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愛は泡沫  作者: karon
愛亜 突っ込みの章
16/28

勘違いの始まり

 お嬢様の様子がおかしいのはすぐに分かった。

 しかし、あの佶家の息子に懸想しているとは思わなかった。確かにお嬢様は箱入りだ。目にする男は親兄弟と使用人ばかり、極力間違いが起きないように男を近づけなかった。

 そして、縁談もかなり来ていたのだが、数が多すぎて絞り切れなかったのだ。

 あの男はもうすぐいなくなる。奇跡的に国の戦乱が収まったのだ。

 かなり泥沼の戦乱で、おそらく国が亡ぶと言われていたのだけど。

 あたしとしてもこの状況はまずいと思う。旦那様にそっと知らせてみた。

 旦那様はあたしの話を聞いて少し驚いたようだが、向こうから言い寄ったわけではなくたまたま見かけたお嬢様が熱を上げているだけなので、こちらはどうしようもない。

 お嬢様が熱を上げているなら覚ませばいい。

 あたしはあの連中の世話をしている使用人に話をしてみた。

 情報第一だ。

 そしていいことを聞いた。あの男には女がいたらしい。その女は国に置き去りにしてきたのだとか。

 付き合っていた女を見捨てて自分だけ逃げた。この情報を聞けばお嬢様だって目が覚めるだろう。

 そう思って教えてみたが、何やら悩んでいるらしい。

 そうこうしているうちにあの男は帰っていった。本当にせいせいする。

 そして旦那様がちょっと断りにくい筋の縁談をお嬢様に言うこととなった。

 いろいろと取引のある相手で、そして家の程度も同じくらい。多分お嬢様にはいい縁談だ。お嬢様は国元を離れることが不安だという。

 無理もない、お嬢様は国どころかこの街ですらまともに出たことがないのだ。

 もう少し外部のことを学ばせてもよかったのではないだろうか。

 あたしが教えるにしてもちょっと荷が重いのだ。それに仕事と勉強もあるし。

 とにかく、その縁談を何とか旦那様にまとめてほしいと思っていた。

 ところがとんでもないことが起きた。あの佶家の奴がお嬢様を嫁に欲しいと言い出したのだ。

 そんなことをこちらにいたときは一度も言ったことがないのに。

 旦那様はお嬢様の気持ちを考えてその話をしてしまった。

 旦那様に相談してしまったのは失敗だったとあたしは臍をかんだ。

 旦那様がお嬢様に甘いのはよくわかっていたのに。

 お嬢様はその日のうちに縁談を決めてしまった。

 そして、あたしは旦那様からとんでもないお話をいただいてしまった。

 閃という国はとんでもない奇跡が起きたのだという。

 それはまるでおとぎ話、先々代からかの国の皇帝はとんでもない無能だった。ところがものすごく優秀な皇子が現れ、帝位についてそれからどんどん国が復興していったという。

 そうなると閃の国と商売上の取引を、ほかの商人がまだ閃に近づかないうちに。

 つまり旦那様はお嬢様の恋よりも販路を広げるほうを有力視しているらしい。

 それならそれでいいが、それでお嬢様を嫁がせるのはそれでいいのかと思う。

 そして、私が言われたとんでもない発言。

「もし美鈿に子供ができなかったらお前が妾になって子供を産め」

 言われてしばらく頭が回らなかったわ。

「女は嫁に行って横のつながりを造るのが仕事だ、それには子供を産むこと、そのためにお前をつけてやるんだ」

 嫌すぎる。


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