行動にしませんか? 猟奇殺人鬼ですし、どうせ夜に事件を起こすでしょうから」


「基本は夜に犯行が起きていると聞いたことがある」


 明日の夜から動くならとりあえず謁見に行こう、という話にまとまり、皆が準備を始める。


 ということは僕は宿で待機か。


 皆がそれぞれ荷物から正式な服装を脱衣所に持っていく。


 と見せかけてその場で着替え始めたミーシャを察知した僕はすぐに視界から外した。


「さて、それじゃ行ってくるわね」


「リト、夕方には戻る」


「早く終わらせたいですね」


「帰りに食べ歩き」


 それぞれ一言残して部屋を後にする。


 帰ってくるのは夕方、か。


「ふわぁ~……ちょっと寝ようかな」


 特にやることもないし、夕方となると今から五時間後ほど。寝るには十分な時間だ。


 僕はベッドに寝転がり、眠ることにした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ